日本人は世界の中で異質な存在と思っていたが、こういうことだったのかと思い巡らすことのできる本である。
更なる研究とそれによる多範囲な考察がなされることを期待する。
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日本人の脳に主語はいらない (講談社選書メチエ 410) 単行本 – 2008/4/10
月本 洋
(著)
内田樹さん絶賛!! “「身体で読む」私には、たいへん腑に落ちる説明である。”
脳科学が明かす日本語の構造
英語で“I love you.”とは言っても、日本人は決して「私はあなたを愛している」などとは言わない。「雨が降る」を英語で言うと、“It rains.”のように「仮主語」が必要になる。――これはどうしてか?人工知能研究と脳科学の立場から、言語について実験と分析を重ねてきた著者が発見した新事実。それは、日本語の音声がもつ特徴と、主語を必要としない脳の構造とが、非常に密接な関係にあることだった。斬新な視点による分析と、工夫をこらした実験、先行研究への広範な検討を重ねて、主語をめぐる長年の論争に大きな一石を投じる、衝撃の書!
脳科学が明かす日本語の構造
英語で“I love you.”とは言っても、日本人は決して「私はあなたを愛している」などとは言わない。「雨が降る」を英語で言うと、“It rains.”のように「仮主語」が必要になる。――これはどうしてか?人工知能研究と脳科学の立場から、言語について実験と分析を重ねてきた著者が発見した新事実。それは、日本語の音声がもつ特徴と、主語を必要としない脳の構造とが、非常に密接な関係にあることだった。斬新な視点による分析と、工夫をこらした実験、先行研究への広範な検討を重ねて、主語をめぐる長年の論争に大きな一石を投じる、衝撃の書!
- 本の長さ248ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/4/10
- ISBN-104062584107
- ISBN-13978-4062584104
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/4/10)
- 発売日 : 2008/4/10
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 248ページ
- ISBN-10 : 4062584107
- ISBN-13 : 978-4062584104
- Amazon 売れ筋ランキング: - 549,116位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年2月23日に日本でレビュー済み
本書は何の本か?どうも文法の本であるらしい。
日本語文法の研究は、書かれた文章を対象に行われてきた。
しかも英語文法を、その妥当性も分からず無理に日本語に当てはめようとして、今も大混乱中。
しかし「言語は音声である」というまっとうな前提と、進歩著しい測定法のおかげで、いろいろなことが分かる。
測定データを基にする仮説の一つが、英語脳では右脳から左脳への信号遅れで「間が持てない」ので代名詞を挟むというもの。
これは大変面白い見方といえる。
本書には書いていないが、評者は英語は話す速度が速すぎて「間が持てない」ことも理由にあげられるのではないかと感じている。
本書を読んでいると、日本語・英語は両極端へと進化した言葉のようで、これも興味深い。
また、文法に関わらなくても、つまみ食いできるトピックスがいくつもあってとても参考になる。
例えば、足を動かすことを想像しただけで実際に神経信号が足に送られる、とか。
日本語文法の研究は、書かれた文章を対象に行われてきた。
しかも英語文法を、その妥当性も分からず無理に日本語に当てはめようとして、今も大混乱中。
しかし「言語は音声である」というまっとうな前提と、進歩著しい測定法のおかげで、いろいろなことが分かる。
測定データを基にする仮説の一つが、英語脳では右脳から左脳への信号遅れで「間が持てない」ので代名詞を挟むというもの。
これは大変面白い見方といえる。
本書には書いていないが、評者は英語は話す速度が速すぎて「間が持てない」ことも理由にあげられるのではないかと感じている。
本書を読んでいると、日本語・英語は両極端へと進化した言葉のようで、これも興味深い。
また、文法に関わらなくても、つまみ食いできるトピックスがいくつもあってとても参考になる。
例えば、足を動かすことを想像しただけで実際に神経信号が足に送られる、とか。
2021年2月26日に日本でレビュー済み
この書『日本人の脳に主語はいらない』は、著者によれば、正確には『日本語を母語にする人の脳は、主語や人称代名詞をあまり必要としない』ということだそうです。トーンがずっと弱いけれども、結果的に強いタイトルにしてあるのはちょっとフェイクさを感じさせます。で、私からは、『(論理無用の)日本人の脳に主語はいらない』と言い換えて、実態を的確に意味づけておく必要があると思います。つまり、主語を必要としないで主題で済ます姿勢と、論理に即さない、普遍に向かわない姿勢が同列にあるのです。だから、論理なしでは済まさない心ある日本人は主語なしでよいとはしないでしょう。著者には別途、『日本語は論理的である』という書がありますが、そこで日本語の論理性を証明できていません。
2012年3月15日に日本でレビュー済み
おそらく、人工知能研究の副産物としての成果が本書の内容だと思います。
今までの、言語哲学、認知言語学、心理学、医学の成果を取り込んで、言語の扱いを
発展的に工学的なフレームワークに落とし込もうとする姿勢が見受けられます。
人間の脳がどのように言語を処理するのか、仮想レイヤーの存在、
右脳と左脳の特徴、そのモデル化の方向性に対してひとつの解を導き出すのに
成功しているではないかと感じました。
学生時代に人工知能論の講義をとったことがある身としては、
すばらしい内容で、多くのインスピレーションが得られました。
今までの、言語哲学、認知言語学、心理学、医学の成果を取り込んで、言語の扱いを
発展的に工学的なフレームワークに落とし込もうとする姿勢が見受けられます。
人間の脳がどのように言語を処理するのか、仮想レイヤーの存在、
右脳と左脳の特徴、そのモデル化の方向性に対してひとつの解を導き出すのに
成功しているではないかと感じました。
学生時代に人工知能論の講義をとったことがある身としては、
すばらしい内容で、多くのインスピレーションが得られました。
2008年4月19日に日本でレビュー済み
本書は、前半が「身体運動意味論」という著者がやっている言語学分野の紹介に当てられ、後半がタイトルにもなっている脳と主語の有無との関わりの考察に当てられている。
新しい学問を紹介する本という観点からはわかりやすく解説している。人間は言葉の意味を理解するとき、脳内では実際にそれを経験するのと類似した反応が起こるのだという。つまり、言葉の理解には「身体性」があるのだと考えられる。そこに踏みこむには「イメージ」の考察が大切になる。現在、日本やアメリカで隆盛にある認知言語学の延長上にあり、ちょうど認知言語学でやっていることに実験を加えたような分野だと考えればいいのだろう。さらに、著者はこの分野が認知言語学(本文では認知意味論となっているが、おそらく言いたかったのは認知言語学のほうではないだろうか)と生成文法とを融合したものになる可能性をほのめかす。これからの学問に携わる者であれば、それくらいの志の高さは持つべきだろう。
ただ、議論があまりにも荒く感じる。例に出される基本的な言語学の知識に著者なりのざっくりとした「あまりに割り切った理解」が気になる。また、脳のある部分が活性化したことで大胆な仮説を立てるのだが、脳の役割がそれほど単純明快に場所で割り切れるものか、不安になった。この学問にも大きな存在意義があると思うが、著者のような白黒はっきりしたようなやり方で本当に言語の真理に近づけるのか。
その流れの中、後半で「脳の使い方の特徴から、母音重視の言語(日本語やポリネシアン地域の言語)では主語や人称代名詞を省略する傾向がある」という大胆な仮説が出される。前半ではさんざん音と意味のことを論じ、構造・文法についてさほど重視しなかったのに、いきなり音と構造を比較するのはどうかと感じた。被験者の数もあまりに少ない気がする。また、著者は「脳のこの部分とこの部分が使われるから、こうこうだと考えられる」といった説明をよくするのだが、その部分が本当にそんな単一に特化した機能をしているのか。あまりに議論の立て方が荒いのではないのか。
ここで議論されるべきは、音と構造の比較である。たとえば日英比較で言えば、英語はSVO言語で子音重視、日本語はSOV言語で母音重視であるなら、それらの構造の違いから母音の軽重の違いは論じられうるのではないだろうか。母音の多さと主語のなさとの関係を脳の使い方を(しかも、サンプルの少ない部分活性化のみで)説明できる根拠が希薄だと感じた。
著者の仮説はたいへん魅力的だが、肝心の論考にあまりに飛躍が多く、説得力があまりに小さい。それより何より、前半であれほど論じられた「イメージ」は結局どこに行ったのだと、読んでいて途方に暮れてしまった。
新しい学問を紹介する本という観点からはわかりやすく解説している。人間は言葉の意味を理解するとき、脳内では実際にそれを経験するのと類似した反応が起こるのだという。つまり、言葉の理解には「身体性」があるのだと考えられる。そこに踏みこむには「イメージ」の考察が大切になる。現在、日本やアメリカで隆盛にある認知言語学の延長上にあり、ちょうど認知言語学でやっていることに実験を加えたような分野だと考えればいいのだろう。さらに、著者はこの分野が認知言語学(本文では認知意味論となっているが、おそらく言いたかったのは認知言語学のほうではないだろうか)と生成文法とを融合したものになる可能性をほのめかす。これからの学問に携わる者であれば、それくらいの志の高さは持つべきだろう。
ただ、議論があまりにも荒く感じる。例に出される基本的な言語学の知識に著者なりのざっくりとした「あまりに割り切った理解」が気になる。また、脳のある部分が活性化したことで大胆な仮説を立てるのだが、脳の役割がそれほど単純明快に場所で割り切れるものか、不安になった。この学問にも大きな存在意義があると思うが、著者のような白黒はっきりしたようなやり方で本当に言語の真理に近づけるのか。
その流れの中、後半で「脳の使い方の特徴から、母音重視の言語(日本語やポリネシアン地域の言語)では主語や人称代名詞を省略する傾向がある」という大胆な仮説が出される。前半ではさんざん音と意味のことを論じ、構造・文法についてさほど重視しなかったのに、いきなり音と構造を比較するのはどうかと感じた。被験者の数もあまりに少ない気がする。また、著者は「脳のこの部分とこの部分が使われるから、こうこうだと考えられる」といった説明をよくするのだが、その部分が本当にそんな単一に特化した機能をしているのか。あまりに議論の立て方が荒いのではないのか。
ここで議論されるべきは、音と構造の比較である。たとえば日英比較で言えば、英語はSVO言語で子音重視、日本語はSOV言語で母音重視であるなら、それらの構造の違いから母音の軽重の違いは論じられうるのではないだろうか。母音の多さと主語のなさとの関係を脳の使い方を(しかも、サンプルの少ない部分活性化のみで)説明できる根拠が希薄だと感じた。
著者の仮説はたいへん魅力的だが、肝心の論考にあまりに飛躍が多く、説得力があまりに小さい。それより何より、前半であれほど論じられた「イメージ」は結局どこに行ったのだと、読んでいて途方に暮れてしまった。
2008年5月31日に日本でレビュー済み
この著書に関する限り、遅読をおすすめします。速読では著者が何故この本を
描きたかったのかが、はっきりと読み取れないからです。
文字や数字の下に隠れている、著者の心が見えてくると、なるほど と頷いてしまうでしょう
著者の月本氏は、データマイニング、人工知能、を専攻する工学博士でありその著書も
多々ある。本書は氏の専門知識をベースに 脳科学 言語学 心理学 等を駆使して
母音と子音の処理から書き起こし、言葉や心の理解の研究、文法論に至る手腕は迷宮の扉を一枚ずつ開けてゆくように興味深く読み進むことができる。
専門用語はつかわず解りやすい言葉に直してあり、種々の例や例文も平易で読みやすい。
文章の流れが良いのは、著者が文学青年であった事を思わせる。
この一書、自分発見のヒントになりそうな側面を持っていることに注目したい。
ただし、データ不足、実験不足の点は否めないので、更なる研究に期待。
描きたかったのかが、はっきりと読み取れないからです。
文字や数字の下に隠れている、著者の心が見えてくると、なるほど と頷いてしまうでしょう
著者の月本氏は、データマイニング、人工知能、を専攻する工学博士でありその著書も
多々ある。本書は氏の専門知識をベースに 脳科学 言語学 心理学 等を駆使して
母音と子音の処理から書き起こし、言葉や心の理解の研究、文法論に至る手腕は迷宮の扉を一枚ずつ開けてゆくように興味深く読み進むことができる。
専門用語はつかわず解りやすい言葉に直してあり、種々の例や例文も平易で読みやすい。
文章の流れが良いのは、著者が文学青年であった事を思わせる。
この一書、自分発見のヒントになりそうな側面を持っていることに注目したい。
ただし、データ不足、実験不足の点は否めないので、更なる研究に期待。
2009年6月22日に日本でレビュー済み
著者が‘おわりに’で述べている通り、言語学と脳科学と心理学等にまたがった内容。
前半に脳科学に重きを置いた言語学的内容で題を忘れそうになりかけた。後半に比較言語学的な波に打ちのめされる。全体の流れは一貫性があるのに、内容にまとまりを感じられないのは読者の知識が及ばない為なのでしょう。
扱っている対象は実に面白いと思われる。
前半に脳科学に重きを置いた言語学的内容で題を忘れそうになりかけた。後半に比較言語学的な波に打ちのめされる。全体の流れは一貫性があるのに、内容にまとまりを感じられないのは読者の知識が及ばない為なのでしょう。
扱っている対象は実に面白いと思われる。