知人に勧められ、発展途上国に興味があったので読んだ。筆致に迫力がある。淡々としていながら別にシンプルな文章表現という訳でもなく物々しさが存分に伝わってくる。文章が迫ってくる感じ。でも頭が冴えてる時にしか読めないような難解さは感じない。
ほぼ主人公大沢の視点での書き起こしていて、これも著者が敢えて取った手法なのではないかと想像する。読み進めるうちに読者の多くが、すごい話だけど全部本当の話なのか?と心の隅では思う。しかしそれが終盤のフィリピン同行ルポで一気に解消される。どういう点に注意を払って取材したのかもここで分かる仕組みになっている。既に大沢の話をじっくり読んだあとだからこのルポ自体著者の取材時の興奮や視点を共有、体験できる
しかも著者は1981年生まれで9年前に出版ということは当時30代前半。このような人物と付き合えることもすごい
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バタス――刑務所の掟 単行本 – 2010/4/29
藤野 眞功
(著)
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抗争、腐敗、殺人、覚醒剤、売春……
フィリピンの闇に転落し、「王」として君臨した日本人
福田和也氏激賞
型通りの物語や矮小な私的体験に堕したノンフィクションを殲滅する問題作
大型新人が放つ史上最強の悪漢(ピカレスク)ノンフィクション!
官僚の長男として生まれ、旅行代理店のトップセールスマンとなった日本人が、フィリピンで突然逮捕される。拷問、そして死刑判決――そこで待っていたのは、2万人が収容されるフィリピン最大の刑務所での、地獄の日常だった。
フィリピンの闇に転落し、「王」として君臨した日本人
福田和也氏激賞
型通りの物語や矮小な私的体験に堕したノンフィクションを殲滅する問題作
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官僚の長男として生まれ、旅行代理店のトップセールスマンとなった日本人が、フィリピンで突然逮捕される。拷問、そして死刑判決――そこで待っていたのは、2万人が収容されるフィリピン最大の刑務所での、地獄の日常だった。
- 本の長さ258ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/4/29
- ISBN-104062161583
- ISBN-13978-4062161589
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商品の説明
出版社からのコメント
抗争、腐敗、殺人、覚醒剤、買春......
フィリピンの闇に転落し、「王」として君臨した日本人
フィリピンの闇に転落し、「王」として君臨した日本人
福田和也氏激賞 「型通りの物語や矮小な私的体験に堕した、ノンフィクションを殲滅する問題作」
なによりも、文章が、言葉が素晴らしい。輝いている、生動している。自分しか書けない、語れない、見せられない景色をもっている。
ここで、読者が突きつけられるのは、誰も示す事が出来なかった世界だ。
文芸の未来は、ここからはじまる。----福田和也(文芸評論家・慶應大教授)
著者について
藤野眞功(ふじの・みさを)
1981年、大阪市生まれ。成蹊大学卒業後、出版社勤務を経て著述業。週刊誌を中心に活動し、『Number』『en-taxi』等でルポルタージュ、文藝評論を発表している。著書に『FBI特別捜査官』(日本文芸社)がある。
1981年、大阪市生まれ。成蹊大学卒業後、出版社勤務を経て著述業。週刊誌を中心に活動し、『Number』『en-taxi』等でルポルタージュ、文藝評論を発表している。著書に『FBI特別捜査官』(日本文芸社)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/4/29)
- 発売日 : 2010/4/29
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 258ページ
- ISBN-10 : 4062161583
- ISBN-13 : 978-4062161589
- Amazon 売れ筋ランキング: - 702,221位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 110,538位ノンフィクション (本)
- - 184,822位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
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イメージ付きのレビュー
5 星
敢えて1人の人物に絞る手法が奏功
知人に勧められ、発展途上国に興味があったので読んだ。筆致に迫力がある。淡々としていながら別にシンプルな文章表現という訳でもなく物々しさが存分に伝わってくる。文章が迫ってくる感じ。でも頭が冴えてる時にしか読めないような難解さは感じない。ほぼ主人公大沢の視点での書き起こしていて、これも著者が敢えて取った手法なのではないかと想像する。読み進めるうちに読者の多くが、すごい話だけど全部本当の話なのか?と心の隅では思う。しかしそれが終盤のフィリピン同行ルポで一気に解消される。どういう点に注意を払って取材したのかもここで分かる仕組みになっている。既に大沢の話をじっくり読んだあとだからこのルポ自体著者の取材時の興奮や視点を共有、体験できるしかも著者は1981年生まれで9年前に出版ということは当時30代前半。このような人物と付き合えることもすごい
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上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月19日に日本でレビュー済み
知人に勧められ、発展途上国に興味があったので読んだ。筆致に迫力がある。淡々としていながら別にシンプルな文章表現という訳でもなく物々しさが存分に伝わってくる。文章が迫ってくる感じ。でも頭が冴えてる時にしか読めないような難解さは感じない。
ほぼ主人公大沢の視点での書き起こしていて、これも著者が敢えて取った手法なのではないかと想像する。読み進めるうちに読者の多くが、すごい話だけど全部本当の話なのか?と心の隅では思う。しかしそれが終盤のフィリピン同行ルポで一気に解消される。どういう点に注意を払って取材したのかもここで分かる仕組みになっている。既に大沢の話をじっくり読んだあとだからこのルポ自体著者の取材時の興奮や視点を共有、体験できる
しかも著者は1981年生まれで9年前に出版ということは当時30代前半。このような人物と付き合えることもすごい
ほぼ主人公大沢の視点での書き起こしていて、これも著者が敢えて取った手法なのではないかと想像する。読み進めるうちに読者の多くが、すごい話だけど全部本当の話なのか?と心の隅では思う。しかしそれが終盤のフィリピン同行ルポで一気に解消される。どういう点に注意を払って取材したのかもここで分かる仕組みになっている。既に大沢の話をじっくり読んだあとだからこのルポ自体著者の取材時の興奮や視点を共有、体験できる
しかも著者は1981年生まれで9年前に出版ということは当時30代前半。このような人物と付き合えることもすごい
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2010年10月24日に日本でレビュー済み
このような普通の人にはできない体験をした人物を扱ったノンフィクションが「読物」としておもしろいのは、ある程度は当たり前のことだと思う。それが、アンダーグランドの世界であればなおさらそうだ。この作品も「実話読物」としては非常におもしろい。
しかし、これをノンフィクションと捉えた場合、大きな不満が残った。不満は二点。
一点目は、主人公の大沢氏のインタビューに頼りきった構成だ。周辺取材が難しい題材であるのはわかるし、大沢氏の発言の裏を取るのが困難であることもわかるのだが、著者がその困難を克服する努力をした形跡はない。というか、そのチャンスを放棄しているかのようだ。
著者が大沢氏の発言に真実性を求める拠り所は、著者と大沢氏と一緒に彼が収監されていたフィリピンのモンテンルパ刑務所を訪れた際の、大沢氏に対する刑務官やプリズン・ギャング達の態度だと思われる。筆者もそこにある程度の真実性を感じる。
このフィリピン訪問の際、著者は刑務所内で大沢氏の庇護者となったプリズン・ギャングの大幹部と面会するのだが、大袈裟に書けば、著者はこの重要人物に挨拶をするために面会したのかというくらい、彼から何も聞きだそうとしていない。
好意的に捉えれば、このフィリピン訪問は、取材ではなく大沢氏のためのものだったのかもしれないが、悪意的に捉えれば、著者は、刑務所の雰囲気、そして大幹部の醸し出す雰囲気に呑みこまれただけとも思える。
二点目は、この作品には「事実(あるいは結果)」は書かれていても、多くの場面で「何故」の部分が書かれていないことだ。それも、重要な事柄について書かれていない。中でも、筆者が最も不満に感じたのは、大沢氏が多くの権力者の庇護を受け最終的にはコマンダーに指名された理由だ。
それまでに書かれたことから推測できないわけではないが、文中ではこの理由がまったく触れられていない。
あとがきを読むと、著者は、大沢氏が刑務所内で多くの権力者から庇護を受けることができた理由のひとつに「カマを掘る(掘られる)」という行為があったのではという疑問を持っていたようであり、大沢氏に対し何回か(婉曲)にそれを尋ねたようであるが、大沢氏に答えを上手くはぐらかされている。
題材としては強烈であり、いくらでも魅力的なノンフィクションとして書き上げることは可能だったはずだが、著者自らの意志でそれを放棄し、単なる「読み物」で終わってしまった感がある。
福田和也氏がこの作品を絶賛するかのような文章を書いているが、福田氏の文章は「文芸の未来は、ここからはじまる」で締められている。筆者の深読み過ぎなのかもしれないが、福田氏はこの作品をノンフィクションとして認めていないのだと思う。
ただ、インパクトはあったので☆×3
しかし、これをノンフィクションと捉えた場合、大きな不満が残った。不満は二点。
一点目は、主人公の大沢氏のインタビューに頼りきった構成だ。周辺取材が難しい題材であるのはわかるし、大沢氏の発言の裏を取るのが困難であることもわかるのだが、著者がその困難を克服する努力をした形跡はない。というか、そのチャンスを放棄しているかのようだ。
著者が大沢氏の発言に真実性を求める拠り所は、著者と大沢氏と一緒に彼が収監されていたフィリピンのモンテンルパ刑務所を訪れた際の、大沢氏に対する刑務官やプリズン・ギャング達の態度だと思われる。筆者もそこにある程度の真実性を感じる。
このフィリピン訪問の際、著者は刑務所内で大沢氏の庇護者となったプリズン・ギャングの大幹部と面会するのだが、大袈裟に書けば、著者はこの重要人物に挨拶をするために面会したのかというくらい、彼から何も聞きだそうとしていない。
好意的に捉えれば、このフィリピン訪問は、取材ではなく大沢氏のためのものだったのかもしれないが、悪意的に捉えれば、著者は、刑務所の雰囲気、そして大幹部の醸し出す雰囲気に呑みこまれただけとも思える。
二点目は、この作品には「事実(あるいは結果)」は書かれていても、多くの場面で「何故」の部分が書かれていないことだ。それも、重要な事柄について書かれていない。中でも、筆者が最も不満に感じたのは、大沢氏が多くの権力者の庇護を受け最終的にはコマンダーに指名された理由だ。
それまでに書かれたことから推測できないわけではないが、文中ではこの理由がまったく触れられていない。
あとがきを読むと、著者は、大沢氏が刑務所内で多くの権力者から庇護を受けることができた理由のひとつに「カマを掘る(掘られる)」という行為があったのではという疑問を持っていたようであり、大沢氏に対し何回か(婉曲)にそれを尋ねたようであるが、大沢氏に答えを上手くはぐらかされている。
題材としては強烈であり、いくらでも魅力的なノンフィクションとして書き上げることは可能だったはずだが、著者自らの意志でそれを放棄し、単なる「読み物」で終わってしまった感がある。
福田和也氏がこの作品を絶賛するかのような文章を書いているが、福田氏の文章は「文芸の未来は、ここからはじまる」で締められている。筆者の深読み過ぎなのかもしれないが、福田氏はこの作品をノンフィクションとして認めていないのだと思う。
ただ、インパクトはあったので☆×3
2016年1月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
後半にいくにつれて、読むのが面倒くさくなる内容が多くなる。 あまり上手い文章とは思えず、読みにくい印象すらある。 水道橋博士が絶賛という部分でもそれは察しがつく。 ぜんぶは信用できないが、こういう日本人がフィリピン監獄にいたのは事実だろう。人間関係が上手く、行動力と経営感覚と誠実さがあったようだ。 フィリピンの監獄の自由さは日本人には到底、想像すらできない。警察官のセットアップは今でも往々にあるらしいが。
2010年5月27日に日本でレビュー済み
この本はノンフィクション?と感じるほどリアルな描写で、
経験した人でしか描ききれないような緻密なフィリピンの刑務所内の描写。
まだ20代の著者のこの洞察力はいったいどのようの磨かれたのか?
今、最も気になる著者だ。
フィリピンで旅行代理店を経営していた主人公は、小金を稼ぐためにしていた
ことから、誤解逮捕され、死刑を宣告される。
しかし、死刑を免れたことからその数奇な運命が変わりだす・・・。
ユニークな視点、先の読めないストーリ展開は見事だ。
経験した人でしか描ききれないような緻密なフィリピンの刑務所内の描写。
まだ20代の著者のこの洞察力はいったいどのようの磨かれたのか?
今、最も気になる著者だ。
フィリピンで旅行代理店を経営していた主人公は、小金を稼ぐためにしていた
ことから、誤解逮捕され、死刑を宣告される。
しかし、死刑を免れたことからその数奇な運命が変わりだす・・・。
ユニークな視点、先の読めないストーリ展開は見事だ。
2019年2月2日に日本でレビュー済み
フィリピンで逮捕された大沢努という男のノンフィクション本です。リアルでマジで怖い!拷問、死刑判決、抗争、腐敗、殺人、覚醒剤、買春…。フィリピンのリアルが感じられます。
2万人が収容されるフィリピン最大のモンテルンバ刑務所での地獄の日々が描かれてますが、モンテルンバ刑務所には見学に行ったことがありますし、中に入ったことがある方から話も聞いていたので、かなりリアルでした。
ノンフィクションという点において、ネガティブな感想がチラホラありますが、単純に読み物として面白かったです。フィリピンという国を知るにはすごくオススメです。
2万人が収容されるフィリピン最大のモンテルンバ刑務所での地獄の日々が描かれてますが、モンテルンバ刑務所には見学に行ったことがありますし、中に入ったことがある方から話も聞いていたので、かなりリアルでした。
ノンフィクションという点において、ネガティブな感想がチラホラありますが、単純に読み物として面白かったです。フィリピンという国を知るにはすごくオススメです。
2010年6月28日に日本でレビュー済み
主人公の悪さや痛さが本文から伝わらない。長いあとがきでほんの少し実感。水道橋博士も福田和也も褒め過ぎ。
2010年9月1日に日本でレビュー済み
まがまがしい装丁と惹句。大出版社といえども、編集者の目がかすんでいるとこういう本ができるという見本のような駄本。いったいこれをノンフィクションと呼ぶのだろうか ? 取材が手薄だから、時代背景、現地事情、人間関係、あるいは現地の気候風土にいたるまで、優れたノンフィクションが備えているべき要件(そうしたものがノンフィクション独特の濃密な世界をかもし出すのだが)のいずれも満たされていない。へたくそなピカレスク小説(フィクション)ないしは週刊誌の安手の現地ルポでも読まされている感じだ。それにしても、文章がお粗末すぎる。こんなものを激賞するようでは、福田和也も焼きがまわったとしか言いようがない(本当に読んだのか ? と聞きたくなる)。対象の面白さに著者も編集者も幻惑され、引きずられ、テレビの特番ならともかく、本としてはお粗末のかぎり。出版社や評論家を無条件に信じてはなりませんぞ。
2010年6月11日に日本でレビュー済み
フィリピン・マニラの刑務所。プリズン・ギャングのトップにまでのし上がったある日本人の物語である。主人公のインタビューを主たるソースとしており、もしかしたら主人公が嘘を言っていたり話が膨らんでいるかもしれない。しかし、その臨場感たるや仮にフィクションであったとしても十分許される凄まじさである。
そこでは刑務所の中にギャング組織があり、殺人も日常茶飯事の権力闘争が繰り広げられる。マルコス政権中枢との強力な人脈を通じて日本人相手の売春ツアーや「ジャパ行き」の斡旋で人生を謳歌していた主人公が、1986年、2月革命によってアキノ政権に変わった直後のマニラで、恐らく彼らにとってはそれほど大きな罪ではないはずの「営利誘拐、不法監禁」の罪で逮捕され、そのまま死刑囚となるところから物語は始まる。
この本に登場するのは殺人、覚醒剤、売春など完全にモラルに反するものばかりである。そして、本書を貫くのは主人公の(いい意味でも悪い意味でも)権力欲である。その権力欲は彼が官僚の長男として生まれたものの後継ぎとして期待されなかったことへの反骨心と関係しているかもしれない。彼の権力欲とその欲求の実現の方法という点において、例えば我が国の政治や会社などで繰り広げられる権力闘争と何ら変わらないような気がした。刑務所という様々な制限のある状況の中で、ほんの少しそれが浮き上がって見えるだけなのである。
そこでは刑務所の中にギャング組織があり、殺人も日常茶飯事の権力闘争が繰り広げられる。マルコス政権中枢との強力な人脈を通じて日本人相手の売春ツアーや「ジャパ行き」の斡旋で人生を謳歌していた主人公が、1986年、2月革命によってアキノ政権に変わった直後のマニラで、恐らく彼らにとってはそれほど大きな罪ではないはずの「営利誘拐、不法監禁」の罪で逮捕され、そのまま死刑囚となるところから物語は始まる。
この本に登場するのは殺人、覚醒剤、売春など完全にモラルに反するものばかりである。そして、本書を貫くのは主人公の(いい意味でも悪い意味でも)権力欲である。その権力欲は彼が官僚の長男として生まれたものの後継ぎとして期待されなかったことへの反骨心と関係しているかもしれない。彼の権力欲とその欲求の実現の方法という点において、例えば我が国の政治や会社などで繰り広げられる権力闘争と何ら変わらないような気がした。刑務所という様々な制限のある状況の中で、ほんの少しそれが浮き上がって見えるだけなのである。