長大な大河小説「イベリアシリーズ」の完結編。
逢坂剛氏が「太平洋戦争を描いた小説は数多いが、同時期にヨーロッパで日本人がどう戦ったか、あるいは戦わなかったか、その顛末を描いた小説は一つもない」ことからこのシリーズの企図が始まったというとおり、架空の登場人物3人の目を通して戦時下のヨーロッパと、そこで生き抜いた日本人の姿を描いてきたシリーズですが、本作では戦後処理が扱われ、バジニアのソ連のスパイに対する闘いも描かれています。
また、満洲やシベリアからの引き揚げを描いた作品は多いけれど、ヨーロッパから日本への引き揚げを描いた作品は初めてで、多くの原典に当たって初めて得られる貴重な歴史資料でもあります。
しかし、最後にもう少し読者に想像の余地を残してもらえると良かったのだけれど、まぁ、大団円に纏めたかった作者の作中人物たちに対する思い入れもわかりますね(^^;
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さらばスペインの日日 単行本 – 2013/11/22
逢坂 剛
(著)
著者渾身のイベリア・シリーズついに完結!
日本の無条件降伏、第二次世界大戦終結で、北都昭平、ヴァジニアにいかなる未来が──。
「だれかがわたしに、裏切り者の汚名をきせようとしている」
1945年、ドイツに続く日本の無条件降伏で第二次世界大戦が終結。密命を帯びてスペインに潜行していた日本陸軍の情報将校・北都昭平は、戦犯指定の危機にさらされる。一方、英国情報部員ヴァジニアは、同国秘密情報部(MI6)第九課長キム・フィルビーがソ連の二重スパイである事実を暴こうと動き出す。だが、二人は同時に拘束され、別々に勾留される。国境も戦火も越えて愛し合っていた彼らに、いかなる未来が待っているのか――。
日本の無条件降伏、第二次世界大戦終結で、北都昭平、ヴァジニアにいかなる未来が──。
「だれかがわたしに、裏切り者の汚名をきせようとしている」
1945年、ドイツに続く日本の無条件降伏で第二次世界大戦が終結。密命を帯びてスペインに潜行していた日本陸軍の情報将校・北都昭平は、戦犯指定の危機にさらされる。一方、英国情報部員ヴァジニアは、同国秘密情報部(MI6)第九課長キム・フィルビーがソ連の二重スパイである事実を暴こうと動き出す。だが、二人は同時に拘束され、別々に勾留される。国境も戦火も越えて愛し合っていた彼らに、いかなる未来が待っているのか――。
- 本の長さ626ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2013/11/22
- ISBN-104062186667
- ISBN-13978-4062186667
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商品の説明
著者について
逢坂 剛
1943年、東京都生まれ。中央大学法学部卒業後、博報堂に入社。'80年、「暗殺者グラナダに死す」で第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞。'87年、『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。'97年より専業作家。2001年6月から2005年5月まで日本推理作家協会理事長を務めた。『重蔵始末』シリーズ、『剛爺コーナー』『大迷走』『バックストリート』など著書多数。
1943年、東京都生まれ。中央大学法学部卒業後、博報堂に入社。'80年、「暗殺者グラナダに死す」で第19回オール讀物推理小説新人賞を受賞。'87年、『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。'97年より専業作家。2001年6月から2005年5月まで日本推理作家協会理事長を務めた。『重蔵始末』シリーズ、『剛爺コーナー』『大迷走』『バックストリート』など著書多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2013/11/22)
- 発売日 : 2013/11/22
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 626ページ
- ISBN-10 : 4062186667
- ISBN-13 : 978-4062186667
- Amazon 売れ筋ランキング: - 702,542位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 183,831位文学・評論 (本)
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
1943年東京都生まれ。中学時代から探偵小説、ハードボイルド小説を書きはじめ、’80年「暗殺者グラナダに死す」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。’86~’87年、ギターとスペイン内戦を扱った『カディスの赤い星』で第96回直木賞、第40回日本推理作家協会賞、第5回日本冒険小説協会大賞をトリプル受賞。2001年6月から2005年5月まで、日本推理作家協会理事長を務めた。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 剛爺コーナー (ISBN-13: 978-4062161060 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年11月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白い。継続して読みたい本ですね。続編が待ち遠しい一冊です。もう終わりかな
2015年6月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この作品は、文庫本で探していたのですが、都内の大きな書店でも見つからずにがっかりしていたところでした。
たまたま検索したアマゾンに在庫があり幸運でした。読み応えのある内容のシリーズの完結編で感動して読みました。
これからも積極的に利用して、我が読書ワークを充実していくつもりです。
たまたま検索したアマゾンに在庫があり幸運でした。読み応えのある内容のシリーズの完結編で感動して読みました。
これからも積極的に利用して、我が読書ワークを充実していくつもりです。
2014年3月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本に送付される道中はどうなるか面白かったが、星3の理由は日本に上陸後が呆気なかた。
2013年12月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
イベリアシリーズ完結とのことですが、北斗とバージニアのその後が気になります。
短い内容でも良いので完結編+αが望まれます。
短い内容でも良いので完結編+αが望まれます。
2014年1月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
期待にたがわず素晴らしい内容でした。作者の人柄がにじみ出た作品になったと思います。「イベリアの雷鳴」から読み返す必要があると思っています。次作に「スペイン内戦」に題材をとって「誰がために鐘は鳴る」を凌駕する作品を書いていただけたら素晴らしいと思います。
2013年11月25日に日本でレビュー済み
いよいよ、イベリアシリーズ完結。
発売日には朝、昼休み、退社後と3度も本屋さんに行き、夕方ようやく並べられた本書を手に取りました。
手に取った瞬間から「あまロス症候群」ならぬ「イベロス症候群」に襲われ、終戦を迎え北都とヴァジニアがどうなっていくのか一刻も早く知りたい、でも読み終わりたくない、というアンビバレントな思いに揺れながら、それでもやはり一気に読了。
世界情勢としては、大戦が終わり日本が敗戦し、これまでの作品に見られた、息を飲むような諜報戦や北都やヴァジニアの活躍はありません。シックス内部の敵を暴こうとするヴァジニアの戦いも結局見るべき成果は上げられません。
結末に関しても、やや無理矢理な印象は否めません。
でも、北都、ヴァジニア、カナリス提督を始めとする登場人物たちへの逢坂さんの溢れるほどの愛が込められた結末です。
全編に渡って懐かしい場面の回想がちりばめられているのも、このシリーズを長年に渡って楽しんできた読者への惜別のサービスのように感じられ、随所で鼻の奥が熱くなりました。
また、中盤のジェーンとジュリーの会話…
「あなたは、ヴァジニアが好きなのね」
それを聞いて、ジュリーは涙が出そうになった。
「はい。彼女の、こうと決めたら一歩も引かない、いちずなところが好きなんです。仕事でも、プライベートでも」
ここで私の涙腺は決壊してしまいました。
私自身の気持ちをジュリーが代弁してくれていることに気づき、近づくヴァジニアとの別れを思って涙が止まらなくなりました。
率直に言って、本書のストーリー展開そのものは「ぬるい」かも知れません。
でも、本書はこれまでイベリアシリーズを楽しんできたファンに対する逢坂さんの大いなる愛なのです。
素晴らしいグランドフィナーレです。
逢坂さんへの感謝でいっぱいです。
心から、ありがとうございました。
これからまた、ゆっくりと本書を読み返します。
また、いい感じで登場していたケネスが10冊を越えるミステリーを書いているという素敵な情報もあとがきにあったので、さっそくこれから読んでみようと思います。
キムの行く末についてもきちんと文献を読んでみたいと思います。
・・・ 完全に「イベロス」ですね。まだまだ登場人物たちと別れたくないのです。
このイベリアシリーズに出会わなければ、私自身、第二次世界大戦のヨーロッパでの出来事や情勢の推移など知ることも興味を持つこともなかったでしょう。
私の目には、今頃イギリスの片田舎に日本人のおじいさんとイギリス人のおばあさんが仲睦まじく暮らしている姿が浮かびます。
北都とヴァジニアと一緒に過ごしたこの年月は本当に幸せな時間でした。
(追記)
そうそう、書くのを忘れていました。
あのナオミが結婚します。その相手は!!
このくだりを読んだとき、あまりのお似合いさに吹き出してしまいました。
うかつにもここまでお似合いの相手がいることには、全く気づいていませんでした。
逢坂さん、大好きです!
痛快すぎます!
ヴァジニアと北都と同じくらいこちらのカップルも幸せに添い遂げることを願わずにはいられません!
発売日には朝、昼休み、退社後と3度も本屋さんに行き、夕方ようやく並べられた本書を手に取りました。
手に取った瞬間から「あまロス症候群」ならぬ「イベロス症候群」に襲われ、終戦を迎え北都とヴァジニアがどうなっていくのか一刻も早く知りたい、でも読み終わりたくない、というアンビバレントな思いに揺れながら、それでもやはり一気に読了。
世界情勢としては、大戦が終わり日本が敗戦し、これまでの作品に見られた、息を飲むような諜報戦や北都やヴァジニアの活躍はありません。シックス内部の敵を暴こうとするヴァジニアの戦いも結局見るべき成果は上げられません。
結末に関しても、やや無理矢理な印象は否めません。
でも、北都、ヴァジニア、カナリス提督を始めとする登場人物たちへの逢坂さんの溢れるほどの愛が込められた結末です。
全編に渡って懐かしい場面の回想がちりばめられているのも、このシリーズを長年に渡って楽しんできた読者への惜別のサービスのように感じられ、随所で鼻の奥が熱くなりました。
また、中盤のジェーンとジュリーの会話…
「あなたは、ヴァジニアが好きなのね」
それを聞いて、ジュリーは涙が出そうになった。
「はい。彼女の、こうと決めたら一歩も引かない、いちずなところが好きなんです。仕事でも、プライベートでも」
ここで私の涙腺は決壊してしまいました。
私自身の気持ちをジュリーが代弁してくれていることに気づき、近づくヴァジニアとの別れを思って涙が止まらなくなりました。
率直に言って、本書のストーリー展開そのものは「ぬるい」かも知れません。
でも、本書はこれまでイベリアシリーズを楽しんできたファンに対する逢坂さんの大いなる愛なのです。
素晴らしいグランドフィナーレです。
逢坂さんへの感謝でいっぱいです。
心から、ありがとうございました。
これからまた、ゆっくりと本書を読み返します。
また、いい感じで登場していたケネスが10冊を越えるミステリーを書いているという素敵な情報もあとがきにあったので、さっそくこれから読んでみようと思います。
キムの行く末についてもきちんと文献を読んでみたいと思います。
・・・ 完全に「イベロス」ですね。まだまだ登場人物たちと別れたくないのです。
このイベリアシリーズに出会わなければ、私自身、第二次世界大戦のヨーロッパでの出来事や情勢の推移など知ることも興味を持つこともなかったでしょう。
私の目には、今頃イギリスの片田舎に日本人のおじいさんとイギリス人のおばあさんが仲睦まじく暮らしている姿が浮かびます。
北都とヴァジニアと一緒に過ごしたこの年月は本当に幸せな時間でした。
(追記)
そうそう、書くのを忘れていました。
あのナオミが結婚します。その相手は!!
このくだりを読んだとき、あまりのお似合いさに吹き出してしまいました。
うかつにもここまでお似合いの相手がいることには、全く気づいていませんでした。
逢坂さん、大好きです!
痛快すぎます!
ヴァジニアと北都と同じくらいこちらのカップルも幸せに添い遂げることを願わずにはいられません!
2014年8月30日に日本でレビュー済み
逢坂剛氏のライフワークともいえるイベリアシリーズがついに完結した。著者によるエピローグを読んで、第二次世界大戦をヨーロッパで戦った日本人を描くという意図で書かれていたと知り、なるほどと思った。
正直言って本作品は物語としてはさほど面白いものではない。北都とヴァジニアが怪しげな中国人に騙されて海外逃亡を図るというエピソードも、荒唐無稽な設定で物語に入り込めなかった。ただ上記の作者の意図から考えると作者が本書で最も描きたかったのは、スペインから日本に引き揚げさせられる日本人たちを描いた船上の場面ではないのかと思う。
正直言って本作品は物語としてはさほど面白いものではない。北都とヴァジニアが怪しげな中国人に騙されて海外逃亡を図るというエピソードも、荒唐無稽な設定で物語に入り込めなかった。ただ上記の作者の意図から考えると作者が本書で最も描きたかったのは、スペインから日本に引き揚げさせられる日本人たちを描いた船上の場面ではないのかと思う。