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ドーン (100周年書き下ろし) 単行本 – 2009/7/10
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- 本の長さ493ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2009/7/10
- ISBN-104062155109
- ISBN-13978-4062155106
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2009/7/10)
- 発売日 : 2009/7/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 493ページ
- ISBN-10 : 4062155109
- ISBN-13 : 978-4062155106
- Amazon 売れ筋ランキング: - 775,277位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,772位日本文学
- カスタマーレビュー:
著者について
1975年愛知県蒲郡市生。北九州市出身。京都大学法学部卒。
1999年在学中に文芸誌「新潮」に投稿した『日蝕』により第120回芥川賞を受賞。40万部のベストセラーとなる。
以後、一作毎に変化する多彩なスタイルで、数々の作品を発表し、各国で翻訳紹介されている。2004年には、文化庁の「文化交流使」として一年間、パリに滞在した。
美術、音楽にも造詣が深く、日本経済新聞の「アートレビュー」欄を担当(2009年~2016年)するなど、幅広いジャンルで批評を執筆。2014年には、国立西洋美術館のゲスト・キュレーターとして「非日常からの呼び声 平野啓一郎が選ぶ西洋美術の名品」展を開催した。同年、フランス芸術文化勲章シュヴァリエを受章。
また、各ジャンルのアーティストとのコラボレーションも積極的に行っている。
著書に、小説『葬送』、『滴り落ちる時計たちの波紋』、『決壊』、『ドーン』、『空白を満たしなさい』、『透明な迷宮』、『マチネの終わりに』、『ある男』等、エッセイ・対談集に『私とは何か 「個人」から「分人」へ』、『「生命力」の行方~変わりゆく世界と分人主義』、『考える葦』、『「カッコいい」とは何か』等がある。
2019年に映画化された『マチネの終わりに』は、現在、累計58万部超のロングセラーとなっている。
2021年5月26日、長編小説『本心』(文藝春秋社)刊行。
photo: @ogata_photo
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[受賞歴]
『日蝕』(1999年 芥川龍之介賞)
『決壊』(2009年 芸術選奨文部大臣新人賞受賞)
『ドーン』(2009年 Bunkamuraドゥマゴ文学賞)
『マチネの終わりに』(2017年 渡辺淳一文学賞)
『ある男』(2019年 読売文学賞)
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[審査員・選考委員履歴]
三島由紀夫賞(2008年~2019年)
写真の町東川賞(2008年~2017年)
木村伊兵衛賞(2018年~)
芥川龍之介賞(2020年~)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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分人主義の意味は、もちろん本書だけでもしっかり説明はされているのですが、個人的には、本書読了後、「分人主義」の概念をより分かりやすく説明するために執筆された新書『私とは何か「個人」から「分人」へ(講談社現代新書)』を読むことで、より理解を深めることができましたし、本書に対する関心も高まりました。
私は本書を先に読んだのですが、これから読む人は、ひょっとしたら新書を先に読んでおくと本書に対するスムースな理解に役立ち、物語に没頭できるかもしれません。
本書は、この「分人主義」の概念を理解するための分かりやすい極端な環境として有人火星探査船が舞台の一つに選ばれたのではないかと感じます。
6人のクルーたちが、火星までの往復に2年半もの間、ろくにプライバシーもないような閉鎖された宇宙船という狭い空間においてともに生活を送る。そのストレスたるや、とてつもなく過酷なものと想像しますが、そのような閉鎖空間での長期にわたる生活が過酷だと感じられるのは、クルーたちにおける多様な分人化が阻害されているからではないか、というのが作者の考えです。
身の回りに、多様な考えの人がいればいるほど、それに対応する自分も多様となる。その対人関係ごとに多様となる一つ一つの人格はいずれも本来の自分であり、それらを分人(ディブ)と呼ぶと、個人とは分人の集合体ということができる。これが「分人主義」の考え方だ。
「6人の人間がずっと一緒にいると、たった一種類のディブしか生きられない。人間はディブをそれなりにたくさんかかえて、いろんな自分を生きることでバランスがとれているのだと思う。外に向かって発散されないディブが内に増殖していくことは、精神衛生上すごく悪い」(文庫本174ページ)
本書はこういった「分人主義」の概念を根底に物語が展開されるのですが、近未来を舞台としていることから監視社会の進んだSF小説的ガジェットが登場したり、アメリカ大統領選をめぐる政治的取引が取り上げられたりと、(人物名等も含め)多くの情報が取り込まれている感もあり、割とスラスラと読めた『決壊』『マチネのおわりに』『ある男』『本心』などと比較すると、多少の引っかかりがあり、何度か数ページ戻って読み返しながら読み進める、といった作業が必要でした。
そのため、本書が伝えたいことを理解したうえで、改めてもう一度読み返すと、物語に集中して、初読よりぐっと面白く読めるかもしれません。
慣れるまで、背景や言い回しが難しく何度も調べたり読み返したりして読むのに結構な時間がかかった。
舞台はとんでもなく大きいのに、一人一人の繊細な心の描写が印象的。
単なる小説ではなく、ARや顔認証システムなど、テクノロジーの近未来についてもリアルに描かれていて面白かった。
作品の中に出てくる『ディヴィジュアル』という考え方。
たしかに人間はそのようにTPOにあわせて変化する場合がある。
久しぶりに物語として楽しめて読めた作品だった。
全般的に多少湿っぽい重さがある。
この世の先端をゆく宇宙飛行士の悲哀を感じる。
この本にて宇宙へと旅立ちたい方はどうぞ。
そのためあてどのない迷路をさまよっている感覚になってしまう(それがかえって面白く感じる人もいるかもしれないが)
描き方は三人称で、主人公が固定されていない。
同じ章の中でも何度もメインキャラが入れ替わり、それぞれの心象が描かれる。
だから各キャラの立場や特徴を憶えておかないと、例えばどちらも女性で共に敬語を話すインタビューのシーンなどでは誰が喋ってるのか分かりづらい。
なにしろ誰が話し始めたかの描写をやたら省略したがるからだ。そのせいもあって場面が変わった直後はとにかく混乱しやすい。
立食パーティーでの会話にしても、最初は明日人も混じってるのかと思ってしまった。
ただし、ストーリーは未来の選挙を巡るSFミステリーみたいで面白い。
情報を小出しにするため先が気になるし、あとになってから前に書かれた文章の隙間を埋めていくから退屈しにくい。
内容のない日常生活を描いたり不倫などの狭い世界を描いた自己満足的な小説とは正反対で、しかも単に博識や凝り固まった難しい文章をひけらかすだけの芥川賞受賞作家とも違っている。
ストーリーによって読者を楽しませようとしているのが感じられる作品だと思う。
(もちろん山場が章ごとに登場して誰にでも分かりやすく描かれた面白いマンガとは別だが)
設定が非常に精緻であり、その中に現代につながるキーワードをちりばめられており違和感無く世界観を堪能することができた。
東京では大震災があり、主人公明日人は息子を亡くしている。アメリカは大統領選の終盤に差し掛かっており、野党民主党は選挙で挽回を図るべく民間エージェントにキャンペーン映像を委託しているが芳しい出来にならない。そんな中、与党共和党が武力介入し泥沼となっている東アフリカで禁止されている生物兵器が使用され、あろうことか国内でもその被害が出ているとの情報が入ってきた。
巻き返しの切り札として情報収集を進めているうちに、有人火星探査「DAWN」との関係が次第に判明してきた。世界に公開されていないある事件とは?東アフリカとの関連は?大統領選との関連は?
というお話。
プロットはしっかりしており、さらに表現に無駄が無い。舞台は近未来だが、人間のドラマがしっかりと描かれている。結末はやや物足りなさを感じたが自信を持ってお薦めできる作品である。
ひとつ難点を挙げれば、表紙のデザイン、なんとかならなかったのでしょうか?
これじゃ、効果音ですよ・・・せっかく良い作品なのにこれで引く人もいるのでは。
前半部分はミステリー要素もあり、どんどん読み進めていけたのですが、
後半、大統領選がメインになってくると、話の主題が変わってしまい、
あまり読む気力も無くなり、最後のあたりは毎日少しずつしか読めませんでした。
この本の中で語られる男女の恋愛の話と大統領選の話は一つにまとめる必然性があまり
感じられず、盛り込み過ぎではないでしょうか。
本は分厚いですが、薄っぺらい読後感しか抱けませんでした。
他のレビューを読んでみると、この作者はこういった系統の作品が多いようですね。
ちょっと自分には合わなかったようです。
平野さんの「分人」論をベースにしているのですが、なんかそういう堅苦しい「分人」(ディビジュアル)とかを問題にするのって、どうかな、と思いました。正直、物語の面白さを半減させているんですよね、ディビジュアルの議論って。
なんか「分人」という考え方について、登場人物たちが解説したり、議論したりするんですが、それが邪魔なんですよ。
つか、平野さんの分人論って、ぶっちゃけ、つまらんのですよ。面白さがない。
近代文学がずっと問題にしていることを、いまさらドヤ顔で言っている感がする。
やはり、平野啓一郎には文学の勉強が必要なのでは? あまり他の有名な作家(近現代の有名な作品)を読んでないのかな、と思う。
というのも、近代から現代にかけての文学のテーマの一つって、「自分」つまり「自己」「自我」なわけよね。
この自我って一つじゃなくて、複数あるよね、というのが平野さんの分人論で、でも、そんなの当たり前田のクラッカーじゃない。
夏目漱石の「こころ」かて、先生という確固たる自我があるわけじゃなくて、Kの前での「先生」、お嬢さんの前での「先生」、学校での「先生」があるわけですよ。Kかて、先生の前での「K」、お嬢さんの前での「K]、学校での「K」がいるわけで、それぞれ確固たる個人ではなく、「分人」でしょってわけです。
ですから、先生の前での「K」しか知らない先生は、いきなりのKの自殺に戸惑うわけで。
要は、相手によって自然と人格が変化していく(分化する)わけで、コミュニケーションによって人格は変化するってわけです。
話がそれました。
物語は、火星への有人飛行をおこなった明日人が主人公で、有人飛行のさいにおかしくなった同僚とか、いろいろトラブルを思い出したりしつつ、
アメリカでは大統領選がおこなわれていて、そこでNASAの火星有人飛行の乗組員だったリリアンの父が娘を利用して票集めをしようとしたり、それ以前にリリアンは大手製薬会社にいたときがあり、
どうやら東アフリカでおこなわれている戦争の「生物兵器」に、その大手製薬会社の影がちらついている……。
大統領選では、ブッシュ的なザルなヤツに対して、オバマっぽいリベラルが苦戦を強いられているのだが、はたしてどちらが勝つか…。
明日人は、どうやら火星に行くさいに、リリアンを妊娠させたんじゃないか疑惑だとか、そういうのが絡み合いながら、話はすすんでいきます。
国境や領土を持たない「プラネット」という国家組織っぽいものがでてきたり、それなりに「近未来感」がでています。
また、明日人は、東京の震災で子どもを亡くしているのですが、その東京震災が、3・11(2011年)を思い起こさせるんですが、ただこの「ドーン」は、なんと2009年に刊行という、
「平野啓一郎は未来を見通しているのでは?」
とか、オカルトネタになりそうなことが書かれています。
まあ、小説が現実を呑み込むことはありうることで、その現実が数年後に起ち上がることは、しばしばあることです。
とりあえず、「分人」を語るよりも、小説の世界観がおもしろいので、そちらで勝負できたのに、なぜかやたら「分人」「ディビジュアル」がでてきて、うざいですよ。
でも、「分人」が認められた世界って、万引きしたら「いやいや、オレが万引きしたんじゃないから、オレの「分人」が万引きしたんであって、オレじゃないから」という言い訳ができてしまうんですが、法学部出身の平野先生としては、抽象的にではなく、法理的に、その点をまず明らかにしないとなぁ、と感じてしまいました。