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在日ヲロシヤ人の悲劇 単行本 – 2005/6/18

5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

近未来日本を舞台にした「新しい家族小説」政治、国家、思想、資本、様々な問題意識を重層的に取り込み展開される、新しい「家族小説」。三島賞、野間新人賞を受賞した著者が切り開く新境地にして代表作!

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2005/6/18)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2005/6/18
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 230ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062129515
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062129510
  • カスタマーレビュー:
    5.0 5つ星のうち5.0 1個の評価

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星野 智幸
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1965年、 アメリカ・ロサンゼルス市生まれ。88年、 早稲田大学卒業。2年半の新聞社勤務後、 メキシコに留学。97年『最後の吐息』で文藝賞を受賞しデビュー。2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、 03年 『ファンタジスタ』 で野間文芸新人賞、11年 『俺俺』 で大江健三郎賞、15年 『夜は終わらない』 で読売文学賞を受賞。『焔』『呪文』 『未来の記憶は蘭のなかで作られる』 など著書多数。

カスタマーレビュー

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1グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2016年9月17日に日本でレビュー済み
10年くらい前、発売されてすぐ読みました。それでも未だにくっきり覚えてる。それだけ濃い登場人物たちだった。

ほぼネタバレなレビュー書きます。でもネタバレの意味はこの作品にはなく、文間から寂寥感を感じてほしい作品。

夫婦、娘、息子。思想が面白いほどバラバラ。東西南北と4つの方角があるが、全員が違う方向を見ている。遠くにあるものばかり追っている。

主人公は誰なんだ?と考えると、この温厚な父親かと思う。唯一普通っぽい。長女は極左。ハンストをして命を落とすが、時系列で書かれておらず、遡る構成で描く。日本の閉塞感が窮屈な海外かぶれした女の子だった。(私はこういう子好きだと思った。読んだ当時、同年代だったけど)息子は極右。群れることを良しとしない1人右翼。街頭演説を1人でやっている。妻は自殺。娘のことで悩んでいたが、それもそのはず。こんな神経質な母親からよくこんな娘が出来たと思うほど。精神を病んでいたと思う。

作品では右翼、左翼、極論が飛び交い、いろんな国名がでてくるが、アナメリカだのヲロシヤだの、文字ってある。その中では、日本だけは日本。全ての軸になるからだろう。でも家族全員でその軸に戻れなかった。

結局は国家も家族も同じ。全員違う方向むいてれば、歩み寄りも何もなく、関係は築けない。

残ったのは男だけ。女は好きに生きて好きに死ぬ生き物だったと感じるが、やはり生々しい生き物だ。
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