三巻に至っても未だ何度も行きつ戻りつしながら読んでゐます。登場人物の絡みが分からなくなる事が度々起こるのです。登場人物の名前は、会話に出て来るだけなので、初出時、再出時によく注意して画像ｲﾒｰｼﾞをｲﾝﾌﾟｯﾄしないといけません。ｱﾊﾞｳﾄにやってゐると後で大変な事になります。
これと少し似てゐるのが、地理的な場面がどこかといふ意識です。この物語、場面転換が頻繁に起きてゐるので、うっかり読んでゐると場面がどの地理的位置かが見えてない事になり、これまたｱｳﾄになってしまひます。
だから、疲れてゐたり、眠かったりしたら本書はすらすらと前には進めないのではないでせうか。そんなわけで昨日は、結果的に一巻から読み直した感じになってしまひました。
そして、改めて感じましたのは本書は、情報戦的な007のやうなｱｸｼｮﾝﾄﾞﾗﾏの要素と主人公の少年の正義感の揺れながら成長するﾋﾞｲﾙﾄﾞｩﾝｸﾞｽﾛﾏﾝの要素の二つの軸としてﾕｰｺﾞｽﾗﾋﾞｱのﾊﾟﾙﾁｻﾞﾝ戦争を描いてゐるんだなあといふ事です。
更に、少年の葛藤は、深いです。兄と信じた従兄のｲｳﾞｧﾝをどう考へるべきか？ﾕｰｺﾞの売国奴なのか、それとも、別の真実があるのか？ そして、幼馴染みのﾌｨ-は助けられるのか？
諸々の答が出るまでには未だ未だ大分かかるでせう。じっくり味はひたく存じます。
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