学生のころ、河合隼雄先生の無意識の構造を読みました。それから15年近く経ち読み返してみたところ、学生のころはあまりよく分からなかったことが、理解できました。そして河合先生の本をたくさん読みました。
共時性、無意識、夢、箱庭療法、影、アニマ、アニムス、グレートマザー、曼荼羅、自我と自己など河合先生の他の本にも書かれてあることなので何度も目にした言葉ですが、谷川さんの質問とそれに対する河合先生の考えと、お二人の会話で構成されているため読みやすく、理解が深まります。そして心に染みる言葉がいくつか出てきます。
人間の成熟について谷川さんの
「自分をラッキョウの皮をむくみたいにむいていって見えてくるもののほうが成熟という言葉に近い」
に対して河合先生が
「むくのも自分ですのでそれができるだけの力も蓄えなければいけない」
と言っています。
そのあとに社会的規範と本来的な自己の間の葛藤のことが書かれていますが、自分らしく生きるというのはなかなか難しいながらも、自分の体験を大切にしその都度考え、ちゃんと生きていかなければ自己に近づくことはできないのだなと思いました。
本の最後に谷川さんの詩への河合先生の解釈がいくつか載っています。おもしろいです。
この中に、感触の研究者ー夢という夢の話があり、これに似た夢を自分も小さい頃によく見ました。
私の場合は、大きな粘土の塊ようなグレーの物体に挟まれ押しつぶされるような感覚で息苦しい夢です。そしてそれに触れていることがたまらないのです。
このたまらない感触が特徴で、その感触に耐え難い、夢から覚めたときの手先に残る感触が、ガラスをキーとこすった音を聞かされたようなたまらない感じだったのです。
これを読んだときはビックリしました。
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魂にメスはいらない ユング心理学講義 (講談社+α文庫) 文庫 – 1993/9/7
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つまずくこともある。病むこともある。自分の内にありながら、どこかとらえどころのない人間の心。“魂の医者”カール・グスタフ・ユングがひもといた人間心理の謎を、日本を代表する“こころの専門家”と“こころの表現者”が、深い独自のまなざしでたどり、見つめなおす。生を掘りさげ、夢を分析し、死を問いなおす2人の言葉のなかに、これまで気づかなかった「自分」が見えてくる、魂の根源に語りかける名講義録。
必ずプラス・アルファがある河合隼雄の本
心はなぜ病むのか。「生」の根源を考える名講義!
つまずくこともある。病むこともある。自分の内にありながら、どこかとらえどころのない人間の心。“魂の医者”カール・グスタフ・ユングがひもといた人間心理の謎を、日本を代表する“こころの専門家”と“こころの表現者”が、深い独自のまなざしでたどり、見つめなおす。生を掘りさげ、夢を分析し、死を問いなおす2人の言葉のなかに、これまで気づかなかった「自分」が見えてくる、魂の根源に語りかける名講義録。
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- ISBN-104062560070
- ISBN-13978-4062560078
- 出版社講談社
- 発売日1993/9/7
- 言語日本語
- 寸法10.8 x 1.8 x 15.2 cm
- 本の長さ346ページ
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商品の説明
著者について
【河合隼雄】
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。臨床心理学者。京都大学名誉教授。国際日本文化研究センター教授。スイスのユング研究所に留学後、日本にユング派心理療法を確立した。著書に、『こころの処方箋』『ウソツキクラブ短信』『こどもはおもしろい』『昔話の深層』『日本人とアイデンティティ』『あなたが子どもだったころ』『明恵(みょうえ) 夢を生きる』『母性社会日本の病理』などがある。
【谷川俊太郎】
1931年東京生まれ。詩人。『二十億光年の孤独』以来、『落首九十九』『ことばあそびうた』『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』『世間知ラズ』などの詩集で現代詩の最先端を拓く。また『スヌーピーのもっと気楽に1〜5』『マザーグースのうた』などの翻訳をはじめ、絵本、童話など、幅広い分野で活躍をつづける。
1928年兵庫県生まれ。京都大学理学部卒業。臨床心理学者。京都大学名誉教授。国際日本文化研究センター教授。スイスのユング研究所に留学後、日本にユング派心理療法を確立した。著書に、『こころの処方箋』『ウソツキクラブ短信』『こどもはおもしろい』『昔話の深層』『日本人とアイデンティティ』『あなたが子どもだったころ』『明恵(みょうえ) 夢を生きる』『母性社会日本の病理』などがある。
【谷川俊太郎】
1931年東京生まれ。詩人。『二十億光年の孤独』以来、『落首九十九』『ことばあそびうた』『夜中に台所でぼくはきみに話しかけたかった』『世間知ラズ』などの詩集で現代詩の最先端を拓く。また『スヌーピーのもっと気楽に1〜5』『マザーグースのうた』などの翻訳をはじめ、絵本、童話など、幅広い分野で活躍をつづける。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1993/9/7)
- 発売日 : 1993/9/7
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 346ページ
- ISBN-10 : 4062560070
- ISBN-13 : 978-4062560078
- 寸法 : 10.8 x 1.8 x 15.2 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 49,943位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 71位講談社+α文庫
- - 273位臨床心理学・精神分析
- - 1,103位心理学入門
- カスタマーレビュー:
著者について
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1931年、東京生まれ。詩人。詩集『二十億光年の孤独』を刊行以来、詩やエッセー、翻訳、脚本など幅広く活動する(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 かずのえほん いくつかな? (ISBN-13: 978-4774317434 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
(1928-2007)兵庫県生れ。京大理学部卒。京大教授。
日本のユング派心理学の第一人者であり、臨床心理学者。文化功労者。文化庁長官を務める。独自の視点から日本の文化や社会、日本人の精神構造を考察し続け、物語世界にも造詣が深かった。著書は『昔話と日本人の心』(大佛次郎賞)『明恵 夢を生きる』(新潮学芸賞)『こころの処方箋』『猫だましい』『大人の友情』『心の扉を開く』『縦糸横糸』『泣き虫ハァちゃん』など多数。
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2022年1月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
多分、若い頃に出会っても理解出来なかったであろうが。人は自分の意思がどのように決まるか、半分くらいしか分かっていない。つまり、無意識というものがあって、その突き上げにより、思わぬことを喋ったり、行動したりする。意識出来ないものが無意識だから分からなくて良い、というわけにはいかないだろう。この問題に初めて有効なアプローチをしたのがフロイト、ユング、アドラー、ジャネら、である。分かりにくい話を理解するのに、表現豊かな賢い聴き手が深く理解した人物に尋ねる会談形式は、良い手法だ。聴き手が拙いと悲惨なことになるし、本当に分かっている人が話さないと「内容の希薄さを複雑さで誤魔化す」詐欺みたいになる。その意味でこの二人の組み合わせは日本語では、おそらく最高の部類だろう。自分を真に支配するには自分を知ることは不可避だ。ということは即ち無意識領域を知ることは不可避ということになる。このテーマに気づいて半年くらい経つが、この本は、理解の大きな助けとなった。1979年の対談とのこと、もっと早く出会いたかった。そして惜しむらくは、もっとたくさん話しあって欲しかった。
2005年3月17日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ユング派の臨床心理学者であり文化庁長官でもある河合隼雄氏と
詩人の谷川俊太郎氏の対談集。
この二人を対談させようとした編集者の心意気がすごいと思う。
また、「魂にメスはいらない」というタイトルも、内容によく
マッチしている。
河合氏は現代を代表する知性に持ち主であり、多くの
著作を発表しているが、いずれも高いレベルの書物である。
対談相手の谷川氏も、相手の言葉に反応しつつ、自分の考えを
ぶつけて、さらに深いところまで切り込んでいく様子は
まさに、言葉の真剣勝負である。
内容が濃すぎて、収まりきらないのか、紙面に対して
活字部分が多すぎ、余白がないので読みづらい感が
あるのが惜しいと思う。
詩人の谷川俊太郎氏の対談集。
この二人を対談させようとした編集者の心意気がすごいと思う。
また、「魂にメスはいらない」というタイトルも、内容によく
マッチしている。
河合氏は現代を代表する知性に持ち主であり、多くの
著作を発表しているが、いずれも高いレベルの書物である。
対談相手の谷川氏も、相手の言葉に反応しつつ、自分の考えを
ぶつけて、さらに深いところまで切り込んでいく様子は
まさに、言葉の真剣勝負である。
内容が濃すぎて、収まりきらないのか、紙面に対して
活字部分が多すぎ、余白がないので読みづらい感が
あるのが惜しいと思う。
2011年3月17日に日本でレビュー済み
谷川俊太郎さんと言えば中学生の頃、
毎月3冊の配本を楽しみにしていた『スヌーピー・コミックス』の翻訳者として、懐かしいです。
コミックの主役のチャーリー・ブラウンはいつも虚しく孤独なためいきをついていましたが、
スヌーピーはその孤独を達観しているかのキャラで、セリフが楽しい漫画でした。
コミックのひらきには翻訳者谷川さんの顔写真と代表作名/詩集『二十億光年の孤独』が印刷されていて、
「二十億光年もの孤独はいやだなぁ。」と思ったものですが、
その孤独の詳細が、次のように語られていました。
自我と自己の間
谷川:詩を書いてる人間には、
「文化的無意識」をも含む無意識の領域そのものに到達したい
と思っている人が多いんじゃないかと思うんです。
・・・
そして一番深い自己につながるような言葉が出たときに、
詩を書く人間としては1番満足するということなんですね。
神話的なものを求めているんだろうと思うんです。
・・・
ところが、いまはそういうものを非常に持ちにくくなっているという状態がありますね。
神話的なものが生きていた時代は、
詩人たちも、自己の深いところで他人と共通のものをわりと持ち得たという感じがするんです。
いまでももちろん持ち得ているはずなんですが、
共通のものがますます深いところに行っちゃって、そこまでなかなか到達できない。
そこで、自己の深さの奥にある普遍性に到達する以前、
つまり自我の段階で言葉をすくい上げていると言えばいいのかな、
本当の自己ではなくて、
・・・
お互い孤立しているような状態になっているという感触があるんです。
具体的な物の世界を描くほうが難解にならないとは、おそらく確かだと思うんです。
自分の内面のごちゃごちゃした迷路に迷い込まなくて済むわけだから・・。」
谷川さんには詩人(表現者)としての悩みがあるけれど、
河合さんには詩人としての悩みがないからいいよなぁ。
『魂にメスはいらない』というタイトルには、
「話し手と聞き手の対話が大切なんですよ。」っていう意味の含みがあると思うんですが、
熱心に語る谷川さんの悩みは依然として残されたまま、お2人の対話は終了した感じでした。
なにしろ、異業種間対話ですから・・。
毎月3冊の配本を楽しみにしていた『スヌーピー・コミックス』の翻訳者として、懐かしいです。
コミックの主役のチャーリー・ブラウンはいつも虚しく孤独なためいきをついていましたが、
スヌーピーはその孤独を達観しているかのキャラで、セリフが楽しい漫画でした。
コミックのひらきには翻訳者谷川さんの顔写真と代表作名/詩集『二十億光年の孤独』が印刷されていて、
「二十億光年もの孤独はいやだなぁ。」と思ったものですが、
その孤独の詳細が、次のように語られていました。
自我と自己の間
谷川:詩を書いてる人間には、
「文化的無意識」をも含む無意識の領域そのものに到達したい
と思っている人が多いんじゃないかと思うんです。
・・・
そして一番深い自己につながるような言葉が出たときに、
詩を書く人間としては1番満足するということなんですね。
神話的なものを求めているんだろうと思うんです。
・・・
ところが、いまはそういうものを非常に持ちにくくなっているという状態がありますね。
神話的なものが生きていた時代は、
詩人たちも、自己の深いところで他人と共通のものをわりと持ち得たという感じがするんです。
いまでももちろん持ち得ているはずなんですが、
共通のものがますます深いところに行っちゃって、そこまでなかなか到達できない。
そこで、自己の深さの奥にある普遍性に到達する以前、
つまり自我の段階で言葉をすくい上げていると言えばいいのかな、
本当の自己ではなくて、
・・・
お互い孤立しているような状態になっているという感触があるんです。
具体的な物の世界を描くほうが難解にならないとは、おそらく確かだと思うんです。
自分の内面のごちゃごちゃした迷路に迷い込まなくて済むわけだから・・。」
谷川さんには詩人(表現者)としての悩みがあるけれど、
河合さんには詩人としての悩みがないからいいよなぁ。
『魂にメスはいらない』というタイトルには、
「話し手と聞き手の対話が大切なんですよ。」っていう意味の含みがあると思うんですが、
熱心に語る谷川さんの悩みは依然として残されたまま、お2人の対話は終了した感じでした。
なにしろ、異業種間対話ですから・・。
2012年5月7日に日本でレビュー済み
10年ぶりぐらいに再読。
河合隼雄先生が谷川俊太郎さんにユング心理学を講義する
形式で進められている。
読んで損はないのは確かだ。入門編としては、よいだろう。
私としては、この間、河合先生の学術書を読んでいるので、
少し物足り気がした。
とはいっても、10箇所ほど付箋を挟んだのでした。
中でも、印象的なのは、谷川さんの、
「人間というのは人格をつくり上げていくものだという
ふうにとらえることがありますね。ぼくは、そういうふうに
人格がつくり上げることができるものかどうかとういうとやや
疑問で、むしろ自分をラッキョウに皮をむくみたいにむいていって
見えてくるもののほうが、成熟という言葉に近いんじゃないか
と思うんですけれども、そういうふうに考えてもいいんでしょう
か」との質問に
「ぼくもそういうふうに思います。ただその場合、むくのも自分
ですので、それができるだけの力も蓄えなくてはいけない」
(77ページ)
と答えているところ。これを出来る力のある大人はそうはいない
ですね。
そして、カウンセリングについて「ミイラとりがミイラになる
わけですね」との谷川さんの問いかけに
「ミイラになるぐらいのところまでいかないと絶対に治らない
と、ぼくは思います。つまり向こうが溺れているときに、岸から
上がれ上がれと叫ぶだけで助かるんだったら、誰でもできる
でしょう。やっぱりこっちも水に中に飛びこまないとね。しかし、
そのときにこっちも危ないと思ったら、行かないわけです」
(81ページ)
と答えています。
やはり、こうやって書き出すと、読んで損はない一冊だと
思い直しますね。
河合隼雄先生が谷川俊太郎さんにユング心理学を講義する
形式で進められている。
読んで損はないのは確かだ。入門編としては、よいだろう。
私としては、この間、河合先生の学術書を読んでいるので、
少し物足り気がした。
とはいっても、10箇所ほど付箋を挟んだのでした。
中でも、印象的なのは、谷川さんの、
「人間というのは人格をつくり上げていくものだという
ふうにとらえることがありますね。ぼくは、そういうふうに
人格がつくり上げることができるものかどうかとういうとやや
疑問で、むしろ自分をラッキョウに皮をむくみたいにむいていって
見えてくるもののほうが、成熟という言葉に近いんじゃないか
と思うんですけれども、そういうふうに考えてもいいんでしょう
か」との質問に
「ぼくもそういうふうに思います。ただその場合、むくのも自分
ですので、それができるだけの力も蓄えなくてはいけない」
(77ページ)
と答えているところ。これを出来る力のある大人はそうはいない
ですね。
そして、カウンセリングについて「ミイラとりがミイラになる
わけですね」との谷川さんの問いかけに
「ミイラになるぐらいのところまでいかないと絶対に治らない
と、ぼくは思います。つまり向こうが溺れているときに、岸から
上がれ上がれと叫ぶだけで助かるんだったら、誰でもできる
でしょう。やっぱりこっちも水に中に飛びこまないとね。しかし、
そのときにこっちも危ないと思ったら、行かないわけです」
(81ページ)
と答えています。
やはり、こうやって書き出すと、読んで損はない一冊だと
思い直しますね。
2009年10月12日に日本でレビュー済み
ユングは難しくて、本を読んでも半分も理解できません。
フロイト、ライヒの方が分かりやすいような気がしていました。
ユングについての切り口を本書は与えてくれるかもしれません。
本書は、専門家の人には、たいくつなのでしょうか。
LecureBOOKシリーズを15冊ほど読んでいたので、
最近は、採点しながら読むようになりました。
1 専門性 1−5
2 分かりやすさ 1−5
3 面白さ 1−5
です。
ユング心理学は専門ではないので、123はつけれません。
分かりやすさは、話のどちらかの力による場合と、両方が協力している場合に点が高くなります。
面白さは、露骨に無視するのも面白いので、変に妥協していると面白くないことが分かりました。
フロイト、ライヒの方が分かりやすいような気がしていました。
ユングについての切り口を本書は与えてくれるかもしれません。
本書は、専門家の人には、たいくつなのでしょうか。
LecureBOOKシリーズを15冊ほど読んでいたので、
最近は、採点しながら読むようになりました。
1 専門性 1−5
2 分かりやすさ 1−5
3 面白さ 1−5
です。
ユング心理学は専門ではないので、123はつけれません。
分かりやすさは、話のどちらかの力による場合と、両方が協力している場合に点が高くなります。
面白さは、露骨に無視するのも面白いので、変に妥協していると面白くないことが分かりました。
2015年12月14日に日本でレビュー済み
心を病んだ人に「とりあえず数学でも勉強してみれば?」とアドバイスして、
テストでいい点でも取れば癒えていくこともある‥なんてことをこの本の中で河合隼雄さんが仰っていて、
「それで医学なの?単なる日常的なコミニケーションじゃないの?」などと思いましたが、
「それだけでは済まないこともある」ということを知っているからこそ、
日常的な感覚と学問的な領域をあえて分け隔てなく平等に扱っているのだと、
後になって理解しました。
ユング心理学は、私的な領域と公的な領域の橋渡しをする画期的な学問、あるいは学問に似た何かであり、この本はその入門編としてもユニークだと思います。
テストでいい点でも取れば癒えていくこともある‥なんてことをこの本の中で河合隼雄さんが仰っていて、
「それで医学なの?単なる日常的なコミニケーションじゃないの?」などと思いましたが、
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後になって理解しました。
ユング心理学は、私的な領域と公的な領域の橋渡しをする画期的な学問、あるいは学問に似た何かであり、この本はその入門編としてもユニークだと思います。
2009年6月8日に日本でレビュー済み
現実世界を具体的に観察しかしていない私。
夢とかイメージとかそういったものから、遥かに遠のいている自分を感じています。
そういった日常を送っているとき、今はもう亡くなってしまった河合隼雄さんと谷川俊太郎さんの対話を通して、ユングの世界を垣間見るのはとても刺激的です。
日本人の心のありかたを箱庭などを通してユングの言葉に置き換えて説明しているところがとても興味深く読みました。
夢とかイメージとかそういったものから、遥かに遠のいている自分を感じています。
そういった日常を送っているとき、今はもう亡くなってしまった河合隼雄さんと谷川俊太郎さんの対話を通して、ユングの世界を垣間見るのはとても刺激的です。
日本人の心のありかたを箱庭などを通してユングの言葉に置き換えて説明しているところがとても興味深く読みました。