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教誨師 単行本 – 2014/1/31
堀川 惠子
(著)
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2009年『死刑の基準』で、第32回講談社ノンフィクション賞、2011年『裁かれた命』で、第10回新潮ドキュメント賞、2013年『永山則夫―封印された鑑定記録』で、第4回いける本大賞をそれぞれ受賞。人が人を裁く意味を問い続け、高い評価を得てきた著者が、新作では、ある一人のベテラン教誨師の人生を追った。
許されざる罪を犯し、間近に処刑される運命を背負った死刑囚と対話を重ね、最後は死刑執行の現場にも立ち会う、教誨師。過酷なその仕事を戦後半世紀にわたって続け、死刑制度が持つ矛盾を一身に背負いながら生き切った僧侶の懊悩とは。
一筋縄ではいかない死刑囚たちと本音でぶつかりあい、執行の寸前までその魂の救済に向かおうとする教誨師の姿――。執行の場面では「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」「人は人を救えるか」について深く考えさせらる。力作ノンフィクション。
許されざる罪を犯し、間近に処刑される運命を背負った死刑囚と対話を重ね、最後は死刑執行の現場にも立ち会う、教誨師。過酷なその仕事を戦後半世紀にわたって続け、死刑制度が持つ矛盾を一身に背負いながら生き切った僧侶の懊悩とは。
一筋縄ではいかない死刑囚たちと本音でぶつかりあい、執行の寸前までその魂の救済に向かおうとする教誨師の姿――。執行の場面では「死刑とは何か」「人を裁くとは何か」「人は人を救えるか」について深く考えさせらる。力作ノンフィクション。
- 本の長さ290ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/1/31
- 寸法13.5 x 2.5 x 19.5 cm
- ISBN-104062187418
- ISBN-13978-4062187411
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商品の説明
著者について
堀川 惠子
堀川惠子
1969年広島県生まれ。ジャーナリスト。フリーのドキュメンタリーディレクターとして番組制作に取り組むとともに、ノンフィクション作品を発表している。
『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社・2009年)で、第32回講談社ノンフィクション賞を、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』(講談社・2011年)で第10回新潮ドキュメント賞を、近刊の『永山則夫 封印された鑑定記録』(岩波書店・2013年)では、第4回いける本大賞をそれぞれ受賞した。
他の共著書に、『チンチン電車と女学生』(日本評論社・2005年)、『日本の戦争 BC級戦犯60年目の遺書』(アスコム・2007年)がある。
また、ディレクトした主なテレビ番組は、『ヒロシマ・戦禍の恋文』(NHK・2005年、ATP賞ドキュメンタリー優秀賞)、『死刑囚永山則夫~獄中28年間の対話~』(NHK-ETV特集・2009年、ギャラクシー賞大賞)、そして『永山則夫100時間の告白~封印された精神鑑定の真実~』(NHK・ETV特集・2012年)で第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。
堀川惠子
1969年広島県生まれ。ジャーナリスト。フリーのドキュメンタリーディレクターとして番組制作に取り組むとともに、ノンフィクション作品を発表している。
『死刑の基準―「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社・2009年)で、第32回講談社ノンフィクション賞を、『裁かれた命―死刑囚から届いた手紙』(講談社・2011年)で第10回新潮ドキュメント賞を、近刊の『永山則夫 封印された鑑定記録』(岩波書店・2013年)では、第4回いける本大賞をそれぞれ受賞した。
他の共著書に、『チンチン電車と女学生』(日本評論社・2005年)、『日本の戦争 BC級戦犯60年目の遺書』(アスコム・2007年)がある。
また、ディレクトした主なテレビ番組は、『ヒロシマ・戦禍の恋文』(NHK・2005年、ATP賞ドキュメンタリー優秀賞)、『死刑囚永山則夫~獄中28年間の対話~』(NHK-ETV特集・2009年、ギャラクシー賞大賞)、そして『永山則夫100時間の告白~封印された精神鑑定の真実~』(NHK・ETV特集・2012年)で第13回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/1/31)
- 発売日 : 2014/1/31
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 290ページ
- ISBN-10 : 4062187418
- ISBN-13 : 978-4062187411
- 寸法 : 13.5 x 2.5 x 19.5 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 358,118位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2023年11月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学生の息子に頼まれて注文しました。取っている授業の課題図書だそうです。良いレポートが書けるといいのですが。
2021年9月1日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
長年にわたり教誨師をつとめた渡邉普相への取材をもとにしたもの。政府は死刑についてかなりの秘密主義をとっており、ほとんどの部分が隠蔽され国民は知る由もないという状況の中で、一部なりともその実態が明らかになったという意味では意義深い作品であると思う。
死刑というのは結局のところ殺す/殺されるということであり、死刑囚の気持ちを考えれば怖いんだろうなというのは想像がつくけれども、それだけでは抽象的な感覚でしかなかった。しかし、この作品では何人かの死刑囚の具体的でさまざまな反応が記されており、死刑は憲法36条が「絶対にこれを禁ずる」という「残虐な刑罰」であるという思いをあらたにする。
ただ、どうにも作品に乗れないところがある。原因の一つは、扱っている題材が古いという点。時代・環境・豊かさなど、種々の面で異なるため、我々が生きている現在と地続きの事柄に思えないのだ。「あとがき」によると、これは普相の希望だという。仕方がない。しかし、「文庫化によせて」やまた本編にもところどころ触れられているが、死刑囚への待遇は現在かなり悪化している様子。やはり、もっと近い時代の話を聞きたかったという思いはぬぐえない。
死刑というのは結局のところ殺す/殺されるということであり、死刑囚の気持ちを考えれば怖いんだろうなというのは想像がつくけれども、それだけでは抽象的な感覚でしかなかった。しかし、この作品では何人かの死刑囚の具体的でさまざまな反応が記されており、死刑は憲法36条が「絶対にこれを禁ずる」という「残虐な刑罰」であるという思いをあらたにする。
ただ、どうにも作品に乗れないところがある。原因の一つは、扱っている題材が古いという点。時代・環境・豊かさなど、種々の面で異なるため、我々が生きている現在と地続きの事柄に思えないのだ。「あとがき」によると、これは普相の希望だという。仕方がない。しかし、「文庫化によせて」やまた本編にもところどころ触れられているが、死刑囚への待遇は現在かなり悪化している様子。やはり、もっと近い時代の話を聞きたかったという思いはぬぐえない。
2023年9月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
時代が変わっても多くの方に読んで頂きたい素晴らしい内容だと思う。
教誨師として沈黙を守り、逝去後の発行という約束であったが、
取材に応じてくれた教誨師、そして長期にわたり丁寧に取材を続けた
著者に感謝の意を表したい。
死刑囚の反省や後悔、親族に対する思いに涙が流れた。
家庭環境に恵まれないという共通する問題がある。
よその家庭に踏み込むことも、解決や正解に辿り着くことも難しい。
しかし、そっと寄り添い話を聞く・・・その存在が
いかに救われ犯罪を止める力になるか・・・このことを多くの方に知って欲しいと願う。
教誨師として沈黙を守り、逝去後の発行という約束であったが、
取材に応じてくれた教誨師、そして長期にわたり丁寧に取材を続けた
著者に感謝の意を表したい。
死刑囚の反省や後悔、親族に対する思いに涙が流れた。
家庭環境に恵まれないという共通する問題がある。
よその家庭に踏み込むことも、解決や正解に辿り着くことも難しい。
しかし、そっと寄り添い話を聞く・・・その存在が
いかに救われ犯罪を止める力になるか・・・このことを多くの方に知って欲しいと願う。
2023年4月15日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
私だって、いつかどこかで死刑囚になる犯罪を犯してしまうかもしれない。自分も彼らと同じ人間だ。読み終わって1年近く経ちますが、今でもたまに本書を思い出します。
死刑になるのは極悪人で、猛獣のように手がつけられない人たち…というイメージが、私の中にありましたが、本書を読んで変わりました。
そんな死刑囚はむしろ少数派で、多くは気が弱い人間だそうです。その傾向は今もきっと変わらないでしょう。
本書には、でくのぼうで鈍くさく、勘違いで女性に暴行を働いて死刑囚になった男が登場します。「たまたま自分は檻の外から死刑囚を眺めているが、もし生まれる時代・生まれる環境が違って十分な教育を受けられていなかったら、自分も彼と同じく死刑囚になっていたかもしれない」と主人公が、気の弱い死刑囚と自分を重ねるシーンは、特に私の心にズシンと響きました。
そして、1年たった今も、このシーンだけはやたらと私の中でリフレインし続けています。
死刑になるのは極悪人で、猛獣のように手がつけられない人たち…というイメージが、私の中にありましたが、本書を読んで変わりました。
そんな死刑囚はむしろ少数派で、多くは気が弱い人間だそうです。その傾向は今もきっと変わらないでしょう。
本書には、でくのぼうで鈍くさく、勘違いで女性に暴行を働いて死刑囚になった男が登場します。「たまたま自分は檻の外から死刑囚を眺めているが、もし生まれる時代・生まれる環境が違って十分な教育を受けられていなかったら、自分も彼と同じく死刑囚になっていたかもしれない」と主人公が、気の弱い死刑囚と自分を重ねるシーンは、特に私の心にズシンと響きました。
そして、1年たった今も、このシーンだけはやたらと私の中でリフレインし続けています。
2018年9月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ちょっと大袈裟な筆致でくどいが、ノンフィクション作家だけあり読み応えはあった。他の方の書評には考えさせられたというモノが多いのだが、死刑に処せられた救いの無い死刑囚は、死刑判決を受けたからこそ、死に対する生をより意識する事が出来たのではないか。死刑員に更生は不要であり、どんな言い訳の羅列が並ぼうと私は死刑を支持する。本書はどちらかというと死刑囚に関する話ではなくタイトルの通り教誨師という死刑に対する立場の人の話であるわけで、そういう意味では執行に携わる人々の苦しみに対しての同情はかなりのものがあった。そういう意味では、執行に関しては、極論ではあるが公募にしたらいいでは無いかとすら感じた。嫌がらないすすんで手をあげる人間がいないとは思えない。なお、死刑の執行については例えば今回のような書籍でなくとも詳細が公表される方が、死刑囚の死に意味が出てくると感じた。
2023年12月26日に日本でレビュー済み
.
著者の堀川惠子氏は1969年生まれのジャーナリスト。人の生き死にをテーマにノンフィクションを著してきた人物です。この『教誨師』で第1回城山三郎賞を受賞しています。
教誨師とは、死刑囚に寄り添い、対話を重ねながら彼らの心の安寧に努め、なおかつ刑の執行にも立ち会う民間人です。一銭の報酬も支払われないボランティアであり、担う業務の過酷さのため長期間務められる人は稀有だといいます。
それにも関わらず半世紀も教誨師を務めた人物がいます。都内にある浄土真宗(西本願寺派)綱生山當光寺の渡邉普相住職です。1931年生まれの渡邉住職は、自らの死期を悟り、著者にこれまでの教誨師歴について取材に応じました。2012年の暮れに亡くなるまでに語った住職の言葉は、世間に知られることのほとんどないこの特異な任務について多くを教えてくれます。
死刑囚の多くは、渡邉住職が諭す親鸞聖人の教えを素直に受けとめるわけではありません。斜に構え、死刑判決を受けながらも処刑の日は永遠にこないのではないかと根拠のない思いをもち、自らが犯した罪に対してさほどの反省の念も見せることがないのです。
そうした死刑囚と対面しながら、渡邉住職は虚しさを感じたことも一度や二度ではありません。
それでも住職は、浄土真宗の教えを少しずつ死刑囚たちに浸透させていきます。
「平生業成(へいぜいごうじょう)」:今が大切。「ただ今、ただ今」と今を生きれば良い。
「調御丈夫(ちょうぎょじょうぶ)」:抑圧せずにコントロールしていく。水や火は必要だが、多すぎると火事や洪水になる。人間の欲望もよく調御しなければ事件が起こり、自分自身が苦しみ、まわりの人を巻き添えにしていく。(ただし「じょうごじょうぶ 」という読み方もあるようです。)
「倶会一処(くえいっしょ)」:ひとつの処(浄土)に生まれ変わり、あらゆる知人・縁者と再会し、ともに働く喜びの気持ちがこもった言葉。
渡邉住職自身、広島で被爆した際、大勢を救えなかったサバイバーズ・ギルトを抱えているようです。また、教誨師を続け、大勢の処刑に立ち会ううちに住職は心の不調を訴えだします。苛烈な任務に押しつぶされそうになりながらも、それでも死刑囚に寄り添いつづけた住職の生涯には頭がさがります。
司法関係者もマスコミも、死刑への立会の機会はほとんどないとあります。実態が見えない中で、この大きな課題を論じることの難しさを改めて思いました。
-------------------
この書に関連して、以下の書を紹介しておきます。
◆見沢知廉『 囚人狂時代 』(新潮文庫/1998年)
:殺人を犯して懲役刑を科された著者が記した獄中日記です。
◆花輪和一『 刑務所の中 』(青林工芸舎/2000年)
:銃刀法違反で受刑囚となった著者がコミックで描く獄中日記です。崔洋一監督が山﨑努主演で2002年に 映画化 しています。
◆小倉孝保『 ゆれる死刑――アメリカと日本』 』(岩波書店/2011年)
:毎日新聞の記者がアメリカと日本の死刑の現状を丹念に比較取材したルポです。この書でも、日本では死刑の実状がほとんど国民に知らされていないこと、その一方で、アメリカでは、死刑執行の場に被害者の家族が立ち会うことも許されていて、メディアが死刑囚と面談インタビューをすることもできる実情が記されています。
◆アン・ウォームズリー『 プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』 』(紀伊國屋書店/2016年)
:2011年から12年にかけてカナダ国内の刑務所2か所で開催された受刑者向け読書会にボランティアとして参加した著者の経験を綴った書です。読書がなにより受刑者たちにもたらすのは、そうした物語世界への没入だけではなく、最終的には登場人物に寄り添う自分自身という存在の確認だといえるでしょう。
◆NHK取材班(杉本宙矢・木村隆太)『 日本一長く服役した男 単』 』(イースト・プレス/2023年)
:死刑囚ではなく、無期懲役の判決を受けた受刑者がおよそ60年の歳月の後に仮釈放されて一般社会で暮らしていくようになる様子をルポした一冊です。
※今年2023年は、2020年以来3年ぶりに死刑執行がなかったそうです。(2023年12月28日追記)
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著者の堀川惠子氏は1969年生まれのジャーナリスト。人の生き死にをテーマにノンフィクションを著してきた人物です。この『教誨師』で第1回城山三郎賞を受賞しています。
教誨師とは、死刑囚に寄り添い、対話を重ねながら彼らの心の安寧に努め、なおかつ刑の執行にも立ち会う民間人です。一銭の報酬も支払われないボランティアであり、担う業務の過酷さのため長期間務められる人は稀有だといいます。
それにも関わらず半世紀も教誨師を務めた人物がいます。都内にある浄土真宗(西本願寺派)綱生山當光寺の渡邉普相住職です。1931年生まれの渡邉住職は、自らの死期を悟り、著者にこれまでの教誨師歴について取材に応じました。2012年の暮れに亡くなるまでに語った住職の言葉は、世間に知られることのほとんどないこの特異な任務について多くを教えてくれます。
死刑囚の多くは、渡邉住職が諭す親鸞聖人の教えを素直に受けとめるわけではありません。斜に構え、死刑判決を受けながらも処刑の日は永遠にこないのではないかと根拠のない思いをもち、自らが犯した罪に対してさほどの反省の念も見せることがないのです。
そうした死刑囚と対面しながら、渡邉住職は虚しさを感じたことも一度や二度ではありません。
それでも住職は、浄土真宗の教えを少しずつ死刑囚たちに浸透させていきます。
「平生業成(へいぜいごうじょう)」:今が大切。「ただ今、ただ今」と今を生きれば良い。
「調御丈夫(ちょうぎょじょうぶ)」:抑圧せずにコントロールしていく。水や火は必要だが、多すぎると火事や洪水になる。人間の欲望もよく調御しなければ事件が起こり、自分自身が苦しみ、まわりの人を巻き添えにしていく。(ただし「じょうごじょうぶ 」という読み方もあるようです。)
「倶会一処(くえいっしょ)」:ひとつの処(浄土)に生まれ変わり、あらゆる知人・縁者と再会し、ともに働く喜びの気持ちがこもった言葉。
渡邉住職自身、広島で被爆した際、大勢を救えなかったサバイバーズ・ギルトを抱えているようです。また、教誨師を続け、大勢の処刑に立ち会ううちに住職は心の不調を訴えだします。苛烈な任務に押しつぶされそうになりながらも、それでも死刑囚に寄り添いつづけた住職の生涯には頭がさがります。
司法関係者もマスコミも、死刑への立会の機会はほとんどないとあります。実態が見えない中で、この大きな課題を論じることの難しさを改めて思いました。
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この書に関連して、以下の書を紹介しておきます。
◆見沢知廉『 囚人狂時代 』(新潮文庫/1998年)
:殺人を犯して懲役刑を科された著者が記した獄中日記です。
◆花輪和一『 刑務所の中 』(青林工芸舎/2000年)
:銃刀法違反で受刑囚となった著者がコミックで描く獄中日記です。崔洋一監督が山﨑努主演で2002年に 映画化 しています。
◆小倉孝保『 ゆれる死刑――アメリカと日本』 』(岩波書店/2011年)
:毎日新聞の記者がアメリカと日本の死刑の現状を丹念に比較取材したルポです。この書でも、日本では死刑の実状がほとんど国民に知らされていないこと、その一方で、アメリカでは、死刑執行の場に被害者の家族が立ち会うことも許されていて、メディアが死刑囚と面談インタビューをすることもできる実情が記されています。
◆アン・ウォームズリー『 プリズン・ブック・クラブ--コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年』 』(紀伊國屋書店/2016年)
:2011年から12年にかけてカナダ国内の刑務所2か所で開催された受刑者向け読書会にボランティアとして参加した著者の経験を綴った書です。読書がなにより受刑者たちにもたらすのは、そうした物語世界への没入だけではなく、最終的には登場人物に寄り添う自分自身という存在の確認だといえるでしょう。
◆NHK取材班(杉本宙矢・木村隆太)『 日本一長く服役した男 単』 』(イースト・プレス/2023年)
:死刑囚ではなく、無期懲役の判決を受けた受刑者がおよそ60年の歳月の後に仮釈放されて一般社会で暮らしていくようになる様子をルポした一冊です。
※今年2023年は、2020年以来3年ぶりに死刑執行がなかったそうです。(2023年12月28日追記)
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