律と瀬里奈という二人の女の子を巡るいろいろなお話です。
小学生の瀬里奈は泣き虫で、クラスの中で一番浮いています。瀬里奈は教室で泣いたあと、時々いなくなるのですが、律はその後を追いかけていき、たまたま女子トイレの掃除用具置き場に瀬里奈が隠れているのを見つけます。
その後、律はそこで瀬里奈にある術をかけます。その術によって、瀬里奈はこれまでとは違って泣かない子になり、周りの子供達から尊敬されるほどの変容を見せます。
小学校を卒業したこの二人がつぎに出会うのは、律が大学生になってからです。瀬里奈はモデルのような仕事をしています。律のバイト先に来るようになった瀬里奈は、律と初めて喧嘩をします。その過程で、律は、実は瀬里奈と自分はとても似た者同士だったということに気づきます。
ここから先は、ぜひこの本を読んでください。
何かに同一化していないと自分を保つ事が難しい、というか、発達はたくさんの対象に同一化を果たしていく過程だとは良く言われます。
では、何ものにも同一化していない素の自分というのは社会で暮らしていく事ができるのでしょうか?社会の荒波を乗り越えて行く事ができるのでしょうか?
余りにもピュアな心を持つために、必ず何者かに同一化を果たさねば生きていけない二人の女の子たち。しかし、それに気づいて、ピュアな方の自己と向かいあうことを考えるのが青年期でもありますよね。ホントに村田沙耶香さんは、思春期から青年期の女の子たちの心をものすごく分かっている人だとしみじみ感心します。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
マウス 単行本 – 2008/3/27
村田 沙耶香
(著)
女の子が自分らしく在るために必要なこと。少女から、女性へ。子供から、大人に。女の子同士に交わされる好意、友情、いじわる、ライバル心、さまざまな心の機微と成長を鮮明に描いた、ガールズ・ノベル。
- 本の長さ242ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/3/27
- ISBN-104062145898
- ISBN-13978-4062145893
この著者の人気タイトル
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/3/27)
- 発売日 : 2008/3/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 242ページ
- ISBN-10 : 4062145898
- ISBN-13 : 978-4062145893
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,685,922位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 40,218位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
村田 沙耶香
(むらた・さやか)
1979年、千葉県生まれ。玉川大学文学部芸術文化学科卒。2003年、『授乳』で群像新人文学賞(小説部門・優秀作)を受賞しデビュー。2009年、『ギンイロノウタ』で野間文芸新人賞、2013年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で三島賞、2016年、『コンビニ人間』で芥川賞受賞。同作は累計発行部数100万部を突破した。その他の著書に『マウス』『星が吸う水』『タダイマトビラ』『地球星人』『殺人出産』『消滅世界』『生命式』などがある。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2019年9月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作家の言葉の使い方や、なんとも言えない独特の雰囲気が好きです。
2017年7月22日に日本でレビュー済み
“私は弱くて小さな女です”という仮面を被り、それを演じているうちに、その通りになる。 可愛くて優しい女の仮面を被った時、私は弱くて小さな女から卒業する。
ガラスの仮面を被ることで、私はどんな役(女)にもなれる。
私は、この程度の女ですって想うより、本当の私は、もっとスゴいんだよ! 目立っていいんだよ! 輝いてもいいんだよ! 幸せになってもいいんだよ!
女は“花”だから、奇麗に一花どころか百花も、見事に咲かせて魅せて愛の華を。
ガラスの仮面を被ることで、私はどんな役(女)にもなれる。
私は、この程度の女ですって想うより、本当の私は、もっとスゴいんだよ! 目立っていいんだよ! 輝いてもいいんだよ! 幸せになってもいいんだよ!
女は“花”だから、奇麗に一花どころか百花も、見事に咲かせて魅せて愛の華を。
2017年4月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
舞台としては30-40年前のありふれた地方都市。小学五年生女子のヒエラルキー闘争が描かれています。
作品のテーマよりも、心理描写が実に見事だと思いました。あの空気感をよく覚えているなあ、と。
自分のキャラクターを見定め、四月のうちに居心地のよいポジションを確保しなければならない、あの空気感。失敗すれば、グループ分けも遠足のバスの席順も体育のときの準備体操も、学校生活のすべてがうまくいかない感じ。
例えば、「自分たちで自由に遠足のグループ分けをしなさい」と言われることへの苦痛。
これは、明るく友達の多い活発な子ども時代を送れた人には分からない気持ちです。
小中学校の先生に読んで欲しい本です。
作品のテーマよりも、心理描写が実に見事だと思いました。あの空気感をよく覚えているなあ、と。
自分のキャラクターを見定め、四月のうちに居心地のよいポジションを確保しなければならない、あの空気感。失敗すれば、グループ分けも遠足のバスの席順も体育のときの準備体操も、学校生活のすべてがうまくいかない感じ。
例えば、「自分たちで自由に遠足のグループ分けをしなさい」と言われることへの苦痛。
これは、明るく友達の多い活発な子ども時代を送れた人には分からない気持ちです。
小中学校の先生に読んで欲しい本です。
2017年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村田沙耶香さんの本はコンビニ人間に続き2冊目です。
今まで私が読んだ作家さんには無い読書感で、引き込まれていきます。
自分にも(誰にでも)正常じゃない一面は必ずあって、それは隠しながら、
自分自身さえも騙しながら生きていくものだと思うのですが。
彼女が書いた小説を読んでいるとその異常さを許してもらえるような気がします。
自分では無い誰かで生きることを必要とされるが故に、本当の自分を書き換えていけるのが普通だとしたら、
それがたまたま出来なくたって普通でもいいんじゃないだろうか。
今まで私が読んだ作家さんには無い読書感で、引き込まれていきます。
自分にも(誰にでも)正常じゃない一面は必ずあって、それは隠しながら、
自分自身さえも騙しながら生きていくものだと思うのですが。
彼女が書いた小説を読んでいるとその異常さを許してもらえるような気がします。
自分では無い誰かで生きることを必要とされるが故に、本当の自分を書き換えていけるのが普通だとしたら、
それがたまたま出来なくたって普通でもいいんじゃないだろうか。
2017年1月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
村田さんの作品はどれも吸い込まれるような作品が多く、塚本瀬利菜の世界に吸い込まれそうになった、面白い。
2020年6月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
もっとこの作者の本を読みたい!と思い
これが2冊目・・・なんだか肩透かしを食らった気分。
もう一度同じ作者なのか確かめてしまったほどです。
半分くらいまで読んでいつおもしろくなるんだろう・・・
少しおもしろくなったかなと思ったら終わってました。
しかも最近同じような内容の本を読んだな。
途中でぶん投げたく゚なりました。
これが2冊目・・・なんだか肩透かしを食らった気分。
もう一度同じ作者なのか確かめてしまったほどです。
半分くらいまで読んでいつおもしろくなるんだろう・・・
少しおもしろくなったかなと思ったら終わってました。
しかも最近同じような内容の本を読んだな。
途中でぶん投げたく゚なりました。
2016年4月28日に日本でレビュー済み
(現在の文庫版には記載がありませんが)単行本のカバーの後ろがわにあるご自身の「プロフィール」を、この小説を読む前に最初に
あたしは読みました。 「村田沙耶香さん、ってこんな思いを持つヒトなのね!」 って、それで良く分かり。
そして、1ページ目から読んでゆくと・・・ そこは、
「現実的な(リアルな)描写にささえられながら、知らぬ間に不思議な世界に入り込んでいた」
そんな感じに、あとで気づいてしまう。 そんな不思議な世界 、そこへ引き込まれてゆきました。
「私は、こういう感覚をかかえて、成長してきました。 ぜひ、こんな感じ を、伝えたいのです」
という村田沙耶香さんの思い、それ自体が、
小説という「ひとつカタチ」になって、立ち現れた感じが、して来ました。
私にとり「宝物の小説」のひとつになりました。
あたしは読みました。 「村田沙耶香さん、ってこんな思いを持つヒトなのね!」 って、それで良く分かり。
そして、1ページ目から読んでゆくと・・・ そこは、
「現実的な(リアルな)描写にささえられながら、知らぬ間に不思議な世界に入り込んでいた」
そんな感じに、あとで気づいてしまう。 そんな不思議な世界 、そこへ引き込まれてゆきました。
「私は、こういう感覚をかかえて、成長してきました。 ぜひ、こんな感じ を、伝えたいのです」
という村田沙耶香さんの思い、それ自体が、
小説という「ひとつカタチ」になって、立ち現れた感じが、して来ました。
私にとり「宝物の小説」のひとつになりました。