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わたくし率 イン 歯ー、または世界 単行本 – 2007/7/26

3.6 5つ星のうち3.6 53個の評価

第137回芥川賞候補作
読んだら吐くで。ほいでもって泣くで。
デビューと同時に激しめに絶賛された文筆歌手が魅せまくる、かくも鮮やかな言葉の奔流! リズムの応酬! 問いの炸裂! 〈わたし〉と〈私〉と〈歯〉をめぐる疾風怒濤のなんやかや! とにかく衝撃の、処女作。

あんたら人間の死亡率。うんぬんにうっわあうっわあびびるまえに人間のわたくし率こそ百パーセントであるこのすごさ! ああ! わたしはいまや、なんでか不快であったわたくし率がなんでか愉快でたまらん気持ちになって来た! ああこれこそ! 正味よ! あんたらは何が何をするんが人生やって思ってんねん、これは大事なことやねん、これがわたしの問題ねん! 夢の中で蝶々になってもそれがいったいどないしたんや、蝶々になろうが何になろうがそれそこにある私はいっこもなんも変わらんままや! わたくし率はなんもかわらん、蝶々がなんやの、私は奥歯や、わたくし率はぱんぱんで奥歯にとじこめられておる!!

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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2007/7/26)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2007/7/26
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 142ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062142139
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062142137
  • カスタマーレビュー:
    3.6 5つ星のうち3.6 53個の評価

著者について

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川上 未映子
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大阪府生まれ。2007年、デビュー小説『わたくし率イン 歯ー、または世界』で第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞受賞。2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞を受賞。2009年、詩集『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』で第14回中原中也賞受賞。2010年、『ヘヴン』で平成21年度芸術選奨文部科学大臣新人賞、第20回紫式部文学賞受賞。2013年、詩集『水瓶』で第43回高見順賞受賞。短編集『愛の夢とか』で第49回谷崎潤一郎賞受賞。2016年、『あこがれ』で渡辺淳一文学賞受賞。「マリーの愛の証明」にてGranta Best of Young Japanese Novelists 2016に選出。村上春樹との共著『みみずくは黄昏に飛びたつ』、『すべて真夜中の恋人たち』など著書多数。

2019年、第73回毎日出版文化賞受賞した『夏物語』は、20年ニューヨーク・タイムズが選ぶ「今年読むべき100冊」やTIMEの「今年のベスト10冊」などにも選ばれ、現在40カ国以上で刊行が進められている。

カスタマーレビュー

星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
53グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2007年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
理解しようと思って読むと、読み進めるのが困難かもしれませんが、細かいことを気にせずに読み流していくと、リズムがあって読みやすく、インディーズ映画のようなポップな映像を思い浮かべることができました。不自然な句読点や無意味そうな表現も、その映像に音響効果や特殊効果をもたらしました。映画にするとかっこよさそうな描写が多くあり、楽しめました。下手に詳しく書かれていない分、想像力を駆り立てて読めました。一方で、自分を見失い、生きる意味を探し求める主人公は、深く描かれており、共感するところも多くありました。帯にあった「ほいでもって泣くで」のコピーは、かなり正しいと思われます。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2017年12月30日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
処女作のエッセー集が大変に面白かったので購入しましたが、わたしにはよく分かりませんでした。
熱が出た時に見る夢、あと全く事前知識なしに読む、夏目漱石の草枕などの感じです。
詩人の脳内はこんな感じなんでしょうか?
文法は狂っているわけではないのに目をつるつる滑る文です。
14人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2010年8月15日に日本でレビュー済み
 表題作「わたくし率 イン 歯―、または世界」。歯々。母。はは。ははっ。
 壊れそうな言葉を目で追う自分、壊れそうなのは言葉なのか、あるいは自分なのか? 増殖していく、分裂していく、薄まっていく、……、そもそもが、空っぽだった? あるいは、……と思わされる、反復されるモティーフ。

(前略)三年子はらっきょうの名前でもあるのです。三年かけて作られて、けっきょく芯も何もなくて奥歯にかかれば一回で完全に噛み砕かれてまう、そんならっきょうの三年子でもあるんです。

大きな口の中の舌のうえにもうひとつ口が現れます。そしてその口の中にもう一枚の小さな舌。それならばあの治療室をのせているさらに大きな舌があるのかもしれないですねえ。

振り返れば一歩ごとのわたしが列になってつづいている、並んでる、過ぎていった無数の今がゆるい曲線の軌跡になって、おお、わたしは無数のわたしの先頭となって走りつづけ青木の後を追うようにして夜の中を前進します、前進します、

人間が、一人称が、何でできてるかゆうてみい、一人称なあ、あんたらなにげに使うてるけどなこれはどえらいもんなんや、おっとろしいほど終りがのうて孤独すぎるもんなんや、これが私、と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私と思ってる私!! これ死ぬまでいいつづけても終りがないんや、私の終りには着かんのや、ぜんぶが入ってぜんぶが裏返ってるようなそれくらい恐ろしいもんなんや私っていうもんは考えたら考えるだけだだ漏れになっていくもんなんや私ってもんはな、

 併録作「感じる専門家 採用試験」。母胎回帰への願望が生み出した世界、ということなのだろうか? 

 二作とも、自分には、おどろき、の衝撃波が強すぎて、頭が働かない。頭が働かないのは、生まれつきだろ、と自分に突っ込みを入れて、痛む歯を押さえながら、レヴューに、幕。
3人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2022年4月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
芥川龍之介がすきな方にはおすすめかもしれません
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2018年12月12日に日本でレビュー済み
日本の小説をあまり読んでいなかったのでこれを読んでみた。
読み始めて、この文体は谷崎潤一郎の現代大坂女性版なのかなと思ったが、それともちょっと違うようだ。意味がわからないところも多い。その文体はまあ面白いと言えば面白いんだけど、読みづらくてあまり感じるところがない小説だった。もうこの人の小説は読まないだろうな。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2014年2月14日に日本でレビュー済み
えっ?なんだこれ……。と思いながら読んだ。
すると突然、あ!わかるわかる。と思う瞬間がある。
そして、なるほどそういう……はあん。と気になってくる。
でも、青木の彼女の方が一枚も二枚も上手で、その言葉の選び方というか
主人公に対する手痛い態度というか、それの方が私にはズキューン!!ときて
そこのシーンからは主人公が、大変大変ぼんやりしてきた。
多分、存在も含め全てが。

だけど、自我という意味でみると全体が自我なんだよな。
高校生の頃に読んだらどう感じたかと思います。
2008年1月18日に日本でレビュー済み
なんとも不思議な読後感だった。一息ついてストーリーを追い直してみる。統合失調症患者の妄想のような一見、支離滅裂な話が続く。自分の奥歯に自我があると「決めた」女が、まだ宿してもいない自分の子どもと中学時代に「自分が知りたい秘密」を教えてくれた男の子へ向けて手紙を書く。その内容は正しく妄想そのもの。しかし、この本のテーマである、わたし、自己意識、自我についての考えは実に深い。哲学の独我論にも通じる。アルバイト先の歯医者でも妄想が続くが、これは自らの影を見ていると思える。そこへ実物のその男が患者としてやってくる。女は男をアパートへ訪ね、怒涛のわたくし論をブっぱなし「奥歯(男の自我)ちょうだい」とたたみかける。それに対峙する男の部屋から出てきた女が、読んでいて笑えるまでに痛快な現実を突きつける。これがクライマックス。後半の展開も興味深い。奥歯を麻酔なしで抜きながら頭に浮かぶのは過去に受けた陰湿ないじめの光景か。最後の3ページには、すべての始まりを予感させるエピソードがこの部分だけは全く普通の文体で書かれている。このリズムはハマる。人物の心を生々しく描写する著者の力はすごい。
もう一つの「感じる専門家 採用試験」での、妊婦の葛藤の描写も妙にリアルで素晴らしい。子どもを生んだことはないだろうに。
「乳と卵」も是非読みたい。
29人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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2008年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
わたくし(自分の本質)が奥歯にあると決め込んだ精神錯乱気味の歯科助手の物語で、個々の読者にとって様々な多様性を持って働きかけてくる、とても読み応えのある小説だと思います。

主人公はつきあっている(と想定している)仕事で忙しくて会えない彼への想いを、未来の自分の子供に向けた日記に綴り、歯科では女性医師に苛められますが、既に耐性ができていています。なぜなら少女時代にもっと陰惨ないじめに合っていたから。

そうして、彼の浮気現場で、疾風怒濤の想いを、情緒を含む鋭利な大阪弁でぶちまけ、浮気相手にこれまた鋭利な憎しみを込めた大阪弁で反撃され、、、そして、その足で歯医者に向かい、わたくし=自分の本質=奥歯を、、、して、現実の世界へ舞い降ります。

これは、虚構の「わたくし率イン歯―」の世界から、現実の「わたくし率イン世界」への主人公の成長の物語です。

著者はその日記「そら頭はでかいです。世界はすこんと入ります」で、少女時代に働けど貧しい母親を見て、自分は生まれるべきでなかったと想い悩んで来たと吐露していますが、恐らく本作は、彼女自身が彼女の為に書かざるを得なかった、自分自身へのレクイエムだと思います。
13人のお客様がこれが役に立ったと考えています
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