今までのマルクス史観だと、明治維新は敗北した人民革命だという。つまり、薩長独裁政権による人民弾圧の歴史という見方が戦後から占めていたのだが、本書はそういった見方を根本的に改めて、維新の後進達がどのような日本を目指したのか?その理想と現実をどこまで整合していったのか?マルクス史観の矛盾や、佐幕贔屓の視野狭窄な研究家があえてふれようといなかった明治前期から中期までの政治的葛藤から文明開化の広がりまで描いている。
特に、薩長藩閥による独裁といいながら、彼らも民意がなければその政権基盤は危うかった事。自由民権運動自体が敗北の革命ではなく、大日本帝国憲法が発布される過程に於ける重要かつ痛みを伴いつつ、日本人が「維新の構想」を実現させた重要な運動である事を示している。
それは、故・小西四郎が言う所の人民が参加すればこその「維新の展開」であり、維新の元勲だけではなしえなかった維新革命の重要さを明らかにしている。その文言にネガティブなところは無く、憲法発布こそ維新の到達点であり、志士達が目指そうとした日本の独立を表していると言えよう。
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日本の歴史 20 単行本 – 2002/7/1
鈴木 淳
(著)
維新の構想と展開
- 本の長さ370ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2002/7/1
- ISBN-104062689200
- ISBN-13978-4062689205
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商品の説明
著者について
■鈴木淳(すずきじゅん)
1962年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、東京大学助教授。著書に『明治の機械工業』(ミネルヴァ書房)、『町火消たちの近代――東京の消防史』(吉川弘文館)、『新技術の社会誌』(「日本の近代」15巻、中央公論新社)がある。
1962年生まれ。東京大学文学部国史学科卒業。同大学大学院人文科学研究科博士課程修了。現在、東京大学助教授。著書に『明治の機械工業』(ミネルヴァ書房)、『町火消たちの近代――東京の消防史』(吉川弘文館)、『新技術の社会誌』(「日本の近代」15巻、中央公論新社)がある。
登録情報
- 出版社 : 講談社 (2002/7/1)
- 発売日 : 2002/7/1
- 言語 : 日本語
- 単行本 : 370ページ
- ISBN-10 : 4062689200
- ISBN-13 : 978-4062689205
- Amazon 売れ筋ランキング: - 373,202位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 4,978位日本史一般の本
- カスタマーレビュー:
著者について
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トップレビュー
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2021年7月8日に日本でレビュー済み
本書は五カ条の御誓文から憲法発布までの時代を取り扱う、講談社の『日本の歴史』シリーズの一冊である。
一応通史という位置づけなのだと思うが、結論としていうとあまり通史としては読めないし、そもそも一つの軸で描いた一冊の本として読みにくい。
本書は、この時代を描く通史ならばまず取り上げる事柄にほとんど記述を割かない。
例えば明治6年政変と西南戦争、あるいは明治14年政変はほとんど取り上げられない。
一方で民衆史、社会史という感じでもなく、町や農村の庶民の日常や受け止めが深掘りされるわけでもない。
本書で多めに描かれていると思うのは、旧士族や戸長、資本家などの中間実力者層の話題である。
しかし、最初の藩の解体の話は比較的まとまりがあったが、それ以降は個別個別の話題を差し込んだ感じで、全体の流れ、つながりが見えてこない構成になってしまっている。
自由民権運動や富国強兵なども断片的記述はあるものの、いろいろな場所に記述が散在していて、理解の助けになりにくい。
著者があまりバランスを考えて書いてくれていないと感じられる本である。
バランスの悪さは、例えば竹橋事件について、事件そのものの記述がわずか一行で終わってしまう(適当に読んでいたら読み飛ばしてしまうだろう)一方で、竹橋事件の原因の議論に2ページも割いていることなどに顕著に表れている。
同著者の シリーズ日本の近代 - 新技術の社会誌 は非常に面白い本だったので、おそらく筆者自身の関心は技術史・産業史とかにある一方で、このシリーズの関係上通史を書くことを求められ、このようなつぎはぎになってしまったのではないかと想像する。
著者の腕前が残念ながら伝わってこなかった一冊。
一応通史という位置づけなのだと思うが、結論としていうとあまり通史としては読めないし、そもそも一つの軸で描いた一冊の本として読みにくい。
本書は、この時代を描く通史ならばまず取り上げる事柄にほとんど記述を割かない。
例えば明治6年政変と西南戦争、あるいは明治14年政変はほとんど取り上げられない。
一方で民衆史、社会史という感じでもなく、町や農村の庶民の日常や受け止めが深掘りされるわけでもない。
本書で多めに描かれていると思うのは、旧士族や戸長、資本家などの中間実力者層の話題である。
しかし、最初の藩の解体の話は比較的まとまりがあったが、それ以降は個別個別の話題を差し込んだ感じで、全体の流れ、つながりが見えてこない構成になってしまっている。
自由民権運動や富国強兵なども断片的記述はあるものの、いろいろな場所に記述が散在していて、理解の助けになりにくい。
著者があまりバランスを考えて書いてくれていないと感じられる本である。
バランスの悪さは、例えば竹橋事件について、事件そのものの記述がわずか一行で終わってしまう(適当に読んでいたら読み飛ばしてしまうだろう)一方で、竹橋事件の原因の議論に2ページも割いていることなどに顕著に表れている。
同著者の シリーズ日本の近代 - 新技術の社会誌 は非常に面白い本だったので、おそらく筆者自身の関心は技術史・産業史とかにある一方で、このシリーズの関係上通史を書くことを求められ、このようなつぎはぎになってしまったのではないかと想像する。
著者の腕前が残念ながら伝わってこなかった一冊。
2004年3月2日に日本でレビュー済み
当たり前のことながら、年号が変わると同時にいきなり「江戸時代」から「明治時代」に日本全体がチェンジしたわけではない。本書が対象として扱うのは五箇条の御誓文から帝国憲法発布までの絞られた期間だが、その間どのような制度が定められ、それがいかに伝達され、波及していったのか、「明治」が形づくられていく過程が様々な視点からダイナミックに描き出されている。