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一瞬の風になれ 第三部 -ドン- 単行本 – 2006/10/25
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ただ、走る。走る。走る。他のものは何もいらない。
この身体とこの走路があればいい……。
「1本、1本、全力だ」
そして、俺らはいつものように円陣を組んだ。総体に行くためだけでなく、タイムを出すためだけでなく、鷲谷と戦うためだけでなく、何より、俺たち4人でチームを組めたことのために走りたいのだった。
「この決勝走れて、どんなに嬉しいか、言葉じゃ言えねえよ」
全3巻圧倒的迫力の完結編!!
第28回吉川英治文学新人賞受賞
2007年本屋大賞受賞
- 本の長さ402ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2006/10/25
- 寸法13.1 x 2.7 x 19.2 cm
- ISBN-104062136813
- ISBN-13978-4062136815
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商品の説明
商品説明
100m県2位の連、4位の新二。そこに有望な新入生が加わり、部の歴史上最高級の4継(400mリレー)チームができあがった。目指すは、南関東大会の先にある、総体。もちろん、立ちふさがるライバルたちも同じく成長している。県の100m王者・仙波、3位の高梨。彼ら2人が所属するライバル校の4継チームは、まさに県下最強だ。
部内における人間関係のもつれ。大切な家族との、気持ちのすれ違い。そうした数々の困難を乗り越え、助け合い、支え合い、ライバルたちと競い合いながら、新二たちは総体予選を勝ち抜いていく――。
前2巻の集大成である本書には、大会における競技シーンが多い。そこで読み手の感情を揺り動かすのは、それまでこつこつと積み重ねてきた人物描写だ。1、2巻を読み終える頃、物語の登場人物たちは、もはや他人ではなくなっている。新二の声を枯らした応援につられ、握りこぶしを作って声援を送る読者も多いはずだ。
その興奮、緊張感は、南関東大会でクライマックスを迎える。若きスプリンターたちが大舞台のスタートラインに立ち、ぞくぞくするようなスピード対決が、いま、スタートする。(小尾慶一)
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2006/10/25)
- 発売日 : 2006/10/25
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 402ページ
- ISBN-10 : 4062136813
- ISBN-13 : 978-4062136815
- 寸法 : 13.1 x 2.7 x 19.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 400,926位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,601位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1962(昭和37)年、東京生れ。青山学院大学文学部卒業。’89(平成元)年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな 毎日』で’98年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞を受賞した(本データは この書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ごきげんな裏階段 (ISBN-13:978-4101237350)』が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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走ってる描写がとくにリアルで読んでてハラハラドキドキする。陸上経験なんてないけど本当に面白かった。
風を感じ、彼らの呼吸や鼓動を感じ、彼らと共にコースを駆け抜けたのではないだろうか。
主人公のスプリンターとして成長していく過程が、とても丁寧に描かれていた。
才能に頼ってとんとん拍子に成長していくのではなく、
少しずつ、じっくりと成長していく表現が、とてもリアルだった。
惜しむらくは、登場人物達の恋物語が若干稀薄だったことだ。
1巻のラスト近くで、あこがれの仙波一也に、
目も心も奪われてしまうヒロインが、2巻冒頭部分で
競技者として岐路に立っていることを、
個人的に主人公に相談するのだが、
それは、展開としていささか性急すぎではと思われた。
そのような間柄になるには、二人にとって何か信頼関係を
築く出来事がいくつかあったはずなのだが、
その部分が描かれていないことは残念だった。
また、ヒロインの最後の県大会が描かれていない
ことも物足りなさを助長した。
基本主人公目線でのストーリーテラーだから、
説明不足になりがちになるのは、やむを得ないが、
それでも、もっと主人公とヒロインが心通わす場面が
あった方が良かったように思う。
それは、他の主要登場人物達にも言えることで、
一ノ瀬連と鳥沢圭子、根岸康行の原明日香への
想いだとか、彼らの恋模様ももっと見てみたかった。
なぜなら彼らは高校生なわけで、自身の可能性に
賭けるのは当然だけれども、きっとそれと同じくらい
恋に生きていたのではないだろうか。
そういう場面がよりあれば、彼らの生命をさらに近くに
感じられたに違いない。
1,2,3まとめて買って一気に読みました。
読み進めて残りページが減ってくるのが惜しくなるような作品でした。
割と万人受けするような作品だと思いますが、はずれと言う人は少ないと思います。
泣くつもりは全くなかったのに、泣けたっ。
「悪いのは俺だ!」
三輪先生は、吐き出すように言った。
この文で、涙がじわーっときた。
「イチニツイテ」「ヨウイ」「ドン」。
新二の言葉が、気持ちが、スーッと自分の中に入ってきて、容易に感情移入できて、まるで自分が、春高の陸上部に在籍しているかのように思ってしまいました。すごーーく図々しいけど……。
「第3部 ドン」で、新二、連、ネギ、モモッチ、鍵山たち春高の4継のメンバーはじめライバルたちは、みんな、それぞれのスタートを切った。
でも、書かれていない部分が、まだたくさん残っているような気がするのだが……もっと書いてほしいような、ほしくないような、微妙な気持ちです。スッと自分の前を通り過ぎた「一瞬の風」を、無理して捉まえようとしてはいけないような気がする。
「人生は、世界は、リレーそのものだな。バトンを渡して、人とつながっていける。一人だけではできない。だけど、自分が走るその時は、まったく一人きりだ。誰も助けてくれない。助けられない。誰も替わってくれない。替われない。この孤独を俺はもっと見つめないといけない。俺は、俺をもっと見つめないといけない。そこは、言葉のない世界なんだ―たぶん」。新二のこの言葉が、一番胸に響きました。
連日の熱帯夜に辟易していますが、この本を読んで、爽やかな風に吹かれたような気になりました。ほんの一瞬ですが……。
陸上経験者(短距離)は読んだ方がいい。数秒間走るだけの競技を文字で伝えるのは難しい。1、2巻に比べ、走るときの描写がより繊細で臨場感が増した。過去の観衆の応援や、スパイクでタータンを走った感覚を思い出した。新二の母親が陸上の面白さを語るシーンや、県、地区予選を走り切ってリレーメンバーで抱き合うシーンはグッときた。ただただ澱みのない爽やかな青春小説でした。ーーー「リレーは、幸せな走りだ。こんなふうに幸福な気持ちで走ったのは初めてだ。同じ直線の100mを走っても、個人種目とはまるで違う」(p208)
届いて、子供に渡し、毎日読んでます。1巻~3巻までまとめて購入しました。
すぐに飽きてしまうちの子も読んでいるので多分、面白いのだと思いました。
臨場感、大会の時の細かな描写がとてもリアル!「あるある…」ニヤリとしながら読んでいました。
読書が嫌いな息子が珍しくハマり、何度も繰り返し読んでいます。大人が読んでも面白く、購入してよかったです。