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喜嶋先生の静かな世界 (100周年書き下ろし) 単行本 – 2010/10/1
僕は文字を読むことが不得意だったから、小学生のときには、勉強が大嫌いだった。そんなに本が嫌いだったのに、4年生のときだったと思う、僕は区の図書館に1人で入った。その頃、僕は電波というものに興味を持っていたから、それに関する本を探そうと思った。その1冊を読むことで得られた経験が、たぶん僕の人生を決めただろう。意味のわからないものに直面したとき、それを意味のわかるものに変えていくプロセス、それはとても楽しかった。考えて考えて考え抜けば、意味の通る解釈がやがて僕に訪れる。そういう体験だった。小さかった僕は、それを神様のご褒美だと考えた。
講談社創業100周年記念出版
この小説を読むと
●考えてもわからなかったことが突然わかるようになります。
●探してもみつからなかったものがみつかるかもしれません。
●他人と考えが違うことや他人の目が気にならなくなります。
●自分のペースや自分の時間を大切にできるようになります。
●落ち着いた静かな気持ちで毎日を送れるようになります。
●なにか夢中になれるものをみつけたくなります。
●スポーツが得意になるかもしれません。
●学生の方は進路が変わってしまう可能性があります。
●年齢性別関係なくとにかく今すぐなにか学びたくなります。
- 本の長さ343ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2010/10/1
- ISBN-104062166364
- ISBN-13978-4062166362
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/10/1)
- 発売日 : 2010/10/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 343ページ
- ISBN-10 : 4062166364
- ISBN-13 : 978-4062166362
- Amazon 売れ筋ランキング: - 60,707位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 17,853位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
1957年愛知県生まれ。工学博士。
某国立大学の工学部助教授の傍ら1996年、『すべてがFになる』(講談社文庫)で第1回メフィスト賞を受賞し、衝撃デビュー。以後、犀川助教授・西之園萌絵のS&Mシリーズや瀬在丸紅子たちのVシリーズ、『φ(ファイ)は壊れたね』から始まるGシリーズ、『イナイ×イナイ』からのXシリーズがある。
ほかに『女王の百年密室』(幻冬舎文庫・新潮文庫)、映画化されて話題になった『スカイ・クロラ』(中公文庫)、『トーマの心臓 Lost heart for Thoma』(メディアファクトリー)などの小説のほか、『森博嗣のミステリィ工作室』(講談社文庫)、『森博嗣の半熟セミナ博士、質問があります!』(講談社)などのエッセィ、ささきすばる氏との絵本『悪戯王子と猫の物語』(講談社文庫)、庭園鉄道敷設レポート『ミニチュア庭園鉄道』1~3(中公新書ラクレ)、『自由をつくる 自在に生きる』(集英社新書)など新書の著作も多数ある。
ホームページ「森博嗣の浮遊工作室」(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/)
●これから出る本→予定表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/timetable.html)
●作者による作品の紹介(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/myst_index.html)
●出版された本の一覧→出版年表(http://www001.upp.so-net.ne.jp/mori/myst/nenpyo.html)
カスタマーレビュー
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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今まで言語化できなかった考えをこの作品が言葉にしてくれました。
何度も読みます。
最後にあった、喜嶋先生の奥様の死ですが、あまりにも唐突のように見えて、それは必然的のようにも感じました。それでも衝撃です。養老先生は蛇足とおっしゃっていますが、最後まで読んだら味わえる面白さかもしれません。
短編の方は、1997年7月刊(初出)であり、この長編は2010年10月刊。森氏は、1996年、名古屋大学工学部の助教授をしている時期に、アルバイトとして小説を書き始めた。が、2007年までには助教授も辞め、その後、講師として教職にいた期間があったものの、それも1年館程度であったらしい。従って、2010年には、既に教職にもいなかったし、2008年末までには小説などの依頼を受ける事を抑制するに至っている(世間には「引退宣言」として捉えられた)。この短編と長編は、そうした時系列の中にあり、書き直されたもの。本作は、理系のある領域の研究者の心の履歴を叙述する。著者の研究者としての在り方を反映したものと考えるのは、普通の読者にとって、当たり前に思える。
私は、その在り様に、素直に感動した。私は所謂「理系」でも、研究者でもない。が、研究者の心のあり様を叙述しているものと感じた。
短編と長編の間には、細部に若干の不整合がある(独立した創作作品だから、別に不整合があろうと構わない)が、大きな構造は何ら違いが無い。が、他分野の者には、長編の方をお奨めしたい。短編を引き延ばしたものではなく、環境や周囲の状況を濃密に描き込んでいて、より共感し易いから。「理系のある領域の研究者の心の履歴」は、長編の方により詳しい。短編で大きな割合を占める様にも感じられる、喜嶋先生の恋の行方と、結婚、そして、その奥様の自殺は、長編でも、そう詳しく展開される訳ではない。
色んな分野があり、色んな研究者がいるだろう。これが一般的な姿ではないにしろ、一つの典型例を見た思いがした。一途な思いで打ち込んだ、違った分野での青春を書いたもとのして、黒田 龍之助・著「ロシア語だけの青春―ミールに通った日々」2018年3月刊 がある(黒田氏から見た学生の観察記録としては、「ぼくたちの外国語学部」2013年3月刊 と云う著作もある)。どちらも私は感動したのだが、もしかして、他領域の人である事と、一途さに感動しただけだろうか? 読者としての私の心の在り様については、追って検討してみたいものだとは思う。また、森氏のこの著作と、黒田氏の著作が、そうした領域に進もうとする者に、お奨めしてよい作品なのか、どうか、も私は迷っている。
けれど、素直に自らの青春時代を振り返って書いてくれた事に、私は感謝したい。
なお、森氏の実体験を反映した作品としては、他に「相田家のグッドバイ Running in the Blood」2012年2月刊 がある。
ではと思わせるのが後半の内容である、そして喜嶋先生との関係のピーク時は
必ずあって、そして永遠のものではないと読み手に感じさせる内容であった。