どうなるんだろう? この先、どうなるの! と読者をラストまで飽きずに
引っ張ってゆく力 (小説力)が、この作品にはありました。
テーマは、受験戦争、塾、宗教が絡み、陰重なものですが、インタビュー
や新聞記事、裁判主文など大変うまく用いており、工夫を感じました。
なんとも言えぬ、不気味さ、エロチシズムは、後の代表作「殺人鬼
フジコの衝動」に繋がるものです。
なんだ、かんだ、文句を言いつつ、読んでしまう!
読ませられてしまう!それが、真利幸子作品だと思います。
いつの間にか、次作を買ってしまうのです。
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えんじ色心中 単行本 – 2005/11/1
真梨 幸子
(著)
??君のこと忘れたこと、なかったよ、これから先も、100歳になっても。
16年前に起きた『西池袋事件』。被害者は受験戦争を潜り抜けて超難関校に合格した中学生。加害者はその父だった……。歳月を超え、繰り返された悲劇と『西池袋事件』をつなぐものとは?
あのときからずっと、僕は遺書を書きつづけているんだ。
人は、どうして生きるの。どうして、死んではいけないの。どうして、殺してはいけないの。生きる意味って。死ぬ意味って。殺す意味って。
君は、そういって、あの年代特有の勝気な視線で、僕を挑発した。「生きる意味」。それさえ口にすれば、すべての大人が口ごもる。「死ぬ意味」。それをいえば、世間を負かした気になれる。「殺す意味」。それを問えば、完全に君たちの勝利だ。??<本文より>
16年前に起きた『西池袋事件』。被害者は受験戦争を潜り抜けて超難関校に合格した中学生。加害者はその父だった……。歳月を超え、繰り返された悲劇と『西池袋事件』をつなぐものとは?
あのときからずっと、僕は遺書を書きつづけているんだ。
人は、どうして生きるの。どうして、死んではいけないの。どうして、殺してはいけないの。生きる意味って。死ぬ意味って。殺す意味って。
君は、そういって、あの年代特有の勝気な視線で、僕を挑発した。「生きる意味」。それさえ口にすれば、すべての大人が口ごもる。「死ぬ意味」。それをいえば、世間を負かした気になれる。「殺す意味」。それを問えば、完全に君たちの勝利だ。??<本文より>
- 本の長さ300ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2005/11/1
- ISBN-104062132109
- ISBN-13978-4062132107
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2005/11/1)
- 発売日 : 2005/11/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 300ページ
- ISBN-10 : 4062132109
- ISBN-13 : 978-4062132107
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,965,184位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 456,939位文学・評論 (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年11月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
単行本になるまでに時間がかかったのは、デビュー2作目という探り探りの状態の作品だからだろう。おそらく、ファンの中でも人気はないのではないか。完成度は充分なのだが、男を主役に置いたせいだろう。もっと馬鹿にしなくては。はじけ切っていなんだな。
2015年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
真梨幸子 、桐野夏生、そして湊かなえ・・・。この三者は「イヤミス」の性質上よく比較されますが作風は異なります。三人とも様々な視点から話を進めることによって人間の身勝手さやエグさを描いていますが、真梨幸子はサイコパスなど本当の意味で狂っている人を作品の中に出すが、後者二人はそんな事をしません。また、文章スキルという意味では桐野夏生の方が賞を受賞するなど、他の二人よりも「文学」的だと思います(個人的な見解なので悪しからず)。ただ、「ミステリー度」に関しては桐野夏生は他の二人よりも劣っている節はあります。
この作品は他の真梨幸子の作品と違って日本企業の派遣を使い捨てる風潮や女性の就職の大変さ、そして受験戦争の描写などが含まれていて桐野夏生のような社会色が濃い作品となっております。そして、他の真梨幸子の他の作品と違ってギミックも少なく、かなりシリアスです。この点は評価に値するのですがミステリーとしてどうかと聞かれたらかなり終わり方が雑で真相も馬鹿馬鹿しいとしか答えようがありません。推理小説として「これは無い」と思いました。これがもし推理小説ではなく、桐野夏生の「メタボラ」みたいなヒューマンドラマだったら良かったのですが、ここで出てくる「真相」はまるで取ってつけたような無意味な物となっております。読んでいて「これは無いやー」と感じました。「終わり良ければ総て良し」と言われますが真梨幸子の作品の中で最も弱いエンディングのある作品では無いのでしょうか?社会的なメッセージ、または職場の人間関係の面倒くささは上手く描かれていた為に残念です。
PS
ちなみに派遣業者がよく著者の作品の中で登場するのですが、以前派遣関係の仕事をしていたのか気になります。また、新興宗教も頻繁に登場しますよね?この作品でも例外では無いのですが、親戚にしつこく布教する人がいたのでは?と勝手に邪推してしまいます(汗)。
この作品は他の真梨幸子の作品と違って日本企業の派遣を使い捨てる風潮や女性の就職の大変さ、そして受験戦争の描写などが含まれていて桐野夏生のような社会色が濃い作品となっております。そして、他の真梨幸子の他の作品と違ってギミックも少なく、かなりシリアスです。この点は評価に値するのですがミステリーとしてどうかと聞かれたらかなり終わり方が雑で真相も馬鹿馬鹿しいとしか答えようがありません。推理小説として「これは無い」と思いました。これがもし推理小説ではなく、桐野夏生の「メタボラ」みたいなヒューマンドラマだったら良かったのですが、ここで出てくる「真相」はまるで取ってつけたような無意味な物となっております。読んでいて「これは無いやー」と感じました。「終わり良ければ総て良し」と言われますが真梨幸子の作品の中で最も弱いエンディングのある作品では無いのでしょうか?社会的なメッセージ、または職場の人間関係の面倒くささは上手く描かれていた為に残念です。
PS
ちなみに派遣業者がよく著者の作品の中で登場するのですが、以前派遣関係の仕事をしていたのか気になります。また、新興宗教も頻繁に登場しますよね?この作品でも例外では無いのですが、親戚にしつこく布教する人がいたのでは?と勝手に邪推してしまいます(汗)。
2015年12月21日に日本でレビュー済み
彼女の作品はどれも素晴らしいのに、これは
本当にガッカリとしか言えません。書きたいことを
ただダラダラと綴っているという自己満足だけが際立ち
また、何の意外性もない取ってつけたような結末。
無理にストーリーを曲げず、こういう深い問題を扱うなら
真っ向う勝負でいって欲しい。
本当にガッカリとしか言えません。書きたいことを
ただダラダラと綴っているという自己満足だけが際立ち
また、何の意外性もない取ってつけたような結末。
無理にストーリーを曲げず、こういう深い問題を扱うなら
真っ向う勝負でいって欲しい。
2006年6月18日に日本でレビュー済み
好き嫌いが分かれる作品だと思います。
でも、私は好きです。
子供、大人、勤め人、親、いろいろな立場の人の閉塞感が平行して語られていて、とても息苦しい気持ちになりますが、さらにラストも迷路に迷い込んだようなもやもや感が残りますが、でも、こういう作品もありだと思います。
どうもがいても一歩も進めない理不尽さに溢れている現実、これがこの作品のテーマだと思いました。
でも、ミステリーだと思って読むと、ちょっと肩透かしかもしれまん。
これ、ミステリーじゃないと思います…。
でも、私は好きです。
子供、大人、勤め人、親、いろいろな立場の人の閉塞感が平行して語られていて、とても息苦しい気持ちになりますが、さらにラストも迷路に迷い込んだようなもやもや感が残りますが、でも、こういう作品もありだと思います。
どうもがいても一歩も進めない理不尽さに溢れている現実、これがこの作品のテーマだと思いました。
でも、ミステリーだと思って読むと、ちょっと肩透かしかもしれまん。
これ、ミステリーじゃないと思います…。
2006年5月4日に日本でレビュー済み
過熱する受験戦争の最中に起こった事件『西池袋事件』。受験によって歪み、家庭内暴力に悩んだ父が息子を殺害した事件から16年、新たな悲劇が起こる。
作品の構成としては、第1章は、中学受験のために塾に通う「僕」と、派遣の仕事をしながらフリーライターをやっている久保の二人のパートを交互に。第2章は、解決編、と言ったところ。
とにかく、作品全編を覆うのは、何とも言えない「気詰まり」な空気。超難関中学を目指す、という目標を掲げながらも実質的には落第ギリギリの状態にいる「僕」。さらに、ひょんなことから出会った少女に振り回される。一方の久保も、派遣の仕事では同じチームの五月蝿い女性にイライラし、足手まといのメンバーに苛立つ。さらに、家に帰ればライター仕事の依頼主の長話が延々と留守電に入っている。そんな二人の主人公の心情がくどいくらいに延々と描かれ、その気詰まりな空気を作り上げて行く。
二人の主人公、さらに「西池袋事件」がどう繋がるのか? それが気になって、頁が進んだのは確かだ。ただ、結末は…うーん…。なんかちょっと弱い、というか、ちょっと無理矢理っぽいというか…そんな感じがした。
個人的に、こういう空気の作品は嫌いじゃないし、結末も別に構わないんだけど…人を選ぶ作品ではあると思う。
作品の構成としては、第1章は、中学受験のために塾に通う「僕」と、派遣の仕事をしながらフリーライターをやっている久保の二人のパートを交互に。第2章は、解決編、と言ったところ。
とにかく、作品全編を覆うのは、何とも言えない「気詰まり」な空気。超難関中学を目指す、という目標を掲げながらも実質的には落第ギリギリの状態にいる「僕」。さらに、ひょんなことから出会った少女に振り回される。一方の久保も、派遣の仕事では同じチームの五月蝿い女性にイライラし、足手まといのメンバーに苛立つ。さらに、家に帰ればライター仕事の依頼主の長話が延々と留守電に入っている。そんな二人の主人公の心情がくどいくらいに延々と描かれ、その気詰まりな空気を作り上げて行く。
二人の主人公、さらに「西池袋事件」がどう繋がるのか? それが気になって、頁が進んだのは確かだ。ただ、結末は…うーん…。なんかちょっと弱い、というか、ちょっと無理矢理っぽいというか…そんな感じがした。
個人的に、こういう空気の作品は嫌いじゃないし、結末も別に構わないんだけど…人を選ぶ作品ではあると思う。
2005年12月24日に日本でレビュー済み
出だしは少しそそられたけど、1章目を読み出したら5分間読み続けることが苦痛になった。桐野夏生にもいえることだけど1人称の心理描写がだらだらと続くばかりでとてもタエラレマセン、女性作家特有の自己満足型小説の典型だね、もう少し物語を語る語り口というものを勉強してから書いてもらいたいです。たとえば坂東真砂子とかね