思考バイアスや認知のエラーについて、超常現象を例に書かれていました。
認知心理学の本です。
自分の考え方について反省する点があったり、論理的に考える手法として役立つトピックもたくさんありました。
例)
・目で見たものは信じても良いのか
→「知覚の恒常性」により、網膜に映った画像は再構成されて見えている。電光掲示板やアニメが動いて見えるのはこの仕組みによるもの。
また、似たことが記憶でも起きていて、知識や経験によるその人のスキーマで書き換えられてしまう。
→自分の記憶や体験を信じすぎるのはよくない、と思いました。
・仮説は正事例で確証できない。反証で確証すること。例:動物が地震の前に以上な行動をした
→正事例で○になっても、正事例以外の場合はどうなるのか。正事例以外を確証できれば、仮説は確証できる。とっても論理的な考え方で、忘れずに心掛けて行きたいです。
・「めったにないこと」に運命を感じてはいけない
→それは本当にめったにないことなのか、偶然の確率を計算する・偶然の一致には、一致しない点にも目を向けること
認知には弱点があることを知りました。
なんだか行きていると、体験や感性を重視しよう、という世の中ですが、それって全然論理的じゃないんだな、と知りました。
読書の習慣がない私でもおもしろいな〜と思いながら一気に読めました。
著者の菊池聡さんの本、他にも読んでみようと思いました。
また、この本に出会ったのは、下記の本で「さらに学びたい人は」コーナーで紹介されていたためです。良い本に出会えて嬉しかったので、合わせて記録しておきます。
・基礎から学ぶ認知心理学 人間の認識の不思議/服部雅史他(有斐閣ストゥディア)
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超常現象をなぜ信じるのか―思い込みを生む「体験」のあやうさ (ブルーバックス) 新書 – 1998/9/18
菊池 聡
(著)
「自分の目で見たこと」は信じてよいか?UFO、虫の知らせ、星占い……。科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない!超常現象の実在を信じてしまうのは、人の思考システムの本質がかかわっている。
「自分の目で見たこと」は信じてよいか?
UFO、虫の知らせ、星占い……。科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない!超常現象の実在を信じてしまうのは、人の思考システムの本質がかかわっている。
「自分の目で見たこと」は信じてよいか?
UFO、虫の知らせ、星占い……。科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない!超常現象の実在を信じてしまうのは、人の思考システムの本質がかかわっている。
- 本の長さ220ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1998/9/18
- 寸法11.4 x 1.1 x 17.4 cm
- ISBN-10406257229X
- ISBN-13978-4062572293
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商品の説明
著者について
信州大学人文学部助教授(文化情報論)。1963年生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学大学院教育学研究科博士課程修了後、信州大学人文学部講師を経て、現職。現代社会の文化を情報論と心理学の両面から考察している。共著書『ニューメディア時代の子どもたち』、共編著書『不思議現象 なぜ信じるのか』などがある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1998/9/18)
- 発売日 : 1998/9/18
- 言語 : 日本語
- 新書 : 220ページ
- ISBN-10 : 406257229X
- ISBN-13 : 978-4062572293
- 寸法 : 11.4 x 1.1 x 17.4 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 398,738位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2020年6月29日に日本でレビュー済み
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2018年2月24日に日本でレビュー済み
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人が起こしやすい認知のエラーについて様々な事例・実験を基に書いており、自身が誤った判断をしていないか考えるきっかけとなった。
本書は、個別の超常現象を明らかにするものでなく、「体験」したことと実際に起こったことには差が生じやすいことを、①知覚、②記憶の情報処理、③体験の解釈の3段階で解説するものである。
特に、②③について自分への戒め(体験を絶対化しない)という意味で非常に参考になった。
例えば、
・容易に事後情報で記憶が変容すること
・因果関係の判断時に確証バイアスが働くことで自分に都合の悪い情報が排除されやすいこと
・確率推論に思考のバイアスがかかり、正しい確率推論が難しいこと
などが参考になった。
また、これらを回避するための筋道も述べられている。
(結局は、クリティカルシンキングの訓練が必要であろう。)
「体験したこと」は絶対化しがちであるが、そこには様々な認知のエラーが隠れており、真実とは限らないことが多いことを肝に銘じたいと改めて思わせる良書であった。
本書は、個別の超常現象を明らかにするものでなく、「体験」したことと実際に起こったことには差が生じやすいことを、①知覚、②記憶の情報処理、③体験の解釈の3段階で解説するものである。
特に、②③について自分への戒め(体験を絶対化しない)という意味で非常に参考になった。
例えば、
・容易に事後情報で記憶が変容すること
・因果関係の判断時に確証バイアスが働くことで自分に都合の悪い情報が排除されやすいこと
・確率推論に思考のバイアスがかかり、正しい確率推論が難しいこと
などが参考になった。
また、これらを回避するための筋道も述べられている。
(結局は、クリティカルシンキングの訓練が必要であろう。)
「体験したこと」は絶対化しがちであるが、そこには様々な認知のエラーが隠れており、真実とは限らないことが多いことを肝に銘じたいと改めて思わせる良書であった。
2012年7月22日に日本でレビュー済み
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認知心理学の本。認知とは、見たり聞いたり考えたりする人間の情報処理のこと。
クリティカルシンキングのキモは、自分の認知を客観視すること(メタ認知)。
自分のロジックにも認知の罠が潜んでいることを忘れずに、ということで、こういう本を読むのもいいと思う。
クリティカルシンキングのキモは、自分の認知を客観視すること(メタ認知)。
自分のロジックにも認知の罠が潜んでいることを忘れずに、ということで、こういう本を読むのもいいと思う。
2017年12月15日に日本でレビュー済み
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我々の周りには科学で解明できないたくさんの超常現象、UFO、予知夢、占い、血液型による性格判断などが存在している。
いや、正確には「存在していると思っている」。著者はそれらを総称して「不思議現象」といい、その多くは人の錯誤、主観的
決めつけ、記憶違いなどから来ていることを確率論、心理学などの科学的手法を駆使し、多くの実験を通じて証明を試みる。
成程と思うことも、当然知っていると思っていることも含め、中々興味深い分析だ。例えば、「知人の夢を見たその日にその
知人が亡くなったという知らせが来た」と言う体験。体験者の多くは、この不思議現象により霊の存在やテレパシーなどを
信じようとする。これに対して、著者は、いくつかの前提を付けて、一人の人間にこのような現象が起きる可能性は、何百万
分の一であろうが、日本全体で見ると、同じような体験をする人は何千人にも及ぶということを、確率的に証明する。さらに
人間の記憶や、判断には多くのバイアスがかかり、誤認をすることの可能性の高さもいくつかの例を挙げて指摘している。
一方、著者は文中何度も、自分はそのような不思議現象を完全に否定している訳ではない、その「存在(非存在ではない)」が
証明されることを本当に心待ちにしていると吐露していることも面白い。人の心の弱さや、誤認に付け込む新興宗教の類なども
著者が言うような「心構え」をすることで十分対抗できるであろうと思う。人の心は弱いし、頻繁に誤認するものだ。これを
まず認識することが極めて重要であることをこの本は気づかせてくれる。
いや、正確には「存在していると思っている」。著者はそれらを総称して「不思議現象」といい、その多くは人の錯誤、主観的
決めつけ、記憶違いなどから来ていることを確率論、心理学などの科学的手法を駆使し、多くの実験を通じて証明を試みる。
成程と思うことも、当然知っていると思っていることも含め、中々興味深い分析だ。例えば、「知人の夢を見たその日にその
知人が亡くなったという知らせが来た」と言う体験。体験者の多くは、この不思議現象により霊の存在やテレパシーなどを
信じようとする。これに対して、著者は、いくつかの前提を付けて、一人の人間にこのような現象が起きる可能性は、何百万
分の一であろうが、日本全体で見ると、同じような体験をする人は何千人にも及ぶということを、確率的に証明する。さらに
人間の記憶や、判断には多くのバイアスがかかり、誤認をすることの可能性の高さもいくつかの例を挙げて指摘している。
一方、著者は文中何度も、自分はそのような不思議現象を完全に否定している訳ではない、その「存在(非存在ではない)」が
証明されることを本当に心待ちにしていると吐露していることも面白い。人の心の弱さや、誤認に付け込む新興宗教の類なども
著者が言うような「心構え」をすることで十分対抗できるであろうと思う。人の心は弱いし、頻繁に誤認するものだ。これを
まず認識することが極めて重要であることをこの本は気づかせてくれる。
2010年7月18日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
レビューを参考に大いに期待して購読したのですが、
内容はお粗末と言わざるを得ないかと思います。
超常現象や心霊現象そのものに対する解説は全くなく、
著者も「詳しく知りたい方は巻末の別著を参照してください」というような事が何度も書かれています。
詰まるところ、超常現象に対する人間の視覚や聴覚等の錯誤を解説した本です。
それを割り切って「認知心理学の本」として読んでもありきたりな内容で
そういった本をある程度読んだ方には
ほとんどが過去に読んだことがあるような内容ばかりだと思います。
それでもレビューの評価が高いのは、過去にレビューをした方々(2002〜年)と
私が読んだ時点(2010年)での年月が開きすぎているからでしょう。
心理学の専門用語を多用している面から初心者には分かりづらく、
玄人には読んだことのある内容、
心霊現象や超常現象の解説が見たい人には論点が違う…という、
全くお勧め出来ない本です。
久しぶりに購入を後悔した本でした。
内容はお粗末と言わざるを得ないかと思います。
超常現象や心霊現象そのものに対する解説は全くなく、
著者も「詳しく知りたい方は巻末の別著を参照してください」というような事が何度も書かれています。
詰まるところ、超常現象に対する人間の視覚や聴覚等の錯誤を解説した本です。
それを割り切って「認知心理学の本」として読んでもありきたりな内容で
そういった本をある程度読んだ方には
ほとんどが過去に読んだことがあるような内容ばかりだと思います。
それでもレビューの評価が高いのは、過去にレビューをした方々(2002〜年)と
私が読んだ時点(2010年)での年月が開きすぎているからでしょう。
心理学の専門用語を多用している面から初心者には分かりづらく、
玄人には読んだことのある内容、
心霊現象や超常現象の解説が見たい人には論点が違う…という、
全くお勧め出来ない本です。
久しぶりに購入を後悔した本でした。
2014年5月27日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
少し期待はずれな感じはしたけど、読んでいて、はっと気づかされることもあって、面白い部分もありました!(^o^)/
2019年10月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
読み返して改めて思う。これはすごい本だ。これ一冊で自分の知りたいことがすべてわかった。(他人に当てはまるとは言ってない)超常現象を信じてしまう認知エラーと、偏見や差別を生み出す認知エラーは同じものなんだ。ヘイトが溢れている現代だから、もっとみんなに読んで欲しいと思った。
2014年7月4日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
人間の認知に関する問題の入門としてお勧めです。
自分が体験したことは、本当に事実としてあったことなのか、
実は本人にも分からない事がある。
記憶すら、自分で作ってしまうことがある。
このことが分かると、我々がいかに主観的な世界で生きているかが分かります。
それが良いとか悪いとか、
どちらが良いとか悪いとか、
そういう話ではなくて、
そういった事実が分かっていれば、
誰かと話をしたときのすれ違いに気づいて、
いらいらしなくてすむようなことも有るかもしれません。
自分が絶対だと思うことが、
そうではないのかもという可能性に目をやることもできます。
柔軟な思考を手に入れたい方に是非お勧めしたい一冊です。
自分が体験したことは、本当に事実としてあったことなのか、
実は本人にも分からない事がある。
記憶すら、自分で作ってしまうことがある。
このことが分かると、我々がいかに主観的な世界で生きているかが分かります。
それが良いとか悪いとか、
どちらが良いとか悪いとか、
そういう話ではなくて、
そういった事実が分かっていれば、
誰かと話をしたときのすれ違いに気づいて、
いらいらしなくてすむようなことも有るかもしれません。
自分が絶対だと思うことが、
そうではないのかもという可能性に目をやることもできます。
柔軟な思考を手に入れたい方に是非お勧めしたい一冊です。