このエッセイは、歌謡曲ガテーマだが、当然ながら、私の知っている歌ばかりじゃなかった。森達也さんが、彼の思い出の歌について語ってるわけで、彼の著作とも大いに関係があった。
言わば、森達也さんの体臭が染みついた、歌謡曲エッセイで、彼の著作と共に味合うべき作品である。内容は非常に濃く、単なるエッセイの域を超えている。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
ぼくの歌・みんなの歌 単行本(ソフトカバー) – 2007/10/26
森 達也
(著)
振り返れば、いつだって歌が流れていた! 初恋や失恋、卒業や旅立ち、挫折や絶望……。ニール・ヤングからブルーハーツ、演歌まで、人生のさまざまな局面で出会った歌を読み直す珠玉の極私的エッセイ集。
- 本の長さ388ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2007/10/26
- ISBN-104062141949
- ISBN-13978-4062141949
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2007/10/26)
- 発売日 : 2007/10/26
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 388ページ
- ISBN-10 : 4062141949
- ISBN-13 : 978-4062141949
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
広島県生まれ。映画監督、作家。1998年にドキュメンタリー映画『A』を発表。2001年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で特別賞・市民賞を受賞(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『極私的メディア論』(ISBN-10:4904795075)が刊行された当時に掲載されていたものです)
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2007年12月30日に日本でレビュー済み
歌のタイトルに絡めたエッセイ集のようなもの、と括ってしまうのは気が引けるぐらい中身が濃い。
「出発の歌」の章では、いきなりマイケル・ムーアの「華氏911」が俎上に載せられ、著者は、明確すぎる違和感に尽きる、と言いきる。
「華氏911」を一口にまとめれば、ムーアの政治的スローガンから逆算された映像の集積だ。テーマはない。スローガンだからだ。
アジテーションやスローガンは、断定しないことには機能しない。だから曖昧さや煩悩が消える。だから本質に届かない。だからアメリカの根元的な病理を描けない。だから本当の意味での戦争への批判にならない。と畳み掛けてくる。
その後は作曲者の小室等につながり、そして、優しい笑顔の小室が実はムーアとは一線を画するような硬派だということを説いていく。
著者の「放送禁止歌」も名著だったが、本書も甲乙つけがたい。
「出発の歌」の章では、いきなりマイケル・ムーアの「華氏911」が俎上に載せられ、著者は、明確すぎる違和感に尽きる、と言いきる。
「華氏911」を一口にまとめれば、ムーアの政治的スローガンから逆算された映像の集積だ。テーマはない。スローガンだからだ。
アジテーションやスローガンは、断定しないことには機能しない。だから曖昧さや煩悩が消える。だから本質に届かない。だからアメリカの根元的な病理を描けない。だから本当の意味での戦争への批判にならない。と畳み掛けてくる。
その後は作曲者の小室等につながり、そして、優しい笑顔の小室が実はムーアとは一線を画するような硬派だということを説いていく。
著者の「放送禁止歌」も名著だったが、本書も甲乙つけがたい。
2014年10月26日に日本でレビュー済み
「放送禁止歌」には心底感動した 重苦しい空に風穴が開いた様なそんな気までしたし本当に嬉しかった
そしてその価値は今以って変わってないと思う
だが、この本には少しがっかり...取り上げられているミュージシャンや曲は評者も大好きなのだが...
どうしても評者が気になるのは「友部正人」の項で使われる「お里が知れる」って言葉だ(小室等の項でも使われている)
「友部正人」は所謂「差別用語」とされていた言葉を含む歌を歌いレコードを発禁回収処分にもなっているシンガーだ
しかし自分の言葉には100%自分で責任を取る覚悟を持って歌っているのも間違いない
その「友部正人」を作者は大絶賛しているのだが...(そこまでは評者も異論はない)
どうしても「お里が知れる」って言葉には引っ掛かりを感じてしまう(神経過敏過ぎかなとも思うのだが...)
その言葉を「友部正人」の項で使うのは、確信犯だろう どうもそこに作者の驕りを感じてしまう
自分はもうどんな言葉を使っても大丈夫だ、みたいな
「竹田の子守唄」や「手紙」が放送禁止になるのは馬鹿らしい理由だ
だが、「お里が知れる」って言葉の持つ意味とは全然違う
まだ誰かを傷付ける覚悟で使うなら(その責任を自ら引き受ける覚悟なら)まだいい(作者は自分自身に自嘲的な意味で使っている)
考え過ぎだとは思うが、素晴らしい「放送禁止歌」の作者なだけに少し残念である
そしてその価値は今以って変わってないと思う
だが、この本には少しがっかり...取り上げられているミュージシャンや曲は評者も大好きなのだが...
どうしても評者が気になるのは「友部正人」の項で使われる「お里が知れる」って言葉だ(小室等の項でも使われている)
「友部正人」は所謂「差別用語」とされていた言葉を含む歌を歌いレコードを発禁回収処分にもなっているシンガーだ
しかし自分の言葉には100%自分で責任を取る覚悟を持って歌っているのも間違いない
その「友部正人」を作者は大絶賛しているのだが...(そこまでは評者も異論はない)
どうしても「お里が知れる」って言葉には引っ掛かりを感じてしまう(神経過敏過ぎかなとも思うのだが...)
その言葉を「友部正人」の項で使うのは、確信犯だろう どうもそこに作者の驕りを感じてしまう
自分はもうどんな言葉を使っても大丈夫だ、みたいな
「竹田の子守唄」や「手紙」が放送禁止になるのは馬鹿らしい理由だ
だが、「お里が知れる」って言葉の持つ意味とは全然違う
まだ誰かを傷付ける覚悟で使うなら(その責任を自ら引き受ける覚悟なら)まだいい(作者は自分自身に自嘲的な意味で使っている)
考え過ぎだとは思うが、素晴らしい「放送禁止歌」の作者なだけに少し残念である
2008年3月3日に日本でレビュー済み
誰にでも個人的体験と結びついた「思い出の歌」の一つや二つはあるだろう。
その個人的体験を他人が聞いて面白いと思うかどうかは別にしても。
この本を読むと、筆者の「思い出の歌」があたかも自分の「思い出の歌」のように思えてしまう。そこが、単なる他人の昔話と違うところだ。
そして、全てを読み終わった後には、本当の自分の「思い出の歌」を久しぶりに聴きたくなるだろう。
「ライク・ア・ハリケーン」
「生活の柄」
「夜へ急ぐ人」
「青空」
「ホテル・カルフォルニア」
この本で紹介される筆者の「思い出の歌」の一部である。
その個人的体験を他人が聞いて面白いと思うかどうかは別にしても。
この本を読むと、筆者の「思い出の歌」があたかも自分の「思い出の歌」のように思えてしまう。そこが、単なる他人の昔話と違うところだ。
そして、全てを読み終わった後には、本当の自分の「思い出の歌」を久しぶりに聴きたくなるだろう。
「ライク・ア・ハリケーン」
「生活の柄」
「夜へ急ぐ人」
「青空」
「ホテル・カルフォルニア」
この本で紹介される筆者の「思い出の歌」の一部である。