冒頭は便秘の話が長く続きますが、少し我慢して読み進めましょう。
最後は涙が止まらない。
心を浄化するための本です。
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ウランバーナの森 (講談社文庫) 文庫 – 2000/8/10
奥田 英朗
(著)
その夏、世紀のポップスター・ジョンは軽井沢で過ごした。家族との素敵な避暑が、ひどい便秘でぶち壊し。あまりの苦しさに病院通いをはじめたジョンの元へ、過去からの亡霊が次々と訪れ始めた……。大ベストセラー小説『最悪』の著者が贈る、ウイットとユーモア、そして温かい思いに溢れた喪失と再生の物語。(講談社文庫)
- 本の長さ320ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2000/8/10
- ISBN-104062649020
- ISBN-13978-4062649025
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商品の説明
著者について
1959年岐阜市生まれ。雑誌編集者を経て、広告代理店に入社、コピーライターとなる。「モノマガジン」に連載したコラムを1990年に『B型陳情団』として単行本化。本書は、著者初の小説である。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2000/8/10)
- 発売日 : 2000/8/10
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 320ページ
- ISBN-10 : 4062649020
- ISBN-13 : 978-4062649025
- Amazon 売れ筋ランキング: - 563,848位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
著者について
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1959年、岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て作家活動に入る。2002年『邪魔』で大藪春彦賞、04年『空中ブランコ』で直木賞、07年『家日和』で柴田錬三郎賞、09年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。(「BOOK著者紹介情報」より:本データは『 無理 (ISBN-13: 978-4163285801 )』が刊行された当時に掲載されていたものです)
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2013年3月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
医師という職業を持つ人物が重要な役割を果たす物語は、筆者の得意とする配役かどうか、何れにしても「助演賞」を贈りたい愛すべきキャラクターとして描かれています。ジョン=レノンのファンであればパロディの面白さ、ファンでなくても主役として新鮮な登場人物として楽しんで貰えると思います。
2020年3月13日に日本でレビュー済み
この作品の主人公はただジョンという名前が出ているだけですが、明らかに元ビートルズのジョン・レノンですね。妻のケイコはオノ・ヨーコ、息子のジュニアはショーンということになります。読み終わってまず思ったのは「ビートルズ・ファン以外の人が読んでわかるんだろうか?」ということでした。私は昔、ビートルズが好きで、関連本もいろいろ読んでいたので、ジョンが母親に世話を拒否されて叔母夫婦の元で育てられたことやそれがずっとトラウマになっていたこと、毒舌家ゆえにいろんなトラブルがあったことなど前知識があったので話がすんなりと頭に入ってきました。が、このあたりのことを何も知らなければ、この小説を読んでみてどう感じるのだろう?と??になってしまいました。
ビートルズはメンバー間や所属会社との内紛の末に解散してしまい、ジョンがオノ・ヨーコと結婚したこともその一因になりました。ヨーコは前衛芸術家で変わっていて理解されにくい人でしたし、多分にアジア人蔑視もあったと思いますが、ジョンを惑わせビートルズを壊した女としてひどいバッシングを受けました。その後、ジョンは精神的に不安定になり、音楽活動も世間に出ることもやめてしまいました。言わば休止期間であったその4年間のことを、著者奧田英朗氏があれこれ想像して創作したのがこの作品です。ジョンがヨーコの実家所有の軽井沢の別荘に、まだ幼いショーンと滞在していたのも本当のことです。
この期間を経て、新たに発表したソロ・アルバムは明らかに作風がまったく違っていました。ジョンの精神的な変化に関して奥田氏が想像されたことは、当たらずとも遠からずという感じで、何らかの安らぎや着地点を得たものと思われます。この小説中では、自分が犯したかもしれない罪、ひどく傷つけた人々、愛憎混じり合って複雑だった母親への思いなどについて、幽霊になったキース・ムーン(当時の人気バンド、ザ・フーのドラマー。薬物中毒で早世)があの世との繋ぎ役になって、いろんな人との再会や贖罪を果たします。幽霊が出てくる時点でファンタジーといっていいと思います。
ジョンが便秘で悩むのは何かの象徴なのか?便秘で力むシーンが何度も何度も出てくるのですが、別に汚いシーンだからというのではなく、同じことの繰り返しが多すぎるのでこの場面は飛ばし読みしてしまいました。個人的には、このシーンはもう少し省略してもよかったのではと思いました。
ただひとつ気になったのは、ジョンの最初の妻シンシアとその息子ジュリアンのことでした。ここではほんのちらっとだけ出てきますが「子供の頃は平凡な家庭に憧れたが、いざそれを手にしてみると、その平穏さに馴染むことができなかったのだ。最初の妻が古風な女だったということも、最初はそれを求めていたくせに(中略)ジョンにはそれが重荷だった。ジョンは責任を取りたくなかったのだ。」ということ、ジョンがシンシアにひどく当たったこと、そして終生に渡ってジュリアンを無視し続けたことやヨーコも彼を冷遇していたこと、見かねたビートルズのメンバー、ポール・マッカートニーたちがジョンを批判しジュリアンのアルバム・デビューに手を貸したことなども知られています。ここでは、ジョンもヨーコもとてもいい人に描かれすぎていて、お話なのでそれでいいのですが、他のことが事実に沿って描かれているだけに、そのあたりがなんだかすっきりしませんでした。シンシアとジュリアンも真っ先に謝るべき人たちではないのかなあ・・・。
どうしてデビュー作でジョン・レノンだったのか?あとがきで奥田氏は、4年間の空白を置いて発表されたアルバムが実に穏やかになっていた、「空白の4年間に何があったのか、その部分を埋めてみたかった」というのが、この小説を執筆した動機だと書いています。ただ、ビートルズは永遠だといえど、特に若い人にはジョンのことを知らない人も多くなってきているのでは・・。デビュー作でこのテーマは、結構リスキーじゃないのか?そんなことも考えてしまいました。
奥田氏作品は、「東京物語」、「邪魔」と、まだ3作目です。すでにこの3作だけでもまるで違う作家が書いたかのように作風がまったく違います。次は「最悪」が控えているのですが、これからも読んでいくのが楽しみです。
ビートルズはメンバー間や所属会社との内紛の末に解散してしまい、ジョンがオノ・ヨーコと結婚したこともその一因になりました。ヨーコは前衛芸術家で変わっていて理解されにくい人でしたし、多分にアジア人蔑視もあったと思いますが、ジョンを惑わせビートルズを壊した女としてひどいバッシングを受けました。その後、ジョンは精神的に不安定になり、音楽活動も世間に出ることもやめてしまいました。言わば休止期間であったその4年間のことを、著者奧田英朗氏があれこれ想像して創作したのがこの作品です。ジョンがヨーコの実家所有の軽井沢の別荘に、まだ幼いショーンと滞在していたのも本当のことです。
この期間を経て、新たに発表したソロ・アルバムは明らかに作風がまったく違っていました。ジョンの精神的な変化に関して奥田氏が想像されたことは、当たらずとも遠からずという感じで、何らかの安らぎや着地点を得たものと思われます。この小説中では、自分が犯したかもしれない罪、ひどく傷つけた人々、愛憎混じり合って複雑だった母親への思いなどについて、幽霊になったキース・ムーン(当時の人気バンド、ザ・フーのドラマー。薬物中毒で早世)があの世との繋ぎ役になって、いろんな人との再会や贖罪を果たします。幽霊が出てくる時点でファンタジーといっていいと思います。
ジョンが便秘で悩むのは何かの象徴なのか?便秘で力むシーンが何度も何度も出てくるのですが、別に汚いシーンだからというのではなく、同じことの繰り返しが多すぎるのでこの場面は飛ばし読みしてしまいました。個人的には、このシーンはもう少し省略してもよかったのではと思いました。
ただひとつ気になったのは、ジョンの最初の妻シンシアとその息子ジュリアンのことでした。ここではほんのちらっとだけ出てきますが「子供の頃は平凡な家庭に憧れたが、いざそれを手にしてみると、その平穏さに馴染むことができなかったのだ。最初の妻が古風な女だったということも、最初はそれを求めていたくせに(中略)ジョンにはそれが重荷だった。ジョンは責任を取りたくなかったのだ。」ということ、ジョンがシンシアにひどく当たったこと、そして終生に渡ってジュリアンを無視し続けたことやヨーコも彼を冷遇していたこと、見かねたビートルズのメンバー、ポール・マッカートニーたちがジョンを批判しジュリアンのアルバム・デビューに手を貸したことなども知られています。ここでは、ジョンもヨーコもとてもいい人に描かれすぎていて、お話なのでそれでいいのですが、他のことが事実に沿って描かれているだけに、そのあたりがなんだかすっきりしませんでした。シンシアとジュリアンも真っ先に謝るべき人たちではないのかなあ・・・。
どうしてデビュー作でジョン・レノンだったのか?あとがきで奥田氏は、4年間の空白を置いて発表されたアルバムが実に穏やかになっていた、「空白の4年間に何があったのか、その部分を埋めてみたかった」というのが、この小説を執筆した動機だと書いています。ただ、ビートルズは永遠だといえど、特に若い人にはジョンのことを知らない人も多くなってきているのでは・・。デビュー作でこのテーマは、結構リスキーじゃないのか?そんなことも考えてしまいました。
奥田氏作品は、「東京物語」、「邪魔」と、まだ3作目です。すでにこの3作だけでもまるで違う作家が書いたかのように作風がまったく違います。次は「最悪」が控えているのですが、これからも読んでいくのが楽しみです。
2020年9月10日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
お気に入りの1冊になりました。奥田氏が描く登場人物は良いひともそうでないひともみななにかチャーミングでかわいくて憎めない。子供の頃、魔法使いの話を夢中になって読んだあの時のような気持ちになりました。後書きのこの本のバックグラウンドも素敵です。読み終えた後、なんとなくビートルズが聴きたくなりました。
2009年3月13日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
好きな作家だったので、期待して購入。が!うぅ〜ん。イマイチ。
他の作品とはかなり?違う作風で、まぁそれがまた凄いとこだとは
思いますが。トピックである体調の不具合とそれを裏付ける様々な
過去の出来事。あまり綺麗なプロセスでは無いと思います。星1つ!
他の作品とはかなり?違う作風で、まぁそれがまた凄いとこだとは
思いますが。トピックである体調の不具合とそれを裏付ける様々な
過去の出来事。あまり綺麗なプロセスでは無いと思います。星1つ!
2010年10月6日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
オリンピックの身代金に続く奥田さんの作品で、ジョンレノンの空白の期間を想定した内容とのことですが、なんとも奇抜な出だしが思いもよらない展開、愛へと結び、面白かったです。
2011年5月24日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
ジョンレノンのハウスハズバンド時代、軽井沢滞在中を題材に描いた物語。
ビートルズファンにはなじみのジョンのエピソードが
たくさん取り込まれており、著者のビートルズ愛の深さが窺い知れます。
物語も摩訶不思議で、また家族愛に満ちた話でとてもおもしろかったです。
レノンファミリーがその後も幸せに暮らしてくれたらなあ!と思っちゃいました。
ビートルズファンにはなじみのジョンのエピソードが
たくさん取り込まれており、著者のビートルズ愛の深さが窺い知れます。
物語も摩訶不思議で、また家族愛に満ちた話でとてもおもしろかったです。
レノンファミリーがその後も幸せに暮らしてくれたらなあ!と思っちゃいました。
2014年6月6日に日本でレビュー済み
ウランバーナ…盂蘭盆(会)の語源。
『ウランバーナの森』は、奥田英朗さんのデビュー作です。
主人公のジョンは世界に名の知れたポップスターだが、
日本人妻ケイコとの間に息子が生まれてからは
“主夫”のような生活を送り
曲を作ることからも久しく遠ざかっている。
今年の夏も
ここ何年かそうしているように家族とともに軽井沢で過ごしていた。
ところがある日
あることがきっかけで身体に異変をきたすようになった。
久しくなかったパニック症候群がジョンを襲う。
それと同時に便秘も。
人は
過去の苦い思い出や恨みや歪んだ愛
かなえられない死者への赦し
を抱えて生きている…。
自分を許し
人を許し
いや、登場人物の言葉を借りれば
運命を許す。
そして
赤子のように
再び母の胎内からこの世に生まれ出る「再生」
主人公のジョンはジョン・レノンをモデルとしているようですが
それを考慮に入れずとも
自分の過去と
心の傷、重い鎖となっていた人たちを振り返ることができた一人の男性の再生を
自分の中で体現できるのではないかと思います。
読後は清涼感で満たされました。
『ウランバーナの森』は、奥田英朗さんのデビュー作です。
主人公のジョンは世界に名の知れたポップスターだが、
日本人妻ケイコとの間に息子が生まれてからは
“主夫”のような生活を送り
曲を作ることからも久しく遠ざかっている。
今年の夏も
ここ何年かそうしているように家族とともに軽井沢で過ごしていた。
ところがある日
あることがきっかけで身体に異変をきたすようになった。
久しくなかったパニック症候群がジョンを襲う。
それと同時に便秘も。
人は
過去の苦い思い出や恨みや歪んだ愛
かなえられない死者への赦し
を抱えて生きている…。
自分を許し
人を許し
いや、登場人物の言葉を借りれば
運命を許す。
そして
赤子のように
再び母の胎内からこの世に生まれ出る「再生」
主人公のジョンはジョン・レノンをモデルとしているようですが
それを考慮に入れずとも
自分の過去と
心の傷、重い鎖となっていた人たちを振り返ることができた一人の男性の再生を
自分の中で体現できるのではないかと思います。
読後は清涼感で満たされました。