染五郎丈は基本立役ですが、女形もつとめることがあるので、その経験も含め、また宝塚の男役さんや芸者さんの意見なども引用し、もちろん歌舞伎の物語もからめて、女性の気品とは、魅力とは、ということについて語ってゆきます。
本書でユニークなのは、自分がこれまで見てきた女性たちについて論評する、という普通の男性目線ではなく、自分が色っぽい「女」、また「魅力ある役者」であるために、どういうことを心がけているか、いわば一人称的に書いているところです。
つまり、男女の差を超えた人間としての「色気」「艶」を追求しているのが伝わってきます。
特に力が入っているのがお化粧の章です。何とウォータープルーフのアイライナー、マスカラを使い、落ちない紅にもこだわります。紅とは、穴のあいているところを守るという意味合いがあったそうで、唇や目に紅をさすことは大切であること。役によって香水を変えてみていること。白塗りをきれいに見せるにはどうすればよいか、十代のころに、これはと思った舞子さんのところに取材に行ったこと。
リキッドライナーの引き方のアドバイスのほか、いろいろコスメの銘柄名も出てきて、2007年の本ではありますが、つねに自分を舞台上でベストに見せることに腐心しているこだわりが凄いです。
男性の書いた本なのに、ひじょうに参考になった気がするのは、女性以上に「女らしさ」「色気」を追求する役者ならではですね。
そして、男女の間を心理的に行き来しているスタンスなので、日常の心遣い(大事なことは電話で、とか、着物の着方とか、さえいげない心配りなど)についても「女性はこうありたい」というより、人間としての品格を語ろうとしています。
舞台と日常の落差が激しいという著者の、オーラの出しかたについての経験譚も面白かったです。
妥協のないこだわりを正面から語ったエッセイとしてお勧めします。
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瞳に「気品」を、心に「艶」を 単行本 – 2009/4/24
市川 染五郎
(著)
美を極めた男が贈る、恋と美を磨くヒント 女は美しくなければならない。ときに女形を演じ女よりも女らしい美を表現する染五郎の美の磨き方、女の磨き方を伝授。芯から美しい女になれば恋愛上手になれる!
- 本の長さ189ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/4/24
- ISBN-104062154226
- ISBN-13978-4062154222
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/4/24)
- 発売日 : 2009/4/24
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 189ページ
- ISBN-10 : 4062154226
- ISBN-13 : 978-4062154222
- Amazon 売れ筋ランキング: - 1,241,742位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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