それほどメジャーな人物とはいえないが、
しかし、言うまでもなくソ連を語る上では欠かせない
ビャチェスラフ=モロトフを中心に、
ソ連の成立から崩壊までを描いた本である。
ソ連の歴史全体を、
それほど厚くもない本書のみで理解しようというのはとうてい無理な話だが、
モロトフというひとりの人物の視座に立ち、
十分にソ連という国家の軌跡を読み取ることができる。
ソ連史のひとつの切り口として読んでみてはいかがだろうか。
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ソ連=党が所有した国家: 1917-1991 (講談社選書メチエ 248) 単行本(ソフトカバー) – 2002/9/1
下斗米 伸夫
(著)
ダブルポイント 詳細
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20世紀最大の政治機構誕生から崩壊の全て巨大国家ソ連を支配した共産党とはいかなる組織だったのか? 粛清、収容所、飢餓……。理念はおぞましき現実となる。モロトフ回想を通して描くソ連政治の真実!
- 本の長さ238ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/9/1
- ISBN-104062582481
- ISBN-13978-4062582483
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商品の説明
内容(「MARC」データベースより)
20世紀最大の政治組織=ソ連共産党がつくった国家でなにが起こったのか? 官僚制、大粛清、飢餓、強制収容所…。ナンバー2モロトフの回想を通して、党が国家であった時代の軌跡を辿る。
著者について
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/9/1)
- 発売日 : 2002/9/1
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 238ページ
- ISBN-10 : 4062582481
- ISBN-13 : 978-4062582483
- Amazon 売れ筋ランキング: - 274,748位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2016年8月25日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ソ連という国は、本書の表題が示唆するように、党=国家一体の官僚制が、「公地公民」よろしく国の全てを所有する、現代版の「家産制国家」だった、と見ることができる。だから、ソ連共産党の「予算」や「資産」に焦点を当ててソ連を分析すると、ちょうど王室財産に焦点を当てて絶対王政国家を分析するようなもので面白いのではないか、とかねてから思っていた。そうした興味からこの本を買ったのはずいぶん前のことだった。そのときは、内容が期待したものと違っていたので、読まずに放っておいた。この夏休み、時間が出来たのでソ連史の復習のために読んでみた。
本書は、スターリン時代に首相や外相をつとめたヴャチェスラフ・モロトフ(1890―1986)の役割を縦糸としたソ連史再入門である。概説書ではあるが、初学者には勧められない。なぜなら叙述の密度が極めて濃く、準備なしでは内容を十分消化することが難しいと思われるからだ。かなり予備知識のある人向けの再入門と考えたほうがいい。本書の強みは、ソ連崩壊後に出版された多くの回想記や公開された公文書、またロシアで出た歴史研究等を著者がよく消化していること、また著者が1970年代以来積み上げてきたソ連・ロシア現代史の膨大な知識が随所に生かされていることである。日本における現代ソ連・ロシア政治史の第一人者にして初めて書きえた本だ、といえるだろうし、予備知識のある人にとっては学ぶべき内容の詰まった本である。
ただその一方で、提示される事実が膨大であるだけに、ソ連史をどう見るべきか、という解釈論が追いついていない面があることも否めない。ロシア革命の解釈については著者の叙述は歯切れよくまとまっているが、スターリン時代については、その時代の歴史全体を見通すような大きな解釈論は提示されていない。この時代は著者が元々専門とする時代でもあり、モロトフが活躍することもあって、集団化や粛清についての著者の叙述は精彩に富んでいる。内容が内容だけに読んでいるだけで陰惨な気分になるほどである。しかし、それだけでは「なぜスターリン主義のような現象が起こったのか」、というような大きな問題への解答は浮かび上がってこない。私見では、その理由は、独裁権力に特徴的な猜疑心の暴走という事情のほか、 1)ソ連という国が、ロシアが長い間苦しんできた西洋先進国に対する劣等感の克服を一つの使命として生まれた国家であり、国際社会で権力・威信を得るためなら国民の福利を犠牲にすることを厭わない国だったこと、 2)マルクス=レーニン主義のイデオロギーが、「歴史を正しく認識した共産党は、誤った考えをもつ人々を抹殺してでも正しい方向に歴史を導く責務がある」と説いて粛清に正当性を与えたこと、この二つだった。勿論著者はそんなことは先刻承知で、あえて書くまでもないと考えたのだろうが、こうした背景に関する解釈論がなければ、読者は集団化や粛清の過程に、ただただ意味のない恐怖の連鎖をみるだけになってしまうだろう。私が本書を初学者に勧めないのはそれを恐れるためでもある。
1500円という安価な値段で、このように高度な学術的内容をもつ本を気軽に読むことができるのは大変有り難い。しかし、専門家以外の広い読者を想定するのであれば、今一度枠組みや表現を練り直して、新たな資料から得られた知見を、そこまでの予備知識を持たない人にもわかりやすい形で提示すべきではなかったか。濃密な内容をもつ良書であるだけに、その点がやや惜しまれる。
本書は、スターリン時代に首相や外相をつとめたヴャチェスラフ・モロトフ(1890―1986)の役割を縦糸としたソ連史再入門である。概説書ではあるが、初学者には勧められない。なぜなら叙述の密度が極めて濃く、準備なしでは内容を十分消化することが難しいと思われるからだ。かなり予備知識のある人向けの再入門と考えたほうがいい。本書の強みは、ソ連崩壊後に出版された多くの回想記や公開された公文書、またロシアで出た歴史研究等を著者がよく消化していること、また著者が1970年代以来積み上げてきたソ連・ロシア現代史の膨大な知識が随所に生かされていることである。日本における現代ソ連・ロシア政治史の第一人者にして初めて書きえた本だ、といえるだろうし、予備知識のある人にとっては学ぶべき内容の詰まった本である。
ただその一方で、提示される事実が膨大であるだけに、ソ連史をどう見るべきか、という解釈論が追いついていない面があることも否めない。ロシア革命の解釈については著者の叙述は歯切れよくまとまっているが、スターリン時代については、その時代の歴史全体を見通すような大きな解釈論は提示されていない。この時代は著者が元々専門とする時代でもあり、モロトフが活躍することもあって、集団化や粛清についての著者の叙述は精彩に富んでいる。内容が内容だけに読んでいるだけで陰惨な気分になるほどである。しかし、それだけでは「なぜスターリン主義のような現象が起こったのか」、というような大きな問題への解答は浮かび上がってこない。私見では、その理由は、独裁権力に特徴的な猜疑心の暴走という事情のほか、 1)ソ連という国が、ロシアが長い間苦しんできた西洋先進国に対する劣等感の克服を一つの使命として生まれた国家であり、国際社会で権力・威信を得るためなら国民の福利を犠牲にすることを厭わない国だったこと、 2)マルクス=レーニン主義のイデオロギーが、「歴史を正しく認識した共産党は、誤った考えをもつ人々を抹殺してでも正しい方向に歴史を導く責務がある」と説いて粛清に正当性を与えたこと、この二つだった。勿論著者はそんなことは先刻承知で、あえて書くまでもないと考えたのだろうが、こうした背景に関する解釈論がなければ、読者は集団化や粛清の過程に、ただただ意味のない恐怖の連鎖をみるだけになってしまうだろう。私が本書を初学者に勧めないのはそれを恐れるためでもある。
1500円という安価な値段で、このように高度な学術的内容をもつ本を気軽に読むことができるのは大変有り難い。しかし、専門家以外の広い読者を想定するのであれば、今一度枠組みや表現を練り直して、新たな資料から得られた知見を、そこまでの予備知識を持たない人にもわかりやすい形で提示すべきではなかったか。濃密な内容をもつ良書であるだけに、その点がやや惜しまれる。
2007年4月2日に日本でレビュー済み
東西冷戦の終結から一回りを経て、ソ連という国家は何であったのか、政治史や経済史、文明史など、様々なレベルで考察が進められているが、明快な答えはまだないというのが穏当なところであろう。
このような問題に対して、本書はモロトフという個人に焦点を当てて、ソ連の歴史を考察していく。ソ連の成立から崩壊までをこのようなユニークな観点から探ることで、党が所有していたという歴史上類稀なその性質を明らかにする。
その着眼点のユニークさ及び考察の濃密さが本書の特徴である。
このような問題に対して、本書はモロトフという個人に焦点を当てて、ソ連の歴史を考察していく。ソ連の成立から崩壊までをこのようなユニークな観点から探ることで、党が所有していたという歴史上類稀なその性質を明らかにする。
その着眼点のユニークさ及び考察の濃密さが本書の特徴である。
2005年5月24日に日本でレビュー済み
特定の「思想」のもとに「かくあるべし」という強固な意思のもとで作られた人工国家。それがソ連である。思想を現実化する過程で発生する矛盾を、思想ではなく悪意ある内部関係者のせいにし、片っ端から弾圧していったソ連史を見るとき、その「悪」は、決して個人のパーソナリティのためではないことがはっきりする。
農民ソビエトの支持で政権掌握に成功したボリシェビキが次になしたことは農民の徹底的な弾圧だった。政権掌握時に約束した農地所有権を取り上げ、集団農場で強制労働をさせ、貨幣ではなく暴力をもって農村から食料調達を行ったことを、「貨幣の死滅」だの「市場の廃絶」として擁護する共産主義者たちの心理とは、いったい何なのだろう。過剰な食料徴発のために、農村では餓死者が出ているのである。
農民ソビエトの支持で政権掌握に成功したボリシェビキが次になしたことは農民の徹底的な弾圧だった。政権掌握時に約束した農地所有権を取り上げ、集団農場で強制労働をさせ、貨幣ではなく暴力をもって農村から食料調達を行ったことを、「貨幣の死滅」だの「市場の廃絶」として擁護する共産主義者たちの心理とは、いったい何なのだろう。過剰な食料徴発のために、農村では餓死者が出ているのである。
2004年9月25日に日本でレビュー済み
レーニン・スターリンの時代に人権抑圧の中心人物となったモロトフの記録は、欧米やソ連国内にも殆どないそうです。自伝を書かず、公の場で極端に口数が少ない人物について記すのは、下斗米氏もさぞ大変だったでしょう。ただし、そのおかげで、本書は読み応えのある1冊に仕上がっています。下斗米氏の著作は今までに数冊読みましたが、本書では、抑圧の中心にいた人物の視点を盛り込むことで、より一層ソ連の矛盾をトレースし、確認し易くなったと言えます。レーニン時代から広範囲に普及していた、党官僚制、大量処刑、飢餓、強制収容所。さらに、それに伴う数々の矛盾。具体的には、労働者が殆どいない場所で労働者革命が起こると言う神話、革命を担った農民に対して仕掛けた戦争、経済破綻を社会主義のモデルと見なす情けなさ、等等。これら様々な矛盾が、スターリンの時代でピークに達し、フルシチョフ以降の時代も解消できず、やがては国家自体が崩壊に至るまでの、抑圧的な国家の軌跡が丁寧にまとめられていると思います。
1つの政党によって70年以上私物化された国家というのは、世界史の中でも珍しい。言い換えれば人権蹂躙が頻繁に横行した訳ですが、それ故にソ連の無数の悪事は、体制そのものの罪であり、特定の個人に責任転嫁できるものではない。教会関係者の公開銃殺をトロツキーが提案し、レーニンとスターリンがそれを熱烈に支持したという挿話は、共産主義政権を担うものは誰であれ、抑圧に手を染め易い事を示しています。
モロトフはレーニンやスターリンのように頻繁に表舞台に登場した訳ではなく、トロツキーやブハーリンのように明瞭な体制批判を行った訳でもない。従って比較的マイナーな人物ですが、数々の人権蹂躙に常に関与していた彼の視点から、ソ連という、非人間的なシステムの歴史を振り返るのも無駄ではないと思います。
1つの政党によって70年以上私物化された国家というのは、世界史の中でも珍しい。言い換えれば人権蹂躙が頻繁に横行した訳ですが、それ故にソ連の無数の悪事は、体制そのものの罪であり、特定の個人に責任転嫁できるものではない。教会関係者の公開銃殺をトロツキーが提案し、レーニンとスターリンがそれを熱烈に支持したという挿話は、共産主義政権を担うものは誰であれ、抑圧に手を染め易い事を示しています。
モロトフはレーニンやスターリンのように頻繁に表舞台に登場した訳ではなく、トロツキーやブハーリンのように明瞭な体制批判を行った訳でもない。従って比較的マイナーな人物ですが、数々の人権蹂躙に常に関与していた彼の視点から、ソ連という、非人間的なシステムの歴史を振り返るのも無駄ではないと思います。