「同和利権の真相」などで知られる筆者が、橋下徹知事とその改革の内容を批判した本。
橋下知事に関して、大阪府財政の問題や、福祉削減、同和事業、メディアとの絡み、教育問題などが詳細に批判されている。全ては触れないが、自治体財政とメディアに関して少し。
自治体の財政論は難しいが、橋下知事の「夕張と大阪」の比喩や「禁じて」のフレーズを批判しているくだりは面白い。大阪府財政が他県と比べて特段悪い状態に無いこと、夕張市との比較は意味が無いことが明快に指摘されている。
しかし、国でも府でも、財政は訳がわからない。特別会計、裏金、算定方法の違いなどな ど、、、。本当に赤字なのか、誰が赤字を作ったのか、政治家はこれを明らかにしないし、マスコミもこんな大前提を明確にすることなく、危機を垂れ流す。「財政危機」などと言われてもこんな中で意見など持ちようがない。結局、「構造改革」でも痛みに耐えたままだし。
マスコミとの関係に関するくだりでは、馴染みある番組をいくつかあげてその偏向が検証されている。視聴率を追いかけるテレビの限界とは言え、小泉政権後に一部で見られた反省は、ここには見られない。小泉政権の手法の焼き直しとも思える手法が大阪で、特段の警戒もなく、受けていると言う実態に暗然とする。
そのほか、爆笑問題の事務所「タイタン」のスタッフが橋下知事の広報担当として積極的に関わっていることや、府政記者クラブと橋下知事の「意見交換会」の経過説明を求める公開質問状に府政記者クラブが応えなかったことなど面白い話が幾つもある。
この本の評価は読者により分かれるだろうが、とにかく、橋下知事が何を約束し、何をしたのか、何をしようとしているのかを冷静に観察することが重要と思える。そのなかでこの本の是非が論じられるべきだろう。
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橋下「大阪改革」の正体 単行本 – 2009/1/21
人気絶頂のタレント知事のもうひとつの顔!矢継ぎ早に財政改革を進める橋下大阪府知事の真の狙いとはいったい? 自民党と組んでの地方自治体つぶしを展開し、市民・弱者無視の道州制計画を進める黒い陰謀
- 本の長さ258ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/1/21
- ISBN-104062149532
- ISBN-13978-4062149532
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/1/21)
- 発売日 : 2009/1/21
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 258ページ
- ISBN-10 : 4062149532
- ISBN-13 : 978-4062149532
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,239,679位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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2010年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
中身は週刊誌や新聞をウォッチしている人にはあまり新味はありません。ただTVだけで橋下氏のイメージを固めていた人には、一読を薦めますし、特に第7章の財界との関係について書かれた部分は、ページは薄いながら、吟味すべきポイントを多く含んでいると思います。
個人的には橋下氏が拠りどころとする「新自由主義」は大阪ではうまく機能しないだろうと思います。近畿圏、特に大阪は、首都圏に比べて「割を食う」ことが多いですし、この構造はそう簡単には変化しないと思います。この状況で競争原理を取り入れて、「上澄み」を創っても、この部分は「もっといいところ」を探して、外に流出していくだけでしょう。橋下氏自身、学生時代には、早大を志望したわけですし、将来計画としても国政をにらんでいる気配が見え見えですよね。学力にしても、何とか底上げをして、テストの平均を中の上に持ってくる方が先決で、競争原理の導入はその後にしたほうが良かろうと思います。きっつい言い方ですけど、東京で「負け組」になっても落ちのび先がありますが、現状、大阪で「負け組」になったら出口無しです(ま、他人事じゃありませんが。。。。)。まあ、嫌な表現で恐縮ですけど、現実は現実として認めざるを得ないと思います。
あと「新自由主義」の弊害として、「無責任に下のものが迎合、利用する」という風潮が出てきているように思います。橋下氏自身がフェアであることは認めて良いと思います。マスコミがもてはやすのは視聴率が取れるからでありますし、政策の詳細も良く見ていれば、府民は皆、情報が取れるわけですよね。彼が失敗したとしても、それは彼の責任ではなく「支持した府民の責任」と言う論理は充分、成り立つと思います。さりながら組織の下のほうはそれこそ彼が言うところの「木っ端役人」であるとか「雇われ管理職」が居るわけで。。。。。。
そのあたりが「改革」を標榜して、「破産状態」だの「守旧派」だのレッテルを貼り付けては、自己利益を図る事例が多発しているように感じています。まあ、レッテルの貼り付けさえ成功してしまえば、あとはなんとでもやり放題。。。と言うのが、知事の指導による「教育効果」でしょうか。
悲しいかな、殴られる方も一枚岩とは行きません。危険にさらされれば、互いを犠牲にしてでも何とか自己の保身を図ると言うのは人間の業なのでしょう。ご用心、ご用心。。。。と。
個人的には橋下氏が拠りどころとする「新自由主義」は大阪ではうまく機能しないだろうと思います。近畿圏、特に大阪は、首都圏に比べて「割を食う」ことが多いですし、この構造はそう簡単には変化しないと思います。この状況で競争原理を取り入れて、「上澄み」を創っても、この部分は「もっといいところ」を探して、外に流出していくだけでしょう。橋下氏自身、学生時代には、早大を志望したわけですし、将来計画としても国政をにらんでいる気配が見え見えですよね。学力にしても、何とか底上げをして、テストの平均を中の上に持ってくる方が先決で、競争原理の導入はその後にしたほうが良かろうと思います。きっつい言い方ですけど、東京で「負け組」になっても落ちのび先がありますが、現状、大阪で「負け組」になったら出口無しです(ま、他人事じゃありませんが。。。。)。まあ、嫌な表現で恐縮ですけど、現実は現実として認めざるを得ないと思います。
あと「新自由主義」の弊害として、「無責任に下のものが迎合、利用する」という風潮が出てきているように思います。橋下氏自身がフェアであることは認めて良いと思います。マスコミがもてはやすのは視聴率が取れるからでありますし、政策の詳細も良く見ていれば、府民は皆、情報が取れるわけですよね。彼が失敗したとしても、それは彼の責任ではなく「支持した府民の責任」と言う論理は充分、成り立つと思います。さりながら組織の下のほうはそれこそ彼が言うところの「木っ端役人」であるとか「雇われ管理職」が居るわけで。。。。。。
そのあたりが「改革」を標榜して、「破産状態」だの「守旧派」だのレッテルを貼り付けては、自己利益を図る事例が多発しているように感じています。まあ、レッテルの貼り付けさえ成功してしまえば、あとはなんとでもやり放題。。。と言うのが、知事の指導による「教育効果」でしょうか。
悲しいかな、殴られる方も一枚岩とは行きません。危険にさらされれば、互いを犠牲にしてでも何とか自己の保身を図ると言うのは人間の業なのでしょう。ご用心、ご用心。。。。と。
2009年2月23日に日本でレビュー済み
他の方も書いているように、この本は共産党の代弁本。
自分たちと違う相手は、ただただ批判すればよいという前提で書かれている。
ヒトラーとか独裁者などと批判している人もいるようだが、全くナンセンス。知事とは地方自治体の首長であり、憲法を停止したり国家元首に就任する権限など無い事を知らないのだろうか?
先日のTBSの番組で橋下知事は「府職員には税金を大切に使うという視点が全くなかった。取っている新聞を整理しただけで8千万円の経費が浮いた。」と発言していたが、大阪府民が本当に知りたいのは、何故こんなザマになってしまったのかなのだ。
知事の就任直後に「現場の職員が一番分かっている」と大演説をぶった女性職員がいたが、彼女に聞いてみたい物だ。
また大阪のローカル番組で共産党府議は、コメンテーターからの「議会開会日数は何日で、経費はそれに見合っているのか?」の質問に、開会日数自体答えられなかった。人の批判などしている場合ではない。
まず前知事時代までの放漫財政や行政の問題点を洗い出し、原因を究明し、「自分たちなら違うやり方がある」と提案し、橋下知事との違いを批評する。。。というアプローチなら建設的だし、府民としても大変参考になる。
しかし「自分たちと違うからダメ」だけでは、何の役にも立たない。個人的に橋下知事が嫌いな人達のオナニー本と言われても仕方がないだろう。
自分たちと違う相手は、ただただ批判すればよいという前提で書かれている。
ヒトラーとか独裁者などと批判している人もいるようだが、全くナンセンス。知事とは地方自治体の首長であり、憲法を停止したり国家元首に就任する権限など無い事を知らないのだろうか?
先日のTBSの番組で橋下知事は「府職員には税金を大切に使うという視点が全くなかった。取っている新聞を整理しただけで8千万円の経費が浮いた。」と発言していたが、大阪府民が本当に知りたいのは、何故こんなザマになってしまったのかなのだ。
知事の就任直後に「現場の職員が一番分かっている」と大演説をぶった女性職員がいたが、彼女に聞いてみたい物だ。
また大阪のローカル番組で共産党府議は、コメンテーターからの「議会開会日数は何日で、経費はそれに見合っているのか?」の質問に、開会日数自体答えられなかった。人の批判などしている場合ではない。
まず前知事時代までの放漫財政や行政の問題点を洗い出し、原因を究明し、「自分たちなら違うやり方がある」と提案し、橋下知事との違いを批評する。。。というアプローチなら建設的だし、府民としても大変参考になる。
しかし「自分たちと違うからダメ」だけでは、何の役にも立たない。個人的に橋下知事が嫌いな人達のオナニー本と言われても仕方がないだろう。
2009年2月5日に日本でレビュー済み
「第1章 大阪府・破綻会社論の嘘」、「第2章 崩壊する福祉と継続する大規模開発」、「第3章 温存された乱脈同和行政の闇」、「第4章 『教育日本一』の知られざる舞台裏」、「第5章 踊るメディアと翼賛報道」、「第6章 橋下恐怖政治の実態」、「第7章 大阪府解体か再生か」という目次のとおりの内容。橋下知事による「大阪改革」を徹頭徹尾、批判的に記述した本である。
その主張は共産党の府政批判を踏襲する立場からみたものであり、インタビューで登場する学者や組合幹部も共産系である。非常に偏った視点で書かれた本といえる。
しかし、メディアを利用して高い府民の支持を得ている橋下知事には、大きな期待が寄せられる反面、あやうさを感じる人も多いのではないか。このように極めて高い支持率があるときには、反対勢力の意見も含め、さまざまな考え方をしっかりとチェックするのがあるべき民主主義の姿とも思える。
その意味では、一読すべき貴重な本かも知れない。
その主張は共産党の府政批判を踏襲する立場からみたものであり、インタビューで登場する学者や組合幹部も共産系である。非常に偏った視点で書かれた本といえる。
しかし、メディアを利用して高い府民の支持を得ている橋下知事には、大きな期待が寄せられる反面、あやうさを感じる人も多いのではないか。このように極めて高い支持率があるときには、反対勢力の意見も含め、さまざまな考え方をしっかりとチェックするのがあるべき民主主義の姿とも思える。
その意味では、一読すべき貴重な本かも知れない。
2009年2月5日に日本でレビュー済み
橋下大阪府知事の危険な本質を詳しく調査し、鋭く洞察している良書です。
私自身、以前から「府民の圧倒的支持」という言葉を金科玉条にして、反対派や少数派を攻撃し、恫喝する手法、特に、そのために上手くマスコミを活用し、府民を扇動する橋下氏の政治手法は、まさにナチスのヒトラーによく似ていると感じていました。
また、過激なイメージのヒトラーの背後に、実はドイツ財界の支持があったのと同じように、橋下氏の背後にも、実は関西財界の支持があるという点も同じです。橋下氏と関西財界のつながりについては本書で詳しく記されています。どうして橋下氏が知事の選挙公約にもなかった国際児童文学館の廃止にこだわるか。その疑問も実は関西財界が既に提言していたということを知り、驚きました。
右翼ポピュリストのヒトラーによってドイツは散々な目に遭いました。ぜひ一人でも多くの大阪府民が本書を読んで、橋下氏の危険性を認識し、危険な橋下幻想から目を覚まして欲しいと思います。
私自身、以前から「府民の圧倒的支持」という言葉を金科玉条にして、反対派や少数派を攻撃し、恫喝する手法、特に、そのために上手くマスコミを活用し、府民を扇動する橋下氏の政治手法は、まさにナチスのヒトラーによく似ていると感じていました。
また、過激なイメージのヒトラーの背後に、実はドイツ財界の支持があったのと同じように、橋下氏の背後にも、実は関西財界の支持があるという点も同じです。橋下氏と関西財界のつながりについては本書で詳しく記されています。どうして橋下氏が知事の選挙公約にもなかった国際児童文学館の廃止にこだわるか。その疑問も実は関西財界が既に提言していたということを知り、驚きました。
右翼ポピュリストのヒトラーによってドイツは散々な目に遭いました。ぜひ一人でも多くの大阪府民が本書を読んで、橋下氏の危険性を認識し、危険な橋下幻想から目を覚まして欲しいと思います。
2009年1月23日に日本でレビュー済み
児童図書館閉鎖、交響楽団廃止、障害者の手当て打ち切り、私立学校の補助金打ち切り、監視カメラで盗撮など「みんなが笑って暮らせる大阪(笑)」のために日夜尽力している我らが橋下大阪府知事。マスコミ共を味方につけて口八丁が今日も行く。
2万%買うべきです!
2万%買うべきです!
2009年9月9日に日本でレビュー済み
まず、この本を読む前に産経新聞社『橋下徹研究』などで橋下さんの活動や発言など基本的な部分を押さえたほうがよいと思います。
多くのレビュアーが指摘するように、この本は共産党の視点から橋下徹を「批判ありき」で論ずる本です。彼の財政改革PTによって起きた関係者や府民の混乱を描き、彼の発言や活動が与えた影響やそれ自身の問題点を指摘しています。
主な論点はメディアを巧みに利用した小泉さながらのパフォーマンス主義の姿勢について、財政改革PTがもたらした福祉・医療の現場の混乱、職員の給与問題、一方でなぜか温存されるニュータウン計画の予算や道路建設の予算、道州制への提言に垣間見える関西財界との関係、数値主義の教育に対する考え、そして同和利権との癒着などです。
この本で非常的確だと思った内容は、障害者支援に関する予算や医療関係の予算の削減についてです。こういった福祉関係の予算を切り詰め、福祉・医療を受ける人に自己負担を求める一方で、赤字確定のニュータウン計画は継続する、などの財政支出は明らかに問題だと思います。人権を軽視し、経済を優先する極端な考えには賛同しかねます。
また、同和問題についても非常に厳しい指摘をしていて、知事の不透明な同和行政に対する優遇は追及されるべきです。
一歩で学テや成績公表に関する議論や夜スペ的な教育事業に対する批判は目新しいものではなく、公教育の公平性強調と教育産業の公教育への介入批判を中心としたものでした。関西財界のいいなりだという部分や、メディアの報道姿勢、職員の給与問題なども批判ありきの姿勢で、あまり建設的とは思えませんでした。
図書館にあれば借りて読んだらいいという程度の本だと思います。
多くのレビュアーが指摘するように、この本は共産党の視点から橋下徹を「批判ありき」で論ずる本です。彼の財政改革PTによって起きた関係者や府民の混乱を描き、彼の発言や活動が与えた影響やそれ自身の問題点を指摘しています。
主な論点はメディアを巧みに利用した小泉さながらのパフォーマンス主義の姿勢について、財政改革PTがもたらした福祉・医療の現場の混乱、職員の給与問題、一方でなぜか温存されるニュータウン計画の予算や道路建設の予算、道州制への提言に垣間見える関西財界との関係、数値主義の教育に対する考え、そして同和利権との癒着などです。
この本で非常的確だと思った内容は、障害者支援に関する予算や医療関係の予算の削減についてです。こういった福祉関係の予算を切り詰め、福祉・医療を受ける人に自己負担を求める一方で、赤字確定のニュータウン計画は継続する、などの財政支出は明らかに問題だと思います。人権を軽視し、経済を優先する極端な考えには賛同しかねます。
また、同和問題についても非常に厳しい指摘をしていて、知事の不透明な同和行政に対する優遇は追及されるべきです。
一歩で学テや成績公表に関する議論や夜スペ的な教育事業に対する批判は目新しいものではなく、公教育の公平性強調と教育産業の公教育への介入批判を中心としたものでした。関西財界のいいなりだという部分や、メディアの報道姿勢、職員の給与問題なども批判ありきの姿勢で、あまり建設的とは思えませんでした。
図書館にあれば借りて読んだらいいという程度の本だと思います。
2009年2月16日に日本でレビュー済み
橋下知事って、マスコミを使った自己アピールはうまいけど、自分を批判する人への威圧的な発言や、私学助成の削減に反対した高校生との懇談で、女子高生泣かせて平然としている姿を見ると、とても心の狭い、小心な人だと思います。でも、こういう人って権力を握るとに、非常に危険! この本を読んで、彼の背後にあって、彼をうまく利用している人々の存在を知ると、彼の胡散臭い正体がますます良くわかります。
でも、マスコミがほとんど橋下翼賛体制の中で、ここまで橋下氏の本質に切り込んだ著者の勇気には敬服します。
でも、マスコミがほとんど橋下翼賛体制の中で、ここまで橋下氏の本質に切り込んだ著者の勇気には敬服します。