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ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち 単行本 – 2014/4/22
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戦後の約20年間、台湾において旧大日本帝国軍人による大規模かつ組織的な軍事支援がおこなわれていました。密航して台湾に渡り、蒋介石の軍事顧問となった彼らは「白団」と呼ばれました。その名はリーダーを務めた元陸軍少将・富田直亮が「白鴻亮」という中国名を名乗っていたことに由来します。
しかし、よく考えてみれば旧敵たる蒋介石を、どうして日本人たちがさまざまな危険を冒して海を渡って助けなければならなかったのでしょうか? 逆に、どうして日本の旧軍人たちに助けを乞いたいと蒋介石は考え、実行に移したのでしょうか? 蒋介石のいわゆる「以徳報怨」演説と敗戦国日本への寛大な政策への恩義、反共というイデオロギーでの一致、日本人の勤勉さへの蒋介石の畏敬の念……。さまざまな要素が絡まりあって史上例を見ない不思議な軍事顧問団が形成されていったのです。ただ、そこには当然、それぞれの思惑、建前と本音が存在しました。本書は足かけ七年を費やしてアメリカ、台湾、日本に散在する未公開資料を渉猟し、関係者を取材した記録です。蒋介石という政治家の実像と白団の等身大の姿が、いまはじめて浮かび上がってきます。
- 本の長さ370ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/4/22
- 寸法14 x 2.8 x 19.5 cm
- ISBN-10406217801X
- ISBN-13978-4062178013
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商品の説明
著者について
1968年生まれ。上智大学文学部新聞学科卒業。大学在学中に香港中文大学や師範大学(台湾)に留学。1992年、朝日新聞社入社。佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、2001年シンガポール支局長。その後、イラク戦争の従軍取材を経験。2007年から2010年まで台北支局長を務める。現在、国際編集部次長。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人』(東洋経済新報社)などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/4/22)
- 発売日 : 2014/4/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 370ページ
- ISBN-10 : 406217801X
- ISBN-13 : 978-4062178013
- 寸法 : 14 x 2.8 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 648,277位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 89,554位ノンフィクション (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
公式HP nojimatsuyoshi.com/
ツイッター http://twitter.com/#!/nojima_tsuyoshi
1968年生まれ。上智大学新聞学科在学中に香港中文大学、台湾師範大学に留学。
1992年 朝日新聞社に入社
1997~8年福建省アモイのアモイ大学に留学。
2001~4年シンガポールに特派員として派遣。イラク、アフガン戦争を取材。
2003年「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)を執筆。
2007~10年台北に特派員として派遣。
2011年6月「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)を出版。
2011年12月「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)を出版。
2012年5月「ふたつの故宮博物院」の中国語版(繁体字版)が台湾で出版。
2012年6月「銀輪の巨人GIANT」(東洋経済新報社)を出版。
2013年6月「謎の名画・清明上河図」の中国語版(繁体字版)が台湾で出版。
「銀輪の巨人GIANT」の中国語版(繁体字版)が台湾で出版。
2013年12月「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)を翻訳。
2014年4月 「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)を出版
2015年1月 同書の中国語版(繁体字版)を台湾で出版
2015年2月 「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)を出版
2015年10月 同書の中国語版(繁体字版)を台湾で出版
2016年4月 朝日新聞社を退社、フリーに
2016年4月 「台湾とは何か」(ちくま新書)「故宮物語」(勉誠出版)を出版
2018年5月 「タイワニーズ 故郷喪失者の物語(小学館)を出版
2019年4月 大東文化大学社会学部特任教授に就任
2020年7月 「なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか」(扶桑社新書)を出版
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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この本はあくまで中華民国としての台湾について書かれてあります。
台湾人からはとかく評判の悪い蒋介石ですが、
やはり良い面(赤化を防いだ)もあったのだな、と思います。
当時の日本の知識人がほぼ全てマルクス主義者であったことを考えれば
戒厳令はやむをえなかったかなあ、とすら思います。
(肯定していません)
共産軍との闘いにあった蒋介石の求めに応じて秘密裏に台湾に渡り、
終戦時に「以徳報怨」を説いた蒋介石の恩義に報いるために働いた無名の英雄である。
著者は蒋介石が長年記した日記の中での白団の存在に、ジャーナリストの嗅覚から
そこは国の命運を左右する一大プロジェクトがあったのではと嗅ぎ取り
このテーマに取組んだとのことで、歴史の表舞台では決して語られることのない
日本軍人の戦後の姿がかかれている。
所謂これまでの研究書と違うところは著者自身の足を使っているところだろうか。
白団の生存者や遺族をたずね歩き、遺族すらその存在を把握していなかった
故人が記した生々しい記録を発掘。
また台湾ではナショナルアーカイブで独自に関連資料を確認。
研究者とはひと味違ったスタンスで戦後の日中台の関係図を解いている。
秘密結社のような白団のストーリーにゾクゾクしながらページをめくり読み続けた。
国家レベルの話しではあるが、その根底には常に人間臭さが漂っていることをうまくとらえ、
蒋介石や白団に参加した軍人たちの本音と建前を史実にだけにとどまらず表現している一冊である。
この本はその「蒋介石日記」を出発点に、台湾における旧日本帝国軍人による軍事顧問団「白団」の真実を数年にわたって追い続けた記録である。
かつて日中戦争で殺し合った相手を、なぜ日本人が危険をおかしてまで助けにいかなければならなかったのか。なぜ蒋介石は大陸反攻のために日本に助けを請うたのか。中国に生まれた近代化という時代の大きな流れと、隣国日本の双方が作り出した表裏一体の異質な関係性について、著者は「個々の人間の心情」が成したこととし、見事なまでに等身大の彼らを描き出している。
ジャーナリストの福島香織さんに「もう、こういうテーマと巡り合えることが、才能としか」と言わしめる程、かつてない視線で蒋介石の本音と、戦後も約20年にわたり台湾で闘い続けた「白団」の実態をとらえている。戦争が生み出した不可思議な敵国との蜜月の歴史を現代に再現している本著だが、最終章の「エピローグ」を読むと妙に腑に落ちて清々しい気持ちになった。
米国で公開が始まった蒋介石日記を元ネタに、元日本軍人で構成された蒋介石支援の為の民間軍事顧問団(白団)員達の存命者
インタビューや日記掘り起こしなどを通じて、蒋介石や日本軍人の人となり、生き様を上手く浮かび上がらせることに成功している。
記述や調べ、解釈にはやや甘さを感じる。
また国民党政府による白色テロなど、通常蒋介石関連で語られる苛烈な弾圧については一切触れられておらず、台湾について
本書だけを読むと大きく歪む理解につながりかねないが、祖父世代の思考や第二次世界大戦後の台湾の立ち位置が、以前より
少し見える様になった気もする。