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豆腐小僧双六道中ふりだし 単行本 – 2003/12/20
私は誰、此処は何処。小僧は彷徨(さまよ)う。小僧は進む。
妖怪豆腐小僧がアイデンティティーを捜す!?
「なぜ、手前は豆腐を持っているんでしょうか?」自己の存在理由、存在意義にうすーく不安を抱く小さな妖怪が数々の異種妖怪に出会い、「世間」を知る立志篇!
- 本の長さ676ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2003/12/20
- ISBN-104062122146
- ISBN-13978-4062122146
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商品の説明
商品説明
著者は、『嗤う伊右衛門』や『覘き小平次』など、怪談話を斬新な解釈で現代に蘇らせる一方、『どすこい(安)』などのパロディー小説も手がけてきた京極夏彦。本書では、史実のうえでも来歴のはっきりとしない妖怪の自分探しをテーマに、自由な発想と膨大な知識を駆使しながら、幕末を舞台とした冒険物語へと仕立てあげている。講談調のひょうひょうとした語り口と、豆腐小僧のとぼけた味わいが、おかしみを誘わずにはいられない痛快作だ。
特徴的なのは、豆腐小僧が自我に目覚めていく過程を軸にして、妖怪とは何かを順序だてて解説している点である。地震を説明するための妖怪「鳴屋(やなり)」や、死を悟った人間のけじめとして現れる「死神」。そのほか、狸や狐など、その由来や役割が、コミカルな物語に託して論じられる。しかし、そこから垣間見えるのは、人間が感得しなければ、消えてしまう運命を背負った妖怪たちの悲哀だ。本書には、近代化とともに失われていった日本人の心とは何かという深遠なテーマも映し出されているのである。(中島正敏)
内容(「MARC」データベースより)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2003/12/20)
- 発売日 : 2003/12/20
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 676ページ
- ISBN-10 : 4062122146
- ISBN-13 : 978-4062122146
- Amazon 売れ筋ランキング: - 143,702位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 29,872位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1963年生まれ。北海道小樽市出身。
日本推理作家協会 監事。世界妖怪協会・お化け友の会 代表代行。
1994年「姑獲鳥の夏」で衝撃的なデビューを飾る。1996年「魍魎の匣」で第49回日本推理作家協会賞長編部門、1997年「嗤う伊右衛門」で第25回泉鏡花賞、2003年「覘き小平次」で第16回山本周五郎賞、2004年「後巷説百物語」で第130回直木賞を受賞。2011年 「西巷説百物語」で第24回柴田錬三郎賞受賞。2016年 遠野文化賞受賞。2019年 埼玉文化賞受賞。2022年 「遠巷説百物語」で第56回吉川英治文学賞受賞。
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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上で妖怪作家と述べたが、京極氏の作品中で実際に妖怪が登場したのは本作が初めてだと思う。上述した論「妖怪は人間の心の中に棲む」は従来の作品で繰り返し述べられて来た信条だが、今回はワザと妖怪を登場させる事に依って別の趣向で同じ思弁を述べたものだろう。その意味で、無個性・無来歴の「豆腐小僧」はピッタリの主人公であり、究極の妖怪である。鼎談形式の「妖怪馬鹿(京極氏による「豆腐小僧」のイラスト画あり)」と同様のノリで書かれており、やはり妖怪馬鹿のための本という事か。文中に「世の中に絶対的正義はない」とあるように、硬直した思考法を嫌う性癖が良く出ており、因果関係さえ解釈次第なのである。また本論の趣旨に従えば、人間が蒙昧・邪悪な概念を抱けば「途轍もない化け物」を産み出す可能性があるという警鐘にもなっている。結末の趣向も洒落ている。
各頁の最終行を文の終りで締める作法は常の如く。物語性が薄いのに結構スムーズに読み進められる。少々冗漫な気もするが、このダラダラ感が本作に相応しい。京極堂シリーズからは、「姑獲鳥」、「魍魎」、「邪魅」が客演し、狐、狸、猫などの化ける動物や達磨が活躍する等のサービス精神も旺盛。妖怪馬鹿がユッタリと楽しめる本だと思う。
ある妖怪に対して人々が抱くイメージが変化すると、過去にさかのぼって性質が変わったり、いなかったことになったりするという理屈も面白く、存在とは何かという哲学的な問いや、確率として分布していながら測定すると一つの値に確定する量子力学の世界を思い起こさせる。
妖怪をキャラクターとして使うだけの話とは一線を画した構成になっており、なかなか書けるものではないと思う。
妖怪や寺社、江戸時代の風俗に関するトリビアも楽しい。
話を語っているのが誰かが途中から気になったが、これについては特に落ちなどはなかった。
豆腐小僧のような奴がいるから、この世は素敵なのだと思い、ときめきました。
京極堂シリーズを読んでいたからですかね。
読み終わったら動画をみてみたいと思ってます。
プライムに入会しているからなのか、本の代金100円なのに送料が無料でした。