田中角栄関連本は、いつも痛快であり、面白いです。
今太閤として、立身出世、そして開拓精神、中国国交回復などの業績ののちロッキード事件。そして数々のエピソード。
この本は、取り巻く人々の動きもあり、当時の人として、梶山静六、小沢一郎、竹下登等のキャラクターが登場し、なぜ角栄がこのようにすごい人望でありえたかがつづられている。
単にお金をばらまいているわけではなく、費用対効果を考えている。結果として田中派は巨大となった。金を使いすぎて首相になれなかった藤山愛一郎氏が対比として登場し、費用対効果の対極として、資産家・金持ちの政治家が厳しい状態になり、本当に生きた金を使えなかったという例として挙げられている。ストックとフローを引き合いに出し、常にフローとしてのお金の扱いをした角栄氏の痛快な記述に酔いしれた。
最後は、角栄氏はほとんど登場せず、角栄氏と同様のお金の使い方をした例として、小佐野賢治氏が登場。やはりやり手の感じがあり、あまり知らない人でしたが、国際興業というところから、お金の匂がする感じが出てきました。しかし、細かいバスの運営などはやり手どころ。
今の時代は、戦略とコストカットで乗り切るＭＢＡ式の経営が礼賛されているが、金、土地を転がす時代の大物の猛者の時代は、今となっては、懐かしいかもしれません。
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