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ウィキリークス WikiLeaks アサンジの戦争 単行本 – 2011/2/15

4.2 5つ星のうち4.2 12個の評価

2010年11月、アメリカ国務省の外交公電を一斉に公開し、
世界中を驚かせた内部告発サイト「ウィキリークス」。
このときリークされた公電の内容がきっかけとなって、
チュニジア・エジプトの政変劇につながったとも言われています。

そのウィキリークスに最も早くから接触し、
アフリカ・イラク戦争の報告書や外交公電のスクープを連発したのが、
調査報道を得意とするイギリスの名門リベラル紙「ガーディアン」でした。
昔のドラマの刑事のような、昔気質のユニークな新聞記者軍団と
ジュリアン・アサンジ率いるミステリアスな組織「ウィキリークス」が
ときには激しく対立し、ときには真摯に協力しながら、
世界を大きく変えるほどのスクープ報道を繰り広げていった、
その壮大なドラマ、全真相を当事者の「ガーディアン」記者チームが描きます。

「ウィキリークス」は何をしたのか?
謎だらけの組織「ウィキリークス」とは何か、
はたしてアサンジとは何者なのか、
すべてが明らかになります!

商品の説明

著者について

『ガーディアン』特命取材チーム
THE GUARDIAN (ザ・ガーディアン)
1821年にマンチェスターで創刊された、イギリスでもっとも権威ある新聞の一つ。中道左派・リベラルを標榜する。権力におもねらず、政府・大企業の汚職や一つのテーマを深く掘り下げた調査報道で知られる。アフガニスタン紛争、イラク戦争時には反戦の立場を貫いた。大手メディアとしてはウィキリークスにもっとも早い段階で接触し、一連のスクープ記事を連発した。
デヴィッド・リー
David Leigh
30年以上のキャリアを持つガーディアン紙の調査報道記者。世界第4位、英国最大の防衛関連企業BAEの賄賂疑惑を暴くことに成功、同社に4億ドルにのぼる罰金を支払わせた。最近では、多国籍石油取引大手トラフィグラ社による有害廃棄物の不法投棄問題で報道賞を受賞している。現在は、シティ大学ロンドンで報道について教鞭を執っている。
ルーク・ハーディング
Luke Harding
数々の受賞歴を誇るガーディアン紙モスクワ特派員。ニューデリー、ベルリン、ロシア特派員を務めたほか、アフガニスタンやイラクほかの紛争地帯から現地報告するなど、10年以上にわたり同紙で外交問題を担当してきた。
月沢 李歌子
(つきさわ・りかこ)
津田塾大学卒業後、外資系証券会社勤務を経て翻訳家に。主な訳書に、『フォールト・ラインズ「大断層」が金融危機を再び招く』(共訳、新潮社)、『ラテに感謝! 転落エリートの私を救った世界最高の仕事』(ダイヤモンド社)、『ディズニーが教えるお客様を感動させる最高の方法』(日本経済新聞社)、『営業の赤本 売り続けるための12.5原則』(日経BP社)などがある。
島田 楓子
(しまだ・ふうこ)
大阪市立大学文学部卒業。翻訳家。主な訳書に、『おもてなしの天才 ニューヨークの風雲児が実戦する成功のレシピ』(ダイヤモンド社)ほか。

登録情報

  • 出版社 ‏ : ‎ 講談社 (2011/2/15)
  • 発売日 ‏ : ‎ 2011/2/15
  • 言語 ‏ : ‎ 日本語
  • 単行本 ‏ : ‎ 354ページ
  • ISBN-10 ‏ : ‎ 4062168502
  • ISBN-13 ‏ : ‎ 978-4062168502
  • カスタマーレビュー:
    4.2 5つ星のうち4.2 12個の評価

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上位レビュー、対象国: 日本

2015年10月22日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2011年の本であるが、ベネディクト・カンバーバッチがアサンジ役をした映画「THE FIFTH ESTATE」を見た事をきっかけに、今年に入ってから読んだのだが、大変面白く興味深いものであった。読み終えた後に、映画の中で「人が語る真実は本物じゃない。その人の思う真実だ」と言葉が思い起こされた。
最近になって、再びスノーデンが話題になったが、私たちの身近になる、情報やセキュリティーに安全や真実について、興味をもつきっかけとなる一冊であった。
2人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2015年5月14日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
機密情報の公開は正義か、犯罪かはジャーナリストにとって解答のない問題である。  独裁国家で情報の自由が制限されている国では国民から歓迎される。 しかし戦争を続行している米国のような国では戦争遂行の大きな障害となる。 米国が敵性国家のみならず同盟国家からも多量な情報を収集していることは既に米国がパラノイア、被害妄想の国家となり病理学的な症状を呈していると考えられる。 CIAやMI6の諜報員で人間としての良心に目覚めた人は内部告発に踏み切る。 職業上の倫理観を持つ人は国家利益のために秘密を保持する。 アサンジの行為は英雄的行為か、国家破壊の悪党か。  仮に今のアサンジを封じ込めても第2、第3のアサンジが生まれてくる。  アノニマスたちが彼らを支援して情報公開を求めてくる。 インターーネットやユー チュウーブはすでに英米の悪辣な2枚舌、3枚舌外交や戦争の実態を暴露している。  もはや英米の発する情報をそのまま受け取る人は少ない。 米国が財政破綻をきたしたとき米国の不正義が明白となり世界から完全に見放されるであろう。 
1人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2014年7月28日に日本でレビュー済み
 政府機関の機密文書の漏洩という意味では、このところスノーデン氏に注目が集中している。
しかし政府機関をはじめ大組織の表に出ない実態を公に曝すことで一躍有名になったのは、ジ
ュリアン・アサンジ氏が率いるウィキリークスであった。特に史上最大の機密漏洩とされる、
米国外交公文書の報道に関して重点的にダイジェストして見たい。
ジュリアン・アサンジとウィキリークス
 アサンジの特異な生い立ちについて、眺めて見よう。1971年7月3日、オーストラリア北部の、
クイーンズランド州タウンズヴィルで生まれた。母親は当時隆盛だったカウンター・カルチャー
にどっぷりつかり、ベトナム戦争反対デモで出会った若者との間に生まれたのがアサンジだっ
た。二人の関係はすぐに終わり、このシングルマザーはアサンジをつれてヒッピーのたまり場
のような自由奔放な土地柄の島に移り住み、自給自足の生活を営む。やがて彼女は俳優で舞台
演出家の男と再婚し、旅回りの演劇活動を行う。後年アサンジはこの時の経験がウィキリーク
スを始めるときの良い準備になったと、語っている。1979年頃、家族は母親の実家の近くに移
り住んだが、母親は格式張った正規の学校教育を好まず、アサンジは田舎の学校を転々とした。
その後母親はミュージシャンでカルト教団のリーダーと恋に落ちて結婚するが、この男が暴力
・虐待趣味であり、母親はアサンジともう一人の連れ子とともに転々と避難施設を逃げ回るの
だ。そんなアサンジが13,4歳だった頃、母親の借りた家の向かいに電気店があった。アサンジ
は当時世に出たばかりのホームパソコン「コモドール64」に魅了される。母親は金を貯めてこ
れを息子にプレゼントした。彼は独学でプログラムの勉強をし、メルボルンで優秀な青少年の
ための研修プログラムにも参加した。16歳の時にモデムを手に入れ、そこからハッキングの世
界に夢中になって行く。アサンジが18歳の時恋人が妊娠したため結婚したが、警察の捜査が彼
の属する非合法なハッカーグループに及んで来たため、妻は20カ月になる息子を連れて彼のも
とを去った。精神状態は最悪だった。彼にとってコンピュータは「唯一の友」だった。
 1980年代メルボルンに存在するハッカーグループは小規模なものだってが、アサンジはめき
めき頭角を現し、Mendaxのハンドルネームのもとに大胆な活動を行う。1988年、Mendaxはオー
ストラリア政府資本の通信公社への侵入に成功する。一流ハッカーの登竜門だ。翌年NASAのウ
ェブサイトにウィルスを仕掛けたのを切っ掛けに、アサンジのハッキングはエスカレートして
行く。ペンタゴンの米空軍部隊本部やカリフォルニアのスタンフォード研究所、ヴァージニア
の海軍海上戦闘センター、そして1991年にはMILNET=アメリカ軍の国防データネットワークに
あっさりと裏口を見つけて侵入に成功し、その後2年間ネットワークを掌握していたのだ。しか
しこれらの行動はオーストラリア連邦警察の特捜班に把握され、1994年にアサンジは起訴され
てしまうが、「悪意をもった行為ではない」ということで、有罪ではあるが寛大な判決を受け
る。
 このころアサンジは人権活動家と会って東ティモール、コソボ、ロシア、スーダン、コンゴ
などの抑圧政権下で民衆が情報から置き去りにされていることを知り、「内部告発サイト」の
アイデアを思いついた。「組織が秘密主義的に、あるいは不当になればなるほど、リークがそ
の首脳部や企画立案者に引き起こす恐怖やパラノイアは大きくなる。我々が賢明な行動を取る
ためには、実際に何が起こっているのかを知らねばならないのだ。」2007年初めにアサンジは
ウィキリークス・プロジェクトの公表に踏み切った。「内部告発者が犯人探しを気にせずに文
書を投稿・掲載できる場を提供しようとしています。第一の関心事は、アジア、旧ソ連圏、サ
ハラ以南のアフリカ、中東の抑圧政権ですが、自国政府や企業の非倫理的行為を明らかにした
いと考える西側の人々の助けにもなりたいと思っています。」と。
 「第24回カオス・コミュニケーション年次総会」でアサンジのウィキリークス・プロジェク
トは熱狂的な歓迎を受けた(「カオス・コンピュータ・クラブ」は世界最古にして最大のハッ
カー・グループの一つ)。アサンジはウィキリークスのサーバが設置できる安全な場所を整え
たいと考えていたので、強力な法律がある、スウェーデンはウィキリークスがサーバを設置
(ネット・サービスプロヴァイダPRQ)することによって、情報漏洩の聖地と化した。「権力
者の情報を公開しながら、捕まらないようにするにはどうすればよいのか、これまでのところ、
ウィキリークス側は最先端の暗号化技術により、データの検閲も追跡も不可能と主張している。
 ウィキリークスへの情報提供は世界中のハッカーから歓迎されるが、もう一つの情報源とし
て急進的な反資本主義者、環境保護活動家、人権運動家などがある。アサンジはこうした人た
ちが集まる「世界社会フォーラム(WSF)」に参加するためナイロビに飛んでウィキリークスの
宣伝に努めた。しかし生データを手当たりしだいウェブサイトに掲載するだけでは、世界を変
えることができないことをアサンジは理解した。彼は、「ウィキリークスの活動費を稼ぐ」、
「世界から注目を集める」という二つの目的を両立させるビジネスモデルを模索し続けた。そ
こで多少限定的ではあるものの、ウィキリークスが大手メディアと協力して頼りになる記事の
発行人になることだ。そうこうしている間にもスイスの銀行をはじめとして、ウイキリークス
経由で告発された当事者たちは記事の掲載差し止めを求めるが、騒げば騒ぐほど世論は当事者
たちにとって不利に動く、つまりウィキリークスの勝利となってしまう。そこに発生するのが、
史上最大の機密漏洩事件「世界各国の駐在アメリカ大使館発国務省宛ての外交文書」の漏洩で
ある。

ブラッドリー・マニング
 夏の酷暑をすぎた11月のイラクは温暖だ。技術兵のブラッドリー・マニングはそこにいた。
数週間前にイラクに派遣されたばかりの彼はまもなく22歳、青い瞳、金髪、丸顔に少年のよう
な笑み、身長158cm、体重47kgの小柄な体型だ。マニングはコンピュータ操作の才能を見込ま
れて、情報分析官として一日中、基地内のコンピュタルームで最高機密情報を読み続ける。
経験の浅い若い兵士に任せるには機密度が極めて高い仕事である。ところがマニングは、基地
着任の初日からセキュリティの甘さに戸惑っていた。彼は米国の国家機密へのアクセス特権を
持つ2台のラップトップを使用できたのだ。一つはシークレット・インターネット・プロトコ
ル・ルーター・ネットワークに接続されており、国防総省や国務省と情報を共有できるように
なっていた。もう一台を使えば世界諜報通信システムを通じて世界中の最高機密レベルの公電
の受信が可能だった。
 マニングは、何時間もかけて最高機密の文書やビデオを掘り起こした。奥深く知れば知るほ
ど、彼は驚き、そして心が乱された。母国の政府がいかに偽りにまみれ腐敗しているかを目の
当たりにして、大きなショックを受けた。イラクでは武装ヘリが上空から非武装の民間人を射
殺する様子を写したビデオ、さらにヴァチカンからパキスタンまで、全世界の秘密を赤裸々に
語る外交公電が大量に見つかった。自分で掘り起こしたにもかかわらず、スキャンダルと陰謀
のスケールの大きさに圧倒されたマニングは、後にこう書いている。「多すぎる。地球上のす
べての人々に影響を及ぼす。世界中にあるアメリカの拠点には、必ず暴露すべき外交スキャン
ダルがある。見事なまでに空恐ろしくなった。」と。そしてまもなく自分に何か出来ることは
ないかと考えるようになった。「情報は自由でなければならない。情報は社会全体のものだ。
オープンになれば・・・公共の利益になるはずだ・・・人々に真実を知ってほしい・・・それ
が誰であっても・・・情報がなければ、公衆として情報に基づいた決断など下せないのだから
」と。マニングは21世紀に入ってからの25万件におよぶ世界各地の米国大使館からの公電を音
楽CDにコピーし、これをアサンジのウィキリークスに託したのだった。しかし彼の身の安全は
確保されなかった。以前つきあっていたハッカー仲間の密告により、米政府に逮捕され現在獄
中の身である。

ガーディアン
 この史上最大の漏洩事件は世界の大反響を呼んだ。アサンジは、効果的な情報伝達方法を模
索していた。英国の朝刊新聞発行社ガーディアンがアサンジに接近する。公開の範囲や公開の
仕方を巡ってすったもんだの交渉があったが、問題を国・地域別に分けてプライオリティーを
付け逐次特集版として発行して行こうという合意がなされた。そしてガーディアンのみならず、
当時国の比較的リベラルな米国の朝刊紙ニューヨーク・タイムズおよびドイツの週刊誌デア・
シュピーゲルにも協力を取り付ける。ウィキリークスは情報の発行人であると同時に仲介者と
なるのだ。さらに後日ロマンス語系のメディアとして、スペインの朝刊紙エル・パイス、フラ
ンスの夕刊紙ル・モンドが加わる。なにしろ世界180カ国、280の大使館から米国国務省に、主
として2004年から2010年初めにわたって送られて来た25万1287件の内部機密文書(ただしトッ
プ・シークレットは含まれていなかった)を、整理・編集するのは容易ではない。まず報道の
自由がない、民衆が権力の圧政にさらされている、国・地域をに関する情報を取り上げて報道
することにした。アフガニスタンにおける汚職の実体、ロシア強権政治の横暴を始め多くの現
実が報道されるが、まだ公開されているのはほんの数パーセントに過ぎないという。2011年に
入って起こったチュニジア・エジプト・リビアなどの独裁に近い国家におけるデモ・暴動には
このウィキリークス情報が大いに影響を与えたといわれている。
 今後この漏洩機密情報の公開サイトの存在は未だ多くの議論の余地があるが、今のところ
アサンジの立ち回りの上手さによって、成功とみなされているようだ。したがって参入者も増
加しつつあるが、ウィキリークスがブランドを掴んだ感がある。米国だけはこのアサンジの行
動に対して何とか制裁を加えようと、愛国的活動が議会・政権内で渦巻いている。さらにウィ
キリークスを維持していくのに必要とされる年間経費、約6,000万円も大半は寄付で賄われて
いるらしい。一体これはダーティ・ビジネスなのか正義を目指す崇高な社会活動なのか、まだ
まだ始まったばかりで、風雲児アサンジにとっても予断をゆるさないのが現状だ。現在アサン
ジはウィキリークス活動を限定され、ロンドンのエクアドル大使館に亡命中の身である。
    以  上
 
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年2月20日に日本でレビュー済み
ウィキリークスに最も早くから接触し、外交公電のスクープを連発した英ガーディアン紙によるウィキリークス本。ちなみにガーディアン紙とは、中道左派・リベラルを標榜しており、調査報道で名を知られる名門新聞社である。

◆本書の目次
1  秘密の館
2  技術兵の「正義」
3  ジュリアン・アサンジ
4  ウィキリークスの誕生
5  「アパッチ」のビデオ
6  ラモとの対話
7  取引
8  作戦会議室
9  アフガニスタン戦争報告書
10 イラク戦争報告書
11 公電
12 世界一有名な男
13 パートナーの不安
14 嵐の前に
15 公開日
16 史上最大の機密漏洩
17 ウォンズワース獄舎のバラッド
18 ウィキリークスの行方

ウィキリークスと協働関係にあった新聞社による本は、独シュピーゲル誌による『
全貌ウィキリークス 』もあるのだが、そちらが客観的な立場で描かれているのに対し、こちらは自社自身も一人のプレーヤーとして主観的に描かれており、表現も生々しい。これは、最終的にウィキリークスと対立関係に陥ったということによる影響もあるのかもしれない。多少センセーショナルな書き方をしているので、良くも悪くも、週刊現代の記事を読んでいるかのような感覚だ。

ウィキリークスに関して保持している情報としては、独「シュピーゲル」誌とほぼ同じであると推測されるが、最も興味を惹かれるのが米外交公電のリークを行う際のジュリアン・アサンジとのやり取りである。互いに協力しあい、キュレーション・ジャーナリズムとでも言うべき新しい道を見出しながらも、ジュリアン・アサンジの必要以上に介入してくる姿に対立構造が深まってくる部分の記述は、本書ならではのものである。

これまでに国内で発売されているウィキリークス本は、ほぼ全て読んできた。いずれも読み応えがあったのだが、どこか自分事化できないのも事実である。幸か不幸か、日本という国に与えたインパクトがそれほど大きくないからであろう。この先、日本を大きく揺るがすような出来事が起こって欲しいような、欲しくないような、実に複雑な気持ちである。そしてこの二面性こそ、ウィキリークスの本質なのだろう。
20人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年2月16日に日本でレビュー済み
Twitter で上杉隆氏、長野智子氏らが勧めているのを見て、まずは講談社BOOK倶楽部のウェブサイトで試し読みをしてみた。

すっごく面白い。英国・ガーディアンの記者が初めてジュリアン・アサンジとの接触に成功、「交渉」が成立し、レストランのナプキンに描かれたパスワードを手渡される。まるでスパイ小説だ。情報源からネタを引き出すジャーナリストというのはいつもこんな感じなのだろうか。

本書も一気に読んだ。目次は以下のとおり。

1 秘密の館
2 技術兵の「正義」
3 ジュリアン・アサンジ
4 ウィキリークスの誕生
5 「アパッチ」ビデオ
6 ラモとの対話
7 取引
8 作戦会議室(ウォールーム)
9 アフガニスタン戦争報告書
10 イラク戦争報告書
11 公電
12 世界一有名な男
13 パートナーの不安
14 嵐の前に
15 公開日
16 史上最大の機密漏洩
17 ウォンズワース獄舎のバラッド
18 ウィキリークスの行方

個人的にはウィキリークス誕生の経緯を描いた4章、マニング技術兵がなぜ情報漏洩を決意したかを綴った6章、(シュピーゲルのチョンボから始まった)世紀の「公開日」の様子を生々しく描いた15章が面白かった。もう少し解説が欲しい部分がある、ガーディアンの自画自賛が鼻につく、など、やや疑問も残るが、これまで読んだウィキリークス本の中では間違いなくベスト。
17人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート
2011年3月1日に日本でレビュー済み
アサンジ氏のひととなりや、Wikileaksの過去の活動に関して理解するのには、もちろんよく書けているのだが、圧巻は14章「嵐の前に」から。

90年代には既に言われていた「Information must be free」は、2010年代にどう実践され直すべきなのか。入手した情報は全部ぶちまけるべきなのか?

英ガーディアン紙はぶちまけるようなことはしなかった。自身や関係者に今後有り得る訴追や報復の私刑を避けるために、自身の立場を有利なものとするために、知識と立場に基づく「選別」を行った。

「選別」?隠蔽や検閲とはどう違うんだろうか?

ガーディアンはクオリティペーパーと言ってよいだろうが、独シュピーゲル誌は大した雑誌ではない。彼らの選別はドイツの国益に適っていただろうか?

新聞や雑誌には存在意義はある、しかし、今の業態ではないだろうな、という読後感。

2/1の脱稿、2/15の初版、なので、内容が新聞並みにリアル。ベンアリ政権崩壊の話まで言及されている。

PGPや暗号長の話など、テクニカルな部分の訳出もまあどうにかなっていて、そんなに気にならない。

新聞・雑誌の今後が気になるひとにもお勧め。
5人のお客様がこれが役に立ったと考えています
レポート