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アフターダーク 単行本 – 2004/9/7
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「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説
マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、ジャンパーのポケットに入れる。そしてスツールから降りる。溝をトレースするレコード針。気怠く、官能的なエリントンの音楽。真夜中の音楽だ。――(本文より)
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社12345
- 発売日2004/9/7
- 寸法13.6 x 2.4 x 19.5 cm
- ISBN-104062125366
- ISBN-13978-4062125369
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登録情報
- 出版社 : 12345 (2004/9/7)
- 発売日 : 2004/9/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4062125366
- ISBN-13 : 978-4062125369
- 寸法 : 13.6 x 2.4 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 20,724位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 556位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1949(昭和24)年、京都府生れ。早稲田大学文学部卒業。
1979年、『風の歌を聴け』でデビュー、群像新人文学賞受賞。主著に『羊をめぐる冒険』(野間文芸新人賞)、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』(谷崎潤一郎賞受賞)、『ねじまき鳥クロニクル』(読売文学賞)、『ノルウェイの森』、『アンダーグラウンド』、『スプートニクの恋人』、『神の子どもたちはみな踊る』、『海辺のカフカ』、『アフターダーク』など。『レイモンド・カーヴァー全集』、『心臓を貫かれて』、『キャッチャー・イン・ザ・ライ』、『ロング・グッドバイ』など訳書も多数。
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イメージ付きのレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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ベテラン投手がさらに新球を会得したような感じ。
面白かった、感動した、ということはなかったのだが、何かがじわじわと浸み込んできた。
登場人物の一人、高橋が言う。
「二つの世界を隔てる壁なんてものは、実際には存在しないかもしれないぞって。」
「僕ら自身の中にあっち側がすでにこっそりと忍び込んできているのに、そのことに気づいていないだけなのかもしれない。」
もしかすると、繋がりなんて実際には存在しない、ぷっつり切れているのに気づいていない、そんなこともあるかもしれない、などと思う。
二元論で切り分けて相手に肉体的/精神的暴力を加えるというのも恐ろしいが、何かが滲んできて、ふと気づくと終わりの見えない不安やいつ暴発するかわからない狂気に包まれている、というのはもっと恐ろしい。
深夜の7,8時間の物語 妙なリアリティーを持ちながら読んだ
一晩の出来事で、時間ごと、視点違いで小さなまとまりが交互に展開されていくのでテンポ良く読める。
会話が読んでいていいなと思う。自分も言葉を発するときにこんな風にできたらなと思うところがある。
内容はあえて考察しないけれど、読後感がとてもいいし、村上春樹の世界を楽しめる作品だと思う。そんなに長くないので気分転換におすすめ。
書評ではなく、個人的な解説なので激しくネタバレします。
まだ作品を未読の方は以下は読まない方がいいと思います。
誰にも見えないところで頑張っていたエリは心に
トラブルを抱え、こちら側の世界(現実の世界)から逃避した。
エリを見つめる仮面の男はエリの抱えている心のトラブルの象徴であり、
感情を持たないアルファヴィルの世界の住人。
心のトラブルを解決出来ない限り、エリは起きる事なく感情のない世界の住人となってしまうだろう。
現実的に頑張ってきたマリも心にトラブルを抱え夜の街に逃避する。
白川が起こした事件は現実的な世界で犯した罪。
システマティックに生きる白川は記号と化した現代社会に生きるアルファヴィルと同じ世界の住人。
仮面の男、エリ、白川が持つ同じブランドの鉛筆はあちら側の世界(アルファヴィル)の住人である事の象徴。
どれだけ時間が経過しても、みんなが忘れても犯した罪に対する罰からは逃れられない。
自分という存在は危うく、代替可能であり誰しもがどのような状況で立場が入れ替わるかもわからない。
立場が変われば白川が犯した罪を高橋が犯す可能性もあり、
状況が変われば19歳の中国人が受けた暴行をマリが受ける可能性もある。
中国人が受けた現実的な傷、マリが抱えた精神的な傷。立場が違う現実的な差異でしかない。
どんなに酷い状況でも人間は記憶があれば生きていけると伝えるコオロギ。
エリの抱えたトラブルは高橋というフィルターを通しマリに理解できる形状へ変化し伝わっていく。
思い出して、と伝えるコオロギ。大事な事を思い出す事により向き合える様になるというコオロギの示唆。
エリの抱える心のトラブルを感じる事ができたマリは、熱いお茶と少しの睡眠で休息を得て、
自分の心も解きほぐすことが出来るという確信を手にいれる。
だから深夜のファミレスで本を読むという逃避が辛くなる。本の中身に意味はない。だから明かされない。
そして同時にエリと向き合う事が出来ると確信し、帰宅を急ぐ。
こちら側とあちら側を繋いでいるものは脆弱であり、エリはもう戻れないかもしれない。
画面の歪みと共にこちら側とあちら側の世界の繋がりは断たれた。
マリはエリの苦悩を理解し向き合う事により、エリは感情のない世界の住人ではなく、
こちらの世界でただ眠っているだけの人間となった。
ただまだ心のトラブルは解決していない。だが唇がほんの少し動く。
これからマリと共に心のトラブルを解決していく事ができるという良い予感はある。
高橋が浴びせられた脅迫は高橋には何の関係もない。ただの災厄。
距離を取る事により逃げる事ができた。本当に逃げる事ができたのだろうか?
きっと逃げ切れていない。いつかまた色んな立場で災厄は襲ってくる。
白川に対する制裁は必ず夜に起こるだろう。闇は災いの象徴。明るい昼間は幸福の象徴。
きっとまた辛い時間(after dark )は来るだろう。after darkは複数の意味を持ち始める。
でも今はまだ大丈夫。太陽の下で幸福な時間を手に入れることができる。
まだ辛い事が起きるまでには十分時間がある。
そして、例えどんなに辛い状況でも人間は思い出があればきっと生きていけるんだよ。
自分の中にある憧憬や原風景を文学という器に当て嵌め、読者の共感を得て作家としての地位を築いた作者が、
成熟した今の年齢から伝える事が出来る、若い人へ対するメッセージだと思います。
死ぬほど辛い事が起こったあとの精神状態でこの本を読んだ私は、読後に涙が止まりませんでした。
ダンス・ダンス・ダンス以来の衝撃でした。
現代社会自体が既にアルファヴィルの世界なんだと受け取れる表現もあり、
本当にまだまだ沢山考察したくなる素晴らしい作品だと思います。
自分は、ラブホのマネージャーのおばさんの男っぽい話し方にかなり惹かれた。これは同じ作者の傑作短編「午後の最後の芝生」に登場した芝刈りを依頼した婦人と同じ話し方で、自分は大好きです。さすが村上春樹です。
余談ですが、自分は村上春樹の作品を読んでいると、なぜか、自分とシンクロすることがたびたびあるのですが、今回もそうでした。
作中「お化けみたいな人ですね」「お化けがでる時間帯だからね」というような会話がありましたが、ここの部分を読む前日の夜、夜中に玄関ドアをカンカンと軽く叩く音が聞こえて「開けてくれ」と囁く男性の高い声が何度も聞こえたので(変なので、開けません。普通はインタフォンを押すはず)。
その翌日、前述の部分を読んで、「なるほど、あれはお化けだったのかな」とふと思いました。
こういうシンクロは困りますが、村上春樹のせいではないのでしょう、多分・・・。