一般読者向けに書かれた通史であるべき本シリーズにおいて、読みにくさでは筆頭格の巻である。
さらに、本書は講談社学術文庫として新たに刊行されており、読者から同様のレビューがなされている。
これでは、諸氏が書かれているようにこの巻でシリーズ読破を挫折される方も多いのではないだろうか。
もちろん、歴史学者が書いた文章だから学術用語が多用されるのは仕方がないにしても、その説明がスッキリと頭に残らない。
さらに、文章のつながりがわかりにくいため、読みずらいことこの上ない。
たとえばこうである。『豊前国に下向した、越後六郎実政は、正守護越後守(金沢)実時の子息である。実時の妻の一人は、幕府草創期、鎮西奉行として九ヵ国の国地頭を兼ねた天野遠景の子孫であり、比企能員の分国が、能員の女を母とする北条朝時・重時兄弟に継承されるような意味合いが、この人事にも籠められていたであろう。』
この文章を読んで、関連する系図も示されず理解するのは、極めて困難であるし、そもそも誰に焦点を当てようとしたものかすら、前後の文脈から読み取れないのである。
このような展開や引用が随所にみられ、その章節の本筋との関連がわかりにくくなっている。
学術的な知見から論じられたものであることは充分納得できるが、もう少し一般読者向けにわかりやすい文章であってほしかった。テーマが面白いだけに、残念至極である。
無料のKindleアプリをダウンロードして、スマートフォン、タブレット、またはコンピューターで今すぐKindle本を読むことができます。Kindleデバイスは必要ありません。
ウェブ版Kindleなら、お使いのブラウザですぐにお読みいただけます。
携帯電話のカメラを使用する - 以下のコードをスキャンし、Kindleアプリをダウンロードしてください。
蒙古襲来と徳政令 日本の歴史〈10〉 単行本 – 2001/8/7
筧 雅博
(著)
幕府倒壊は頂点で起こった
モンゴルの襲来を幕府はいかにして乗り切ったのか。代償で失われたものとは?御内人と御家人の争いの果て北条嫡流家へ権力が集中し、朝廷をもその支配下におくなか、鎌倉幕府はなぜその極盛期に倒壊するに至ったのか。後醍醐天皇の抱いた倒幕の確信とは?
モンゴルの襲来を幕府はいかにして乗り切ったのか。代償で失われたものとは?御内人と御家人の争いの果て北条嫡流家へ権力が集中し、朝廷をもその支配下におくなか、鎌倉幕府はなぜその極盛期に倒壊するに至ったのか。後醍醐天皇の抱いた倒幕の確信とは?
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2001/8/7
- ISBN-104062689103
- ISBN-13978-4062689106
この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています
ページ 1 以下のうち 1 最初から観るページ 1 以下のうち 1
商品の説明
著者について
筧雅博(かけひまさひろ)
1957年生まれ。東京大学文学部卒業。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専門は日本中世史。主な論文に『鎌倉幕府掌論』(「三浦古文化」50号)、『公家政権と京都』(「岩波講座日本通史 中世2」)、『中世王権の周辺をめぐって』(「思想」893号)がある。
1957年生まれ。東京大学文学部卒業。現在、フェリス女学院大学国際交流学部教授。専門は日本中世史。主な論文に『鎌倉幕府掌論』(「三浦古文化」50号)、『公家政権と京都』(「岩波講座日本通史 中世2」)、『中世王権の周辺をめぐって』(「思想」893号)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2001/8/7)
- 発売日 : 2001/8/7
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 408ページ
- ISBN-10 : 4062689103
- ISBN-13 : 978-4062689106
- Amazon 売れ筋ランキング: - 669,008位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 9,284位日本史一般の本
- カスタマーレビュー:
著者について
著者をフォローして、新作のアップデートや改善されたおすすめを入手してください。
著者の本をもっと発見したり、よく似た著者を見つけたり、著者のブログを読んだりしましょう
カスタマーレビュー
星5つ中3.6つ
5つのうち3.6つ
3グローバルレーティング
評価はどのように計算されますか?
全体的な星の評価と星ごとの割合の内訳を計算するために、単純な平均は使用されません。その代わり、レビューの日時がどれだけ新しいかや、レビューアーがAmazonで商品を購入したかどうかなどが考慮されます。また、レビューを分析して信頼性が検証されます。