本来、３部作であった「TAMALA2010」の不足部分を新たな設定で描いた作品。
完全監視社会であり資本主義の現代社会が抱える
「個人の心を無視しすぎる現実」に絶望した子供達は「破滅願望」を募らせます
なにもかもなくなってしまえ、私一人の自由意志を受け入れられない世界など壊れてしまえ、という風に。
我々の存在する４次元領域と、５次元領域
自らを慈しみ、個人の心が繋がり合う「愛（創造性）の象徴であるバギー」と対の存在である
「愛のない（破滅の象徴）であるジャック」は、どちらも５次元領域（精神世界）の住人
表裏一体、裏表の関係です。
そして「ジャックが自分がジャックであるコトを忘れたまま、低次元に現れた」のが主人公、夏目銀ノ助。
前作の「自分がTATLAであるコトを知らないTAMALA」と同じく
無意識の行動自体が世界の破滅願望を刺激するトリガーとなってしまう
「集合意識の破滅願望の象徴」という、トリックスター的な位置づけです。
しかし、夏目は最後の最後に「ジャック」という「破滅願望をもつ自我」を受け入れます
なにもかも自分自身であると飲み込み、許し、受け入れ、愛した。
この世界を作る創造主は自分であったという「全責任と全自由」を受け入れた。
その結果、銀ノ助はハイヤーセルフであるジャックと融合し次元上昇を果たした。
低次元の器であった銀ノ助の身体は、プレーヤー不在のゲームキャラの如く眠り続け
「愛」を受けたジャックは「破滅の因子」ではなくなります。
「精神の自立」「次元上昇」「愛」を描く物語であり
土屋アンナの帯の通り「現代社会への警告」でもある作品です。
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