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浄土 単行本 – 2005/6/6
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- 本の長さ244ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/6/6
- ISBN-104062129868
- ISBN-13978-4062129862
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商品の説明
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/6/6)
- 発売日 : 2005/6/6
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 244ページ
- ISBN-10 : 4062129868
- ISBN-13 : 978-4062129862
- Amazon 売れ筋ランキング: - 855,835位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 19,679位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
作家、ミュージシャン。1962年大阪生まれ。高校時代より町田町蔵の名で音楽活動を始める。97年に処女小説『くっすん大黒』で野間文芸新人賞、 Bunkamuraドゥマゴ文学賞、2000年には「きれぎれ」で芥川賞を受賞する。01年詩集『土間の四十八滝』で萩原朔太郎賞、02年「権現の踊り 子」で川端康成文学賞を受賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞、08年『宿屋めぐり』で野間文芸賞を受賞した(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 あなたにあえてよかった―テースト・オブ・苦虫〈8〉 (ISBN-13: 978-4120041235 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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臣下がやってきて言った。」
この本に出てくる作品の一つ、『一言主の神』に出てくる
この一節が妙にツボで、電車の中でしばらく声を殺して
笑うことになった。
町田康はその文体ゆえに大きく好き嫌いの分かれる作家
だと思う。しかし、この本が取る短編集という形式に
あっては、比較的広い方々に面白がれるようになっている
のではないだろうか。怒涛のごとく連続する言葉に「ああ
もうダメだ。疲れた」となる前に、一つの作品が終わるからだ。
「はは、むちゃくちゃなこと書いてるなあ」と思ってへらへら
しながら読んでいるうちにすぐに終わる。だから、興味のある
人、以前中編・長編を読んだが受け入れられずor付き合いきれず
ギブアップした人にこそ勧めたい。「あれ、でたらめやってる
ようで実はこういうところはすごいんじゃないか?」という
ようなことは、たぶんもう少し好意的な人がやったらいい
のであって、本当は誰でも脱力して馬鹿笑いできる、間口の
広い作品群であり作家なのだと思う。
物語を書くための言葉たちは誰にも等しく与えられていた。
にもかかわらず、町田康のような言葉の使い方をし、それで
こんなにもデタラメな、かつ愉快な作品を書く作家は彼自身が
現れるまで登場しなかった(たぶん)。私は町田康が文壇に出てきた
ときのことを知らないが、きっとそのときの人々は、それまで
絶対の限界だと思っていた文学の壁がめりめりいいながらぶち破れていく
音を聴いたのではないかと思う。そしてその先に広大に広がっている
文学の新世界を目にしたのではないかと思う。そんな文学の
浄土が顕現する傑作七篇、食わず嫌いせずに読んでみてください。
私にはかなり面白い読みものでしたが。
表題が暗示するように、本書にはそんな心地よさがあるが、かと言って、本書の中に「浄土」らしい場所や風景は出てこない。おそらくそれは何かのメタファーであって、たとえば「フィクション化された世界」と言えるかもしれない。「ギャオスの話」と「本音街」にはどちらも非日常的な世界があり、また、「犬死」、「あぱぱ踊り」、「自分の群像」には自己防御や自己飾りのために築かれる思考体系の虚無的な世界があり、そして「一言主の神」には一言でものごとを作り上げる記号的な世界がある。
そうしたフィクション化された世界にこそ、浄土があるのかもしれない。
そこから繰り出されてくる文章は、何の修飾もなく直接的に伝わってくるものです。例えその表現が「PUNK」であろうとも、そのアイロニーがシニカルであろうとも、胸にどんと来ます。それは、日頃私たちが出来るだけ内にしまっておこうとしているものが、表面に取り出されてしまうからかも知れません。
「犬死」「どぶさらえ」「あぱぱ踊り」「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」「自分の群像」の7編のどの作品をとっても、なにがしかのものを気付かされてしまいます。日頃、忘れていたこと、忘れようとしていたことを気付かされるのです。
個人的には、サラリーマンなだけに「自分の群像」が一番気に入りました。
そこに登場する様々な人々は、まさに「サラリーマン」です。確かに、デフォルメはされているのですが、「こんな奴確かにいるよな」と、それぞれを見て思います。確かに、こんな毎日だよなと思います。
楽しいと言うのとはちょっと違うのですが、強烈に自分を、毎日を振り返らせてくれる作品群です。
敬遠しそうな作品ですが、短編集で所謂ショートショートが
7篇入っています。表題とは思えぬ作品の砕けようです。
これ以前、これ以降の町田作品に接している方なら本書は
少し物足りない気もします。ショートショートの上に字数が少ない、異様に少ない。
何時もの町田さんなら、びっしり蛆虫が沸いた様な文体なのに。
いや、町田さん遊びながら書いてない? お酒飲んで自分も笑いながら書いてるっしょ?
それぞれの作品の詰のパンチの弱さ、言葉を慎重に選んでいない
オチが分かってしまうのは若干辛いですが、ツボに来る箇所が結構あり
それらが作品を支えてくれています。
『犬死』の一節
〜ただその目はきわめて特徴的で、焦点がどこにも合っていないような
またすべてに焦点が合っているような不思議な目つき〜
これが、来る来る(笑
『一言主の神』も初めは読み辛いが、後から来る来る(笑
この2篇で、自分としてはかなり満足でした。
しかしながら、全体的な作品群の印象は締めが極めて弱いです。
他の町田作品で満足されている通の方なら、期待度は若干弱いです。
町田さんも遊びながら書いているショートショート集として読めば
読者も気楽に読める作品だと思います。
どの短編もいいが傑出していたのは『どぶさらえ』だった。矢細、横安倍といった奇妙な名字が寓話のような効果を出しているし、「学がない癖に狡猾な田舎のキャバスケのような女」や「烏賊と酢とゴムを混ぜたような臭い」といった直喩の喚起力、「茶道的躊躇」「町会費滞納菩薩」という複合造語のもつ迫力は類まれな言語感覚の表出だ。この短編の最もイーポックメイキングなところは「ビバ、カッパ」という真新しい観念/心象風景のニーチェ的提示である。冒頭の3ページ半が「ビバ、カッパ」の説明に費やされていてそれ自体もう超アンビシャスなのだが、繰り返しや無駄は全くないし、ダレることもない。『どぶさらえ』はどんな話なのか、と聞かれれば、私は悟りの境地にいたる段階を主観と客観の間を軽やかに往復しながら描いたものだ、と答えるだろう。悟り境地に至ると「ビバ、カッパ」はViva! Kappa!となり魑魅魍魎が後をついてくる。どぶ川にこそ入ったことはないが橋を見上げた時のむこうとこっちを隔てている距離というのは経験したような気がするし、橋の上にいる者が空をみてしまう時の置いていかれたような感覚も身に覚えがある。身に覚えがあるのにその場その場でやりそごしてしまっている経験や、苦々しいけど発露せず心の中で燃えカスみたいになっている洞察をほりゃぁ!と眼前に突きつけるのが町田の流儀なのだろう。
本作品集収録作は「犬死」「どぶさらえ」「あぱぱ踊り」「本音街」「ギャオスの話」「一言主の神」「自分の群像」と、いずれもぐんぐんに興味を惹かれ、読まずにおれない見事なタイトルです。
作品は2001年から2005年までの間に発表されたもので、最高傑作長編「告白」が発表されるころまでに執筆されたものです。
それだけに、いずれの作品も短くコンパクトでありながら、なんともしがたい状況がひしひしと伝わり充実しています。
タイトルレビューの
「俺の身体全体に毒を撒き散らせ。俺の身体を腐らせたいなら腐らせやがれ。その腐乱が俺の栄光だ。」
は「どぶさらえ」からの一節。
町内会費を払っていないという負い目から、町のどぶ掃除を押し付けられた「俺」。
全員敵ばかりの町内会で唯一、清楚な富久縞さんという女性が手伝いに来てくれることを期待しつつどぶに入る俺。
にゅるにゅるした気色の悪いヘドロや線虫のようなものが長靴の中に進入してきて、もうやけくそのように自分を奮い立たせる。
かといって決して幸福になるわけではないのだが。
「自分の群像」では珍しく女性が主人公。
同僚の男がまったく仕事ができず、責任も取らないどうしようもない男で、その分自分にばかり仕事が回ってくる。
不満たらたらである。
誰も責任をとらずいいたいことをいうばかり。
「人間にとって責任のない立場で正論を唱えることほど気持ちのよいものはないのである」
ラストが衝撃。