大変面白いです。
辞典というより読み物になっていて、どの項目も飽きません。
「講談社選書メチエ」は、比較的硬めの本が多いのですが、これは異色の一冊です。
ある時期好んで使われていた言葉が、なんらかの理由で使われなくなり、「誰も知らない」状態になる。
それを時代背景や、実際に作家に使われていた例などを挙げながら、軽快な文章で説明しています。
評者は60代半ばの年齢なので、さすがにかなりわかる言葉が多いのですが、
それでも、戦前の学生言葉などは、知らないものも多かったです。
評者が所属しているあるところで、30歳の女性、20歳前後の女子学生たちに、
本書から抜き出した
「アナウンサー、アベック、いけいけ姉ちゃん、MMK、オストアンデル、
ぐりはま、薩摩の守、三高、シャッポを脱ぐ、テクシー、
とんでもハップン、話がピーマン、みいちゃんはあちゃん、メートルを上げる、メッチェン、
モーションをかける、宿六、山の神、ヤンエグ、冷コー」
の20語を取り出して聞いてみたら、年齢によって少しづつ違いますが、
「アベック(アベックホームランと言うから)、いけいけ姉ちゃん(なんとなく)
みいちゃんはあちゃん(ミーハーなら知っているから)、冷コー(使わないけど)」
くらいしか分からないそうです。
「宿六、山の神」を全く知らないのはショックでした。
ちなみに評者が全く知らなかったのは「アナウンサー、MMK、オストアンデル」です。
(オストアンデルは傑作で、学生たちにも大うけでした。wwwという感じ。
そのため、「オストアンデル」を差し入れする羽目になりました。)
世代を超えて楽しめる本ですね。
みんなが読めるように一冊、自分で読むように一冊と、二冊買いました。
巻末の「解説」も興味深いです。
その中の「やがて死語になるかも知れない今の言葉」の中から「聖地巡礼、ファボ、飯テロ」も聞いてみたら、
若い人は全勝でした。
評者は「君の名は。」のおかげでやっと「聖地巡礼」が分かる程度で、これも盛り上がりました。
知人にも読ませたいので、三冊目を注文するつもりです。
それにしても「ようこそ死語の世界へ」という帯の言葉、秀逸です。

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俗語発掘記 消えたことば辞典 (講談社選書メチエ) 単行本(ソフトカバー) – 2016/12/10
米川 明彦
(著)
メッチェン、モダンガール、ニコポン、人三化七、土曜夫人、ヤンエグ、アッシー君……消えて行った日本語=死語、そのなかでも一段品の落ちる単語=俗語ばかりを収録。辞典風に五十音順に並べ、さらに詳細な説明や派生を加えた。俗語研究の第一人者による、ひとつの近代日本史。
消えて行った日本語=死語、そのなかでも一段品の落ちる単語=俗語ばかりを収録。辞典風に五十音順に並べ、さらに詳細な説明や派生を加えた。俗語研究の第一人者による、ひとつの近代日本史。
メッチェン、モダンガール、ニコポン、人三化七、土曜夫人、ヤンエグ、アッシー君……時代に強烈なインパクトを与え、しかし公に使われるわけはないことばたちは、いつの時代も存在した。それらの多くは次第に人々の感覚と合わなくなり、あるいは世相の変化でそれが表す対象を失い、いつの間にか役目を終えて、消えていく。
そんな言葉ばかり約100語をピックアップ。その成り立ちは単語を縮め、くっつけ、ふざけ倒し……実に気が利いている。明治から現代までの時代背景が、どのページからも強く立ち上ってくる。
消えて行った日本語=死語、そのなかでも一段品の落ちる単語=俗語ばかりを収録。辞典風に五十音順に並べ、さらに詳細な説明や派生を加えた。俗語研究の第一人者による、ひとつの近代日本史。
メッチェン、モダンガール、ニコポン、人三化七、土曜夫人、ヤンエグ、アッシー君……時代に強烈なインパクトを与え、しかし公に使われるわけはないことばたちは、いつの時代も存在した。それらの多くは次第に人々の感覚と合わなくなり、あるいは世相の変化でそれが表す対象を失い、いつの間にか役目を終えて、消えていく。
そんな言葉ばかり約100語をピックアップ。その成り立ちは単語を縮め、くっつけ、ふざけ倒し……実に気が利いている。明治から現代までの時代背景が、どのページからも強く立ち上ってくる。
- 本の長さ256ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2016/12/10
- 寸法13 x 1.5 x 18.9 cm
- ISBN-104062586436
- ISBN-13978-4062586436
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商品の説明
著者について
米川 明彦
1955年生まれ。梅花女子大学教授。学術博士。専攻分野は日本語語彙研究・手話研究。編著書に『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』(三省堂)『若者ことば辞典』『集団語辞典』『業界用語辞典』(以上、東京堂出版)、『新語と流行語』(南雲堂)など多数。
1955年生まれ。梅花女子大学教授。学術博士。専攻分野は日本語語彙研究・手話研究。編著書に『明治・大正・昭和の新語・流行語辞典』(三省堂)『若者ことば辞典』『集団語辞典』『業界用語辞典』(以上、東京堂出版)、『新語と流行語』(南雲堂)など多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2016/12/10)
- 発売日 : 2016/12/10
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 256ページ
- ISBN-10 : 4062586436
- ISBN-13 : 978-4062586436
- 寸法 : 13 x 1.5 x 18.9 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 570,818位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 612位講談社選書メチエ
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2017年2月25日に日本でレビュー済み
死語辞典のたぐいは時々出版されます。本書がそれらと異なるのは次の2点です。範囲が俗語に限定されていること、もう一つは、語彙の説明を辞典のように体系的な説明がされていることです。
対象が「俗語」なので語感や用例をふくめて文字になったものを見る機会が少ないと思われますが、それが辞典風にちゃんと説明されていると、あらためてそうだったのかと納得してしまいます。懐かしさとともに、そういう楽しさもあります。
興味深く読んだなかからいくつか挙げます。
蒲鉾ブス、銀ブラ、クルクルパー、シャン、ちちんぷいぷい、ちゃりんこ、テクシー
対象が「俗語」なので語感や用例をふくめて文字になったものを見る機会が少ないと思われますが、それが辞典風にちゃんと説明されていると、あらためてそうだったのかと納得してしまいます。懐かしさとともに、そういう楽しさもあります。
興味深く読んだなかからいくつか挙げます。
蒲鉾ブス、銀ブラ、クルクルパー、シャン、ちちんぷいぷい、ちゃりんこ、テクシー