私はこの本に、2つのことを期待した。一点目は、読んで面白い「教養書」としての側面、もう1つは、高校で十分に化学を学ばなかった人、習ったことを忘れてしまった人が、実生活でさまざまな物質(たとえば、食品添加物や医薬品)に接したときに、それについて的確な理解をするための「実用書」としての側面。
このうち、前者については十二分といえる内容だ。酸素分子の構造(これは理系の大学2年生くらいで習う内容だが、一般人レベルではほとんど知られていない)、水の電気分解のメカニズムなど、大学受験までみっちりと化学を勉強したと自負している私でも楽しめる内容だった。
しかし、後者の「実用書」としての側面は、新書判1冊に高校化学の内容をコンパクトにおさめるという制約上、取り上げる分子種が本当に基本的なものに限られており、物足りない内容になってしまった。もう1冊、有機・生化学分野の各論書を「発展編」として出版してもいいのではないだろうか。
内容的に高く評価したいのは、化学の暗記科目としての側面、たとえばそれぞれの反応の実験手順や温度条件などの細かい情報をバッサリと削ったこと。実験するなら実験の手引きは別の本に譲るべきだ、という立場なのだろう。
逆に内容的に不満なのは、各章を分担執筆者が別々に書いていて、表記の統一や相互参照、各分野の連関性への言及が必ずしも十分でないこと。たとえば、大抵の高校生が「暗記」という道を選ぶクロム酸のpH依存性
2[CrO4]2- + 2H+ ⇔ [Cr2O7]2- + H2O
は、別のところに記述されている「ル・シャトリエの原理」で簡単に説明できるのだが、この本は旧来の教科書同様、クロム酸は酸化還元の項で扱い、ル・シャトリエの原理は化学平衡の項で扱う、というふうに、別々の扱いになっている。筆者たちは精力的に改版する予定のようであるから、積極的にフィードバックしていきたい。
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新しい高校化学の教科書―現代人のための高校理科 (ブルーバックス) 新書 – 2006/1/21
左巻 健男
(著)
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これだけは学んでおきたい!
現代人のための「検定外教科書」
現代社会で生きるために必須の科学的素養が身につく
読んでわかるから面白い!現代人に必須の科学的素養が身につく検定外高校化学教科書
<本シリーズの特長>
●高校理科の内容の羅列でなく、「これだけは」というものにしぼった。
●丁寧な説明を心がけ、「読んでわかる」ことにこだわり抜いた。
●「なるほど、そういうことか!」と思わず膝を打つところが随所にある。
●クイズやコラムで、最後まで飽きさせない工夫をした。
●持ち運びに便利なコンパクトサイズ。
現代人のための「検定外教科書」
現代社会で生きるために必須の科学的素養が身につく
読んでわかるから面白い!現代人に必須の科学的素養が身につく検定外高校化学教科書
<本シリーズの特長>
●高校理科の内容の羅列でなく、「これだけは」というものにしぼった。
●丁寧な説明を心がけ、「読んでわかる」ことにこだわり抜いた。
●「なるほど、そういうことか!」と思わず膝を打つところが随所にある。
●クイズやコラムで、最後まで飽きさせない工夫をした。
●持ち運びに便利なコンパクトサイズ。
- ISBN-104062575086
- ISBN-13978-4062575089
- 出版社講談社
- 発売日2006/1/21
- 言語日本語
- 寸法11.4 x 1.9 x 17.4 cm
- 本の長さ400ページ
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登録情報
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- 発売日 : 2006/1/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 400ページ
- ISBN-10 : 4062575086
- ISBN-13 : 978-4062575089
- 寸法 : 11.4 x 1.9 x 17.4 cm
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- - 137位化学一般関連書籍
- - 258位高校化学教科書・参考書
- - 705位ブルーバックス
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2006年4月11日に日本でレビュー済み
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2018年10月2日に日本でレビュー済み
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謀資格取得のため復習してみるか!って購入したんだけど。
30年数年前とは違う世界に居るのだな俺は。
と思った。( '艸`)
30年数年前とは違う世界に居るのだな俺は。
と思った。( '艸`)
2016年2月23日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
途中までの評価を書くと,優れた教養書だが,教科書としては未完成,といったところ
「現代人に必須の科学的素養が身に付く」という宣伝内容に誤りはないです.たしかに,化学についての一般常識を身に付けたい社会人や,背伸びして高校化学を学びたい中学生にはとても良い本です.しかし高校化学の教科書としては記述が足りていないと感じるところが多々あり,現役高校生なら高校教科書+受験用の参考書の方が良いだろうと言えます.また,この点から筆者たちの想定している読者層の一つ「試験の問題は解けるのだが,ものごとの本質が分かっていない大学生」にはあまり向いていないと言えます.
途中まで読んで気が付いたこと(初版だから修正されているかも)
総括すると,記述が中途半端だから「ほう,なるほど,でもなんで?」と疑問が解消されないことが多いです.
「実は...という理論があるんですが,それは大学の教科書を読んでください」とせめて曖昧にしないでほしいです.
また,確認用に受験用の入門的な問題集を解いていますが,そこで「えっ知らない」と気づくことも多いです.
①金属結晶の単位格子および単位格子中の原子数についての記述がない
②電子式における電子配置と分子モデルとの関係についての記述がない
H-O-Hは極性分子で,C-O-Cはそうではないことの説明は全国の高校生が疑問に思うらしく,ネットでは結構なヒット数だった
以下は,高校化学の中でこれを説明したものであり,そうかなるほどと初めて合点行った.
[・・・]
③自然においてエネルギーが低い状態になろうとするとしても,閉殻に近づくことでなぜエネルギーの状態が低くなるのか分からない
④P59「水溶液が電気伝導性を示す仕組み」ではそれでなぜ電子の移動が起こるのか分からない
⑤価電子数から電子式をどう書くか分からない
やっぱり教科書としては使えないです.一般人向けの教養書としては優れている,というのが率直な感想です.
「現代人に必須の科学的素養が身に付く」という宣伝内容に誤りはないです.たしかに,化学についての一般常識を身に付けたい社会人や,背伸びして高校化学を学びたい中学生にはとても良い本です.しかし高校化学の教科書としては記述が足りていないと感じるところが多々あり,現役高校生なら高校教科書+受験用の参考書の方が良いだろうと言えます.また,この点から筆者たちの想定している読者層の一つ「試験の問題は解けるのだが,ものごとの本質が分かっていない大学生」にはあまり向いていないと言えます.
途中まで読んで気が付いたこと(初版だから修正されているかも)
総括すると,記述が中途半端だから「ほう,なるほど,でもなんで?」と疑問が解消されないことが多いです.
「実は...という理論があるんですが,それは大学の教科書を読んでください」とせめて曖昧にしないでほしいです.
また,確認用に受験用の入門的な問題集を解いていますが,そこで「えっ知らない」と気づくことも多いです.
①金属結晶の単位格子および単位格子中の原子数についての記述がない
②電子式における電子配置と分子モデルとの関係についての記述がない
H-O-Hは極性分子で,C-O-Cはそうではないことの説明は全国の高校生が疑問に思うらしく,ネットでは結構なヒット数だった
以下は,高校化学の中でこれを説明したものであり,そうかなるほどと初めて合点行った.
[・・・]
③自然においてエネルギーが低い状態になろうとするとしても,閉殻に近づくことでなぜエネルギーの状態が低くなるのか分からない
④P59「水溶液が電気伝導性を示す仕組み」ではそれでなぜ電子の移動が起こるのか分からない
⑤価電子数から電子式をどう書くか分からない
やっぱり教科書としては使えないです.一般人向けの教養書としては優れている,というのが率直な感想です.
2015年5月12日に日本でレビュー済み
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教科書と銘打っているが実際には読み物。科学専攻じゃなかった人もすっとはいっていけるよ。
2019年8月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
大学で化学を専攻し、一応中学・高校の教員免許も持っていますが、現在は違う分野のことをしています。
学生時代、化学が好きでそれなりに楽しく勉強していたのですが、一旦離れてしまうと忘れる一方で、基本的なことも思い出せない有様に一抹の寂しさを感じ、一通り広く浅く復習しようと本書を手に取りました。
ですが、読んでいるうちに「あれ?化学って、こんなに面白くなくて退屈でダルいものだったっけ…?」と思えてきました。
記述が、箇条書きとまでは言いませんが羅列的で、何故そうなるのか?どういうことなのか?という部分まで到達しておらず、読んでいてもストレスが溜まります。
それでも、かつて化学専攻だった私は、読んでいるうちに思い出すことも多く、何とか読み進めることは出来ましたが、化学と縁の薄かった人は途中で投げ出しても無理はないでしょう。
説明が足りない。詰めが甘い。定義があいまい。…書き手が、頭の中がとっ散らかったまま書いている印象です。理系の人が書いているとは思えません。
せっかく「検定外教科書」となっているのだから、高校の範囲を多少超えても、もっと説明を丁寧にしてほしかった。
若かりし日に、化学が好きだった私としては、この本で化学嫌いが増えてしまったら悲しいな~と思うのでありました。
化学って、もっと楽しいものだったと思うんだけどな…。
なお蛇足ですが、この高校理科シリーズ、一通り読みましたが、物理と地学はきちんと書かれており大変良い本だと思います。あと、生物は…化学より酷い。
学生時代、化学が好きでそれなりに楽しく勉強していたのですが、一旦離れてしまうと忘れる一方で、基本的なことも思い出せない有様に一抹の寂しさを感じ、一通り広く浅く復習しようと本書を手に取りました。
ですが、読んでいるうちに「あれ?化学って、こんなに面白くなくて退屈でダルいものだったっけ…?」と思えてきました。
記述が、箇条書きとまでは言いませんが羅列的で、何故そうなるのか?どういうことなのか?という部分まで到達しておらず、読んでいてもストレスが溜まります。
それでも、かつて化学専攻だった私は、読んでいるうちに思い出すことも多く、何とか読み進めることは出来ましたが、化学と縁の薄かった人は途中で投げ出しても無理はないでしょう。
説明が足りない。詰めが甘い。定義があいまい。…書き手が、頭の中がとっ散らかったまま書いている印象です。理系の人が書いているとは思えません。
せっかく「検定外教科書」となっているのだから、高校の範囲を多少超えても、もっと説明を丁寧にしてほしかった。
若かりし日に、化学が好きだった私としては、この本で化学嫌いが増えてしまったら悲しいな~と思うのでありました。
化学って、もっと楽しいものだったと思うんだけどな…。
なお蛇足ですが、この高校理科シリーズ、一通り読みましたが、物理と地学はきちんと書かれており大変良い本だと思います。あと、生物は…化学より酷い。
2016年11月4日に日本でレビュー済み
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高校の化学で何をやるのか、その概要を知る必要があり購入しました。大学の入試問題を作るとか、正確に把握したければ、高校で使われている教科書をすべて購入するしかないですね。それほどではないので、本書の購入で済ませました。この目的であれば、十分に用が足りるのですが、書き方は総じて断片的で、なぜそうなるのか? といった化学全般を俯瞰できるような内容ではないです。中学、高校そして大学と、そういう学年的な切り方をすれば、必然的にそうなります。その点で、化学の知識を整理してみようというつもりで購入するのであれば、お勧めではないです。
2006年1月29日に日本でレビュー済み
私は化学が苦手である。高校時代の化学の試験を思い出すと、今でも冷や汗が出る。けれど私のような者にも理解できる本があるに違いないと思って、これまでブルーバックス等新書版の本の中から化学関係のものを何冊か購入して読んでみた。けれど化学アレルギーの私には、頑張って読み始めても最後まで読み通せたものは殆ど無かった。途中で嫌になるのだ。しかしこの本は違っていた。
文章が平易で、日常生活に関わるいろいろな現象が化学的に理解出来るようになっている。だから読んでいて飽きない。たとえば「仁丹やアラザンの表面には 銀箔が貼り付けられている。金属の特徴である{よく電流を流す}で確かめてみよう。乾電池に豆電球をつないで回路の中に仁丹を入れる。すると、豆電球がパッと点く 。」という部分などは読んでいて自分でも試してみたくなったし、 「夢のような化学物質・フロン」では「なるほど!!」と思わせられることが、多々盛り込まれていた。
とにかく最後まで飽きずに楽しく読み通せたことに、感激している。
文章が平易で、日常生活に関わるいろいろな現象が化学的に理解出来るようになっている。だから読んでいて飽きない。たとえば「仁丹やアラザンの表面には 銀箔が貼り付けられている。金属の特徴である{よく電流を流す}で確かめてみよう。乾電池に豆電球をつないで回路の中に仁丹を入れる。すると、豆電球がパッと点く 。」という部分などは読んでいて自分でも試してみたくなったし、 「夢のような化学物質・フロン」では「なるほど!!」と思わせられることが、多々盛り込まれていた。
とにかく最後まで飽きずに楽しく読み通せたことに、感激している。