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ラジ&ピース 単行本 – 2008/7/31

3.9 5つ星のうち3.9 32個の評価

当てのない漂流の果てにたどり着く場所は? 他人とはうまくつきあえない、幼い頃から自分に自信がない女性がたどり着いたのは、北関東の町。ラジオの電波を通じて感じる見えない人々の温度。最新小説。
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登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2008/7/31)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2008/7/31
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 170ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062148803
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062148801
  • カスタマーレビュー:
    3.9 5つ星のうち3.9 32個の評価

著者について

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絲山 秋子
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1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。03年「イッツ・オンリー・ トーク」で文學界新人賞を受賞。04年『袋小路の男』で川端康成文学賞、05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、06年『沖で待つ』で芥川賞を 受賞する(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 ダーティ・ワーク (ISBN-13: 978-4087465679 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)

カスタマーレビュー

星5つ中3.9つ
5つのうち3.9つ
32グローバルレーティング

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上位レビュー、対象国: 日本

2021年12月12日に日本でレビュー済み
女の労働小説。あるいは労働のリズムが生を律している小説。そこが古くもあり、新しくもあり、新鮮。
2012年6月19日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「ラジ&ピース」(『群像』2008年7月号)
 コンプレックスは誰にでもあるが、それをネガティヴに捉えると、自分の嫌いなもの、見下したいものが増えていき、嫌悪感だけが増していく。だから包み込まれるように愛されると、その状態が理解できずに、息苦しいものと感じてしまう。『とうとうその攻撃性が他者でなく自分に向いてしまったのだ』 こんな的確な他者分析が出来る女に自分が見えないはずがない。やがて物理的には何ら変わらない関係性が、人に優しくなることで面白いくらいに半回転する。『ピース』 そう、友だちは大切だ。
「うつくすま ふぐすま」
 オトコはもちろんかわいい方がいいに決まっているが、友だちの方が大切だ。妹に紹介された同姓同名の回文女史は、なんでも忘れるけど、でもちゃんとした人なのだ。「ごめん、キミは悪くないんだよ。幸せになりなね。じゃあ!」そして、わたしにエネルギーが甦る。オトコと別れるのってどうしてこんなに気分がいいんだろう。
 解説が著者の他の作品をネタバレしてして「ああ、困ったな」と思いました。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年8月4日に日本でレビュー済み
「ダーティ・ワーク」から一年半…
新刊を待ち詫びていました。
ああ、長かった、やっと出た εミ(ο_ _)ο

私は絲山秋子という作家その「ひと」自体を、
既にある意味、客体視しえないほど「偏愛」してしまっているため、
最近、人とこの人の作品について話すことに
非常な困難を覚えるようになってしまっている。

ので、本当はレビューなんて「書きづれぇことこの上なし」なのだけれど。

本書は表題作(中編)のほかに短編が1編、
計2編が収録された一冊。

読んでいて一番印象に残ったのは、
(表題作の主人公がまたしても「おまえは私か」であった点は別としても)
「美丈夫」というネーミングのセンスであった。

パートナーが「化石氏」だの「浮世氏」だの「ナマズ氏」だの、
という呼び方は実生活で目にしたことがあるが(うちひとつは私自身の使っていた呼称)、「美丈夫」という呼称も良いなぁ。
と変なところで感心してしまった。

作品について言えば…
ああ、やっぱり主観的にしか語れない!!!
特にこのテーマって、自分にとっては生(ナマ)すぎて、
レビューなんか書けない…。

当たり障りのないところに言及しておけば、
最初から最後まで三人称で語られ、
一貫して不在であり続ける(その不在によってこそ語り・語られている)
この美丈夫氏の位置づけが非常にうまい。
まぁこの人の文章の巧さは、例の如くという感じだが。

表題作は、痛々しくてギスギスしていて、
でもそれがちょっとだけ(あくまでもちょっとだけ!)ほぐれてゆく過程が
描かれている。

切なくて優しいお話、である。

で、実は私はもう一編の短編もとても好きなのだが、
私もナカノさんと同じく

 自転車に乗れないけれど乗れるようになりたくて、
 でも『乗って帰れない』のが恥ずかしいから
 買いに行くのを逡巡している

…という人間なので、
そういう地に足の着いたレベルですさまじく共感した。
というか、笑った。

この短編の方は、
他の作品でも見られる絲山秋子の
「男らしいほどに潔い女・らしさ」が溢れていて、好きなのだ。

『オトコなんて体が全てなのだ。オンナは脳味噌。』

こういうことを言うこの人は、
ある意味オンナじゃないと思うのだ(共感を込めて)。
いや、視点はオンナなのだが、
それを捌く手際が、限りなく「オトコらしい」のだ、
この人はいつも。

うーん、全くレビューになってないね、我ながら。
まぁいいや。

最後に、この一冊の中で一番好きだったフレーズ:

『なんにせよ、ふざけたオトナになりました。』
10人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年11月21日に日本でレビュー済み
主人公は自分が醜いというコンプレクスに雁字搦めになっている。
醜いのは容姿のことなのか。それとも、自分のことばかり考えてしまうことなのか。
群馬の方言を交えながら、頑なに人付き合いを拒む野枝の生活が始まる。
変わるつもりがなかったはずの野枝の生活が、しかし、変わって行く。
群馬に引越したからか、沢音と出会ったからか、そういうお年頃なのか、過去の出来事が残した傷跡のうずきがおさまり、気付けば心の中が満たされていく。
その変化は爽やかであり、静かに充実しているような実感があった。

もう一つの短編「うつくすま ふぐすま」も、同性のよい友人を得て、既に終わっている感じの異性との関係を清算するお話だった。
2013年8月22日に日本でレビュー済み
けっこう自伝的要素があるんじゃないのかなと思ってしまう。野枝は、「作家の超然」の主人公なんかより、絲山本人に近いと思う。野枝はチビで絲山は和田アキ男なみにデカいらしいが、そういう外見的なことじゃなくね。

柳原可奈子を野枝役にして映画化してほしいと思う。小説からイメージされるヒロイン像とはちょっと違うんだけどね。これも低予算で撮った方がいい。絲山の小説は文庫本だとほとんどがワンコイン(500円玉)で買えるのがよい。

女医・沢音が刑事のことを「こんなに恋しちゃったら公務執行妨害になるかも」ってのは笑えた。その後のマンガ的なオチの一行は無いほうがいいと思った。
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年6月24日に日本でレビュー済み
どうしても野枝の元カレとの描写がわかりづらかった。いきなり話に出て来るが、情景がうかびにくかった。
でもラジオ局の裏側も見れたし、読みやすかったので、違う作品があったらそれも読んでみたい。
2008年10月23日に日本でレビュー済み
あー、満足。待ったかいがありました。

徹底した技巧。軽やかな文体は選びぬいた言葉だけで構成され、心血を注いだあとがうかがえます。何度も読み返しています。どこからどう見ても、傑作です。

この作品だけじゃないけど、トンネルをいったん抜けたようなラストの迎え方は、すがすがしく、優しい。だけどその後だって平面上で生きていくんだ。

この人の作品、優しい優しいといったレビューが多い。
ため息とか、意味不明のかたくなさとか、ふと思い出すだけの過去とか、小さな揺らぎを切り捨てずに、かつ必要最低限の言葉で緻密に描写する手法で、変化や成長、変化のなさや成長のなさに他の小説家にはないリアリティを出しているように思います。その方法で、誰かのあとがきのまんまだけど、相変わらず、孤独な人間が、というか人間な孤独が、どうやって現代で祝福されうるのか、というテーマを追っている。

みんな知りたいんだと思う、それがどう可能なのか。で、希望は見え隠れするけれど、そんなこととは関係ないようにしっかりと現実が見えている。ひとりきりでも、もどかしさややるせなさを、誰かとあなたが同じように見ている。それが「優しい」んだろうなーと思う。あ、ちゃんと言えてないなこれ。うはは、逃げた。

まあこの人は別に祝福とか大仰なこと意識してなさそうなんだけどね。
「ばかもの」も楽しみだけど、しばらくはパラパラめくって余韻に浸りたいな、と。
4人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2008年10月19日に日本でレビュー済み
主人公の野枝のひねくれっぷりが他人ごとではなくって、
他人との距離感に戸惑いつつ日々生きているため、
一気に読み通してしまった。

どこまで人の心に踏み込んでいったらいいのか…
そんなことがいつまでも分からず、自分に自信がもてないまま
気心の知れた人と一緒にいてさえ常に孤独を抱いている

こんな情けない大人なんてそうそういないだろうな〜と思い至っては
さらに気持が滅入ってしまう毎日…

でも、この「ラジ&ピース」を読むと
自分が特別できそこないな訳ではないのだと気づかされる
不安を胸に抱きつつ、少しずつ心を開いていけば
きっと自分を理解してくれる人は現れるはずだと期待を抱いてしまう

ちょっと落ち込み気味な毎日を送っている人に元気をくれる
絲山さんはやっぱり偉大だったりします

今回はプロットが途中で空中分解することもなく、
絲山さんの群馬県に対する溢れんばかりの愛情もたっぷり感じられたりして
ほのぼのとした読後感が味わえます
6人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート