組み込みシステムのエンジニア教育を念頭に置いたCPU・機械語入門。
本書に関心のある人は、まず「はじめに」を読んでみるべき。本書の内容は「Z80機械語入門」と言っていいようなもの。Z80が機械語命令に沿って動作していく様をデバッガを用いてジックリ観察してみよう、という本なので、CPUの原理や働きについて「概念的に理解したい」という読者には不向き。「読み物」を期待していた読者は大いに面喰うだろう。そういう意味で、あまり新書向きの内容ではないのかもしれない。
参っちゃったな〜、というのが正直な読後感。機械語・アセンブリ言語入門としても、CPU入門としても、マイコンプログラミング入門としても、如何にも中途半端。シミュレータの簡単な使い方を説明し、主な機械語命令によってCPU内部のレジスタの値がどのように変化するのかを示しただけで、本書は終わってしまう(と言うか、それが本書のテーマ)。読者の多くは、「それで?」と放り出されたような気分になるのではないか。電子工作をするにも、「割り込み処理」の話が省かれているし…。
CPUの動きを直に見ることの利点は、コンピュータが結局のところただの「2進数加算マシン」に過ぎない、という事実がハッキリと見えてくる点。プログラミングとは、人間にとって意味のある情報をCPUが扱うことのできる2進数として表現した上で、入力された情報から出力すべき情報を生み出す処理を「2進数の加算」のみによって如何に実現するか、その手順を策定すること。究極的にはそれに尽きるのだ。そういう気づきを促すような概念的な話があれば、エンジニアではない一般の読者にとっても面白い本となっていたかもしれないのだが…。
「Z-Vision付録版」は32ビット版Windows 7では問題なく動作した。ただし、本書の内容を追体験するだけなら、シミュレータを動作させるまでもないと思う。

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動かしながら理解するCPUの仕組み―パソコンの中心はどうなっているのか CD-ROM付 (ブルーバックス) 新書 – 2010/1/21
加藤 ただし
(著)
実際に動かして、CPUの仕組み理解できる
付属のシミュレータソフトを使い、パソコン上で実際に動かしながらCPUの仕組みと働きを理解できる。
コンピュータとコンピュータ科学に興味を持つ読者の必読書
付属のシミュレータソフトを使い、パソコン上で実際に動かしながらCPUの仕組みと働きを理解できる。
コンピュータとコンピュータ科学に興味を持つ読者の必読書
- ISBN-104062576651
- ISBN-13978-4062576659
- 出版社講談社
- 発売日2010/1/21
- 言語日本語
- 本の長さ224ページ
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2010/1/21)
- 発売日 : 2010/1/21
- 言語 : 日本語
- 新書 : 224ページ
- ISBN-10 : 4062576651
- ISBN-13 : 978-4062576659
- Amazon 売れ筋ランキング: - 646,447位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,716位ブルーバックス
- - 24,934位コンピュータ・IT (本)
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2014年1月26日に日本でレビュー済み
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2016年5月17日に日本でレビュー済み
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CPUに関連したより突っ込んだハードウエアがどのように信号が繋がっているのか現して欲しかった。
2014年2月1日に日本でレビュー済み
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電子工作を趣味としている者です。
アセンブリ言語でのプログラミングを主に行っておりますが、機械語を逆アセンブルしたのは初めての経験でした。
Windows XPの古いパソコンでしかソフトをインストールする事ができない事が難点ですが、CPUの仕組みについて理解が深まりました。
アセンブリ言語でのプログラミングを主に行っておりますが、機械語を逆アセンブルしたのは初めての経験でした。
Windows XPの古いパソコンでしかソフトをインストールする事ができない事が難点ですが、CPUの仕組みについて理解が深まりました。
2021年2月20日に日本でレビュー済み
基本的にはプログラムではなく16進数の機械語を入力させてCPU(Z80)の動作の仕組みを解説していくというスタイルで、いわゆるアセンブラやニーモニックによるプログラミングにはほとんど触れられていない、そのため、アセンブラやニーモニックによるプログラミング言語の習得にはほとんど役に立たない、というのが実情でしょうか。
また、付属のソフトはWindows7までのOSでは動作するものの、Windows10では動作しないようであるので、手元に旧型のPCを用意する必要が出てくる場合もあろうかと思いますが、そこまでするほどの価値が本書にあるかというと、何とも難しいところです。
組込みシステムでも、機械語を扱う必要のあるような、かなり電子回路的なハードウェア寄りの技術者でなければ、本書の内容を役立たせるのは難しいのかもしれません。
また、付属のソフトはWindows7までのOSでは動作するものの、Windows10では動作しないようであるので、手元に旧型のPCを用意する必要が出てくる場合もあろうかと思いますが、そこまでするほどの価値が本書にあるかというと、何とも難しいところです。
組込みシステムでも、機械語を扱う必要のあるような、かなり電子回路的なハードウェア寄りの技術者でなければ、本書の内容を役立たせるのは難しいのかもしれません。
2017年3月21日に日本でレビュー済み
この本と「はじめて読むマシン語」(村瀬康治 アスキー出版)をあわせて読むと、8ビットCPUの動作(仕組み)がよくわかりました。「Z-VISION」(現在は絶番)というとても使いやすいZ80CPUシュミレータで色々実験できるので、アセンブラの初学者にとって、とってもためになりました。第2弾を期待しています。この本のおかげで、アセンブラの大ファンになりました。これからはC言語を習得し16ビット、32ビットCPUも研究していきたいと思います。
2011年6月9日に日本でレビュー済み
帯にWindows 7/Vista/XPに対応と明記されており、CD-ROMの付録付き。面白そうなので購入しましたが、結果的に大失敗でした。私のWindows 7は64bit版ですが、付録CD-ROMのプログラムが動きません。(自分で64bit版をインストールしたのではなく、PCに最初からインストールされていた)。どうやら32bit版でなければプログラムが動かぬようです。本書の極めて不親切なところは、「64bit版では動作しない」と明記されておらず、☆1以下です。というわけで読まずに積んであります。購入に際してはくれぐれも注意してください。
2016年11月19日に日本でレビュー済み
秋月電子のSuper AKI-80の開発環境を探していました。この一冊で満足の行く環境が構築出来ました。
CD ROMに収まっているZVW6を使いこなすには、若干手を入れる必要がありました。
[...]
で公開していますので興味のある方は参考にしてください。
CD ROMに収まっているZVW6を使いこなすには、若干手を入れる必要がありました。
[...]
で公開していますので興味のある方は参考にしてください。
2012年6月24日に日本でレビュー済み
アセンブリの書式がほとんど解説されないまま、ニーモニックだの、オペランドだのと慣れない用語が早い段階から登場するので、高級言語をかじっただけの初心者にはつかみどころがありません。 この紙数で出すのにそもそも無理があるようです。