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規制の虜 グループシンクが日本を滅ぼす 単行本 – 2016/3/10
黒川 清
(著)
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原発事故から5年。続々進む再稼働。日本人はフクシマから何を学んだのか? 国会事故調元委員長が、規制する側(監督官庁)が規制される側(東電)の論理に取り込まれて無能化する「規制の虜」が起きたと断じ、エリートの人災を暴いた委員会の舞台裏と、この「規制の虜」と同じ構造がいま、日本のあちこちに存在する実情を描く!
原発事故から5年。
続々進む再稼働。
日本人はフクシマから何を学んだのか?
国会事故調元委員長が、規制する側(監督官庁)が規制される側(東電)の論理に取り込まれて無能化する「規制の虜」が起きたと断じ、エリートの人災を暴いた委員会の舞台裏と、この「規制の虜」と同じ構造がいま、日本のあちこちに存在する実情を描く!
2015年8月に再稼働した川内原発をめぐっては、九州電力が、原発事故時の対策拠点となる免震重要棟の建設計画を、再稼働後に撤回した。しかし、国会事故調の参考人質疑において、福島第一原発事故当時に東京電力社長であった清水正孝氏は、免震重要棟の重要性について、「もしあれがなかったらと思うとゾッとする」と明言している。その免震重要棟を、九州電力は「重要な根拠」も示さずに、「不要」と判断した。福島第一原発事故の教訓は、どのように認識されているのだろうか。(「イントロダクション」より抜粋・要約)
第一部 ドキュメント メイキング・オブ・国会事故調
第二部 3・11が浮かびあがらせた日本の「病巣」
原発事故から5年。
続々進む再稼働。
日本人はフクシマから何を学んだのか?
国会事故調元委員長が、規制する側(監督官庁)が規制される側(東電)の論理に取り込まれて無能化する「規制の虜」が起きたと断じ、エリートの人災を暴いた委員会の舞台裏と、この「規制の虜」と同じ構造がいま、日本のあちこちに存在する実情を描く!
2015年8月に再稼働した川内原発をめぐっては、九州電力が、原発事故時の対策拠点となる免震重要棟の建設計画を、再稼働後に撤回した。しかし、国会事故調の参考人質疑において、福島第一原発事故当時に東京電力社長であった清水正孝氏は、免震重要棟の重要性について、「もしあれがなかったらと思うとゾッとする」と明言している。その免震重要棟を、九州電力は「重要な根拠」も示さずに、「不要」と判断した。福島第一原発事故の教訓は、どのように認識されているのだろうか。(「イントロダクション」より抜粋・要約)
第一部 ドキュメント メイキング・オブ・国会事故調
第二部 3・11が浮かびあがらせた日本の「病巣」
- 本の長さ274ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2016/3/10
- 寸法12.9 x 2 x 18.8 cm
- ISBN-104062198827
- ISBN-13978-4062198820
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商品の説明
著者について
1936年生まれ。東京大学医学部卒業。1969年に渡米、1979年UCLA内科教授。1983年帰国後、東京大学内科教授、東海大学医学部長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術会議議員(2003-06年)、内閣特別顧問(2006-08年)、WHOコミッショナー(2005-08年)などを歴任。国際科学者連合体、国内外の学会および大学の理事、役員など幅広い分野で活躍。国会福島原発事故調査委員会委員長(2011年12月‐2012年7月)で AAAS Award for Scientific Freedom and Responsibility 受賞(2012年)、Foreign Policy 紙の100 Top Global Thinkers of 2012に選出。現在、MITメディアラボ、コロンビア大学客員研究員、GHIT(公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金)、日本医療政策機構などの代表理事・会長、政策研究大学院大学客員教授、東京大学名誉教授など。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2016/3/10)
- 発売日 : 2016/3/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 274ページ
- ISBN-10 : 4062198827
- ISBN-13 : 978-4062198820
- 寸法 : 12.9 x 2 x 18.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 410,876位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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イメージ付きのレビュー
5 星
日本文化の変革、改革が今こそ必要。
福島原発事故の解明に初めて設置された国会事故調は、「人災」と報告され、7つの提言がなされたのにも拘らず、7年後の現在に至るも何一つまともに審議されないまま、9つの原発が再開されている。国のシステムを見直す必要を感じている私にとって多くの人たちに読んで頂けたらと願う。
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上位レビュー、対象国: 日本
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2023年4月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
誠に恥ずかしながら今頃、国会事故調の優れた業績を知りました。そして、今もその警告は生かされていないことも。
2019年5月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
普段僕らは、マスコミやネットからぐらいしか、情報を得ることができない。だがその信憑性は、僕の中ではとうの昔に失われている。それでもその中でしか、情報を得るしかないもどかしさ、そんな情報をもとに様々な判断を下さなくてはならないもどかしさ。そういう鬱憤を見事に打ち砕いてくれた一冊。
ここで主に取り上げられているのは、2011福島原発事故に関わる内容だ。それは、東電も悪い。政治家も悪い。役人も悪い。誰も責任を取ろうとはしない。当事者に事故から何かを学ぶチカラも意識もない。そういう日本的な慣習が根本的な原因ではないかと断罪する。今のままでは、日本の未来は危うい。全くもって絶望的だ。
しかしそうした中でも希望はあると筆者は言う。結局のところは、日本人一人ひとりが独立した個人として行動できるかどうかにかかっている。若い人の中には、そういう意識に芽生え、行動を起こしている人が現れている。
自分自身もそういう若者たちを応援したいし、そういう人間になりたい。そう思わせてくれるに充分な説得力。
僕の中では、完璧な一冊。
ここで主に取り上げられているのは、2011福島原発事故に関わる内容だ。それは、東電も悪い。政治家も悪い。役人も悪い。誰も責任を取ろうとはしない。当事者に事故から何かを学ぶチカラも意識もない。そういう日本的な慣習が根本的な原因ではないかと断罪する。今のままでは、日本の未来は危うい。全くもって絶望的だ。
しかしそうした中でも希望はあると筆者は言う。結局のところは、日本人一人ひとりが独立した個人として行動できるかどうかにかかっている。若い人の中には、そういう意識に芽生え、行動を起こしている人が現れている。
自分自身もそういう若者たちを応援したいし、そういう人間になりたい。そう思わせてくれるに充分な説得力。
僕の中では、完璧な一冊。
2023年1月30日に日本でレビュー済み
この本の著者は「黒川清」氏だが、311(2011/3/11)福島原発事故の事故原因を究明するため国会事故調(東京電力福島原子力発電所事故調査委員会)が事故後国会(衆参)の全会一致で設立され約半年の調査を経て報告されたが、その調査委員会の委員長が記した書だ。
この国会事故調のことは従前のブログ記事でも何度か記しているのだが、調査報告書が提出されたのは2012年7月5日だが、この本の発刊は2016年3月9日と、事故調発表から約4年を経て、黒川元委員長の所感が記されているという内容だ。
この本で、黒川氏の上げる重要ワードは「規制の虜」(とりこ)、「マインドセット」、「グループシンク」、「変われなかった」などがある。それぞれの意味するところは以下だ。
➀規制の虜(とりこ)
規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配されてしまうような状況であり、この状況下では、被規制産業が規制当局をコントロールできてしまう余地がありうる。政府の失敗の1つである。
②マインドセット(思い込み)
どこどこの権威ある機関が管理しているから安全だなどという思い込み。このことは、権威機関や有識者とされる権威者
、マスメディア報道などに嘘、間違い、隠蔽、偏向などはないと思考するのも同様だろう。
③グループシンク(集団浅慮)
集団で合意形成をすることによって、かえって不合理な結論や行動を引き出してしまうこと。 「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるが、これと反対のデメリットが生じることもあり得るということだ。
④変われなかった
この福島原発の世界最大規模の原発事故を通して、これで公開して、以後相当変わるだろう、変わらないはずがないと多くの国民は思ったに違いない。しかし、この本でも黒川氏は述べているが、国会が全会一致で決めた委員会報告も、その後4年を経て、この報告への関心はおよそ薄くそんな報告があったのかという気風が強く、いささかも反省の気持ちが感じられないことを嘆いている。これに比べると、欧米各国の報が、この報告内容に関心を示している。しかも、ドイツなどでは、原子力を撤廃することを決め、ウロ戦争のガスエネルギー供給のため、昨年末までの全撤廃がやや延期されているが残る2つの原発も今年4月には閉炉の予定で進められている。
この問題は原発だけではない。先の敗戦で、もう戦争はこりごりだと思った国民は大多数だろう。しかし、今回の岸田政権は、この戦争準備と原発再開を宣言しているという驚愕の動きとなっているのだ。
以下に国会事故調の黒川氏の記した事故調「はじめに」を再々度転載しておく。
<img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/f3/f9b110c82c90acdfce6cd9925b1ba984.jpg" border="0">
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国会事故調(2012年7月5日発表)
はじめに
福島原子力発電所事故は終わっていない。
これは世界の原子力の歴史に残る大事故であり、科学技術先進国の一つである日本で起きたことに世界中の人々は驚愕した。世界が注目する中、日本政府と東京電力の事故対応の模様は、日本が抱えている根本的な問題を露呈することとなった。
福島第一原子力発電所は、日本で商業運転を始めた 3 番目の原子力発電所である。
日本の原子力の民間利用は、1950 年代から検討が始まり、1970 年代のオイルショックを契機に、政界、官界、財界が一体となった国策として推進された。
原子力は、人類が獲得した最も強力で圧倒的なエネルギーであるだけではなく、巨大で複雑なシステムであり、その扱いは極めて高い専門性、運転と管理の能力が求められる。先進各国は、スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故などといった多くの事故と経験から学んできた。世界の原子力に関わる規制当局は、あらゆる事故や災害から国民と環境を守るという基本姿勢を持ち、事業者は設備と運転の安全性の向上を実現すべく持続的な進化を続けてきた。
日本でも、大小さまざまな原子力発電所の事故があった。多くの場合、対応は不透明であり組織的な隠ぺいも行われた。日本政府は、電力会社 10 社の頂点にある東京電力とともに、原子力は安全であり、日本では事故など起こらないとして原子力を推進してきた。
そして、日本の原発は、いわば無防備のまま、3.11 の日を迎えることとなった。
想定できたはずの事故がなぜ起こったのか。その根本的な原因は、日本が高度経済成長を遂げたころにまで遡る。政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった『規制の虜(Regulatory Capture)』が生まれた。
そこには、ほぼ 50 年にわたる一党支配と、新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思いこみ(マインドセット)」があった。経済成長に伴い、「自信」は次第に「おごり、慢心」に変わり始めた。
入社や入省年次で上り詰める「単線路線のエリート」たちにとって、前例を踏襲すること、組織の利益を守ることは、重要な使命となった。この使命は、国民の命を守ることよりも優先され、世界の安全に対する動向を知りながらも、それらに目を向けず安全対策は先送りされた。
3.11 の日、広範囲に及ぶ巨大地震、津波という自然災害と、それによって引き起こされた原子力災害への対応は、極めて困難なものだったことは疑いもない。しかも、この 50 年で初めてとなる歴史的な政権交代からわずか 18 か月の新政権下でこの事故を迎えた。当時の政府、規制当局、そして事業者は、原子力のシビアアクシデント(過酷事故)における心の準備や、各自の地位に伴う責任の重さへの理解、そして、それを果たす覚悟はあったのか。「想定外」「確認していない」などというばかりで危機管理能力を問われ、日本のみならず、世界に大きな影響を与えるような被害の拡大を招いた。この事故が「人災」であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。
この大事故から9か月、国民の代表である国会(立法府)の下に、憲政史上初めて、政府からも事業者からも独立したこの調査委員会が、衆参両院において全会一致で議決され、誕生した。
今回の事故原因の調査は、過去の規制や事業者との構造といった問題の根幹に触れずには核心にたどりつけない。私たちは、委員会の活動のキーワードを「国民」「未来」「世界」とした。そして、委員会の使命を、「国民による、国民のための事故調査」「過ちから学ぶ未来に向けた提言」「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」とした。限られた条件の中、6か月の調査活動を行った総括がこの報告書である。
100 年ほど前に、ある警告が福島が生んだ偉人、朝河貫一によってなされていた。
朝河は、日露戦争に勝利した後の日本国家のありように警鐘を鳴らす書『日本の禍機』を著し、日露戦争以後に「変われなかった」日本が進んで行くであろう道を、正確に予測していた。
「変われなかった」ことで、起きてしまった今回の大事故に、日本は今後どう対応し、どう変わっていくのか。これを、世界は厳しく注視している。この経験を私たちは無駄にしてはならない。国民の生活を守れなかった政府をはじめ、原子力関係諸機関、社会構造や日本人の「思いこみ(マインドセット)」を抜本的に改革し、この国の信頼を立て直す機会は今しかない。この報告書が、日本のこれからの在り方について私たち自身を検証し、変わり始める第一歩となることを期待している。
最後に、被災された福島の皆さま、特に将来を担う子どもたちの生活が一日でも早く落ち着かれることを心から祈りたい。また、日本が経験したこの大事故に手を差し伸べてくださった世界中の方々、私たち委員会の調査に協力、支援をしてくださった方々、初めての国会の事故調査委員会誕生に力を注がれた立法府の方々、そして、昼夜を問わず我々を支えてくださった事務局の方々に深い感謝の意を表したい。
東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)
委員長 黒川 清
この国会事故調のことは従前のブログ記事でも何度か記しているのだが、調査報告書が提出されたのは2012年7月5日だが、この本の発刊は2016年3月9日と、事故調発表から約4年を経て、黒川元委員長の所感が記されているという内容だ。
この本で、黒川氏の上げる重要ワードは「規制の虜」(とりこ)、「マインドセット」、「グループシンク」、「変われなかった」などがある。それぞれの意味するところは以下だ。
➀規制の虜(とりこ)
規制機関が被規制側の勢力に実質的に支配されてしまうような状況であり、この状況下では、被規制産業が規制当局をコントロールできてしまう余地がありうる。政府の失敗の1つである。
②マインドセット(思い込み)
どこどこの権威ある機関が管理しているから安全だなどという思い込み。このことは、権威機関や有識者とされる権威者
、マスメディア報道などに嘘、間違い、隠蔽、偏向などはないと思考するのも同様だろう。
③グループシンク(集団浅慮)
集団で合意形成をすることによって、かえって不合理な結論や行動を引き出してしまうこと。 「三人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるが、これと反対のデメリットが生じることもあり得るということだ。
④変われなかった
この福島原発の世界最大規模の原発事故を通して、これで公開して、以後相当変わるだろう、変わらないはずがないと多くの国民は思ったに違いない。しかし、この本でも黒川氏は述べているが、国会が全会一致で決めた委員会報告も、その後4年を経て、この報告への関心はおよそ薄くそんな報告があったのかという気風が強く、いささかも反省の気持ちが感じられないことを嘆いている。これに比べると、欧米各国の報が、この報告内容に関心を示している。しかも、ドイツなどでは、原子力を撤廃することを決め、ウロ戦争のガスエネルギー供給のため、昨年末までの全撤廃がやや延期されているが残る2つの原発も今年4月には閉炉の予定で進められている。
この問題は原発だけではない。先の敗戦で、もう戦争はこりごりだと思った国民は大多数だろう。しかし、今回の岸田政権は、この戦争準備と原発再開を宣言しているという驚愕の動きとなっているのだ。
以下に国会事故調の黒川氏の記した事故調「はじめに」を再々度転載しておく。
<img src="https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5b/f3/f9b110c82c90acdfce6cd9925b1ba984.jpg" border="0">
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国会事故調(2012年7月5日発表)
はじめに
福島原子力発電所事故は終わっていない。
これは世界の原子力の歴史に残る大事故であり、科学技術先進国の一つである日本で起きたことに世界中の人々は驚愕した。世界が注目する中、日本政府と東京電力の事故対応の模様は、日本が抱えている根本的な問題を露呈することとなった。
福島第一原子力発電所は、日本で商業運転を始めた 3 番目の原子力発電所である。
日本の原子力の民間利用は、1950 年代から検討が始まり、1970 年代のオイルショックを契機に、政界、官界、財界が一体となった国策として推進された。
原子力は、人類が獲得した最も強力で圧倒的なエネルギーであるだけではなく、巨大で複雑なシステムであり、その扱いは極めて高い専門性、運転と管理の能力が求められる。先進各国は、スリーマイル島原発事故やチェルノブイリ原発事故などといった多くの事故と経験から学んできた。世界の原子力に関わる規制当局は、あらゆる事故や災害から国民と環境を守るという基本姿勢を持ち、事業者は設備と運転の安全性の向上を実現すべく持続的な進化を続けてきた。
日本でも、大小さまざまな原子力発電所の事故があった。多くの場合、対応は不透明であり組織的な隠ぺいも行われた。日本政府は、電力会社 10 社の頂点にある東京電力とともに、原子力は安全であり、日本では事故など起こらないとして原子力を推進してきた。
そして、日本の原発は、いわば無防備のまま、3.11 の日を迎えることとなった。
想定できたはずの事故がなぜ起こったのか。その根本的な原因は、日本が高度経済成長を遂げたころにまで遡る。政界、官界、財界が一体となり、国策として共通の目標に向かって進む中、複雑に絡まった『規制の虜(Regulatory Capture)』が生まれた。
そこには、ほぼ 50 年にわたる一党支配と、新卒一括採用、年功序列、終身雇用といった官と財の際立った組織構造と、それを当然と考える日本人の「思いこみ(マインドセット)」があった。経済成長に伴い、「自信」は次第に「おごり、慢心」に変わり始めた。
入社や入省年次で上り詰める「単線路線のエリート」たちにとって、前例を踏襲すること、組織の利益を守ることは、重要な使命となった。この使命は、国民の命を守ることよりも優先され、世界の安全に対する動向を知りながらも、それらに目を向けず安全対策は先送りされた。
3.11 の日、広範囲に及ぶ巨大地震、津波という自然災害と、それによって引き起こされた原子力災害への対応は、極めて困難なものだったことは疑いもない。しかも、この 50 年で初めてとなる歴史的な政権交代からわずか 18 か月の新政権下でこの事故を迎えた。当時の政府、規制当局、そして事業者は、原子力のシビアアクシデント(過酷事故)における心の準備や、各自の地位に伴う責任の重さへの理解、そして、それを果たす覚悟はあったのか。「想定外」「確認していない」などというばかりで危機管理能力を問われ、日本のみならず、世界に大きな影響を与えるような被害の拡大を招いた。この事故が「人災」であることは明らかで、歴代及び当時の政府、規制当局、そして事業者である東京電力による、人々の命と社会を守るという責任感の欠如があった。
この大事故から9か月、国民の代表である国会(立法府)の下に、憲政史上初めて、政府からも事業者からも独立したこの調査委員会が、衆参両院において全会一致で議決され、誕生した。
今回の事故原因の調査は、過去の規制や事業者との構造といった問題の根幹に触れずには核心にたどりつけない。私たちは、委員会の活動のキーワードを「国民」「未来」「世界」とした。そして、委員会の使命を、「国民による、国民のための事故調査」「過ちから学ぶ未来に向けた提言」「世界の中の日本という視点(日本の世界への責任)」とした。限られた条件の中、6か月の調査活動を行った総括がこの報告書である。
100 年ほど前に、ある警告が福島が生んだ偉人、朝河貫一によってなされていた。
朝河は、日露戦争に勝利した後の日本国家のありように警鐘を鳴らす書『日本の禍機』を著し、日露戦争以後に「変われなかった」日本が進んで行くであろう道を、正確に予測していた。
「変われなかった」ことで、起きてしまった今回の大事故に、日本は今後どう対応し、どう変わっていくのか。これを、世界は厳しく注視している。この経験を私たちは無駄にしてはならない。国民の生活を守れなかった政府をはじめ、原子力関係諸機関、社会構造や日本人の「思いこみ(マインドセット)」を抜本的に改革し、この国の信頼を立て直す機会は今しかない。この報告書が、日本のこれからの在り方について私たち自身を検証し、変わり始める第一歩となることを期待している。
最後に、被災された福島の皆さま、特に将来を担う子どもたちの生活が一日でも早く落ち着かれることを心から祈りたい。また、日本が経験したこの大事故に手を差し伸べてくださった世界中の方々、私たち委員会の調査に協力、支援をしてくださった方々、初めての国会の事故調査委員会誕生に力を注がれた立法府の方々、そして、昼夜を問わず我々を支えてくださった事務局の方々に深い感謝の意を表したい。
東京電力福島原子力発電所事故調査委員会(国会事故調)
委員長 黒川 清
2016年10月8日に日本でレビュー済み
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国は過つ。国に限らず、あらゆる組織はいつか過つ。
だが、その過ちを教訓にし、最前線の情報を共有し、次の過ちに備え未来志向の議論を深め、外部に開かれた体制を構築し、責任の所在を明らかにし、対策を協議し公開し、着実に実行していく。
そのガバナンスが必要だと多くの人が思っている。
しかし、国会事故調で著者が目にしたのは、以下のような人たちだ。
”志が低く、責任感がない。自分たちの問題であるにもかかわらず、他人事のようなことばかり言う。普段は威張っているのに、困難に遭うと我が身かわいさからすぐ逃げる。これが日本の中枢にいる「リーダーたち」だ”
”たとえば、2001年の9・11アメリカ同時多発テロの後、燃料を満載したジャンボジェット機が原発に突っ込んできたらどうなるかについて、アメリカやフランス等の原発先進国では真剣に論じられた。その防御策を、アメリカ側は日本の原子力規制機関に2度も伝えたが、日本は何の対策も取らなかった。”
”IAEAの日本の担当者は、経産省の役人に「どうして深層防護をやらないのか」と聞いたところ、「日本では原発事故は起こらないことになっている」”
著者は原発政策に推進か反対かといった議論はしない。それは本書の主題ではない。
本書が投げかけるのは、その政策判断の前提にある、エネルギー政策を決定・推進する日本のエリート達がつくる組織は、日本の国民から支持され、また国際的に信用に足るガバナンスをしているのか、という根本的な問いである。
原発の議論はそこからしかはじめられない。
福島第一原発事故は日本のエリートたちが最終的に国際標準のガバナンスからは程遠い場所で、原発という極めて重大なエネルギー政策を推進してきたこと、原発というリスクを扱うには東電も経産省も根本的に倫理に欠けていたことを明らかにした。
失敗に学ぶーー
戦後、「敗戦」という失敗から多くを学び日本は経済大国への階段を駆け登ったはずだった。しかし今回の原発事故は、第二の敗戦と呼んでもいい失態を世界に晒すこととなった。それが繁栄を謳歌した日本戦後史の帰結であると厳粛に受け止めることからしか、再々度の復興はないだろう。誇りある美しい日本、ではなく「ガバナンスのない日本」から、はじめるほかはない。
国会事故調に、地元から選出された蜂須賀委員の言葉は重い。
「私は(福島第一原発から)4キロ圏内に住んでいましたが、一度も防災訓練をしたことがありません。地元優先とおっしゃるが、あなたの答えでよくわかりました。原子力安全・保安院の人たちは地元住民をおいて一番先に逃げました。広瀬さんの指示があったとか、なかったとかではなく、こんな上司のもとにいたからこそ、私たちをおいて逃げたのです。私たちはあの場所に一晩いたんですよ。それなのに、保安院の人たちはさっさといなくなった」
だが、その過ちを教訓にし、最前線の情報を共有し、次の過ちに備え未来志向の議論を深め、外部に開かれた体制を構築し、責任の所在を明らかにし、対策を協議し公開し、着実に実行していく。
そのガバナンスが必要だと多くの人が思っている。
しかし、国会事故調で著者が目にしたのは、以下のような人たちだ。
”志が低く、責任感がない。自分たちの問題であるにもかかわらず、他人事のようなことばかり言う。普段は威張っているのに、困難に遭うと我が身かわいさからすぐ逃げる。これが日本の中枢にいる「リーダーたち」だ”
”たとえば、2001年の9・11アメリカ同時多発テロの後、燃料を満載したジャンボジェット機が原発に突っ込んできたらどうなるかについて、アメリカやフランス等の原発先進国では真剣に論じられた。その防御策を、アメリカ側は日本の原子力規制機関に2度も伝えたが、日本は何の対策も取らなかった。”
”IAEAの日本の担当者は、経産省の役人に「どうして深層防護をやらないのか」と聞いたところ、「日本では原発事故は起こらないことになっている」”
著者は原発政策に推進か反対かといった議論はしない。それは本書の主題ではない。
本書が投げかけるのは、その政策判断の前提にある、エネルギー政策を決定・推進する日本のエリート達がつくる組織は、日本の国民から支持され、また国際的に信用に足るガバナンスをしているのか、という根本的な問いである。
原発の議論はそこからしかはじめられない。
福島第一原発事故は日本のエリートたちが最終的に国際標準のガバナンスからは程遠い場所で、原発という極めて重大なエネルギー政策を推進してきたこと、原発というリスクを扱うには東電も経産省も根本的に倫理に欠けていたことを明らかにした。
失敗に学ぶーー
戦後、「敗戦」という失敗から多くを学び日本は経済大国への階段を駆け登ったはずだった。しかし今回の原発事故は、第二の敗戦と呼んでもいい失態を世界に晒すこととなった。それが繁栄を謳歌した日本戦後史の帰結であると厳粛に受け止めることからしか、再々度の復興はないだろう。誇りある美しい日本、ではなく「ガバナンスのない日本」から、はじめるほかはない。
国会事故調に、地元から選出された蜂須賀委員の言葉は重い。
「私は(福島第一原発から)4キロ圏内に住んでいましたが、一度も防災訓練をしたことがありません。地元優先とおっしゃるが、あなたの答えでよくわかりました。原子力安全・保安院の人たちは地元住民をおいて一番先に逃げました。広瀬さんの指示があったとか、なかったとかではなく、こんな上司のもとにいたからこそ、私たちをおいて逃げたのです。私たちはあの場所に一晩いたんですよ。それなのに、保安院の人たちはさっさといなくなった」
2017年9月21日に日本でレビュー済み
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著者は国会事故調査委員会の委員長を務めた黒川清。国会事故調での活動を通して、日本の構造的問題を嘆く。日本の中枢にいる人のマインドセットのひどさに辟易。(思考停止や責任回避、記憶にありませんのオンパレード etc.)
2016年3月16日に日本でレビュー済み
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震災というターニングポイントを逸し、奈落の底に向かって進みつつある印象のある日本に対し、
鋭くも愛情のある眼差しで提言くださっている。
『国会事故調査報告書』ができるまでの単なるドキュメンタリーではなく、
日本社会が本質的に抱える病巣に切りこんでおり、大いに学ばせていただくべき著書であると感じた。
筆者の黒川清先生にはお会いしたことがないが、著書を通じて感銘を受け、心の師として仰いでいる。
震災から5年後となる2016年3月11日、黒川先生は米国のコーネル大学にいらっしゃった。
本来であれば、日本にいて頂き、全国民が黒川先生の提言に耳を傾けるべきだったと思っている。
私たち国民の関心が低すぎるせいで、再稼働は次々と進み、『国会事故調査報告書』で指摘された、
日本の数々の病巣は治癒するどころか、悪化していると言わざるを得ない。
このような方が日本にいてくださったことを本当に誇りに思うし、いままさにその声に耳を傾け、
私たち一人一人が変わっていくべき時期に来ているのだと感じる。
私は一民間企業に務める人間だが、このような国家級のプロジェクトに「独立した個人」として貢献できる
人材になりたいと強く思った。
いま、全ての日本人に読んで頂きたい本です。
鋭くも愛情のある眼差しで提言くださっている。
『国会事故調査報告書』ができるまでの単なるドキュメンタリーではなく、
日本社会が本質的に抱える病巣に切りこんでおり、大いに学ばせていただくべき著書であると感じた。
筆者の黒川清先生にはお会いしたことがないが、著書を通じて感銘を受け、心の師として仰いでいる。
震災から5年後となる2016年3月11日、黒川先生は米国のコーネル大学にいらっしゃった。
本来であれば、日本にいて頂き、全国民が黒川先生の提言に耳を傾けるべきだったと思っている。
私たち国民の関心が低すぎるせいで、再稼働は次々と進み、『国会事故調査報告書』で指摘された、
日本の数々の病巣は治癒するどころか、悪化していると言わざるを得ない。
このような方が日本にいてくださったことを本当に誇りに思うし、いままさにその声に耳を傾け、
私たち一人一人が変わっていくべき時期に来ているのだと感じる。
私は一民間企業に務める人間だが、このような国家級のプロジェクトに「独立した個人」として貢献できる
人材になりたいと強く思った。
いま、全ての日本人に読んで頂きたい本です。
2019年6月6日に日本でレビュー済み
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福島原発事故の解明に初めて設置された国会事故調は、「人災」と報告され、7つの提言がなされたのにも拘らず、7年後の現在に至るも何一つまともに審議されないまま、9つの原発が再開されている。国のシステムを見直す必要を感じている私にとって多くの人たちに読んで頂けたらと願う。
福島原発事故の解明に初めて設置された国会事故調は、「人災」と報告され、7つの提言がなされたのにも拘らず、7年後の現在に至るも何一つまともに審議されないまま、9つの原発が再開されている。国のシステムを見直す必要を感じている私にとって多くの人たちに読んで頂けたらと願う。
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2018年7月16日に日本でレビュー済み
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医師の黒川先生のご講演を何度も聞いたことがありますが、本当にグローバルでかつ重要なことに、しがらみなしで取り組まれていることに尊敬の念を抱いています。多くの方が読むべき書籍と思います。