個々の単語や語句の表現が美しい。文章テクニックも凝っている。ただ、それらに目が行ってしまい、肝心の全体の流れがわからなくなることたびたび。「あれ?今何がどうなっているんだっけ?」というような。個々の語句の自己主張が強いってことかな。
講談社Birth文庫の発刊の辞にあるように、「若さとは荒削りで未熟だ。しかし、未知の可能性を秘めている」。このコンセプトどおりの人材を発掘した講談社の担当者は目利きだと思う。
これが10倍の分量だったら「一大叙事詩」とか書評されそうだけど、今の状態だと「読みにくい」が強く、それほど強く推薦できない。よって、書籍化よりも映画化・ドラマ化されたほうがこの話はいけそうな気がする。
ただ、ところどころで「渡来人」との表現があるが、日本史の一次資料ではすべて「帰化人」と書かれているはず。なぜなら「渡来人」というのは戦後に作られた言葉なので。この辺は井沢元彦の「逆説の日本史」第1巻に詳述されている。6世紀の日本を扱うのに「逆説」を読んでいないのは片手落ち。
あと、本の内容とジャケットのイラストがマッチしていない。
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駒、玉のちりとなり (講談社Birth) 単行本(ソフトカバー) – 2009/5/21
「講談社Birth―若き才能はここから生まれる」 ハーレクイン・ショート・ラブストーリー大賞受賞作家が描く、命かけた若猛者の悲しき恋 蘇我家の護衛頭を務める東漢駒。天皇家も巻き込む権力争いの渦中で、大王の妻となった蘇我の娘・河上は冷遇される。そして駒への命は大王暗殺。力強く美しき古代史ロマン。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/5/21
- ISBN-104062154749
- ISBN-13978-4062154741
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/5/21)
- 発売日 : 2009/5/21
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4062154749
- ISBN-13 : 978-4062154741
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2010年7月23日に日本でレビュー済み
蘇我と物部の神仏紛争が終わり、ひとまずの平和がみえた。がそれも束の間、蘇我馬子と祟峻天皇の間に広がっていく溝、実直な護衛に下された命は天皇暗殺だった。この「石も歩けば政争にあたる」時代に最高権力者の護衛頭であった東漢駒が主人公です。渡来系という大和に地盤をもたない弱さを抱え、「便利なよそ者」という地位に甘んずる他ない。優しさを胸に秘めながらも精一杯生きる等身大の東漢駒ははじめてみたような気がします。描写も目裏に浮かぶような、美しい筆致で思わずひきこまれました。読後感に爽やかさと少しの哀しみを求める方おすすめです。