ビッグバン宇宙論も、インフレーションだのブラックマターだのブラックエネルギーだのと言い出してからは、かなり怪しい仮説だと思っていたが、一方、それに反論するのはトンデモ論ばっかりで、もう少しまともな論を述べたモノはないものかと思っていたところ、こういう本があることを知り、一気に読んでみた。
ビッグバン宇宙論が最大の根拠としているのが赤方偏位ハッブル則とCMBだが、赤方偏位=ドップラー効果=宇宙膨張という図式も単なる仮説の域を出ていないようだし、CMBに至っては、完全な等方向→ゆらぎとご都合主義だし、そもそも150GHzのマイクロ波の発信源そのものが発見されたわけでもないのに、宇宙の晴れ上がりの際に解き放たれた光が赤方変位してマイクロ波になったなんて理屈は、まずビッグバンありきの、いわゆる牽強付会というやつに思えてくる。
この本は、特にどの理論を支持するというものではなく、一方で、ビッグバン宇宙論が絶対のように語られている現状の誤りを明快に説明してくれている。
日本では東大がビッグバン宇宙論支持であることからか、それ以外の角度から研究している学者がいないようだが、ビッグバン宇宙論、準定常宇宙論、プラズマ宇宙論、著者が言うように、いずれの理論も、平等にキチンと研究すべきであろう。
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世界の論争・ビッグバンはあったか: 決定的な証拠は見当たらない (ブルーバックス 1300) 新書 – 2000/8/1
近藤 陽次
(著)
宇宙は本当に“大爆発”で始まったのか?
「ビッグバン理論」が本当に正しいのかどうか、じつは結論が出ているわけではない。つまり、宇宙かビッグバン(大爆発)で始まったとしか考えられないような決定的な証拠は、今のところ見当たらないのだ。
本書は、ビッグバン理論とそれに対抗する宇宙論について、世界的に繰り広げられる論争を紹介しながら、再検証する。
「ビッグバン理論」が本当に正しいのかどうか、じつは結論が出ているわけではない。つまり、宇宙かビッグバン(大爆発)で始まったとしか考えられないような決定的な証拠は、今のところ見当たらないのだ。
本書は、ビッグバン理論とそれに対抗する宇宙論について、世界的に繰り広げられる論争を紹介しながら、再検証する。
- 本の長さ154ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2000/8/1
- ISBN-104062573008
- ISBN-13978-4062573009
商品の説明
著者について
1933年日立市生まれ。1965年ペンシルヴェニア大学天体物理学博士課程修了。同大学助教授を経て、アポロ計画からスカイ・ラブにかけてNASAジョンソン宇宙センターで天体物理部長を務め、その後ゴダード宇宙飛行センターで15年間、国際紫外線衛星天文台長等を歴任。その間、ヒューストン大学、オクラホマ大学等の教授を兼任。国際天文学連合(IAU)の近接連星委員長、宇宙天文観測委員長、変光星部長などを務め、IAUシンポジウム「ビッグバンを検討する」の論文集を共同編集、出版。趣味は柔道(5段)と合気道(6段)。最近、小惑星の1つ“#8072”が“Yojikondo”と命名されている。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2000/8/1)
- 発売日 : 2000/8/1
- 言語 : 日本語
- 新書 : 154ページ
- ISBN-10 : 4062573008
- ISBN-13 : 978-4062573009
- Amazon 売れ筋ランキング: - 952,195位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 403位各種の天体
- - 1,535位宇宙学・天文学(一般)関連書籍
- - 1,985位ブルーバックス
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年2月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この本が書かれた目的とも言える著者の哲学を抜粋します。
・民主主義において、言論の自由が、暴政を防ぐための防波堤となるように、かなり奇抜に思える新理論でも、主流派の推す伝統的な理論にそぐわない、という理由のみで、それを無視したり、排斥したりするのは、科学の進歩を妨げる行為である。(P7,8)
・空想したことを、実際の知識と混同する傾向は、残念ながら現在まで継続しているように思われる。(P16)
・仮説が、未検証の物理理論によるものであることを明確にしている限り、これはけっしてまちがったものとはいえない。だが、残念ながら、このような想定にもとづく科学上の仮説が、科学者のみでなく、一般の人たちにも、厳密な実証済みの新発見と同じもののように思われ、そう信じられてしまうことが多い。(P138,139)
この本の内容で重要な事実
・宇宙背景放射温度の現在の実測値2.73Kをより正確に予測したのは、ビッグバン理論支持者(予測値5K, 28K, 3K, 50K, 7K, 6K)ではなく、ビッグバン理論が生まれる前に恒星間・銀河系間物質の分布などから予測した人たち(予測値3.2K, 2.8K, 2.3K)だ。(P82)
・銀河系の赤方偏移の《量子化》・・・アリゾナ大学のウィリアム・ティフトは、赤方偏移の値が連続的でなく、トビトビの値になっていることを観測事実から確認した。毎秒72.4kmごとになっているとのこと。こうなる理由はまったく説明できていないが、観測事実を積み重ねてこれが一般化されれば、ビッグバン理論は完全に崩壊する。(P109)
・民主主義において、言論の自由が、暴政を防ぐための防波堤となるように、かなり奇抜に思える新理論でも、主流派の推す伝統的な理論にそぐわない、という理由のみで、それを無視したり、排斥したりするのは、科学の進歩を妨げる行為である。(P7,8)
・空想したことを、実際の知識と混同する傾向は、残念ながら現在まで継続しているように思われる。(P16)
・仮説が、未検証の物理理論によるものであることを明確にしている限り、これはけっしてまちがったものとはいえない。だが、残念ながら、このような想定にもとづく科学上の仮説が、科学者のみでなく、一般の人たちにも、厳密な実証済みの新発見と同じもののように思われ、そう信じられてしまうことが多い。(P138,139)
この本の内容で重要な事実
・宇宙背景放射温度の現在の実測値2.73Kをより正確に予測したのは、ビッグバン理論支持者(予測値5K, 28K, 3K, 50K, 7K, 6K)ではなく、ビッグバン理論が生まれる前に恒星間・銀河系間物質の分布などから予測した人たち(予測値3.2K, 2.8K, 2.3K)だ。(P82)
・銀河系の赤方偏移の《量子化》・・・アリゾナ大学のウィリアム・ティフトは、赤方偏移の値が連続的でなく、トビトビの値になっていることを観測事実から確認した。毎秒72.4kmごとになっているとのこと。こうなる理由はまったく説明できていないが、観測事実を積み重ねてこれが一般化されれば、ビッグバン理論は完全に崩壊する。(P109)
2004年5月6日に日本でレビュー済み
ビッグバン「理論」はいろいろな困難はあるとはいえ、それらは近い将来解決することができる、現在では宇宙を説明できる一番近い「理論」であると認識していました。
この本には、宇宙の生成を唯一実証しているというほどの事実はないという事と、理論的には同等に信じてもよいと思われるう宇宙論が紹介されている。もちろんビッグバンをひとつの可能性のある理論として位置付けており否定しているわけではない(=とんでも本の類ではない)。
それぞれの理論は簡単な説明ではありますが、それらの事実を通じて語られているのは「声の大きさに惑わされてはいけない」ということだろうか。ビッグバン理論提唱者にはビッグネームのタレントが揃っているし、その理論の成り立ちと世の中への紹介のされ方から世界の全てを説明している「理論」であるという印象を持ちやすい環境である。一方で、彼らも別に嘘をついて我々に自分勝手な理論を語っているわけではないので、それらの情報を受けている我々が勝手に本流の理論として受けとってしまっているという事だと思う。
そのようなことは、ビッグバン理論だけにとどまらず、我々の日ごろ情報に接する姿勢にも見受けられることなので、そんなわれわれへに対して警鐘を鳴らしてくれる1冊だと思う。
マスコミはともかく科学者の中にも本流を無批判に受け入れ、その理論以外を認めないという風潮はあるようなので、やはり我々がしっかりと情報に接しないといけないのだと感じた。
宇宙論は宇宙論で面白かったが、それとは別にそんなことを感じさせてくれる本でした。
この本には、宇宙の生成を唯一実証しているというほどの事実はないという事と、理論的には同等に信じてもよいと思われるう宇宙論が紹介されている。もちろんビッグバンをひとつの可能性のある理論として位置付けており否定しているわけではない(=とんでも本の類ではない)。
それぞれの理論は簡単な説明ではありますが、それらの事実を通じて語られているのは「声の大きさに惑わされてはいけない」ということだろうか。ビッグバン理論提唱者にはビッグネームのタレントが揃っているし、その理論の成り立ちと世の中への紹介のされ方から世界の全てを説明している「理論」であるという印象を持ちやすい環境である。一方で、彼らも別に嘘をついて我々に自分勝手な理論を語っているわけではないので、それらの情報を受けている我々が勝手に本流の理論として受けとってしまっているという事だと思う。
そのようなことは、ビッグバン理論だけにとどまらず、我々の日ごろ情報に接する姿勢にも見受けられることなので、そんなわれわれへに対して警鐘を鳴らしてくれる1冊だと思う。
マスコミはともかく科学者の中にも本流を無批判に受け入れ、その理論以外を認めないという風潮はあるようなので、やはり我々がしっかりと情報に接しないといけないのだと感じた。
宇宙論は宇宙論で面白かったが、それとは別にそんなことを感じさせてくれる本でした。
2006年10月20日に日本でレビュー済み
宇宙論はまだいろいろと難問を抱えている分野のようです。
ここ十数年この分野の学説の新たな展開や天文学的発見などの動向をチェックしていますが、出るべくして出た本でしょう。
十年位前の学研の最新科学シリーズで指摘されていることでもあるのですが、現在に至ってもビッグバン学説論の科学者の力説にもかかわらず新定常宇宙論、プラズマ宇宙論も遜色の無い学説であることがよくわかります。
日本ではビッグバン学説一色ですが世界的にはどうも事情は違うようです。
いろいろとこの本には問題点があることは指摘されていますがビッグバン学説に批判的な科学者たちの本などを併せて読むと説得力がある本になります。
ある本を編集した人は日本がビッグバン学説一色であることに寂しさを感じるという旨を後書きで書いています。
古くは天動説が有名ですが、二十世紀でも異端とみなされた学説が登場当時は否定的に扱われてその後正統の地位を獲得したものが幾つかあるようです。
わたしもまた近藤陽次氏が言われるように決定的な証拠はどの学説にも無いのではないかという同じ結論にこの十数年宇宙論を辿って達しています。
いずれにしてもブルーバックスでこのような本が出たことに希望を感じるのはわたしだけではないはずです。
ここ十数年この分野の学説の新たな展開や天文学的発見などの動向をチェックしていますが、出るべくして出た本でしょう。
十年位前の学研の最新科学シリーズで指摘されていることでもあるのですが、現在に至ってもビッグバン学説論の科学者の力説にもかかわらず新定常宇宙論、プラズマ宇宙論も遜色の無い学説であることがよくわかります。
日本ではビッグバン学説一色ですが世界的にはどうも事情は違うようです。
いろいろとこの本には問題点があることは指摘されていますがビッグバン学説に批判的な科学者たちの本などを併せて読むと説得力がある本になります。
ある本を編集した人は日本がビッグバン学説一色であることに寂しさを感じるという旨を後書きで書いています。
古くは天動説が有名ですが、二十世紀でも異端とみなされた学説が登場当時は否定的に扱われてその後正統の地位を獲得したものが幾つかあるようです。
わたしもまた近藤陽次氏が言われるように決定的な証拠はどの学説にも無いのではないかという同じ結論にこの十数年宇宙論を辿って達しています。
いずれにしてもブルーバックスでこのような本が出たことに希望を感じるのはわたしだけではないはずです。
2004年9月3日に日本でレビュー済み
古代からの宇宙感の紹介が、半分弱。残りで、ビックバン理論のおこり、ビッグバン理論に反対する説の紹介、2つの理論の論争の歴史、宇宙の観測結果や発見を、2つの理論がどのように説明しているか、が説明された本です。数式等はホトンド出てきません。図もあんまり、なかった印象です。(人の写真等は、ありますが・・)
門外漢です。想像力の不足か知識の不足か、宇宙誕生のイメージが、少し沸きにくかったです。別の本で、ある程度、別の本で知識をつけてから、読んだほうがよかったかなぁ、と思いました。
門外漢です。想像力の不足か知識の不足か、宇宙誕生のイメージが、少し沸きにくかったです。別の本で、ある程度、別の本で知識をつけてから、読んだほうがよかったかなぁ、と思いました。