まず,装丁が秀逸.
さわやかな雰囲気の女性と背景に,若干の卑猥さをもった謎の物体.
中身を読めば,きっとこれがファナモなんだと思う.
爽やかさと同居する汚くない汚物.対比と,その表現が好き.
しかもタイトルの「恋愛の解体と~」ではなく,ファナモの画を装丁にしているところもいい.
内容は,非日常的な日常.でも,現代の日本でも,戦争をする国になるかもとテレビで騒いでいても,
日常を繰り返す自分たちと同じかもしれない.
でもやっぱり,だからと言って読み終わってから行動するわけでもなく,日常にもどってしまう.
SFだけど,実は現実に近いと気づかされる話.
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恋愛の解体と北区の滅亡 単行本 – 2006/6/30
前田 司郎
(著)
注目の前田司郎の東京小説第2弾! 僕らの青春の行き場のない言葉が小説化された。言葉は嘘で身体も嘘。僕らは何か限界に近いことを考え続けるだけで何もしない。何もしないことが共感を呼ぶ。
- 本の長さ202ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/6/30
- ISBN-104062134209
- ISBN-13978-4062134200
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/6/30)
- 発売日 : 2006/6/30
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 202ページ
- ISBN-10 : 4062134209
- ISBN-13 : 978-4062134200
- Amazon 売れ筋ランキング: - 781,432位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,786位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年10月22日に日本でレビュー済み
この作品は世にも奇妙な物語のファナモの原作です
番組よりもディープです
今風の若者のステレオタイプをベースにしていて、普通の人とっては真面目に読むのがつらいかも
GHQの占領政策のような見えない権力に踊らされる庶民の飛散さを風刺している気がする
番組よりもディープです
今風の若者のステレオタイプをベースにしていて、普通の人とっては真面目に読むのがつらいかも
GHQの占領政策のような見えない権力に踊らされる庶民の飛散さを風刺している気がする
2013年9月4日に日本でレビュー済み
期待して読んだがいまひとつ。絶望した男が売春婦に救われるモチーフは現代小説の王道であり、SMなど村上春樹のように一風変わった性的趣向を凝らしたところで目新しさは感じられない。
宇宙人によって北区が滅ぼされようとしているという〈非日常〉設定も、男女間の〈日常〉的会話を引き立てることはなく、「非日常の中の日常」「日常の中の非日常」の演出としては宙ぶらりんな印象である。
宇宙人によって北区が滅ぼされようとしているという〈非日常〉設定も、男女間の〈日常〉的会話を引き立てることはなく、「非日常の中の日常」「日常の中の非日常」の演出としては宙ぶらりんな印象である。
2018年5月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
非日常は日常の中にあって、ナンセンスはセンスの中にある。そんなことを思わせる話です。おどろおどろしいわけではなく、とてもライトな書きっぷり。とても好きです。今時なら、昼間の街中をVRゴーグルをかけて歩くようなものなのでしょうね。北区の方は気の毒だけど 笑。
2007年7月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
前作が気になって立て続けに前田司郎。
一つ分かったのが、
この人はすごいわき道にそれるのが多い。
何かを説明してるなかで、またその中の言葉につっこみが入る。
話の中に宇宙人が出てくるんだけど、ほんとにおまけでしかない。
あ、そういえば宇宙人いるんだったみたいな。
ごく平凡な20代後半の男の1日の話。
登場人物も多くない。
後半最後はずっとSM。
この男の葛藤というか、心の中の動きがおもしろい。
タクシーの中で読んでたんだけど、思わずニヤッとしてたかもしれない。
一つ分かったのが、
この人はすごいわき道にそれるのが多い。
何かを説明してるなかで、またその中の言葉につっこみが入る。
話の中に宇宙人が出てくるんだけど、ほんとにおまけでしかない。
あ、そういえば宇宙人いるんだったみたいな。
ごく平凡な20代後半の男の1日の話。
登場人物も多くない。
後半最後はずっとSM。
この男の葛藤というか、心の中の動きがおもしろい。
タクシーの中で読んでたんだけど、思わずニヤッとしてたかもしれない。
2011年10月26日に日本でレビュー済み
万人受けはしないかもしれませんが、ものすごく面白かったです。
宇宙人が地球に攻撃をしかけるかもしれないという夜に、たいした目的も持たずにそこかしこと街をぶらついているダメ男のお話。北区が滅亡するかもという事態に大した危機感も感じず、コンビニ、本屋、風俗といったありきたりな日常を消費する主人公。その希薄なリアリティーや起伏のない生活感が何とも現代的でおもしろいです。
ただ、だらだらと続いてきた物語が、ラストにほんの少しだけ体温を上げます。SM嬢と交わりながら眺める宇宙人の攻撃。性交も地球の一大事も、彼らにとってはフラットな関係なのでしょう。
同時収録されている「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」もなかなかの傑作でした。身だしなみを整えることに、想像を絶するほど神経を使う完璧主義者の男を彼氏に持った女性の話。ドライブ中、その彼が苦痛の表情を微塵も見せず、極限までウンコを我慢する姿に、彼女は神々しさを感じ、惜しみない愛情を覚える。
何とも人を食ったような話ですが、そのシュールさが絶妙。場面の描写や語り口も、人を小馬鹿にしていて小気味がいいです。「なんか定食食べたい」なんてくだりも、そうそうって感じ(笑)
低俗な話が嫌いでなければ結構オススメです。
宇宙人が地球に攻撃をしかけるかもしれないという夜に、たいした目的も持たずにそこかしこと街をぶらついているダメ男のお話。北区が滅亡するかもという事態に大した危機感も感じず、コンビニ、本屋、風俗といったありきたりな日常を消費する主人公。その希薄なリアリティーや起伏のない生活感が何とも現代的でおもしろいです。
ただ、だらだらと続いてきた物語が、ラストにほんの少しだけ体温を上げます。SM嬢と交わりながら眺める宇宙人の攻撃。性交も地球の一大事も、彼らにとってはフラットな関係なのでしょう。
同時収録されている「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」もなかなかの傑作でした。身だしなみを整えることに、想像を絶するほど神経を使う完璧主義者の男を彼氏に持った女性の話。ドライブ中、その彼が苦痛の表情を微塵も見せず、極限までウンコを我慢する姿に、彼女は神々しさを感じ、惜しみない愛情を覚える。
何とも人を食ったような話ですが、そのシュールさが絶妙。場面の描写や語り口も、人を小馬鹿にしていて小気味がいいです。「なんか定食食べたい」なんてくだりも、そうそうって感じ(笑)
低俗な話が嫌いでなければ結構オススメです。
2007年1月8日に日本でレビュー済み
前作「愛でもない〜」からの期待を裏切らなかった。宇宙人云々だからSFということでは全くないのでその辺で読者を選ぶことはない。作者らしいといっていいのだろうか、力がぬけていてかつ滑らかな世界観は維持されていて、最初から最後まで読者を引っぱってくれる。今回は主人公の思考、特に愛や憎しみや、サディズムとかマゾヒズムについての考察に力点がおかれているようにもみえるが決してそれが作品を重苦しくしているわけではない。また宇宙人の使い方が面白い。
2011年6月15日に日本でレビュー済み
劇団「五反田団」の作・演出家である前田司郎の三島由紀夫賞最終候補作。
宇宙人の襲来を舞台にしながら、そんなこととはまったく関係なしに日常を綴る主人公のお話。
ここまで設定を無視していいものなのか、と思うくらいに徹底的に舞台を無視した内容がとても心地いい。
そうだよなぁ、確かに宇宙人が襲来してきたって、そんなこととは関係なく毎日を過ごすよなぁ、と納得させられるのも心憎い。
前半の自己省察の部分はややかったるいかなぁと思ったが、後半SMの話になってからは勢いもあって面白かった。
なんか新しいものを読んだって感じです。
宇宙人の襲来を舞台にしながら、そんなこととはまったく関係なしに日常を綴る主人公のお話。
ここまで設定を無視していいものなのか、と思うくらいに徹底的に舞台を無視した内容がとても心地いい。
そうだよなぁ、確かに宇宙人が襲来してきたって、そんなこととは関係なく毎日を過ごすよなぁ、と納得させられるのも心憎い。
前半の自己省察の部分はややかったるいかなぁと思ったが、後半SMの話になってからは勢いもあって面白かった。
なんか新しいものを読んだって感じです。