岡崎京子に似ている、といった感想が多かったが、なるほどと思う。
無垢な少女達は、自分たちのうち誰かが、他人と関わることを許さない。そういった主題は、最初から最後まで通底している。毒を飲んで死ぬというラストもそういうことだろう。
無垢であるということは、他者を認めないことにつながり、残虐さという結果になる。こどものいじめが深刻なのもそういうことだ。色々なあくどい方法で金を稼いでいく、というのも、ちょっとしたピカレスク小説として楽しめるかもしれないが、主人公（私）の良心がちょっと邪魔になる。むしろ千夏の語りにさせたら、もっと凄い小説になっていたかもしれない。
性的な事柄や、糞尿についてだとか、ちょっと下品で乱暴な口調、それと、風変わりな男との恋愛、といった部分は、前作「グルメな女」と共通している。ピンサロに勤めて３日で辞める、といったくだりは面白かったが、いくら金が貯まったかなど全然書いてないのは不十分だろう。遺産金などは銀行振込が普通だろうが、結局、ラストシーンのためにタンス預金にさせてたのだろうね。
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