最近の田中角栄ブームである。
石原慎太郎の「天才」は随分売れているようだが、どうせ著者石原の自己顕示欲が鼻につくだろうと思って敬遠。
まず越山会の女王と呼ばれた佐藤昭さんの「私の田中角栄日記」、そして昭さんと田中角栄の間に生まれた娘、佐藤あつ子の「昭 田中角栄と生きた女」を読んだところで、アマゾンの広告でもう一人の女性、辻和子さんが居ることを知り、本書をアマゾン経由出品者から買い求めた。初版は2004年5月で当時のレビューを読んでみるのも面白い。
当時のレビューでは田中角栄が本妻と辻さんの二人の女性の間を精力的に動き回っているのに驚嘆しているが、なんのことはない、もう一人の女性、佐藤昭さんが1994年に「私の田中角栄日記」を出版されているので、それを読めば田中角栄が本妻、佐藤昭、辻和子の3人の女性の間をせかせかと動き回っていたのがわかり、その精力に苦笑を禁じ得ない。本書を読むと、辻和子さんとわりない仲になっている間にも同じ神楽坂の芸者と抜き差しならない仲になっている。
今日の政界で、こんなことが表ざたになれば野党の攻撃を受けて議員辞職もやむを得ないところだが、そこは一昔前の時代のこと、政界もマスコミも目をつぶってくれていたようだ。
本書は主人公が食うや食わずの生活から、8歳の時に神楽坂の芸者置屋「金満津」に50円で売られ、そこの女将に気に入られ養女となり芸者修行中にお座敷で田中角栄に気に入られ、ついに角栄の囲い者になって二人の男の子を生み、角栄の出世を陰ながら見ていたが、ついに角栄は金脈問題で失脚、最後は角栄が脳梗塞で倒れてからは田中家の娘、真紀子からシャットアウトされ日陰の女として角栄の死を陰ながら見送るまでの一代記である。
その詳しい経緯については他のレビューアーの方々が書いているので私は遠慮します。
本署の特徴は太平洋戦争前後の神楽坂花柳界のしきたり、言葉などを詳しく説明し、いわば昭和初期の花柳界の風俗史としても価値があるのではないかと思う。
さらに当時は日陰の女、つまりお妾さんなるものが本妻に承認されている存在だったこと、そこで子供が生まれても男子は父親(角栄)に認知されるが女子は認知されないことなどなど、女性蔑視の時代だったことがわかる。
男性にとってはある意味で羨ましい時代だったろう。しかし、日陰の女でも旦那(角栄)が健在のうちは金銭的には不自由しないが、旦那が死ねばとたんに金銭の供給源が絶たれ苦労しなければならない。
昭和の風俗史としても貴重な一冊である。
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熱情: 田中角栄をとりこにした芸者 単行本 – 2004/9/1
辻 和子
(著)
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- 本の長さ247ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/9/1
- ISBN-104062125943
- ISBN-13978-4062125949
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/9/1)
- 発売日 : 2004/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 247ページ
- ISBN-10 : 4062125943
- ISBN-13 : 978-4062125949
- Amazon 売れ筋ランキング: - 144,132位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2017年1月15日に日本でレビュー済み
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2019年3月21日に日本でレビュー済み
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角さんの気取らない人情味溢れた人柄が垣間見れます。
2017年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
決して純愛物語でなく、他にも女の人は、居たし 和子さんの芸妓の内容が多い。
もうちょい 田中角栄のプライベート、裏側が知りたかったけど、多分 そこまで細かく書けない、書かないのが
和子さんの立場なんだと思う。
だから、物足りない内容だわ。
あとからネットで、ご長男のyoutube見たけど、そのほうが早い?かも。
でも、最期は、和子さんの側に居たかっただろうなあ角栄さん。
もうちょい 田中角栄のプライベート、裏側が知りたかったけど、多分 そこまで細かく書けない、書かないのが
和子さんの立場なんだと思う。
だから、物足りない内容だわ。
あとからネットで、ご長男のyoutube見たけど、そのほうが早い?かも。
でも、最期は、和子さんの側に居たかっただろうなあ角栄さん。
2020年8月28日に日本でレビュー済み
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美品でした。丁寧な対応ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。
2018年9月17日に日本でレビュー済み
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田中角栄の第二婦人(元芸者さん)が書いた自伝的小説。戦前戦後の神楽坂の様子、どんどん出世していく田中角栄、また本妻との関わり、花街のルールなど丁寧に描写されており、興味深かったです。
2004年9月10日に日本でレビュー済み
残念ながら ★5つはつけられませんでした。あっという間に読み終えることができましたが 期待したほどの内容ではなく 正直少々がっかりでした。
2016年5月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白く読めました
最後の和歌 切ないです
和子さんの その後の生き方に 興味を持ちました
最後の和歌 切ないです
和子さんの その後の生き方に 興味を持ちました