しかし、これで完結と言われても納得できない、というのが正直な感想です。
今までにはられた多くの伏線や謎、言葉だけで伝えられた未来においての事象。確かに全ての謎が解けるとは思っていなかったのですが、この最終巻にて、新たに用意された伏線や謎は何なのか。
この小説は少女小説という枠を超えた表現（THのターゲット向きではないと思う…）や構成、発想が強い魅力です。何年もあいたブランクの間もひたすら新刊を待ちました。その期待の大きさゆえに、物足りなさを感じたのかもしれません。
主人公達の未来（どんなことが起こるのか、どのように亡くなるのか等）は、情報によっておぼろげながら読者は分かっています。しかし、何故、そんな事態になるのかがまだ謎のままです。
この物語は決定論、未来にある運命は変えることが出来ません。主人公達がどんな経験をして未来の姿になるのか、描かれなかったエピソードを、皆川さんにいつか書く意思があるのなら、いつまでも待とうと思える魅力はある物語です。
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