わずか26歳の若さでこの作品を書き上げたグレッグ・ルッカ。
この作品の内容が内容だけに、よくこれだけ若い人が中絶というテーマを踏まえたボディガード作品を書き上げたなって正直感心しました。
この若さやからこそ、今までにないような展開を生み出せたと思うし、荒削りなところもあるけどそれも新鮮な魅力の一つです。
ボディガードといえばケビン・コスナーの映画を思い出すけど、あんな大雑把な展開ではなくて、この作品は凄く繊細で緊張感が漲ってました。
主人公のコディアックが今までのヒーロー像にも当てはまらないのがいいですよ。
脇を固める登場人物の描写も素晴らしいし、深く切り込んで書いてるので背景もよく分かります。
個人的には私立探偵のブリジットが凄く気に入りました。
彼女とコディアックの会話ってお互いの距離を楽しんでるかのようでした。
アメリカという国は中絶に関しては凄く敏感な国なんですね。
反対派がクリニックを爆破したり医師を殺害したりする事件が実際に起こってるんですよ。
胎児を殺すのに反対してるのに医師を殺してしまうって矛盾してますよね。
アメリカが抱える中絶問題も描かれてる一冊でした。
続編が何冊が発売されてるので、続けて読んでいきたいです。
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守護者 (講談社文庫) 文庫 – 1999/3/12
息をのむ大型新人のアクション・スリラ-!NYは妊娠中絶合法化をめぐって緊迫。反対派の度重なる脅迫に危険を感じロメロ医師はボディガ-ドを雇う。プロ魂に燃えるボディガ-ドたちの命を賭けた7日間!
- 本の長さ528ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日1999/3/12
- ISBN-104062645149
- ISBN-13978-4062645140
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商品の説明
著者について
【グレッグ・ルッカ】
1970年、サンフランシスコ生まれ。ニューヨーク州ヴァッサー大学卒。南カリフォルニア大学創作学科で修士号を得る。1996年、プロのボディーガードを主人公にした本書でデビュー、PWA最優秀処女長編賞候補に。続いてFinder、Smokerと快調にヒットを飛ばす。アンドリュー・ヴァックスが絶賛した大型新人。
【古沢嘉通】
1958年、北海道生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒業。マクドナルド『火星夜想曲』(ハヤカワ文庫SF)、コナリー『ザ・ポエット』『トランク・ミュージック』(扶桑社)など翻訳書多数。
1970年、サンフランシスコ生まれ。ニューヨーク州ヴァッサー大学卒。南カリフォルニア大学創作学科で修士号を得る。1996年、プロのボディーガードを主人公にした本書でデビュー、PWA最優秀処女長編賞候補に。続いてFinder、Smokerと快調にヒットを飛ばす。アンドリュー・ヴァックスが絶賛した大型新人。
【古沢嘉通】
1958年、北海道生まれ。大阪外国語大学デンマーク語科卒業。マクドナルド『火星夜想曲』(ハヤカワ文庫SF)、コナリー『ザ・ポエット』『トランク・ミュージック』(扶桑社)など翻訳書多数。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (1999/3/12)
- 発売日 : 1999/3/12
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 528ページ
- ISBN-10 : 4062645149
- ISBN-13 : 978-4062645140
- Amazon 売れ筋ランキング: - 309,484位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2015年9月20日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
現在のハードボイルドシーンでは、西のマイクル・コナリー:ボッシュシリーズ、東のグレッグ・ルッカ:アティカス・コディアックシリーズが双璧だ、とボッシュシリーズの訳者あとがきで両方の翻訳家古沢嘉通氏が書いていたので、ボッシュシリーズに匹敵するハードボイルドにありつけると喜び勇んで「守護者」からはじめ、「奪回者」「暗殺者」と読みすすめました・・・がしかし、残念ながら古沢氏の推薦だと言っても正直ボッシュシリーズと比較するのは、いろんな意味でまずいと思います。ボッシュシリーズのレビューを見て頂ければそれは直ぐに分かります。
比較はこれくらいにして、内容についてコメントを・・・
まずアティカス・コーディアック三部作は、ボディガードという職業が新鮮だったので、結構楽しめます。また、大きい話の構成も(ボディガードという職種の新鮮さからだと思うが)魅力は十分あると思います。ただ、残念なことに、ポカが多い。折角話の展開が面白くなってきたな〜と思ったら、登場人物の誰かがリアリティがない行動を取る、もしくはそのシーンを挿入しても、箸休めとして後の展開に役立つのか???と?が発してしまうことが何度もありました。ここら辺りがまだ小説としての若さか?と見逃しつつクライマックスを期待して何とか読み進めるのだが、、、残念!クライマックスがクライマックスにならないまま、、、
比較はこれくらいにして、内容についてコメントを・・・
まずアティカス・コーディアック三部作は、ボディガードという職業が新鮮だったので、結構楽しめます。また、大きい話の構成も(ボディガードという職種の新鮮さからだと思うが)魅力は十分あると思います。ただ、残念なことに、ポカが多い。折角話の展開が面白くなってきたな〜と思ったら、登場人物の誰かがリアリティがない行動を取る、もしくはそのシーンを挿入しても、箸休めとして後の展開に役立つのか???と?が発してしまうことが何度もありました。ここら辺りがまだ小説としての若さか?と見逃しつつクライマックスを期待して何とか読み進めるのだが、、、残念!クライマックスがクライマックスにならないまま、、、
2012年1月30日に日本でレビュー済み
初めてボディーガードが主人公の小説を読みましたが、依頼人を警護していく中での心の揺れ動き方、そしてその方法や警察、FBIとの力関係、近接格闘の表現力など、どれも詳しく書かれており引き込まれるように読むことができました。
また、妊娠中絶という答えのない問題をとてもうまく男女の関係や様々な人物に語らせていて、アメリカの実情とともに考えさせられました。個性的なキャラクターの数々もこの小説のストーリーを盛り上げています。
悲しいラストですが、これを主人公アティカス・コディアックたちがどう受け止め成長していくのか、次回作を読まずにはいられないと思います。
また、妊娠中絶という答えのない問題をとてもうまく男女の関係や様々な人物に語らせていて、アメリカの実情とともに考えさせられました。個性的なキャラクターの数々もこの小説のストーリーを盛り上げています。
悲しいラストですが、これを主人公アティカス・コディアックたちがどう受け止め成長していくのか、次回作を読まずにはいられないと思います。
2007年12月31日に日本でレビュー済み
24時間週7日間の保護。 それでも絶対の保障はありえない。
狂信的な中絶反対組織から女性医師とその娘の命を守る
プロのボディーガードチームのリアルな姿を描いた長編小説。
「警察は逮捕するのが仕事だ。
もし連中が銃をもった何者かを見たら、先ずその男を追いかけることであり、
狙われた相手を守るのは二の次になる。」
24時間全て息もつかせぬストーリー展開。 主人公のコディアックは少し感情に走ってしまうところがあが、
それを乗り越えクライアントを守り抜く。
狂信的な中絶反対組織から女性医師とその娘の命を守る
プロのボディーガードチームのリアルな姿を描いた長編小説。
「警察は逮捕するのが仕事だ。
もし連中が銃をもった何者かを見たら、先ずその男を追いかけることであり、
狙われた相手を守るのは二の次になる。」
24時間全て息もつかせぬストーリー展開。 主人公のコディアックは少し感情に走ってしまうところがあが、
それを乗り越えクライアントを守り抜く。
2011年2月25日に日本でレビュー済み
本書は、グレッグ・ルッカが26才で書き上げ、’96年に発表されたデビュー長編であると共に、番外編を含めて7作続き、“世界最強のハードボイルド”という惹句が付けられた、プロのボディーガード(パーソナル・セキュリティ・エージェント)、<アティカス・コディアック>シリーズの第1弾である。’97年度、PWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)が主催するシェイマス賞の最優秀新人賞にノミネートされた。
評論家の北上次郎はかつて現在刊行中の翻訳ミステリーものの中で、マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ>シリーズを東の横綱、本シリーズを西の横綱という番付をしている。<ハリー・ボッシュ>シリーズの長編全部と本シリーズの4作目までの訳出が古沢嘉通であるところは興味深い。
本書で初登場する‘わたし’ことコディアックは28才。183センチ、86キロ。淡い茶色の瞳で眼鏡をかけ、左耳にふたつのフープピアスをはめている。陸軍の要人保護訓練を終了し、陸軍憲兵隊犯罪捜査部に勤務、除隊して3年になり、ニューヨークで個人を保護するフリーランスのプロのボディーガードである。
ストーリーは、恋人の中絶手術に付き添った‘わたし’が中絶反対派の過激派グループから脅迫状を受けているクリニックの女性院長に、自分と16才の娘を守って欲しいと依頼されるところから始まる。間近に迫った中絶合法化賛成派と反対派双方が集う「共通基盤作成会議」に向けて、‘わたし’は3人の仲間を集めて24時間体制の警護をおこなう。しかし、警護12日目の朝、院長の自宅で娘が外部から何者かに狙撃され懸命の蘇生措置にもかかわらず命を落とす。中絶反対派の過激派グループの仕業か・・・。
執拗な脅迫はなおも続き、「会議」当日。今度は過激派の手による爆弾騒ぎが起こる。やがて暴力の矛先は院長のみならず‘わたし’にも向けられる。
とにかく、いつ、何が起こるかわからない緊迫のシーンの連続に読者は目が離せない。そして事件の実行犯が判明したラスト、複数の命を失う悲惨なやるせない結果に‘わたし’は打ちのめされる。
プロ魂に燃え、タフに着実に警護の腕を振るいながらも、意外に繊細でナイーヴな一面を持つ、等身大の青年ヒーローの登場である。
評論家の北上次郎はかつて現在刊行中の翻訳ミステリーものの中で、マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ>シリーズを東の横綱、本シリーズを西の横綱という番付をしている。<ハリー・ボッシュ>シリーズの長編全部と本シリーズの4作目までの訳出が古沢嘉通であるところは興味深い。
本書で初登場する‘わたし’ことコディアックは28才。183センチ、86キロ。淡い茶色の瞳で眼鏡をかけ、左耳にふたつのフープピアスをはめている。陸軍の要人保護訓練を終了し、陸軍憲兵隊犯罪捜査部に勤務、除隊して3年になり、ニューヨークで個人を保護するフリーランスのプロのボディーガードである。
ストーリーは、恋人の中絶手術に付き添った‘わたし’が中絶反対派の過激派グループから脅迫状を受けているクリニックの女性院長に、自分と16才の娘を守って欲しいと依頼されるところから始まる。間近に迫った中絶合法化賛成派と反対派双方が集う「共通基盤作成会議」に向けて、‘わたし’は3人の仲間を集めて24時間体制の警護をおこなう。しかし、警護12日目の朝、院長の自宅で娘が外部から何者かに狙撃され懸命の蘇生措置にもかかわらず命を落とす。中絶反対派の過激派グループの仕業か・・・。
執拗な脅迫はなおも続き、「会議」当日。今度は過激派の手による爆弾騒ぎが起こる。やがて暴力の矛先は院長のみならず‘わたし’にも向けられる。
とにかく、いつ、何が起こるかわからない緊迫のシーンの連続に読者は目が離せない。そして事件の実行犯が判明したラスト、複数の命を失う悲惨なやるせない結果に‘わたし’は打ちのめされる。
プロ魂に燃え、タフに着実に警護の腕を振るいながらも、意外に繊細でナイーヴな一面を持つ、等身大の青年ヒーローの登場である。
2003年1月2日に日本でレビュー済み
底に流れている「中絶・堕胎」という重苦しい問題、やるせない結末…と、ひたすら暗いだけの話に終わる要素はいくらでもある。しかしこの話はそれだけでない。主人公は「パーソナル・セキュリティー・エージェント」(ボディガードでなくこう言ってほしいそうだ)の仕事をする中で、悲しみ、痛みを背負って行く。しかし、その悲しみ、痛みを全て受け入れながら、なおかつプロフェッショナルに徹しようとする。帯にもあったが、主人公は傷つきやすく、他人の痛みに敏感な男だ。そのプロに徹しようとする姿に、そして主人公の痛みに共感できるかどうかがこの作品に共感できるかどうかの分かれ目ではないだろうか。このデビュー作からぜひ「奪回者」「暗殺者」と続けて読んでほしい作品である。