「ぬかるみに注意」(『群像』2005年3月号)
ああ、生理が来ない。病院に行って病気でないことは確認したが、気の塞ぎは変わらない。早く機能回復してくれないと身体がどんどん壊れていく。最低二種類の選択先があるから選択肢は生じるのだ。
「カノジョの飴」『忘れない。――贈りものをめぐる十の話』(ダ・ヴィンチ編集部/編 2007年42月 メディアファクトリー刊)
『うちの学校、やっぱり沈んでるらしい』『え、あの地盤沈下の噂って本当だったの?』圧倒的な孤独と地盤沈下のマッチを見る。
「浮いたり沈んだり」(『群像』2005年5月号)
久しぶりに会った弟はメガネを失くして右往左往していた。
「魔女の仕事」(「彼女の見る夢」を改題)、『群像』2006年9月号)
『魔女っていうのは、存在の名前なのね。世界を視る者の名。彼女は年をとらないから、半永続的に世界を視続けることができる。でも不老不死ってわけじゃない。じきに長い寿命が尽きて、彼女はまだ幼い少女に魔女の名を譲るの』
纏まり悪く見せているのはわざとだと思うが、テーマは見え易い。魔女のお話は、それ自体独立したものとして読みたい気にさせてくれた。
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ぬかるみに注意 単行本 – 2009/1/27
生田 紗代
(著)
家族小説の旗手、生田紗代の最新小説集 生理不順に悩まされる百瀬はある日、何故か友人の別れた彼氏の家から、飼っていた亀を盗み出すことに……。家族、友人とのあてどない日常を描いた計4篇を収録。
- 本の長さ178ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/1/27
- ISBN-104062152304
- ISBN-13978-4062152303
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/1/27)
- 発売日 : 2009/1/27
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 178ページ
- ISBN-10 : 4062152304
- ISBN-13 : 978-4062152303
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2011年1月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ごくごくありふれた何気ない日常のワンシーンと、
そこに交差する様々な人たちの微妙な心の機微を描いた短編集。
友達とその彼氏と一緒に買い物をするだとか、
一人暮らしの弟の部屋でメガネを探すだとか、
兄の結婚相手と自分との距離感だとか。
何か大きな事件が起こるわけでもないし、
別段カタルシスを与えられるような内容でもない。
なんとなく読みながら感じるのはぬるさ。
たとえるなら、
夏の夕立でできた生暖かい「ぬかるみ」の上を
素足で歩くような感覚。
気持ちのよさの背後にある気味の悪さというか。
親友だけどしょせん他人。
家族だけどしょせん他人。
他人は私ではないし、私は他人ではない。
それらを自明の事実として割り切ってしまうドライさもあれば、
関係性の生ぬるさの方を甘受してしまう心の機微もある。
でも、それらに対しても主人公たちはやはりどこか自覚的で。
正直読み終わった後、
「この作家さん、怖いな」
と思ってしまいました。(笑)
なんというか、心を透徹されてしまう怖さというか。
本当に他人も自分も、「人」を良く見てらっしゃる。
恐らくこの本は、
20代から30代の方に一番刺さる本なんではないでしょうか。
ぜひぜひ。おすすめです。
そこに交差する様々な人たちの微妙な心の機微を描いた短編集。
友達とその彼氏と一緒に買い物をするだとか、
一人暮らしの弟の部屋でメガネを探すだとか、
兄の結婚相手と自分との距離感だとか。
何か大きな事件が起こるわけでもないし、
別段カタルシスを与えられるような内容でもない。
なんとなく読みながら感じるのはぬるさ。
たとえるなら、
夏の夕立でできた生暖かい「ぬかるみ」の上を
素足で歩くような感覚。
気持ちのよさの背後にある気味の悪さというか。
親友だけどしょせん他人。
家族だけどしょせん他人。
他人は私ではないし、私は他人ではない。
それらを自明の事実として割り切ってしまうドライさもあれば、
関係性の生ぬるさの方を甘受してしまう心の機微もある。
でも、それらに対しても主人公たちはやはりどこか自覚的で。
正直読み終わった後、
「この作家さん、怖いな」
と思ってしまいました。(笑)
なんというか、心を透徹されてしまう怖さというか。
本当に他人も自分も、「人」を良く見てらっしゃる。
恐らくこの本は、
20代から30代の方に一番刺さる本なんではないでしょうか。
ぜひぜひ。おすすめです。