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薔薇密室 単行本 – 2004/9/25

4.4 5つ星のうち4.4 27個の評価

山間の僧院に住まう、1人の男。繰り返される禁断の実験。
物語が歴史を凌駕する。驚愕の書き下ろし長編小説
ドイツ・ポーランド国境に、人知れず建つ古びた僧院。そこは、咲き乱れる薔薇に閉ざされた狂気の世界だった。やがて外界は第二次大戦の波に呑まれ、僧院は接収されるが——
現と夢幻のあわいを貫く物語が、歴史をも従えて迸る。待望の書き下ろし。

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2004/9/25)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2004/9/25
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 557ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062125641
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062125642
  • カスタマーレビュー:
    4.4 5つ星のうち4.4 27個の評価

著者について

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皆川 博子
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カスタマーレビュー

星5つ中4.4つ
5つのうち4.4つ
27グローバルレーティング

この商品をレビュー

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上位レビュー、対象国: 日本

2015年9月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
最近になって皆川先生の作品のファンになり、次々に読んでいます。
『開かせて頂き光栄です』のようなラストの大どんでん返しのような展開はないのですが、
緻密なプロットと巧みな構成をじっくり楽しめる一冊です。思ったより長さを感じさせませんでした。
時代背景に二つの世界大戦をはさみますが、そのさなかでも作中には静謐な雰囲気があり個人的には気に入っています。
物語を必要とする人間は不幸な人間である、というテーマが何回も現れますが、その不幸な人間とははたして読み手の自分の事なのではないのかと考えさせられます。エンディングは落ち着いた雰囲気で不幸ではありませんが、それもヨリンゲルが紡いだ物語かもしれないなどと、感傷に浸っています。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年5月20日に日本でレビュー済み
この本を読んでいる間は、呼吸を忘れてしまいました。息を吸うと、どんなにおいがするのか・・・
もう、すごいとしか言いようが無いです。

感想って、あらすじを書いてもしょうがないですよね?自分がどのような衝撃を受けたのか。そして、それが「気に入ったのか」。

星五つですよ、もちろん。
たぶん、人によって好みが極端に分かれるでしょう。私は、この「皆川博子」の作品は、おそらくすべて大好きです。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2018年5月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
廃墟の僧院、人体実験、薔薇の若者、黴毒で崩れた美貌、美しい劣等体、腐食銅版画法などの魅惑的なモチーフの連続に、途中で満腹感を覚えそうになるが、手練れた魔道の先達の筆に導かれて最後まで一息に読めた。
他の方のレビューにもあるように、大胆にも回収されない伏線には聊か驚かされ、肩透かしをくらった感もあるが、これも「物語を必要とするのは不幸な人間」というテーマに則った、読者のために開かれた小説ということなのだろうか。伏線の先は、不幸な読者が紡ぎ出すほかない。
思うに著者は「善い人」なのだろう。個人的には、もう少し捻くれた少数者のための小説も読んでみたいと思う。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年6月30日に日本でレビュー済み
難しいことは、わかりませんが。薔薇人間スゴイ…。ありえないと分かっているけれど、なんだかとっても衝撃的。やっぱり星5つと思いますけど。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2017年7月29日に日本でレビュー済み
今まで読んだ皆川博子さんの作品を知ったあとに期待を持って読むと少しがっかりする内容です。

素材はとても良いです。
ドイツ支配下のポーランド、一人残された少女ミルカ、
脱走兵、美しい瀕死の士官、薔薇の僧院、醜い薔薇男ヨリンゲル、
年をとらない青年ユーリク…などなど。

美しい薔薇と醜いヨリンゲルの描写の対比が素晴らしくホラーさながらに恐ろしさを引き立て、
ミルカとユーリクの叶わぬ恋も物語後半への期待を膨らませました。

が、後半になるとヨリンゲル視点が多く感情移入は出来ますが
しつこいくらいローラントの手記のくだりが増えますし、
ミルカが閉じ込められている部分も
進行が遅くかなり中弛みします。読んでいるとやきもきしてきます。
あの手記がナタニエル・ホフマンの創作だとわかったときは肩透かしを食らいますし、
カンのいい人ならグラツィア尼がエルゼだと予想出来ます。

ミルカは結果的に薔薇の僧院に辿り着きますが、
それは何年も経ってからで時はすでに遅く、ユーリクは旅立った後でした。
二人の恋の行方を応援して読み進めていた私としては再開してほしかったです。
彼女の失った数年間は大きすぎます。

唯一救われたのは、不幸な生い立ちとホフマンに受けた仕打ちを比べると安定した暮らしを手に入れたヨリンゲルだと思いますが、
彼だってホフマン親子に対する憎しみを抱えながら生きて行かねばいけません。

不要な箇所を除きページ数を縮めてリズムよくまとめれば最後の結末も意表をつくものになったかもしれませんし、
せめてページ数はそのままでも最後に希望を持たせてくれるお話だったら評価も変わっていたと思います。

最後まで読めたのは、皆川博子さんの骨まで溶かすような表現力のおかげでした。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2016年11月7日に日本でレビュー済み
舞台は豪華だが物語は貧弱。
大戦中のドイツ、薔薇と融合した青年、奇形の三つ子(?)、年を取らない美青年他にもおどろどろしい設定満載。
雰囲気は楽しめるが突っ込みどころが満載。
ツゴイネルの虐殺は何のため?
生き残った少年はどこへ?
薔薇と融合した美青年は何の役割も果たさない。
コンラートはいなかったことに。(思うに収拾つかなくなったからじゃないか?)
読者をはぐらかしまくり。
どうやって物語をまとめるかと思えば小説の中の創作(?)夢落ちに近いものがある。
皆川作品にありがちなのでファンは納得するかもしれないけど慣れてない人は「なんじゃこれ」でおわる。
ああ、それと密室犯罪は起こりませんあしからず。(ご丁寧に僧院の見取り図もあるのにw)
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年5月21日に日本でレビュー済み
第1・2次世界大戦中の占領国ドイツと非占領国ポーランドを舞台に繰り広げられる壮大な迷宮の物語。作中で、「物語を必要とするのは不幸な人間だ」との詩が引用されるが、これが作品のモチーフとなっている様だ。(小説における)現実とも登場人物達の妄想とも取れる「物語」が幾重にも重なった巧緻な構成で、まさに迷宮を彷徨っている様な感覚を味わえる。

まずは、死に掛かった人間を薔薇と合体させて薔薇人間として生育するというマッド・サイエンティスト的博士ホフマンが住む"薔薇僧院"の模様が脱走兵コンラートの視点で描かれる。一転、ポーランドに住む少女ミルカの一家がドイツ軍に蹂躙される模様やミルカと少年ユーリクの交流の模様が描かれる。ここまでは、ドイツ軍に弾圧されるポーランド人の悲哀をテーマにした作品かと思いきや、ミルカが撮影技師ホフマンとドイツに同行する辺りから読者は混迷の渦に引き込まれる。ここから、コンラートの手記中で薔薇人間の一人として描かれた元男娼ヨリンゲルの一人称とミルカの一人称とが交互に挟まれる。ヨリンゲルが薔薇人間だった筈はないから、コンラートの手記は創作だろう。だが、誰が何の目的で創作したのか ? ヨリンゲルの一人称によれば彼は今でも"薔薇僧院"に住み、そこにはユーリクも居るというのだ......。

ミステリ的叙述技巧が冴えており、人物間の関係設定の巧みさと合い間って読む者を引きずり込む力がある。「物語を必要とするのは誰か ?」というテーマも最後で見事に収斂している。作者の関心が常に"人間の心(に棲む悪魔)"にある事も良く伝わって来た。第1-2次世界大戦間の時間の経過と作中の事象との間にやや矛盾がある様にも感じたが、そうした齟齬が気にならない程の重厚な作品に仕上がっていると思う。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2012年8月26日に日本でレビュー済み
皆川博子氏の『死の泉』は恐らく日本で唯一Lebensbornの話を扱った小説だと思うが,この『薔薇密室』も第1次世界大戦からナチスの時代までの怪しい部分を描いたもの。この人の小説のキーワードはNekrophilie,Nationalsozialisten, Juenglingsliebe,Menschenexperiment など媚薬のような毒っぽい趣味的なものがちりばめられている。そういうのがお好きな方は部分的な描写だけでも楽しめるのだろう。
人物のドラマツルギーよりも心理的な怪しい耽美観を優先する小説だと思う。本当に趣味の本だ。ただ,ナチスなどの史実に関しては沢山の事物が節操なく登場するのはいかがなものかと思います。『オリンピア』や『ヒトラー少年クヴェックス』,『メトロポリス』,『カリガリ博士』,『ゴーレム』などUFA映画の超有名どころが単なる名詞の羅列として出てくるが,あまりにも有名どころオンパレードな列挙の仕方なのでこういう何でもありの点は「おー」というディープなオタク趣味っぽくないのでつまらない。
逆に「灰色のバス」の描写が出てきても「ハダマー」は出てこない。ドイツ文学の著作名の羅列でも Goethe "Goetz von Berlichingen mit der eisernen Hand" を『鉄腕ゲッツ』というのは日本ではほとんど使わない題名である。通常の表記『ゲッツ』または『ゲッツ・フォン・ベルリッヒンゲン』ではまずいのか?どうしても「鉄の腕(義手)をもつ」という表現が入れたかったのであろうか?著者の知識がどの程度深く,(おそらくその手の知識をもっている)読者をうならせるものかが分かりかねる心許なさがある。
文章論としての文体は確立されているので文章そのものには申し分ないと思う。そういう意味では文芸作品として瑕疵はない。
私は皆川博子氏の小説になんら批判する気は全くないが,その手の題材を取り扱う場合に,多少は感情的なもの,人間性のあるドラマツルギーを構築していただければと思う。内容が内容だけに単なる趣味的なもので充ち溢れた小説では社会倫理的に問題があると思う。(日本の小説だから許される部分はかなり多いと思う。)なぜなら私は600ページを超えるこうした作品を書く著者の熱意には尊敬をしたいと思うので,この人の作品を「キワモノ」とは言いたくないからである。
9人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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