多くの人が以外だと言うが、私と近江とが出会ったのは、
沖縄・那覇の港近くの施設だった。
初夏を思わせる3月である。もう7、8年ほど前のことだ。
十勝・浦幌漁港に船を持つ漁師(当時)の彼は、休漁期間を活用して、
同地で開催された「好きな町で、好きな仕事をする」という
テーマのシンポジウムに参加していた。
彼も私もそのシンポジウムのパネリストだった。
その集まりのあとの懇親会で彼をつかまえてこんな話をした。
「十勝沖でとれるキュウリウオを食ってみたいんだけど」と。
「ええっ、キュウリウオですか?
確かにとれますけど、それがいいんですか?」と近江。
「まずいの?」
「いえ、まずくありません。おしいしですよ。でも、あれは捨てる魚です」
「じゃあ、なおさらラッキーだ。捨てると思って僕にただで送ってよ(笑)」
「わかりました……。しかし、あんな魚を……」
近江は、何かにつけ、その時のことを話題にする。
自分たちがダメだと思っているものが、
他人にとっては決してダメではないのだと気づいたと。
私は、それを気づかそうと思って言ったわけではない。
本当に、キュウリそっくりの匂いがするキュウリウオというやつを
一度でいいから食ってみたかっただけだ。
だが、彼は私にいろいろなことを気づかされたと言ってくれる。
思ったことを勝手にしゃべる私から、
いろいろなことをどんどん気づいていく彼がすごいのだ。
思うがままに、信じるがままに生き、感じ、考え、動いてきた近江のすごさ、
言い換えれば、
今の日本にもっとも欠如しているすごさ(体験から勝ち取るハウツー)が、
この本に凝縮されている。
近江というひとりの男に舞い降りた未来からのメッセージを
多くの人が目にしてほしい。
そして、読んだなら、彼の100分の1でも1000分の1でもいいから、
地域のために、日本のために、未来のために、何かを始めてほしい。
近江が船を降り、陸に上がったのは、
ダメだと思っているものが、全然ダメなんかじゃないということを
多くの人に伝え、わかってもらい、自信をもって生きてもらいたいからだ。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
だから僕は船をおりた 東京生まれの元漁師が挑む、フードアクション! 単行本(ソフトカバー) – 2010/5/28
近江 正隆
(著)
愛する漁の仕事も、大成功を収めたネット通販も全てをリセットして、
漁師が船をおりた、そのワケとは?
地元・北海道では十勝地方の若手農業者とともに今の時代に必要とされる生産者のあり方を模索する、生産者のよきパートナー。また、一方で都市部の消費者と地方の生産者をつなぐ「食」のつなぎ人として、食の交流会の主催や地域ならではの食材を都会に紹介する地域プロデューサー。
都会生まれの元漁師が、地方の生産地・生産者と都市部の消費者をつなげようと、東奔西走。
「食の安心安全」と「地域活性」。
日本を幸せにする種を蒔く、元漁師からのメッセージ。
楽天売り上げNO.1店主が語る地方の魅力
楽天市場の売り上げランキングNO.1を獲得したこともある「食の安心安全」の仕掛け人が伝える、本当の意味の農業支援とは。
生産者の元気の源について考える
漁師が船をおりた、そのワケとは?
地元・北海道では十勝地方の若手農業者とともに今の時代に必要とされる生産者のあり方を模索する、生産者のよきパートナー。また、一方で都市部の消費者と地方の生産者をつなぐ「食」のつなぎ人として、食の交流会の主催や地域ならではの食材を都会に紹介する地域プロデューサー。
都会生まれの元漁師が、地方の生産地・生産者と都市部の消費者をつなげようと、東奔西走。
「食の安心安全」と「地域活性」。
日本を幸せにする種を蒔く、元漁師からのメッセージ。
楽天売り上げNO.1店主が語る地方の魅力
楽天市場の売り上げランキングNO.1を獲得したこともある「食の安心安全」の仕掛け人が伝える、本当の意味の農業支援とは。
生産者の元気の源について考える
- 本の長さ192ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/5/28
- ISBN-104062161087
- ISBN-13978-4062161084
商品の説明
著者からのコメント
今、僕は地域プロデューサーとして生産者たちとともに活動をしている。
だが2008年までは漁師だった。もっと稼げる仕事ができたからした決断
ではない。漁師の仕事が嫌いになったからでもない。ただ、目の前にある
幸せではなく、未来、将来の家族や社会の幸せのために僕は、覚悟を決め
たのだ。この本を読んでなにかを感じてくれたら、うれしい!
東京生まれの僕が北海道で思うこと、それは、東京という都会も、北海道
という田舎もそれぞれだけでは、成り立たないということ。東京の食料自
給率はたったの1%。99%はよその地域や海外から持ってこなければ、
つまり、東京には住むことができない。でも北海道は200%の自給率を
誇り、東京の食卓も支えている。でも一方で北海道には、ないものが東京
にはたくさんある訳だ。。。都会と田舎、お互いに足りないところがあり、
それを補い合い、それぞれの立場を認め合い、信頼関係をつくって、支え
合うことが大切なのだと思う。また人間同士だって同じだと思う。つまり
人はひとりでは生きていけない。みんな支え合っていきているんだ。だから
小さくてもいいから、支えてくれているみんなのために何かをしていくこと
が大切だってこと。そう思うと気持ちが楽になるし、心地よくなる。
自分ひとりじゃない、支え合っていきていく。僕が厳しい自然環境の中で
漁師から学んだ一番大事なことだ。
だが2008年までは漁師だった。もっと稼げる仕事ができたからした決断
ではない。漁師の仕事が嫌いになったからでもない。ただ、目の前にある
幸せではなく、未来、将来の家族や社会の幸せのために僕は、覚悟を決め
たのだ。この本を読んでなにかを感じてくれたら、うれしい!
東京生まれの僕が北海道で思うこと、それは、東京という都会も、北海道
という田舎もそれぞれだけでは、成り立たないということ。東京の食料自
給率はたったの1%。99%はよその地域や海外から持ってこなければ、
つまり、東京には住むことができない。でも北海道は200%の自給率を
誇り、東京の食卓も支えている。でも一方で北海道には、ないものが東京
にはたくさんある訳だ。。。都会と田舎、お互いに足りないところがあり、
それを補い合い、それぞれの立場を認め合い、信頼関係をつくって、支え
合うことが大切なのだと思う。また人間同士だって同じだと思う。つまり
人はひとりでは生きていけない。みんな支え合っていきているんだ。だから
小さくてもいいから、支えてくれているみんなのために何かをしていくこと
が大切だってこと。そう思うと気持ちが楽になるし、心地よくなる。
自分ひとりじゃない、支え合っていきていく。僕が厳しい自然環境の中で
漁師から学んだ一番大事なことだ。
出版社からのコメント
愛する漁の仕事も、大成功を収めたネット通販も全てをリセットして、
漁師が船をおりた、そのワケとは?
漁師が船をおりた、そのワケとは?
地元・北海道では十勝地方の若手農業者とともに今の時代に必要とされる
生産者のあり方を模索する、生産者のよきパートナー。また、一方で都市
部の消費者と地方の生産者をつなぐ「食」のつなぎ人として、食の交流会
の主催や地域ならではの食材を都会に紹介する地域プロデューサー。
都会生まれの元漁師が、地方の生産地・生産者と都市部の消費者をつなげ
ようと、東奔西走。
「食の安心安全」と「地域活性」。
日本を幸せにする種を蒔く、元漁師からのメッセージ。
楽天市場の売り上げランキングNO.1を獲得したこともある「食の安心
安全」の仕掛け人が伝える、本当の意味の農業支援とは。
生産者の元気の源について考える
著者について
近江 正隆
(おうみ まさたか)
地域プロデューサー。
1970年東京目黒区生まれ。海に憧れ漁師を志し、雇ってもらえる船を探して北海道を放浪。1991年に漁業に従事する。1998年インターネットショップ「旬の逸品やさん」を開設。2003年度楽天市場年間売り上げランキング・魚部門で1位を獲得。月商1000万円を超える人気ショップに成長させる。
しかし海の事故での「気づき」から活動の方向性を大幅転換。現在は十勝浦幌町で始まった学校教育と連携した新しい町おこし事業の生みの親として、また若手農業者集団のプロデュース、物語性ある食材の提案など、様々な切り口から独自の視点とつながりを活かし、「新たな価値感」を全国に広めるべく奔走中。
(おうみ まさたか)
地域プロデューサー。
1970年東京目黒区生まれ。海に憧れ漁師を志し、雇ってもらえる船を探して北海道を放浪。1991年に漁業に従事する。1998年インターネットショップ「旬の逸品やさん」を開設。2003年度楽天市場年間売り上げランキング・魚部門で1位を獲得。月商1000万円を超える人気ショップに成長させる。
しかし海の事故での「気づき」から活動の方向性を大幅転換。現在は十勝浦幌町で始まった学校教育と連携した新しい町おこし事業の生みの親として、また若手農業者集団のプロデュース、物語性ある食材の提案など、様々な切り口から独自の視点とつながりを活かし、「新たな価値感」を全国に広めるべく奔走中。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/5/28)
- 発売日 : 2010/5/28
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 192ページ
- ISBN-10 : 4062161087
- ISBN-13 : 978-4062161084
- Amazon 売れ筋ランキング: - 954,641位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中4.7つ
5つのうち4.7つ
8グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年6月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
東京生まれの元漁師が挑むフードアクション。
そこに至る道のりが本書の半分を占めるが
壮絶なものがある。
大学に入った時点で将来が半ば約束されている
(もちろん脱落する者もいるが)
医学部出身の僕のような人間とは覚悟が違う。
まるで立花隆氏の青春漂流に出てきそうな世界。
苦労を重ね、楽天市場 で成功をおさめた著者だが、
転覆事故を契機に再び人生の方向性に悩む。
人と人、田舎と都会のつなぎ役を目指すことに。
吉本哲郎氏の地元学に通じるものを感じた。
[都市と地方が、お互いの足りない部分を補い合い、共生の関係を作ること。
対立ではなく生かし合い、互いの信頼関係を築くこと。
"支え合う心"これこそが今のニッポンにとって必要だと思う。]
という彼の言葉には血が通っており、心の琴線に触れる。
そこに至る道のりが本書の半分を占めるが
壮絶なものがある。
大学に入った時点で将来が半ば約束されている
(もちろん脱落する者もいるが)
医学部出身の僕のような人間とは覚悟が違う。
まるで立花隆氏の青春漂流に出てきそうな世界。
苦労を重ね、楽天市場 で成功をおさめた著者だが、
転覆事故を契機に再び人生の方向性に悩む。
人と人、田舎と都会のつなぎ役を目指すことに。
吉本哲郎氏の地元学に通じるものを感じた。
[都市と地方が、お互いの足りない部分を補い合い、共生の関係を作ること。
対立ではなく生かし合い、互いの信頼関係を築くこと。
"支え合う心"これこそが今のニッポンにとって必要だと思う。]
という彼の言葉には血が通っており、心の琴線に触れる。
2010年7月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
本を読んで思ったこと。
「忘れかけていた大切なことを思い出し、心地よい感動を覚えた!」
今の世の中は、当たり前のことが当たり前では無くなってきている。
その中には非常に大切なことも含まれている。
「助け合いや支え合いの心」を、当たり前の事という人は多くいるが、
実際に行動している人は少ないのが現状だと思う。
近江氏は、波瀾万丈の人生を歩み掴み取った成功を全て投げ捨て、
自身の人生を掛け、今の日本に、そして日本人に必要な「大切なこと」を
伝えようとしている。
「支え合い」が当たり前にできる、
子どもも大人も笑顔で溢れる世の中に向けて「自分にも何かできること」
を考えることができました。
地域づくり、仕事など何にでも通じる「今、日本に必要な価値観」を
得たい方は必見です!!
「忘れかけていた大切なことを思い出し、心地よい感動を覚えた!」
今の世の中は、当たり前のことが当たり前では無くなってきている。
その中には非常に大切なことも含まれている。
「助け合いや支え合いの心」を、当たり前の事という人は多くいるが、
実際に行動している人は少ないのが現状だと思う。
近江氏は、波瀾万丈の人生を歩み掴み取った成功を全て投げ捨て、
自身の人生を掛け、今の日本に、そして日本人に必要な「大切なこと」を
伝えようとしている。
「支え合い」が当たり前にできる、
子どもも大人も笑顔で溢れる世の中に向けて「自分にも何かできること」
を考えることができました。
地域づくり、仕事など何にでも通じる「今、日本に必要な価値観」を
得たい方は必見です!!
2017年8月30日に日本でレビュー済み
東京生まれの著書が漁師を志し、すったもんだの末、地方創生に情熱を傾けるまでが語れた本。
周囲との信頼関係を築きながら漁師になり、アイディアから大きな収益を得たものの、命に関わる事故を経て、人々とのつながりの大切さを再認識して、地域のために尽力しようと決意する(地域プロデューサですか)。
北海道を放浪しながら様々な人と出会い、気づきや学びを得たという経験談は、目新しさは感じない。が、人生における決断の例として参考にはなるだろうか。
本書は民主党政権下に書かれたものだが、今も地域をとりまく情勢は変わらないな。
周囲との信頼関係を築きながら漁師になり、アイディアから大きな収益を得たものの、命に関わる事故を経て、人々とのつながりの大切さを再認識して、地域のために尽力しようと決意する(地域プロデューサですか)。
北海道を放浪しながら様々な人と出会い、気づきや学びを得たという経験談は、目新しさは感じない。が、人生における決断の例として参考にはなるだろうか。
本書は民主党政権下に書かれたものだが、今も地域をとりまく情勢は変わらないな。
2010年6月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多くの人たちが都会へ、都会へと向かっていたバブル絶好調の頃に、東京で生まれ育っているのに北海道へと渡り、
大変な苦労をされて漁師となって、ネット販売で大成功するまでのお話は、青春ロードムービーになると思えるほど面白い。
しかもその後、転覆事故で仲間の漁師に助けられてから後、
船をおりて
生産地と消費地、都会と田舎の架け橋になるために活動を始め、
今にいたる出の敬意や、未来への展望には、日本が抱きうる未来へのビジョンを感じました。
特にラストの章で「小さい白いにわとり」という寓話を取り上げて
今の日本の食を巡る現状が物語られているところに、
強い感銘を受けました。
大変な苦労をされて漁師となって、ネット販売で大成功するまでのお話は、青春ロードムービーになると思えるほど面白い。
しかもその後、転覆事故で仲間の漁師に助けられてから後、
船をおりて
生産地と消費地、都会と田舎の架け橋になるために活動を始め、
今にいたる出の敬意や、未来への展望には、日本が抱きうる未来へのビジョンを感じました。
特にラストの章で「小さい白いにわとり」という寓話を取り上げて
今の日本の食を巡る現状が物語られているところに、
強い感銘を受けました。
2010年6月8日に日本でレビュー済み
市場原理主義。競争社会。効率重視。無駄排除。
決して悪いことではないが、極端に偏りすぎて歪んでしまった感のある今の日本。
誰しも少なからず、そう感じているのではないでしょうか?
そんな中で数字では計れない価値を発信している本。
「心の繋がり」であったり「支えあい」という、子供の頃に覚えることが如何に大切なことかを、命に直結する「食」という切り口で発信している本。
都市だけでは成り立たない。もちろん農山漁村だけでも成り立たない。
互いが互いの足りないものを知り、繋がり支えあうことで日本は成り立つ。
それぞれが持つ、「本当の価値」を教えてくれた本。
著者の近江氏は、未来の日本のために幸せの種を蒔く人である。
決して悪いことではないが、極端に偏りすぎて歪んでしまった感のある今の日本。
誰しも少なからず、そう感じているのではないでしょうか?
そんな中で数字では計れない価値を発信している本。
「心の繋がり」であったり「支えあい」という、子供の頃に覚えることが如何に大切なことかを、命に直結する「食」という切り口で発信している本。
都市だけでは成り立たない。もちろん農山漁村だけでも成り立たない。
互いが互いの足りないものを知り、繋がり支えあうことで日本は成り立つ。
それぞれが持つ、「本当の価値」を教えてくれた本。
著者の近江氏は、未来の日本のために幸せの種を蒔く人である。
2010年6月21日に日本でレビュー済み
人生をどう選択していくか、どう生きるか、
こんな生き方もあるのかとと教えてくれます。
バブル絶頂期に時代に反して漁師を目指し、
海産物のネット販売で売り上げナンバーワンにまで
上り詰め、それでも著者は走り続けます。
今の時代をどう生きていくかのヒントがこの本には
ちりばめられています。
こんな生き方もあるのかとと教えてくれます。
バブル絶頂期に時代に反して漁師を目指し、
海産物のネット販売で売り上げナンバーワンにまで
上り詰め、それでも著者は走り続けます。
今の時代をどう生きていくかのヒントがこの本には
ちりばめられています。