もともとニコルソンベイカーが好きで、翻訳の岸本佐知子さん繋がりで本を探してみた。
よくまあこんな変な短篇を書く人達がいるもんだ。
どの【変】も単なる奇想天外でなく、なんとなく根っこになる心情は理解できるし、
だからより対象にクローズアップしたピュアでドロドロで繊細な執着、
心の動きが共感できてしまい、読んでる間は自分の頭の中も変な愛が充満してしまった。
個人的には宇宙服の病気の話とやっぱりベイカーの柿右衛門の器が好き。
掲載された作家のそれぞれ他のが読みたくなったし、日本版変愛小説集も読んでみたい。
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変愛小説集 単行本 – 2008/5/7
岸本 佐知子
(編集)
岸本佐知子、最新翻訳集 岸本佐知子が訳す世界の「愛」の物語。ブッカー賞作家から無名作家まで「変愛」と呼ぶしかない狂おしくも美しい愛の世界。こんな小説見たことない・・・!?
- 本の長さ288ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/5/7
- ISBN-104062145448
- ISBN-13978-4062145442
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/5/7)
- 発売日 : 2008/5/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 288ページ
- ISBN-10 : 4062145448
- ISBN-13 : 978-4062145442
- Amazon 売れ筋ランキング: - 757,490位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 7,473位英米文学研究
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年6月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「五月」アリ・スミス 彼女は木に恋をし、その恋人(女)は隣で彼女を見守っている。
「僕らが天王星に着くころ」レイ・ヴクサヴィッチ 皮膚が完全に宇宙服に変わって彼女は行ってしまったが、なあに、大丈夫! 軌道修正して追いつくさ(これぞ奇想!)。
「セーター」レイ・ヴクサヴィッチ 彼と彼女は火山の山腹とテーブルの大地とに分かたれてしまったのであった。
「まる呑み」ジュリア・スラヴィン 彼は彼女の内臓すべてとセックスした。
「最後の夜」ジェームズ・ソルター 妻を死に旅立たせるはずの一本の注射が彼女と彼が別れることになったいきさつだった。
「お母さん攻略法」イアン・フレイジャー さあ、ママをゲットしよう!
「リアル・ドール」A・M・ホームズ 彼はバービーを欲していたが、バービーは妹の所有物であった。
「獣」モーリーン・F・マクヒュー 父は獣を追い払った。そして、わたしは何も言わなかった。
「ブルー・ヨーデル」スコット・スナイダー 蝋人形の真似をしていた彼女は彼との諍いの後に飛行船に乗って行ってしまった。
「柿右衛門の器」ニコルソン・ベイカー 「たしかに牛を感じるわ」と大叔母は彼女に言った。さて、絵柄がウズラのパンチボウルには一体なにが感じられるのだろう?
「母たちの島」ジュディ・バドニッツ 女だけが残された島に男たちは来て去って行った。そのとき孕まれた子供たちが十五歳になったとき一人の男が島に辿り着く。が、その選択をしない彼女たちもいたのであった。
主流もジャンルも種々の変わった経歴を持つ作家も混じる奇想集。素敵だ!
「僕らが天王星に着くころ」レイ・ヴクサヴィッチ 皮膚が完全に宇宙服に変わって彼女は行ってしまったが、なあに、大丈夫! 軌道修正して追いつくさ(これぞ奇想!)。
「セーター」レイ・ヴクサヴィッチ 彼と彼女は火山の山腹とテーブルの大地とに分かたれてしまったのであった。
「まる呑み」ジュリア・スラヴィン 彼は彼女の内臓すべてとセックスした。
「最後の夜」ジェームズ・ソルター 妻を死に旅立たせるはずの一本の注射が彼女と彼が別れることになったいきさつだった。
「お母さん攻略法」イアン・フレイジャー さあ、ママをゲットしよう!
「リアル・ドール」A・M・ホームズ 彼はバービーを欲していたが、バービーは妹の所有物であった。
「獣」モーリーン・F・マクヒュー 父は獣を追い払った。そして、わたしは何も言わなかった。
「ブルー・ヨーデル」スコット・スナイダー 蝋人形の真似をしていた彼女は彼との諍いの後に飛行船に乗って行ってしまった。
「柿右衛門の器」ニコルソン・ベイカー 「たしかに牛を感じるわ」と大叔母は彼女に言った。さて、絵柄がウズラのパンチボウルには一体なにが感じられるのだろう?
「母たちの島」ジュディ・バドニッツ 女だけが残された島に男たちは来て去って行った。そのとき孕まれた子供たちが十五歳になったとき一人の男が島に辿り着く。が、その選択をしない彼女たちもいたのであった。
主流もジャンルも種々の変わった経歴を持つ作家も混じる奇想集。素敵だ!
2018年8月28日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
帯がぐちゃぐちゃに破れていました。裸で入れてあるだけで袋の中で2冊がお互いに擦れあってたんだと思います。僕ならラップ巻いて固定しますよ。
2016年7月16日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
愛も一つの執着というカタチ。デクフォルメされてなお、印象的となった様々な執着心が、繰り広げられる。どこから読んでも、どれを読んでも、楽しめるはず。恋愛ものはよまないたちが、めずらしくもはまりにはまった一冊だった。
2008年7月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ひどく変わった味がする短篇小説のアンソロジー。グロテスクな愛、型破りの愛、一方的な愛、奇想天外な愛などなど、普通の「恋愛」小説とはひと味もふた味も違う「変愛」小説がずらり、並んでいます。
アリ・スミスの「五月」を冒頭に、レイ・ヴクサヴィッチの「僕らが天王星に着くころ」「セーター」、ジュリア・スラヴィン「まる呑み」、ジェームズ・ソルター「最後の夜」、イアン・フレイジャー「お母さん攻略法」、A・M・ホームズ「リアル・ドール」、モーリーン・F・マクヒュー「獣」、スコット・スナイダー「ブルー・ヨーデル」、ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」、ジュディ・バドニッツ「母たちの島」を収録。「僕らが天王星に着くころ」を除いて、すべて、『群像』誌上に初出・掲載された短篇小説。
なかでもバツグンに風変わりで、変てこな話の奇妙な味に引き込まれたのが、「五月」「リアル・ドール」「母たちの島」の三篇。木に恋した人と、その人を気遣う人と。ふたりの無償の愛が美しく描かれた「五月」。妹のバービー人形とつきあってる僕の変態性活を、生き生きと、コミカルに綴っていく「リアル・ドール」。父親たちのいない島で育てられた女の子たち。未知なる男どもへの不安と期待が高まっていくなかで、話が急展開し、とんでもない所に着地する「母たちの島」。
こんな面白くて、読みごたえのある海外短篇のアンソロジーを読んだのは、小野寺 健・編訳の『20世紀イギリス短篇選(上・下)』(岩波文庫)以来。強烈な読後感は、どこか異国の料理店で、知られざる特別料理を堪能した気分に似ているかも。
岸本さんの融通無碍、達意の訳文が素晴らしかったです。
アリ・スミスの「五月」を冒頭に、レイ・ヴクサヴィッチの「僕らが天王星に着くころ」「セーター」、ジュリア・スラヴィン「まる呑み」、ジェームズ・ソルター「最後の夜」、イアン・フレイジャー「お母さん攻略法」、A・M・ホームズ「リアル・ドール」、モーリーン・F・マクヒュー「獣」、スコット・スナイダー「ブルー・ヨーデル」、ニコルソン・ベイカー「柿右衛門の器」、ジュディ・バドニッツ「母たちの島」を収録。「僕らが天王星に着くころ」を除いて、すべて、『群像』誌上に初出・掲載された短篇小説。
なかでもバツグンに風変わりで、変てこな話の奇妙な味に引き込まれたのが、「五月」「リアル・ドール」「母たちの島」の三篇。木に恋した人と、その人を気遣う人と。ふたりの無償の愛が美しく描かれた「五月」。妹のバービー人形とつきあってる僕の変態性活を、生き生きと、コミカルに綴っていく「リアル・ドール」。父親たちのいない島で育てられた女の子たち。未知なる男どもへの不安と期待が高まっていくなかで、話が急展開し、とんでもない所に着地する「母たちの島」。
こんな面白くて、読みごたえのある海外短篇のアンソロジーを読んだのは、小野寺 健・編訳の『20世紀イギリス短篇選(上・下)』(岩波文庫)以来。強烈な読後感は、どこか異国の料理店で、知られざる特別料理を堪能した気分に似ているかも。
岸本さんの融通無碍、達意の訳文が素晴らしかったです。
2014年2月23日に日本でレビュー済み
翻訳家岸本佐知子が海外の恋愛小説ではなく、変な愛をテーマにした短編小説をセレクトした作品集。この作品集を読んで、初めて海外小説を面白いと感じた。しかも、こんなにも発想豊かな小説があったんだという感動すらあり。いつも感じる、海外翻訳小説への不満というものがこれにはなかった。それどころか、日本の小説にはない凄味のようなものを感じる作品もちらほら。
最後の「母たちの島」などは、スケールといいテーマといい素晴らしいものがあった。もともと岸本佐知子の文章は好きであったが、この方はもしかしたら数少ない本物の翻訳家なのかもしれないし、セレクトする作家も素晴らしかった。
最後の「母たちの島」などは、スケールといいテーマといい素晴らしいものがあった。もともと岸本佐知子の文章は好きであったが、この方はもしかしたら数少ない本物の翻訳家なのかもしれないし、セレクトする作家も素晴らしかった。
2009年3月5日に日本でレビュー済み
「変な」恋愛にまつわる短編集かと思いきや
「変な設定の」恋愛譚を集めたアンソロジーでした。
設定が非現実的とは云え、語られているのはやはり「純」愛であり
よくもまあこれだけの変化球(しかしストライクではある)を集めてきたものです。
SFチックな設定が多いのですが
どことなく生々しい肌触りの作品がほとんどで
趣味的に倒錯していない、とは決して言い切れないでしょう。
男性であればここまで生理的にイッテしまったモノを
ずらりと並べては気分が悪くなってしまうかも。
訳者のこの集め方には女「性」を感じます。
「変な設定の」恋愛譚を集めたアンソロジーでした。
設定が非現実的とは云え、語られているのはやはり「純」愛であり
よくもまあこれだけの変化球(しかしストライクではある)を集めてきたものです。
SFチックな設定が多いのですが
どことなく生々しい肌触りの作品がほとんどで
趣味的に倒錯していない、とは決して言い切れないでしょう。
男性であればここまで生理的にイッテしまったモノを
ずらりと並べては気分が悪くなってしまうかも。
訳者のこの集め方には女「性」を感じます。
2008年6月29日に日本でレビュー済み
『「変」愛小説集』と言うタイトル通り、恋愛を扱ったアンソロジーですが、対象や設定が突飛で、確かに「変」の字を当てたくなるアンソロジーです。
しかし、編者も言っている通り、設定や対象が「変」でも、そこに描かれている感情は非常にピュアなものがあります。だからこそ、普遍的な「恋愛」小説として読むことが出来るのでしょう。
編者がこのアンソロジーを編んだ意図も、その辺りにあるのではないでしょうか。
今や食傷気味の「純愛小説」群には反発もありますが、このピュアな「恋愛」感情には全く嫌みがありません。むしろ、その一途さに惹かれるものがあります。
個人的には、この中では相対的に最もまともなラストの『母たちの島』が面白かったと思います。
戦争と言う極限の中で、女たちの島にやってきた兵士。
そして、その後に残ったものは・・・。
結果として残された娘の目を通して暴かれて行く過去は、母達の歓びと悲しみの混じり合った複雑なものです。更に・・・。
非常にユニークで面白いアンソロジーでした。
しかし、編者も言っている通り、設定や対象が「変」でも、そこに描かれている感情は非常にピュアなものがあります。だからこそ、普遍的な「恋愛」小説として読むことが出来るのでしょう。
編者がこのアンソロジーを編んだ意図も、その辺りにあるのではないでしょうか。
今や食傷気味の「純愛小説」群には反発もありますが、このピュアな「恋愛」感情には全く嫌みがありません。むしろ、その一途さに惹かれるものがあります。
個人的には、この中では相対的に最もまともなラストの『母たちの島』が面白かったと思います。
戦争と言う極限の中で、女たちの島にやってきた兵士。
そして、その後に残ったものは・・・。
結果として残された娘の目を通して暴かれて行く過去は、母達の歓びと悲しみの混じり合った複雑なものです。更に・・・。
非常にユニークで面白いアンソロジーでした。