岡崎氏の作品には
こうした、生きていく営み以上の日常が一見なさそうな生活を
つまらないともなく、捨てるともなく過ごす男がいる。
たいていは独りで、本当にさえない境遇なのだけれども、殺伐としたところがない。
そこは日頃考えまいとしているけれども、私たちにとってすごくリアルな感覚だ。
だから救われない展開なのに読んでいて勇気が出てくる。
こういうのを書ける人を、私は彼以外には知らない。
(これを、出版社やMARCデータベースは、
「ユーモア」という言葉で表現してしまうのだが、それってさすがにどうなんだろう。
著者本人もユーモアのつもりなのだろうか。)
本作が売れようが売れまいが、読まずにはおれない。
私には気の利いたレビューは書けないけれど、推薦の一言を書かずにはおれない。
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