本書はロボットにおける知能研究における世界的な権威たちの研究を紹介する章とともに,討論会形式の章から,彼らの率直な考え方に触れることが出来るすばらしい本です.
たしかにここ数年で,機械を使って人間の形を作る研究は進んできました.しかし人々の期待とは裏腹に,その機械を動かす知能はまだまだ人間の赤ん坊とすら比較にならないくらい貧相なものです.
筆者らの討論を読むと,筆者らにおいても考えを異にする部分が多く,この分野の研究はまだまだ始まったばかりで,無数の可能性が秘められているということを感じずにはいられません.
文章は難解で,工学的な知識のみならず,哲学や機械学習理論などについての知見も若干必要です(筆者は説明を試みていますが・・・)しかしこの本を読むことによって,ロボットが「歩く」「踊る」から先に進めないのかが感じられると思います.
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知能の謎 認知発達ロボティクスの挑戦 (ブルーバックス) 新書 – 2004/12/17
「知能」と「心」の正体をロボットで探る!知能とは何か、心はどのようにして生まれてくるのか。人間そっくりのロボットを作ることによって、人間の脳の仕組みの解明に挑む若き脳科学者たちの最新レポート
- 本の長さ273ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2004/12/17
- ISBN-104062574616
- ISBN-13978-4062574617
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商品の説明
メディア掲載レビューほか
知能の謎
ロボットを使って,人間の知能が発達する過程と原理の解明を目指す「認知発達ロボティクス」を紹介した書。SF作家の瀬名秀明氏のほか気鋭の9人の研究者が,七つの視点から人間の知能の謎に迫っている。理論やコンピュータによるシミュレーションだけではなく,実際にロボットを動かして知能を獲得させていくさまは実に興味深く,そしてスリリングである。知能やロボットに興味がある方にお薦めの本。ただし内容に哲学的な部分が含まれており,腰をすえて読みたい。
ロボットを使って,人間の知能が発達する過程と原理の解明を目指す「認知発達ロボティクス」を紹介した書。SF作家の瀬名秀明氏のほか気鋭の9人の研究者が,七つの視点から人間の知能の謎に迫っている。理論やコンピュータによるシミュレーションだけではなく,実際にロボットを動かして知能を獲得させていくさまは実に興味深く,そしてスリリングである。知能やロボットに興味がある方にお薦めの本。ただし内容に哲学的な部分が含まれており,腰をすえて読みたい。
(日経バイト 2005/03/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
-- 日経BP企画
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2004/12/17)
- 発売日 : 2004/12/17
- 言語 : 日本語
- 新書 : 273ページ
- ISBN-10 : 4062574616
- ISBN-13 : 978-4062574617
- Amazon 売れ筋ランキング: - 349,273位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 181位メカトロ・ロボット工学
- - 916位人工知能
- - 1,093位ブルーバックス
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2005年11月8日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2007年6月6日に日本でレビュー済み
人間のような「知能」を持ったロボットを開発するには、何が必要なのかについて考えることを通して、人間の知能の本質〜知能の謎〜に挑んでいる。
・知能の発達には身体性と環境との相互作用が不可欠である。
・人間は「常識」の範囲で物事を認識し、行動している。
・ロボットはインフラになる
…etc
興味深い知見・提言がありふれていて非常におもしろかった。
討論の部分では難解なキーワードが多々飛び交っているため理解は追いつかなかったが、研究者の方々がどのような考え・哲学を持って研究を行っているのかについて垣間見ることができる。
ロボットがこれからどうなっていくのか、「アトム」のようなロボットをつくるにあたり、
どのような問題に今直面しているのかについて興味がある人に強くお勧めしたい。
多少難解な部分はあるが、もちろんそれ以外の方にも一読の価値ありと思われる。
・知能の発達には身体性と環境との相互作用が不可欠である。
・人間は「常識」の範囲で物事を認識し、行動している。
・ロボットはインフラになる
…etc
興味深い知見・提言がありふれていて非常におもしろかった。
討論の部分では難解なキーワードが多々飛び交っているため理解は追いつかなかったが、研究者の方々がどのような考え・哲学を持って研究を行っているのかについて垣間見ることができる。
ロボットがこれからどうなっていくのか、「アトム」のようなロボットをつくるにあたり、
どのような問題に今直面しているのかについて興味がある人に強くお勧めしたい。
多少難解な部分はあるが、もちろんそれ以外の方にも一読の価値ありと思われる。
2006年3月4日に日本でレビュー済み
本書は、「どのようにして人間のような知能を持ったロボットを作るか?」という目的に対して、多くの研究者のアプローチを書き集めたものである。当然、研究者ごとにアプローチが異なり、書かれていることも様々である。そのために、読者は混乱するかもしれない。
本書が扱う分野は、主題が“ロボットの知能”ということで、かなり幅広い。脳科学のことはもちろん、脳の機能をロボットに実装する工学的な手法、さらには哲学的な話…。そして、これらが複雑に絡まりあって“ロボットの知能”というものについて語られる。したがって、かなり難解な本と言って間違いないであろう。実際に、私には、やや消化不良な本であった。
ロボットの研究を始めようという方は、一度読んでみるのも悪くないかもしれない。しかし、気軽に「知能ってなんだ?」程度の気持ちで読むと、かなりの消化不良になるかもしれない…。
本書が扱う分野は、主題が“ロボットの知能”ということで、かなり幅広い。脳科学のことはもちろん、脳の機能をロボットに実装する工学的な手法、さらには哲学的な話…。そして、これらが複雑に絡まりあって“ロボットの知能”というものについて語られる。したがって、かなり難解な本と言って間違いないであろう。実際に、私には、やや消化不良な本であった。
ロボットの研究を始めようという方は、一度読んでみるのも悪くないかもしれない。しかし、気軽に「知能ってなんだ?」程度の気持ちで読むと、かなりの消化不良になるかもしれない…。
2009年9月27日に日本でレビュー済み
フレーム問題について、本書で理解しました。
一般化フレーム問題 人間も自動車教習場などで多くの情報を処理しきれなくなることがある。松原、橋田。
身体性が重要で、みのまわりのことだけ処理していてもうまくいく。ロドニーブルックス。
一般化フレーム問題 人間も自動車教習場などで多くの情報を処理しきれなくなることがある。松原、橋田。
身体性が重要で、みのまわりのことだけ処理していてもうまくいく。ロドニーブルックス。
2006年12月13日に日本でレビュー済み
まずこの本のテーマはロボット開発を通して脳科学、人工知能を考えていく本です。
ロボット工学や脳科学の専門用語が数多く出てきてとっつきにきいかもしれませんが、
内容としては物凄く面白い!
私の関心の引いたトピックは2足歩行のロボットよりもムカデのように沢山足のあるロボットがきちんと動いたということ。
何しろロボット、知能の研究者が集まってこの本1冊を編著しましたから、内容は専門的かつ
内容は濃い。それだけにこの内容を理解できれば読者としての幅は広がることを保証します。
ロボット工学や脳科学の専門用語が数多く出てきてとっつきにきいかもしれませんが、
内容としては物凄く面白い!
私の関心の引いたトピックは2足歩行のロボットよりもムカデのように沢山足のあるロボットがきちんと動いたということ。
何しろロボット、知能の研究者が集まってこの本1冊を編著しましたから、内容は専門的かつ
内容は濃い。それだけにこの内容を理解できれば読者としての幅は広がることを保証します。
2005年6月20日に日本でレビュー済み
立ったり座ったりするからこそ、高い低いを考えることができる。キョロキョロまわりを見るからこそ、空の青さや夜の暗さもわかる。こんな身体と脳の関係と同じように、機械のカラダとアタマは切っても切れない。こうした「身体あってナンボ」のことを身体性というそうだ。
この本では、その身体を備えたロボットがテーマ。中でも、自分で考えて行動する「自律型ロボット」の話が中心。よって話は深い。自分の知能や意思で動くロボットを作るには、「自分とは」「知能とは」「意思とは」と、考えなおしていく必要があるからだ。「杖さばきに慣れた老人の杖は、老人の身体の一部かどうか」といった、考えるときりのないような問題がロボット作りに当てはまる。つまりロボット作りとは、哲学的問題を科学的にアプローチして答えを出していく作業だったのだ!
瀬名氏以外の著者はみな研究者で、お話はけっこう難しめ。中には、チェスのコンピュータ「ディープ・ブルー」の話から始めて、『ファウスト』の人造人間「ホムンクルス」に結びつけるという、美しい章もある。が、本全体では読むのがたいへんなところも少しあるかも。でも、もっとも進んだ技術の話を、研究者自身から聞けるのだから、マイナスを補って余りあると思います。
この本では、その身体を備えたロボットがテーマ。中でも、自分で考えて行動する「自律型ロボット」の話が中心。よって話は深い。自分の知能や意思で動くロボットを作るには、「自分とは」「知能とは」「意思とは」と、考えなおしていく必要があるからだ。「杖さばきに慣れた老人の杖は、老人の身体の一部かどうか」といった、考えるときりのないような問題がロボット作りに当てはまる。つまりロボット作りとは、哲学的問題を科学的にアプローチして答えを出していく作業だったのだ!
瀬名氏以外の著者はみな研究者で、お話はけっこう難しめ。中には、チェスのコンピュータ「ディープ・ブルー」の話から始めて、『ファウスト』の人造人間「ホムンクルス」に結びつけるという、美しい章もある。が、本全体では読むのがたいへんなところも少しあるかも。でも、もっとも進んだ技術の話を、研究者自身から聞けるのだから、マイナスを補って余りあると思います。
2006年10月2日に日本でレビュー済み
面白い。もっと早く読めばよかった。副題にある「認知発達ロボティクス」とは、知能をもつロボットを実際につくってみることを通して、人間のもっているような知能(知能そのものや、その構造、知能発達の仕組み、発達過程)を解明することを目指す、人工知能・ロボット研究の新しい潮流。けいはんな社会的知能発生学研究会は、ロボット工学、人工知能研究、脳科学、認知科学、発達心理学、等の分野を越えて集まった若手研究者(30〜40代?)主体の会のようだ。
はじめに、認知発達ロボティクスという勃興期にある学問領域の基本的なアイデアについての紹介があり、その後7人の著者が単独でそれぞれ1章を担当している。著者の立場はそれぞれ異なっていて、人間の脳を理解するための手段としてロボットをつくるという立場に立つ者もいれば、ロボットをつくることそのものを目的とする立場に立つ者もいる。
著者らは、古典的な人工知能研究や知能ロボット研究に欠けていた(あるいは、軽視されていた)ものとして、知能における「身体」の意味、知能がどのように「発達」していくのかという観点、ロボットがその中で成長していく(あるいはロボット同士で形成する)「社会」等を挙げる。「自分の身体を使って実世界と関わり合いながら、徐々に学び、成長してゆく」そんなロボットを実現しようともがくプロセスの中から「知能の謎」を解くヒントが得られるかもしれない、というわけだ。
特に、最初の2章(「序論」と「エピソード0」)が面白い。誕生したての学問だから、具体的な研究成果ではなくて、その視点から新たに見えてくる風景の豊かさによって評価したい。
はじめに、認知発達ロボティクスという勃興期にある学問領域の基本的なアイデアについての紹介があり、その後7人の著者が単独でそれぞれ1章を担当している。著者の立場はそれぞれ異なっていて、人間の脳を理解するための手段としてロボットをつくるという立場に立つ者もいれば、ロボットをつくることそのものを目的とする立場に立つ者もいる。
著者らは、古典的な人工知能研究や知能ロボット研究に欠けていた(あるいは、軽視されていた)ものとして、知能における「身体」の意味、知能がどのように「発達」していくのかという観点、ロボットがその中で成長していく(あるいはロボット同士で形成する)「社会」等を挙げる。「自分の身体を使って実世界と関わり合いながら、徐々に学び、成長してゆく」そんなロボットを実現しようともがくプロセスの中から「知能の謎」を解くヒントが得られるかもしれない、というわけだ。
特に、最初の2章(「序論」と「エピソード0」)が面白い。誕生したての学問だから、具体的な研究成果ではなくて、その視点から新たに見えてくる風景の豊かさによって評価したい。