まだ全部を読み終えてはいないのだが、タイトルから連想した中身とはかけ離れている感じがする。また、作者は江戸時代の評価を現代を起点にしているというか、現代感覚から抜け切れていないという感じがすることがあった。たとえば、江戸の町は臭かったと書いているが、本当にそうだろうか? 地方でも昭和初期には屋敷の中にくみ取り便所があり、畑に肥え溜があったが日常的に臭くはなかった。慣れているのではなく、臭くないように家屋も配慮されているし、発酵している肥え溜は臭くなくなるらしい。ましてや現代とは食べるものも違えば、風だって吹いている。くみ取り便所だから、肥を運ぶから日常的に臭いだろうとおもうのは現代人の感覚ではないのだろうか。たとえば、携帯電話やPCがなかった時代は大変だと考えるのに等しい。ない時代ではそれは別に不便でもなく、それなりに楽しくやっいたのは大人ならみんな知っていること。ほかにも性の感覚にしても、作者の考える生活と現実にあった生活とはかけ離れている感じがする。ほかにも、学問とか、まぁちょこちょことそういう違和感はあった。その部分がねじ曲げられた部分だと言われればそれまでだが。本当にそうかとかんがえるのも一興。
そういうことからいえば、「ねじ曲げられた江戸時代」のねじ曲げられた部分がどこなんだろう、どうしてねじ曲げられたかを知ろうと思うとちょっと肩透かしを食う。また、現実の江戸の世界を感じ取れるかと言えば、そうとも言えない部分はある。
でも、つまらないかといえばそうでもない。他の本当の江戸の姿を伝えようとする書物同様に楽しめると思う。
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江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた サムライと庶民365日の真実 (講談社+α新書 381-1C) 新書 – 2008/1/24
古川 愛哲
(著)
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時代劇で見る江戸の町は嘘ばっかり!
武士も町人も不倫三昧! 斬捨御免も金で解決!
鬼平はワーキングプア、派遣社員が町に溢れ、大奥の年間維持費600億円が江戸の現実!
時代小説や時代劇、チャンバラ映画といっても、伝統的な江戸の生活を活写しているわけではありません。悪代官や悪家老に虐げられた者を救うため、素浪人が侍や町奉行の捕り方に囲まれながら、彼らをバッタバッタと切り倒す―。時代劇の溜飲の下がるカタルシスは、江戸時代にもありそうで、いや、あって欲しいと思うのですが、ほとんど西洋の活劇の流用から発展して今日に至ったものばかりです。それゆえ現実の江戸時代の姿からは、ほど遠いといわざるを得ません。それでは、なぜ、江戸を知っている人たちによって、時代劇や時代小説は作られなかったのでしょうか。
●時代劇とは違う江戸の町景色
●男たちが浮世絵好きだった理由
●「生類憐み令」は悪法か?
●斬捨御免で復讐された馬鹿殿
●時代劇の切腹は不作法?
●幼君への驚愕の性教育
●農民は本当に虐げられていたか?
●誰が関東平野を開拓したのか?
●新時代到来で地方と中央に格差
●幕末の慰安婦外交とハーフの運命
武士も町人も不倫三昧! 斬捨御免も金で解決!
鬼平はワーキングプア、派遣社員が町に溢れ、大奥の年間維持費600億円が江戸の現実!
時代小説や時代劇、チャンバラ映画といっても、伝統的な江戸の生活を活写しているわけではありません。悪代官や悪家老に虐げられた者を救うため、素浪人が侍や町奉行の捕り方に囲まれながら、彼らをバッタバッタと切り倒す―。時代劇の溜飲の下がるカタルシスは、江戸時代にもありそうで、いや、あって欲しいと思うのですが、ほとんど西洋の活劇の流用から発展して今日に至ったものばかりです。それゆえ現実の江戸時代の姿からは、ほど遠いといわざるを得ません。それでは、なぜ、江戸を知っている人たちによって、時代劇や時代小説は作られなかったのでしょうか。
●時代劇とは違う江戸の町景色
●男たちが浮世絵好きだった理由
●「生類憐み令」は悪法か?
●斬捨御免で復讐された馬鹿殿
●時代劇の切腹は不作法?
●幼君への驚愕の性教育
●農民は本当に虐げられていたか?
●誰が関東平野を開拓したのか?
●新時代到来で地方と中央に格差
●幕末の慰安婦外交とハーフの運命
- 本の長さ190ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2008/1/24
- ISBN-104062724790
- ISBN-13978-4062724791
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2008/1/24)
- 発売日 : 2008/1/24
- 言語 : 日本語
- 新書 : 190ページ
- ISBN-10 : 4062724790
- ISBN-13 : 978-4062724791
- Amazon 売れ筋ランキング: - 107,109位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2012年3月21日に日本でレビュー済み
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2015年2月21日に日本でレビュー済み
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日本の歴史は天武天皇が「孟子」の易姓革命を讀んで慌てて天皇の姓を無くし、絶對的封建主義的天皇制を確立してから、絶對多數に依る日本國の支配を進めて、血みどろの天皇家の戰を經て、今日に至り、結果として、勝者に依り歪められた歴史だけが残ってしまった。眞實の歴史は闇の彼方に葬られ、勝者に都合の良い歴史に組み換へられてしまったので有る。
江戸の歴史も「官軍」と稱する天皇護持の長州閥に依って、徳川方には不利に長州閥だけに都合良く書き換へられてしまって今日の安倍内閣に至って居る。此の不合理に對して、歪められた江戸の眞實を描いて有ったのかと思って居たので少々期待外れで有った。
江戸の歴史も「官軍」と稱する天皇護持の長州閥に依って、徳川方には不利に長州閥だけに都合良く書き換へられてしまって今日の安倍内閣に至って居る。此の不合理に對して、歪められた江戸の眞實を描いて有ったのかと思って居たので少々期待外れで有った。
2010年2月10日に日本でレビュー済み
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江戸市中はのんびりぶらついている者はいなかったそうだ。皆、目的地に向かって足早に歩く。時々、天秤棒を担いだ農夫が掛け声を掛けながら通り過ぎる。うっかり傍にいたら大変だ。
「肥え取りは抜き身のように怖がらせ」の川柳は、やられた者なら切実だったろう。でも、こんな光景は時代劇には出てこない…。そんな江戸の事情に精通する著者のオモシロ話が満載。
明治後期まで「江戸の世が懐かしい」とでも言おうものなら危険思想の持ち主とされたほど江戸時代を否定したそうで、江戸を戦前と言い換えれば現代と同じだ。とすると近年その兆しは感じるが、戦前を再評価する時代がすぐそこまで来ているのか?
ほかには、”幼君への驚愕の性教育”が驚きだった。
「肥え取りは抜き身のように怖がらせ」の川柳は、やられた者なら切実だったろう。でも、こんな光景は時代劇には出てこない…。そんな江戸の事情に精通する著者のオモシロ話が満載。
明治後期まで「江戸の世が懐かしい」とでも言おうものなら危険思想の持ち主とされたほど江戸時代を否定したそうで、江戸を戦前と言い換えれば現代と同じだ。とすると近年その兆しは感じるが、戦前を再評価する時代がすぐそこまで来ているのか?
ほかには、”幼君への驚愕の性教育”が驚きだった。
2008年6月2日に日本でレビュー済み
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江戸雑学集みたいな感じの本なので、どこから読んでもいいし、どこで休止してもいい
気安さがあります。
内容も難しい部分はほとんどないので、江戸期日本史の知識はあるに越した事はありま
せんが、さほど必要ではありません。
ただ、内容の多くは江戸市街の住人の生活に関するものなので、地方や農漁村の事情が
知りたい方には物足りないと思います。
江戸住人(侍、商人、農民、工人)の経済事情については、かなり詳しく具体的に触れ
ているので、これらに興味がある方には、お薦めの一冊です。
ただ、表題の「江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた」の部分に関する叙述はとても
少ないので、ここに期待して読むと少し失望感があるかもしれません。
気安さがあります。
内容も難しい部分はほとんどないので、江戸期日本史の知識はあるに越した事はありま
せんが、さほど必要ではありません。
ただ、内容の多くは江戸市街の住人の生活に関するものなので、地方や農漁村の事情が
知りたい方には物足りないと思います。
江戸住人(侍、商人、農民、工人)の経済事情については、かなり詳しく具体的に触れ
ているので、これらに興味がある方には、お薦めの一冊です。
ただ、表題の「江戸の歴史は大正時代にねじ曲げられた」の部分に関する叙述はとても
少ないので、ここに期待して読むと少し失望感があるかもしれません。
2021年2月26日に日本でレビュー済み
武士のフトコロや秘伝!NHK時代考証資料などといったサクッと読める時代考証本が好きなお方にはとてもおすすめです。
特に生類憐れみの令の解説は目からウロコでした!
生類憐れみの令は大量の犬を収容して保護していた馬鹿げた法律だと教わってきましたが、考えてみたらその大量の犬はどこからやってきたんだって話ですよね。ここはとても勉強になりました。
星を一つ減らした点としては、秘伝〜と比べるとこちらは正直悪文気味で文章に引っかかりを覚えるところが何度かありました。難しい言葉を無理矢理に使っているのに解説もなかったり、全体的に話のトピックが思いつきのようにあっちこっちに行ったりと荒い作りになっています。あと、下ネタ多すぎです! 全体の30%は下ネタだったような^^;
特に生類憐れみの令の解説は目からウロコでした!
生類憐れみの令は大量の犬を収容して保護していた馬鹿げた法律だと教わってきましたが、考えてみたらその大量の犬はどこからやってきたんだって話ですよね。ここはとても勉強になりました。
星を一つ減らした点としては、秘伝〜と比べるとこちらは正直悪文気味で文章に引っかかりを覚えるところが何度かありました。難しい言葉を無理矢理に使っているのに解説もなかったり、全体的に話のトピックが思いつきのようにあっちこっちに行ったりと荒い作りになっています。あと、下ネタ多すぎです! 全体の30%は下ネタだったような^^;
2019年4月1日に日本でレビュー済み
読むと発見があります。確かにその通り、
時代劇にも「股旅」とか「7人の侍」など
リアルを売りにした作品も多いが、その間隙を
埋める雑学に満ちた楽しい本でした。
時代劇にも「股旅」とか「7人の侍」など
リアルを売りにした作品も多いが、その間隙を
埋める雑学に満ちた楽しい本でした。
2012年5月5日に日本でレビュー済み
実際に風俗風習などの捻じ曲げは、明治の頃から明治政府のプロパガンダとして始まっており、江戸時代生まれがほとんどいなくなった大正期に最もいい加減な時代考証の時代劇が始まり、それが昭和へと独り歩きが始まったのが現実である。隠れキリシタンなど面白い記述もある一方で、学問が道楽扱いされている個所など若干疑問がつく個所もあり、玉石混合といった印象である。
2011年3月21日に日本でレビュー済み
2000年以降、元気のない日本。日本人の良さを再考するには、日本の歴史、特に江戸時代以降の歴史を振り返るとよいと思っている。本書のタイトルはやや大げさな感が否めないが、それでも江戸時代について知らない事実がたくさんあった。少し列挙してみる。
* 一文の相場(47.6円相当)
* 長屋の家賃相場、400文(19000円)
* 男女比、吉宗治世以前は3:1
* 女性の着物はインテリアだった。
* 「年季者」の意味。現在の意味は誤用。「年季を入れる」とは、親方の人別(戸籍)に入って、衣食を与えられながら修業をすること。
* 初詣は昭和以降。江戸時代にはなかった。
* 年貢の納入は旧暦の10月から2月(3月)まで。江戸時代の会計年度は4月から始まり、今日に受け継がれる。
また、本書は江戸時代のアダルト事情についても詳しく述べている。江戸時代前半の江戸では男女比3:1だったこともあり、圧倒的に女性不足で、多くの男性が伴侶を見つけられなかったことになる。そんな世の中で楽しみの一つが浮世絵であった。また、女房の貸し借りも頻繁にあったらしい。そして驚くべきは、幼君への性教育。世継ぎを作ることは殿様の第一の務め。そのため、女中が幼君を鍛えていたとのことである。いやーなんともうらやましい。詳細はご想像にお任せします。
さて本書のタイトルどおり、明治時代にねじ曲げられてしまった代表例が、5代将軍徳川綱吉の施策「生類憐みの令」だろう。現代の評価はまるで愚策扱いだが、本当のところは違った。生類憐みの令が発せられるまで、馬や犬などの家畜は平然と捨てられた。江戸市中は野良犬だらけだったのである。「生類憐みの令」は飼育責任を問うた法律であって、家畜を捨てた者を罰する法律であった。これは今すぐにでも、学校教育で訂正して欲しい。
明治時代になると、江戸時代は全否定されることになった。「四民平等」は武士階級を否定し、「文明開化」は江戸時代までの風習を否定した。そして「生類憐みの令」などの施策も愚策として喧伝され、今日に至っている。明治時代にかけられたフィルターを取り除いて、江戸時代をあらためて再考したいものである。
江戸後期、江戸の人口は100万人に達したわけだが、これは当時世界最大級の都市であった。同時期のヨーロッパの都市が不衛生で治安が悪かったことを考えると、江戸は世界に稀に見る衛生的かつ治安の良い都市だった。そしてこれは現在の東京を始めとする日本の都市にも当てはまる。日本を訪れたことのある外国人が日本に対して賞賛やまない点、日本人が卑下して気づいていない日本の良い点は、まさにこのことである。
* 一文の相場(47.6円相当)
* 長屋の家賃相場、400文(19000円)
* 男女比、吉宗治世以前は3:1
* 女性の着物はインテリアだった。
* 「年季者」の意味。現在の意味は誤用。「年季を入れる」とは、親方の人別(戸籍)に入って、衣食を与えられながら修業をすること。
* 初詣は昭和以降。江戸時代にはなかった。
* 年貢の納入は旧暦の10月から2月(3月)まで。江戸時代の会計年度は4月から始まり、今日に受け継がれる。
また、本書は江戸時代のアダルト事情についても詳しく述べている。江戸時代前半の江戸では男女比3:1だったこともあり、圧倒的に女性不足で、多くの男性が伴侶を見つけられなかったことになる。そんな世の中で楽しみの一つが浮世絵であった。また、女房の貸し借りも頻繁にあったらしい。そして驚くべきは、幼君への性教育。世継ぎを作ることは殿様の第一の務め。そのため、女中が幼君を鍛えていたとのことである。いやーなんともうらやましい。詳細はご想像にお任せします。
さて本書のタイトルどおり、明治時代にねじ曲げられてしまった代表例が、5代将軍徳川綱吉の施策「生類憐みの令」だろう。現代の評価はまるで愚策扱いだが、本当のところは違った。生類憐みの令が発せられるまで、馬や犬などの家畜は平然と捨てられた。江戸市中は野良犬だらけだったのである。「生類憐みの令」は飼育責任を問うた法律であって、家畜を捨てた者を罰する法律であった。これは今すぐにでも、学校教育で訂正して欲しい。
明治時代になると、江戸時代は全否定されることになった。「四民平等」は武士階級を否定し、「文明開化」は江戸時代までの風習を否定した。そして「生類憐みの令」などの施策も愚策として喧伝され、今日に至っている。明治時代にかけられたフィルターを取り除いて、江戸時代をあらためて再考したいものである。
江戸後期、江戸の人口は100万人に達したわけだが、これは当時世界最大級の都市であった。同時期のヨーロッパの都市が不衛生で治安が悪かったことを考えると、江戸は世界に稀に見る衛生的かつ治安の良い都市だった。そしてこれは現在の東京を始めとする日本の都市にも当てはまる。日本を訪れたことのある外国人が日本に対して賞賛やまない点、日本人が卑下して気づいていない日本の良い点は、まさにこのことである。