実は単に相手にされていなかっただけの関係を、
勝手にうるわしい「失恋」劇に仕立てて、ひと夏を
うだうだと過ごす話。ヒマなのでキャンプに行ったり、
外食したりのくり返し。
人間の醜さ、関係の残酷さに対して「臭いモノにはフタ」という
姿勢の筆者。そんなに簡単に癒しあったり理解しちゃったり
していいんですかね。
正直言って、恋愛を語る容姿の作者じゃないし、
男関係でもっと具体的にみじめな思いしたんじゃないかという
気がするんだけど。むしろそういう話を書けたら、
この人を評価したいと思いますね。
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生まれる森 単行本 – 2004/1/29
島本 理生
(著)
最年少野間文芸新人賞作家の新作恋愛小説!芥川賞候補となった前作『リトル・バイ・リトル』により野間文芸新人賞を20歳で受賞、注目を集める新鋭が深い恋の傷からのゆるやかな回復を描く待望の恋愛小説
- 本の長さ168ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/1/29
- ISBN-104062122065
- ISBN-13978-4062122061
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商品の説明
商品説明
デビュー作『シルエット』で17歳の等身大の恋の痛みを描いた島本理生が贈る、傷ついた女性の静かな再生の物語。恋を失った主人公と友人たちとの交流、そして少女から大人へと脱皮していく心の成長を繊細な筆致でつづる。デビュー作から受け継がれた、著者のやさしい目線と細やかな感性が光る1作である。
恋人に別れを告げられた痛手から、自棄になっていた主人公の「わたし」。友だちの部屋を借り、期間限定の独り暮らしを始めたが、いつまでも失恋の記憶は拭えないままだった。そんな主人公に新たな風を送ってくれたのは、高校時代の同級生キクちゃんと、キクちゃんの家族だった。ガテン系の父、中学生の弟、そして主人公の悲しみを知ったうえでそれを受け止めてくれる兄の雪生。本当の家族のように親しくしてくれる一家に見守られ、終わった恋を整理しながら、次第に主人公は癒されていく。
堕ちていくだけだとわかっていても深みにはまってしまう恋を「森」にたとえ、著者はその鬱蒼とした「森」と、陽気な友人一家の様子を対比させて描く。また、無骨な実父や、友人に付きまとっている元恋人の青年、アルバイト先の人々などの存在も生き生きと描写されており、重くなりがちなテーマを扱った本書に、ユーモラスな味を添えている。些細なエピソードを積み重ねることによって、10代の女性の日常と、ふとした瞬間の感情の揺れをうまく描き出した作品となっている。(砂塚洋美)
内容(「MARC」データベースより)
今度あの人に触れたら、きっとわたしは死んでしまう…。初めて知った恋の深い痛みとゆるやかな新生を描く20歳の恋愛小説。『群像』掲載を単行本化。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/1/29)
- 発売日 : 2004/1/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 168ページ
- ISBN-10 : 4062122065
- ISBN-13 : 978-4062122061
- Amazon 売れ筋ランキング: - 990,304位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 22,542位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年6月1日に日本でレビュー済み
淡々と読めました。しかし何が言いたいのかよく解らない。
それがいいのでしょうか?
読み終えて、「う~ん、何だったんだろう」というのが素直な感想。
だけど悪くなかった。
この作者さんは初めて読んだのだが、他の作品も読んでみたいと思った。
それがいいのでしょうか?
読み終えて、「う~ん、何だったんだろう」というのが素直な感想。
だけど悪くなかった。
この作者さんは初めて読んだのだが、他の作品も読んでみたいと思った。
2008年8月6日に日本でレビュー済み
早熟な女性作家らしい、感性一本勝負の小説である。
ストーリー構成や身体感覚よりも、
主人公の感情的な揺らぎが重視されている。
物語の契機となった「出来事」については、
肉感的なものだけれども
頑なに精神的なピュアさを希求する点に
物足りなさと/潔さと、感想が相半ばするだろう。
テーマにも繋がる部分が、ややあからさまの気もするが
それは判りやすい、若さゆえの直線的魅力かもしれない。
ストーリー構成や身体感覚よりも、
主人公の感情的な揺らぎが重視されている。
物語の契機となった「出来事」については、
肉感的なものだけれども
頑なに精神的なピュアさを希求する点に
物足りなさと/潔さと、感想が相半ばするだろう。
テーマにも繋がる部分が、ややあからさまの気もするが
それは判りやすい、若さゆえの直線的魅力かもしれない。
2011年2月15日に日本でレビュー済み
「死にたくなったら、どんな時間でも駆けつけて止めるから。見捨てたりしないから。愚痴でもなんでも好きに喋ってかまわない。
それでも抜け出せないほど絶望が深かったら、そのときは僕を殺してから死んでくれ」
単行本と同じくミヒャエル・ゾーヴァの絵が表紙が、タイトルにぴったり!!
高校生から大学生になる時期に、いびつな恋を経験して心が壊れかかってしまった“わたし”
この主人公が、高校時代の友人キクちゃんとその家族との温かい交流の中で、少しずつ自分を取り戻していきます。
このお話を読むと、やっぱり女友達の存在って大切だな、と痛感します。
キクちゃんのように明るくて許容力のある女の子は中々いないですよね;こう在りたい、とは思いますが;
また主人公が雪生さんの優しさに絆されながら、少しずつ心を開いていく様子は、『リトル・バイ・リトル』での周とふみの恋愛模様と重なります。
読んでいると何とも言えない爽やかな気持ちになれる一冊です。
こうして考えてみると、島本さんの作品は『一千一秒の日々』『波打ち際の蛍』など、夏っぽい雰囲気のものが多いですね。
それでも抜け出せないほど絶望が深かったら、そのときは僕を殺してから死んでくれ」
単行本と同じくミヒャエル・ゾーヴァの絵が表紙が、タイトルにぴったり!!
高校生から大学生になる時期に、いびつな恋を経験して心が壊れかかってしまった“わたし”
この主人公が、高校時代の友人キクちゃんとその家族との温かい交流の中で、少しずつ自分を取り戻していきます。
このお話を読むと、やっぱり女友達の存在って大切だな、と痛感します。
キクちゃんのように明るくて許容力のある女の子は中々いないですよね;こう在りたい、とは思いますが;
また主人公が雪生さんの優しさに絆されながら、少しずつ心を開いていく様子は、『リトル・バイ・リトル』での周とふみの恋愛模様と重なります。
読んでいると何とも言えない爽やかな気持ちになれる一冊です。
こうして考えてみると、島本さんの作品は『一千一秒の日々』『波打ち際の蛍』など、夏っぽい雰囲気のものが多いですね。
2007年11月8日に日本でレビュー済み
そういうわかったようなことを言っている人が一番分かっていないっていうのは、
自分では気づかないものなの?
「いやあ〜〜面目ない。。。」と思わず言ってしまった作中の文章であります。
自分では気づかないものなの?
「いやあ〜〜面目ない。。。」と思わず言ってしまった作中の文章であります。
2008年1月24日に日本でレビュー済み
読みやすいのですが、文庫で174ページと、やや物足りなさを感じました。
また、題材も 「 恋愛を絡めた主人公の成長 」 と使い古されたものであり、感情移入しにくかったです。
何よりも、主人公たちがこの後どうなるのだろうか?という疑問を抱かせたままエンディングというのが残念でした。
主人公とサイトウさんの仲もどこまでだったのか、私にはよく分かりませんでした。
主人公が独白していることが真実なら、さらに疑問は深まります。
雪生という男の母親のことにしても、はっきりとした描写がないので、推測するしかないというのは、
小説としては不完全なものに感じた作品でしたね。
そのあたりを、もっと詳しく書いてくれたら良かったのにと思いました。
また、題材も 「 恋愛を絡めた主人公の成長 」 と使い古されたものであり、感情移入しにくかったです。
何よりも、主人公たちがこの後どうなるのだろうか?という疑問を抱かせたままエンディングというのが残念でした。
主人公とサイトウさんの仲もどこまでだったのか、私にはよく分かりませんでした。
主人公が独白していることが真実なら、さらに疑問は深まります。
雪生という男の母親のことにしても、はっきりとした描写がないので、推測するしかないというのは、
小説としては不完全なものに感じた作品でしたね。
そのあたりを、もっと詳しく書いてくれたら良かったのにと思いました。
2007年6月4日に日本でレビュー済み
「ナラタージュ」好きな人は、間違いなく好きになる作品でしょう。
個人的には、こちらのほうが書きすぎた感がなくて好み。
島本さんて、自身でもやはり教師と恋愛をしたのだろうか?あるいは
親友が。。という感じ。
でないと、この感覚かくのは難しいのではないかと思います。
今まで島本さん読んだことない人にも読んでほしいですね。
個人的には、こちらのほうが書きすぎた感がなくて好み。
島本さんて、自身でもやはり教師と恋愛をしたのだろうか?あるいは
親友が。。という感じ。
でないと、この感覚かくのは難しいのではないかと思います。
今まで島本さん読んだことない人にも読んでほしいですね。
2004年10月21日に日本でレビュー済み
前から読みたいと思ってた。
島本さんの作品はシルエット、リトル・バイ・リトルと読んできた。
違う話でも、後に残る感覚は生まれる森を含め似ていた。
自分に向き合うコト、周りと自分、過去との狭間、様々な人が交差して紡ぐ物語は、甘く切ないラブストーリーという訳でない。
絆なのか・・・忘れることの出来ない「愛」と言われるモノとの格闘と温かな空気。
言葉の魔法と言っても過言じゃない。
ココロに染みる感覚を久しぶりに思い出させてくれました。
島本さんの作品はシルエット、リトル・バイ・リトルと読んできた。
違う話でも、後に残る感覚は生まれる森を含め似ていた。
自分に向き合うコト、周りと自分、過去との狭間、様々な人が交差して紡ぐ物語は、甘く切ないラブストーリーという訳でない。
絆なのか・・・忘れることの出来ない「愛」と言われるモノとの格闘と温かな空気。
言葉の魔法と言っても過言じゃない。
ココロに染みる感覚を久しぶりに思い出させてくれました。