本書の「商品の説明」(このページの上の方)には、「遠くから来るガンマ線バーストをみることは、数十億年前の宇宙をみること……様々な場所から届くガンマ線バーストを観測すれば、宇宙はどのように始まったのか、最初の星はどのように生まれたのか……を照らし出すことができる」とあって、基本コンセプトを示している。そして著者は「はじめに」の中で、「原因の解明に30年もかかったのはなぜなのか? 科学者がどんな勘違いをしてきたのか……人間ドラマ……ガンマ線バーストの原因が解明されていく人と科学の歴史の記録」としているように、「ガンマ線バースト」の発見・観測から原理の解明、「ガンマ線バースト」現象の内包する物理学的・天文学的意義などについて、原理探求・観測の歴史を時間軸に沿って解説していくものであると言えよう。
構成・内容は(1)「ガンマ線バーストの発見と性質」では基本理論と発見の端緒、中性子星や超新星爆発との関連など、(2)「ガンマ線バーストの観測競争と大論争」では原理の初期理論や2説(銀河系ハロー内説vs銀河系外説)を巡る論争など、(3)「本命の登場」でハッブル宇宙望遠鏡による観測とハイパーノバ(極超新星)、(4)「ガンマ線バーストの理論」として火の玉理論、相対性理論(ローレンツ因子とビーミング因子)、ブラックホールなどの基礎理論、(5)「宇宙の一番星を探す」として、ガンマ線バースト観測による一番遠い星の観測競争、距離の推定理論など、(6)「ガンマ線バーストはいたるところに登場する」として、身近な観測例(地球上での発生)、大量絶滅説(オルドビス紀の大量絶滅)、ベテルギウスやイータカリーナ星の極超新星爆発の可能性など、6章からなる。
本文とは別個にコラムでは基礎的な物理学理論が解説されており、またグラフや図表写真(但しモノクロ)を多用して解りやすい解説を志向しているが、私のような文系人間では些か覚束ない高度な理論も散見される。殊に相対性理論関連(ローレンツ因子・ビーミング因子・シンクロトン放射などの計算式や論理)、ガンマ線バーストに係わるエネルギー関連の概念や単位の意義などが挙げられる。ただ右のような計算式・概念が理解できなくても、本書自体の概略・総論的な理解にはそれほど困難ではないだろう。前述のように、本書のコンセプトがガンマ線バーストの発見・観測・原理解明に関わる“歴史”(「人と科学の歴史の記録」と著者は言う)であって、ガンマ線バースト自体の物理理論の解説ではないことが構成・内容に上手く反映されているためかであろうと推察する。
それ故に各論的な右部分を把握できなくても、文系人間の私でもそれなりに理解できたように思う。個人的は、ガンマ線バースト自体の原理(概略)、超新星爆発(スーパーノバ)、中性子星、極超新星爆発(ハイパーノバ)などの相違が把握できた(つもり)であるが、ブラックホールとの関連にもう少し解説が欲しいように思う(この辺りは『
ブラックホールに近づいたらどうなるか?
』が詳しい)。私見ながら極論するところ、ガンマ線バーストを巡る現況は第5・6章での論旨で示されるもので、宇宙誕生後の一番星の探求、ベテルギウス他のハイパーノバの状況予測、そして重力波との関連・観測(KAGRA計画)などに代表されるものと言え、右状況の現在の研究段階まで興味深い解説となっており、天文愛好家にとってもお勧めの一冊ではなかろうか。
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宇宙最大の爆発天体ガンマ線バースト (ブルーバックス 1857) 新書 – 2014/3/20
村上 敏夫
(著)
宇宙で最大で最強の巨大な星の爆発、“宇宙のモンスター”ガンマ線バーストとはいったい何か? 数千億個の星からなる銀河よりも明るい大爆発は、どこで、どのように発生するのか? 長い論争の果てに下されたその結論に科学者たちが困惑した理由は一体? ブラックホールとの関係、宇宙の歴史、生命大絶滅との関係……。宇宙物理学で今もっとも注目される現象をひもといていく。(ブルーバックス・2014年3月刊)
ガンマ線バーストは、電磁波の一種であるガンマ線が大量に放出される「宇宙最大の爆発」のこと。数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く想像を超えた大規模な爆発です。最近では恐竜の大絶滅の原因ではないかという説もあります。
ガンマ線バーストの発見は、米ソ冷戦下におけるアメリカの核爆発探知衛星による偶然の産物でした。どこかの国が核実験をしたために起きたものだと考えられ、秘密裏に研究が進められました。地球ではなく宇宙で起きたことが分かり、情報が公開されてからも、たった数十秒しか続かない短い現象を詳細に観測することは難しく、長らく謎の現象とされてきました。
研究が進展したのは、発見から30年たってからのこと。ガンマ線バーストが起きてから数日間、X線や光を出すことがわかったのです。その光を観測したところ、その起源は、数十億光年もの遠方だとわかりました。これほど遠くで起きるにも関わらず地球でも観測できるほどの大爆発だったのです。
また、はるか遠方で起きることから、ガンマ線バーストによって宇宙の起源が解明できるのではと言われています。数十億光年の距離を光が旅するには数十億光年の時間がかかります。つまり、遠くから来るガンマ線バーストをみることは、数十億年前の宇宙をみることでもあります。様々な場所から届くガンマ線バーストを観測すれば、宇宙はどのように始まったのか、最初の星はどのように生まれたのか、謎に包まれた暗黒の時代を照らし出すことができると考えられているのです。
では、この爆発を起こしたのは誰だろうと、犯人捜しが始まりました。観測の進歩によってブラックホールとの関連や、巨大な星が死ぬときに発生することも明らかになりました。しかし、犯人が見つかっても、ガンマ線バーストがどのように起こるのかは分からなかったのです。
たった1個の星の起こす爆発が、どうして数千億の星を集めた銀河よりも明るく輝くのか? そのエネルギーはどこから来るのか? 観測結果が集まっても研究者たちはそれをうまく理解できなかかったのです。その謎をとく鍵は相対性理論にありました。
巨大な爆発はどこでどのように起こるのか? ブラックホールや相対性理論はどのようにかかわってくるのか? 宇宙の起源や生物の大絶滅との関係は? 宇宙物理学で、今もっとも注目される現象を、第一人者が繙いていきます。
ガンマ線バーストは、電磁波の一種であるガンマ線が大量に放出される「宇宙最大の爆発」のこと。数千億の星を集めた銀河よりもずっと明るく輝く想像を超えた大規模な爆発です。最近では恐竜の大絶滅の原因ではないかという説もあります。
ガンマ線バーストの発見は、米ソ冷戦下におけるアメリカの核爆発探知衛星による偶然の産物でした。どこかの国が核実験をしたために起きたものだと考えられ、秘密裏に研究が進められました。地球ではなく宇宙で起きたことが分かり、情報が公開されてからも、たった数十秒しか続かない短い現象を詳細に観測することは難しく、長らく謎の現象とされてきました。
研究が進展したのは、発見から30年たってからのこと。ガンマ線バーストが起きてから数日間、X線や光を出すことがわかったのです。その光を観測したところ、その起源は、数十億光年もの遠方だとわかりました。これほど遠くで起きるにも関わらず地球でも観測できるほどの大爆発だったのです。
また、はるか遠方で起きることから、ガンマ線バーストによって宇宙の起源が解明できるのではと言われています。数十億光年の距離を光が旅するには数十億光年の時間がかかります。つまり、遠くから来るガンマ線バーストをみることは、数十億年前の宇宙をみることでもあります。様々な場所から届くガンマ線バーストを観測すれば、宇宙はどのように始まったのか、最初の星はどのように生まれたのか、謎に包まれた暗黒の時代を照らし出すことができると考えられているのです。
では、この爆発を起こしたのは誰だろうと、犯人捜しが始まりました。観測の進歩によってブラックホールとの関連や、巨大な星が死ぬときに発生することも明らかになりました。しかし、犯人が見つかっても、ガンマ線バーストがどのように起こるのかは分からなかったのです。
たった1個の星の起こす爆発が、どうして数千億の星を集めた銀河よりも明るく輝くのか? そのエネルギーはどこから来るのか? 観測結果が集まっても研究者たちはそれをうまく理解できなかかったのです。その謎をとく鍵は相対性理論にありました。
巨大な爆発はどこでどのように起こるのか? ブラックホールや相対性理論はどのようにかかわってくるのか? 宇宙の起源や生物の大絶滅との関係は? 宇宙物理学で、今もっとも注目される現象を、第一人者が繙いていきます。
- 本の長さ236ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2014/3/20
- 寸法11.3 x 1.2 x 17.3 cm
- ISBN-104062578573
- ISBN-13978-4062578578
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商品の説明
著者について
一九四七年愛知県生まれ。一九七五年名古屋大学大学院理学研究科博士課程中退。理学博士。同年東京大学宇宙航空研究所助手、文部省宇宙科学研究所助手、同助教授、東京工業大学連携併任助教授、国立大学法人金沢大学理学部と理工学域教授などを歴任。二〇一三年に金沢大学を退職し現在名誉教授。専門はX線ガンマ線宇宙物理学。日本におけるガンマ線バーストの観測を開拓してきた。編著書『宇宙 天文大辞典』(丸善)、『実験物理学』(金沢大学出版)がある。現在、長野県諏訪郡富士見町在住。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2014/3/20)
- 発売日 : 2014/3/20
- 言語 : 日本語
- 新書 : 236ページ
- ISBN-10 : 4062578573
- ISBN-13 : 978-4062578578
- 寸法 : 11.3 x 1.2 x 17.3 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 772,411位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 1,831位ブルーバックス
- - 71,810位科学・テクノロジー (本)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年3月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
2015年4月9日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
面白かった〜。
「ガンマ線バーストってなんだ?」と思って購入しました。本書の構成もガンマ線バーストを解明する過程を解説しているので、購入動機に合致していました。それもあってか非常に解りやすく感じました。
ガンマ線バーストは非常に高いエネルギーを出しながら強い強度の変動があり、そして継続時間は短い。その強い変動のために発生領域に制限があると考えられ、中性子性がガンマ線バーストの発生候補となりますが・・・。そこに相対論的な効果が入ることで、これらの前提が覆っていく・・。この経過がドラマティックに描かれています。
最初に読んだときは、その言い聞かせるような書き方がまどろっこしく感じたのですが、読んでいくと、そのテンポがドラマティックな感じを強めているように感じて、途中から全く気にならなくなりました。大したものですね。
ガンマ線バーストは非常に観測が難しいですが、日本をはじめ世界中の科学者(物理学者)達の工夫を凝らした観測衛星により、新たな事実が発見される様もとてもドラマティックです。
ガンマ線バーストの発生源の解明後は、その後の宇宙観測への応用についても触れられています。
これらは、この本を読んだ中学生、高校生が解き明かしていってくれることでしょうね。楽しみにしたいと思います。
しかし、そのための衛星の名前がGUNDAM(ガンダム)というのは、なんだか・・・良いですねぇ〜。
ほんと、面白い一冊でした。
「ガンマ線バーストってなんだ?」と思って購入しました。本書の構成もガンマ線バーストを解明する過程を解説しているので、購入動機に合致していました。それもあってか非常に解りやすく感じました。
ガンマ線バーストは非常に高いエネルギーを出しながら強い強度の変動があり、そして継続時間は短い。その強い変動のために発生領域に制限があると考えられ、中性子性がガンマ線バーストの発生候補となりますが・・・。そこに相対論的な効果が入ることで、これらの前提が覆っていく・・。この経過がドラマティックに描かれています。
最初に読んだときは、その言い聞かせるような書き方がまどろっこしく感じたのですが、読んでいくと、そのテンポがドラマティックな感じを強めているように感じて、途中から全く気にならなくなりました。大したものですね。
ガンマ線バーストは非常に観測が難しいですが、日本をはじめ世界中の科学者(物理学者)達の工夫を凝らした観測衛星により、新たな事実が発見される様もとてもドラマティックです。
ガンマ線バーストの発生源の解明後は、その後の宇宙観測への応用についても触れられています。
これらは、この本を読んだ中学生、高校生が解き明かしていってくれることでしょうね。楽しみにしたいと思います。
しかし、そのための衛星の名前がGUNDAM(ガンダム)というのは、なんだか・・・良いですねぇ〜。
ほんと、面白い一冊でした。
2015年9月4日に日本でレビュー済み
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何億光年も離れているのに地球まで届くガンマ線を放出するガンマ線バースト
その発見の歴史、そして理論構築の歴史、ほぼ解明されたといえるプロセス、
いろいろと勉強になった。
ただし簡単ではあるが数式がはいってくるので数式アレルギーのひとにはとっつきにくいかも。
その発見の歴史、そして理論構築の歴史、ほぼ解明されたといえるプロセス、
いろいろと勉強になった。
ただし簡単ではあるが数式がはいってくるので数式アレルギーのひとにはとっつきにくいかも。
2014年4月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ガンマ線バーストは,天体物理学における超ど級の現象だが,比較的ポピュラーにはなっていないようである.本書はガンマ線バーストを主題として書かれた,初めての啓蒙書ではないだろうか.著者は,人工衛星を用いてガンマ線バーストの研究に携わってきた実験物理学者で,研究現場の状況を一般の人たちに知ってもらおうとして本書を著した.かなり実験の技術的なこともあり,また相対論をはじめ現代物理学の基礎知識をふんだんに使う必要があるので,コラムとして説明はなされているものの,かなり理系の知識がないと理解が難しいであろう.
ガンマ線バーストは非常に短い時間だが,超高エネルギーの電磁波すなわちガンマ線を放出する爆発現象である.極めて遠方の銀河の中の小天体から来ていることがわかり,それから逆算すると放出されるエネルギーは極端に大きく,ピーク時のエネルギーは宇宙のすべての星が出すエネルギーの総和に匹敵するという.ガンマ線バーストは持続時間の長いものと短いものの2種に分けられる.前者の正体は,超重量級の星が重力崩壊してブラックホールになる極超新星(普通の超新星はスーパーノヴァというのに対し,ガンマ線バーストの源はハイパーノヴァと呼ぶ)である.表紙の図にあるように,ほとんど光速のジェットが吹き出し,ジェットがたまたま地球の方向を向いているとき,そこからシンクロトロン放射されたガンマ線を観測しているというものである.このとき相対論に従って非常に大きなローレンツ因子が効いてくることを,相対論など周知のはずの天体物理学者が見落としていたようだ.後者の正体は,中性子星の連星系が重力波を放出して運動エネルギーを失い,合体してブラックホールを形成する現象と考えられている.
ビッグバン宇宙で,膨張の結果温度が下がり,プラズマ状態から原子が形成される,いわゆる宇宙の晴れ上がりは,その残光が2.7Kの宇宙背景放射として観測されている.しかしその後の数億年は暗黒時代といわれ,観測できない.原子が再び電離するのは,原始星ができてからである.最初にできた星を「一番星」という.「いちばんぼしみーつけた!」は,ガンマ線バーストを調べるのが最も有効な方法だということである.
ガンマ線バーストは非常に短い時間だが,超高エネルギーの電磁波すなわちガンマ線を放出する爆発現象である.極めて遠方の銀河の中の小天体から来ていることがわかり,それから逆算すると放出されるエネルギーは極端に大きく,ピーク時のエネルギーは宇宙のすべての星が出すエネルギーの総和に匹敵するという.ガンマ線バーストは持続時間の長いものと短いものの2種に分けられる.前者の正体は,超重量級の星が重力崩壊してブラックホールになる極超新星(普通の超新星はスーパーノヴァというのに対し,ガンマ線バーストの源はハイパーノヴァと呼ぶ)である.表紙の図にあるように,ほとんど光速のジェットが吹き出し,ジェットがたまたま地球の方向を向いているとき,そこからシンクロトロン放射されたガンマ線を観測しているというものである.このとき相対論に従って非常に大きなローレンツ因子が効いてくることを,相対論など周知のはずの天体物理学者が見落としていたようだ.後者の正体は,中性子星の連星系が重力波を放出して運動エネルギーを失い,合体してブラックホールを形成する現象と考えられている.
ビッグバン宇宙で,膨張の結果温度が下がり,プラズマ状態から原子が形成される,いわゆる宇宙の晴れ上がりは,その残光が2.7Kの宇宙背景放射として観測されている.しかしその後の数億年は暗黒時代といわれ,観測できない.原子が再び電離するのは,原始星ができてからである.最初にできた星を「一番星」という.「いちばんぼしみーつけた!」は,ガンマ線バーストを調べるのが最も有効な方法だということである.
2019年8月17日に日本でレビュー済み
感想歌 ガンマ線集中放射(burst)宇宙から観測理論展開経緯 関係性極超新星仮説だとみだしにないが索引にある
2020年5月31日に日本でレビュー済み
大変良い本である。我々は宇宙で奇跡的に生かされていることを実感できる。
2014年11月23日に日本でレビュー済み
宇宙の天体現象でも特に目立つガンマ線バーストという現象について、近年の研究で明らかになってきたことを述べている。素人には、相対性理論のくだりなどが正直な話ちゃんと理解できないのだが、それらについては別の本を参照ということで。巻末に参考文献がいくつか載っている。図や写真は豊富にあるので、まあおおまかな概念はつかめる。そういう図とかがなかったら本当にわからなかっただろう。結論から言うと、ガンマ線バーストの源はハイパーノヴァとブラックホールである。本書に書いてあることはだいぶ専門的な事項が多いが、だからこそ興味がわくかもしれない。宇宙や天体のこと、それらの研究の現代史が多く書かれている。