小説であることを忘れ固唾を飲んでしまった。
悔し涙が出そうになった。
現在は法整備がなされ、このような状況に陥らないようになっている❗と信じたい‼️
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宣戦布告 上 加筆完全版 (講談社文庫 あ 88-1) 文庫 – 2001/3/1
麻生 幾
(著)
原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。対戦車ロケット砲で武装した特殊部隊11名が密かに上陸、逃走する。彼らの目的は何か? 未曾有の事態に政府はなす術を失い、責任のなすり合いに終始する。砂上の楼閣のごとき日本の危機管理を問うベストセラーに、最新情報を盛り込んだ完全版!
最新軍事情報満載! ベストセラー小説。
朝鮮半島からの武装兵が上陸した! 他国の侵略に対し、あまりにも無防備な日本。
警告ではない! 真実だ!
原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。対戦車ロケット砲で武装した特殊部隊11名が密かに上陸、逃走する。彼らの目的は何か? 未曾有の事態に政府はなす術を失い、責任のなすり合いに終始する。砂上の楼閣のごとき日本の危機管理を問うベストセラーに、最新情報を盛り込んだ完全版!
最新軍事情報満載! ベストセラー小説。
朝鮮半島からの武装兵が上陸した! 他国の侵略に対し、あまりにも無防備な日本。
警告ではない! 真実だ!
原子力発電所が並ぶ敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着した。対戦車ロケット砲で武装した特殊部隊11名が密かに上陸、逃走する。彼らの目的は何か? 未曾有の事態に政府はなす術を失い、責任のなすり合いに終始する。砂上の楼閣のごとき日本の危機管理を問うベストセラーに、最新情報を盛り込んだ完全版!
- 本の長さ415ページ
- 言語日本語
- 出版社講談社
- 発売日2001/3/1
- 寸法10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- ISBN-104062731118
- ISBN-13978-4062731119
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登録情報
- 出版社 : 講談社 (2001/3/1)
- 発売日 : 2001/3/1
- 言語 : 日本語
- 文庫 : 415ページ
- ISBN-10 : 4062731118
- ISBN-13 : 978-4062731119
- 寸法 : 10.8 x 1.6 x 14.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 78,250位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
- - 44位経済・社会小説 (本)
- - 1,088位講談社文庫
- - 1,926位日本文学
- カスタマーレビュー:
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
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2014年4月7日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
日本という国は、ひとたび事あれば、まともに国民を守る戦いができない国であることを突きつけた作品です。
こんな国にしたのは誰か?
自分たちの理想のために事実をねじ曲げ、嘘を教え続けた者たち、ネチネチと過去に固執し過剰な人権思想を盾に、日本国の利益を掠め取ろうとする人達。
そして共犯者は事なかれ主義で何もしなかった政治家や官僚です。
これからどうするのか? どんな国を作って行くのか?
その選択権は、私達のての中にあります。
こんな国にしたのは誰か?
自分たちの理想のために事実をねじ曲げ、嘘を教え続けた者たち、ネチネチと過去に固執し過剰な人権思想を盾に、日本国の利益を掠め取ろうとする人達。
そして共犯者は事なかれ主義で何もしなかった政治家や官僚です。
これからどうするのか? どんな国を作って行くのか?
その選択権は、私達のての中にあります。
2015年7月31日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
昔の事という感じ、安保法制の国会を見るとあれから進んだんだと感じる。
2016年11月2日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
この小説はフィクションだそうですが実際にあっても何ら不思議ではない内容です。今の日本の憲法や法律では日本人が守れないという事実と日本人を守らせない野党とマスコミのあり方を書いた警告的な内容です。
2004年8月5日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
敦賀半島には敦賀原子力発電所、美浜原子力発電所、高速増殖炉もんじゅ発電所がある。ここに北朝鮮の潜水艦が上陸して11名の兵士が潜伏する事態になったときに、日本の警察・自衛隊・政界がどう動くかをシミュレートしたのがこの小説である。不十分な法整備と、指導者の優柔不断により、警察・民間人・自衛隊に次々と犠牲者が出る。最終的には収束に向かうが、射殺も許されない警察官、十分な交戦規定もないまま前線に送り込まれる兵士は気の毒と言うしかない。日本の危機管理に対する警世の書である。
小説の構成の点では、敦賀半島で進行する警察・自衛隊の軍事作戦と、東京で進行する外事警察の防諜作戦(スパイ狩り)が同時並行的に描かれていて、立体感と緊張感を与えることに成功している。
やや話がうますぎる点もあるが、法律についても、外事警察についても、自衛隊についても良く調べて丁寧に書き込まれている。
小説の構成の点では、敦賀半島で進行する警察・自衛隊の軍事作戦と、東京で進行する外事警察の防諜作戦(スパイ狩り)が同時並行的に描かれていて、立体感と緊張感を与えることに成功している。
やや話がうますぎる点もあるが、法律についても、外事警察についても、自衛隊についても良く調べて丁寧に書き込まれている。
2014年6月7日に日本でレビュー済み
『日本の国民と国土を守るため、国内全ての原発(及び核関連施設)を
自衛隊が常駐して警護できるように、一刻も早く、改憲と法整備を!』
この小説では、北の兵士達が潜水艦を使って、若狭湾の原発付近へ
上陸したという設定になっています。
しかしながら現実には、大勢の北の工作員達が既に日本に潜伏している
のは間違いありません。何故なら、かつて国内から多数の日本人拉致を
行えた事が、潜伏している証なのです。
現在、日本国内には、60万人とも言われる朝鮮人・韓国人が
在住しており、これら大勢の工作員達を匿っています。
(彼らは、自分の子供達の教室に、首領様や将軍様の肖像画を
飾って洗脳教育を行っています)
そして工作員達は、隠密裏に海上ルートを使って、少なからぬ銃火器・
弾薬等の兵器を日本へ運び込んで、隠し持っていると思われます。
(事実として、2012年6月、北九州市戸畑区の倉庫で対戦車ロケット砲や
拳銃が見つかった事件が起きています)
そして、もし北が暴発すると、日本へ既に潜伏している大勢の工作員達が
国内で、必然的に陽動と本命の多数の破壊作戦を同時に実行します。
その工作員達の本命作戦として、原発の襲撃・占拠・破壊があるはずです。
ところが今の国内の各地の原発では警備として、たいした武装をしていません。
従って兵器を持った工作員部隊の襲撃を受けると、日本の各原発では
防御出来ず、工作員部隊は原発施設内へ容易に侵入出来ます。
襲撃されてから、警察や自衛隊が出動しても、既に工作員達は原発施設内を
占拠し、職員達を人質にして、立てこもります。
この状態になると、工作員部隊を制圧することは、もはや不可能です。
一方、工作員達が原発の技術職員を脅迫して、制御システムを操作したり、
施設内の消火栓設備を悪用し、電気系統へ放水してショートさせれば
容易に原子炉の冷却を停止出来ます。
「発電していなくても、核燃料が入っている原子炉」の冷却を停止すれば、
福島第一原発が証明したように、原子炉は必然的に熔け、爆発して
放射性物質を撒き散らします。
そして工作員達が原発職員を人質にして立てこもっている限り、冷却作業が
全く出来ず、破損した原子炉が膨大な量の放射性物質を放出し続けます。
もし複数の工作員部隊が、警備の貧弱な若狭湾沿いの10数基の原発を
一斉に襲って、各原子炉の冷却を停止すれば、勝手に爆発して、
福島原発よりも、はるかに大量の放射性物質を放出させ続けることが出来ます。
つまり北は核兵器やミサイルを全く使用せずに、京阪神地方と
中京地方、更には関東地方までを高濃度に放射能汚染させて
これらの地方の人々を被爆させ、経済活動を殆ど壊滅させられます。
先に述べたように、国内から数百人の日本人が拉致されましたが、
これは「平和ボケした日本」で、北の工作員達が容易に活動できたこと
を物語っています。
その状況は、今も変わっていないから、有事の際に大勢の工作員達は
各地の原発群を襲って、簡単に目的を達成できます。
このような事態を未然に防ぐ為には、自衛隊が原発(及び核関連施設)
に常駐して、警護するしかありません。
ところが「平和ボケ日本」には、法的な問題を言い訳する連中がいて
未だに自衛隊が原発に常駐して警護できないのですから
深刻な現実を直視していません。
しかし国土と国民を高濃度に放射能汚染させられてからでは
絶望的に手遅れです。
だからこそ、日本人を平和ボケから目覚めさせ、
自衛隊が原発を常駐警護できるよう、一刻も早く
憲法改正と関連法制の改廃整備を行わなければなりません。
南の島の領土保全も大切ですが、原発が襲撃され、
爆発させられないように警護することこそ、日本の
真の安全保障であり、それが国防であるはずです。
また、もし自衛隊が原発を常駐警護していれば、大地震などの
自然災害が発生した場合に、被害実情を即時に把握して
早期の復旧対策を立案する為の、先遣部隊として活躍できるはずです。
自衛隊が常駐して警護できるように、一刻も早く、改憲と法整備を!』
この小説では、北の兵士達が潜水艦を使って、若狭湾の原発付近へ
上陸したという設定になっています。
しかしながら現実には、大勢の北の工作員達が既に日本に潜伏している
のは間違いありません。何故なら、かつて国内から多数の日本人拉致を
行えた事が、潜伏している証なのです。
現在、日本国内には、60万人とも言われる朝鮮人・韓国人が
在住しており、これら大勢の工作員達を匿っています。
(彼らは、自分の子供達の教室に、首領様や将軍様の肖像画を
飾って洗脳教育を行っています)
そして工作員達は、隠密裏に海上ルートを使って、少なからぬ銃火器・
弾薬等の兵器を日本へ運び込んで、隠し持っていると思われます。
(事実として、2012年6月、北九州市戸畑区の倉庫で対戦車ロケット砲や
拳銃が見つかった事件が起きています)
そして、もし北が暴発すると、日本へ既に潜伏している大勢の工作員達が
国内で、必然的に陽動と本命の多数の破壊作戦を同時に実行します。
その工作員達の本命作戦として、原発の襲撃・占拠・破壊があるはずです。
ところが今の国内の各地の原発では警備として、たいした武装をしていません。
従って兵器を持った工作員部隊の襲撃を受けると、日本の各原発では
防御出来ず、工作員部隊は原発施設内へ容易に侵入出来ます。
襲撃されてから、警察や自衛隊が出動しても、既に工作員達は原発施設内を
占拠し、職員達を人質にして、立てこもります。
この状態になると、工作員部隊を制圧することは、もはや不可能です。
一方、工作員達が原発の技術職員を脅迫して、制御システムを操作したり、
施設内の消火栓設備を悪用し、電気系統へ放水してショートさせれば
容易に原子炉の冷却を停止出来ます。
「発電していなくても、核燃料が入っている原子炉」の冷却を停止すれば、
福島第一原発が証明したように、原子炉は必然的に熔け、爆発して
放射性物質を撒き散らします。
そして工作員達が原発職員を人質にして立てこもっている限り、冷却作業が
全く出来ず、破損した原子炉が膨大な量の放射性物質を放出し続けます。
もし複数の工作員部隊が、警備の貧弱な若狭湾沿いの10数基の原発を
一斉に襲って、各原子炉の冷却を停止すれば、勝手に爆発して、
福島原発よりも、はるかに大量の放射性物質を放出させ続けることが出来ます。
つまり北は核兵器やミサイルを全く使用せずに、京阪神地方と
中京地方、更には関東地方までを高濃度に放射能汚染させて
これらの地方の人々を被爆させ、経済活動を殆ど壊滅させられます。
先に述べたように、国内から数百人の日本人が拉致されましたが、
これは「平和ボケした日本」で、北の工作員達が容易に活動できたこと
を物語っています。
その状況は、今も変わっていないから、有事の際に大勢の工作員達は
各地の原発群を襲って、簡単に目的を達成できます。
このような事態を未然に防ぐ為には、自衛隊が原発(及び核関連施設)
に常駐して、警護するしかありません。
ところが「平和ボケ日本」には、法的な問題を言い訳する連中がいて
未だに自衛隊が原発に常駐して警護できないのですから
深刻な現実を直視していません。
しかし国土と国民を高濃度に放射能汚染させられてからでは
絶望的に手遅れです。
だからこそ、日本人を平和ボケから目覚めさせ、
自衛隊が原発を常駐警護できるよう、一刻も早く
憲法改正と関連法制の改廃整備を行わなければなりません。
南の島の領土保全も大切ですが、原発が襲撃され、
爆発させられないように警護することこそ、日本の
真の安全保障であり、それが国防であるはずです。
また、もし自衛隊が原発を常駐警護していれば、大地震などの
自然災害が発生した場合に、被害実情を即時に把握して
早期の復旧対策を立案する為の、先遣部隊として活躍できるはずです。
2006年9月3日に日本でレビュー済み
戦争物ではなく、危機管理を題材にした政治ドラマです。
敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着し、特殊部隊が上陸。
警察が出動するが手に負えず、自衛隊の出動となる。
ここでは日本の危機管理体制のお粗末さが、嫌と言うほど描かれます。
いつ敵の弾が飛んで来るか判らない現場から、官邸にいる首相まで、
一々伝言ゲームで発砲や武器選択の許可を得る様は、まるで漫画の
ようです。本当にこれが現実だとしたら怖いと思いました。
小説としては、北朝鮮特殊部隊側の視点が全く無いのが物足りません。
作者は日本の危機管理体制を描きたかったのだろうけど、北朝鮮
特殊部隊の潜水艦が漂着したのは予定の行動なのか、事故なのか、
何故すぐに原子力発電所を制圧せず、ぐすぐす潜伏していたのか、等が
全く描かれていないのは不満です。
これでは、突然現れた災厄として扱われているだけで、極端な話、
ゴジラでも宇宙人でも良かったのではないでしょうか。
もっとも、それではリアリティーが無くなってしまいますが。
敦賀半島沖に北朝鮮の潜水艦が漂着し、特殊部隊が上陸。
警察が出動するが手に負えず、自衛隊の出動となる。
ここでは日本の危機管理体制のお粗末さが、嫌と言うほど描かれます。
いつ敵の弾が飛んで来るか判らない現場から、官邸にいる首相まで、
一々伝言ゲームで発砲や武器選択の許可を得る様は、まるで漫画の
ようです。本当にこれが現実だとしたら怖いと思いました。
小説としては、北朝鮮特殊部隊側の視点が全く無いのが物足りません。
作者は日本の危機管理体制を描きたかったのだろうけど、北朝鮮
特殊部隊の潜水艦が漂着したのは予定の行動なのか、事故なのか、
何故すぐに原子力発電所を制圧せず、ぐすぐす潜伏していたのか、等が
全く描かれていないのは不満です。
これでは、突然現れた災厄として扱われているだけで、極端な話、
ゴジラでも宇宙人でも良かったのではないでしょうか。
もっとも、それではリアリティーが無くなってしまいますが。
2010年1月11日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
「北朝鮮が日本に攻めてくる」、21世紀に入ってあながち空想とは言えない現実味を帯びてきたテーマをよく書いている。
有事法制がまだ存在しない時期、野党の追及を恐れて「正当防衛」その他の「神学的」言い訳に固執して、後手後手に回り損害を拡大していく日本政府。重火器を持ったプロの北朝鮮武装工作員に丸腰に近い警察で対応しようとするところは1976年のベレンコ中尉亡命事件を髣髴させ、首相官邸に情報が届くのに何時間もかかるところは明け方に起こった阪神淡路大震災をよそ事として昼近くまでのんびりと閣議を行って村山内閣を思い出させる。21人という少数の北朝鮮ゲリラの規模によるものか、米国があえて「日本が国内で解決すべき」と直接手を下さないことからつのる危機感。その代わりに台湾海峡に展開した米国第7艦隊に反応して臨戦態勢をとる中国。東アジア全域が戦争状態になりそうな危機がよく描写されている。
二重三重の間接コンタクトによるスパイ活動の諜報戦なしに、物理的暴力のみによる戦争がありえないことを思い知らされる。戦闘行動の描写も、映画的なドンパチではなく、実戦経験はおろか年間数えるほどしか実弾を撃ったことのない自衛隊員が、自分と変わらない「人間」としてどう殺し合いに赴くかが、よく描けている。
危機が最終的にあまりにもあっけなく回避されるところが肩透かしと言えばそれまでだが、金正日のある意味での臆病な性格がよく描けているとも言える。
不満なところを強いて挙げれば…
・最初の1章は「業界用語」がやたら頻発する「オタク」っぽさが鼻につく
・北朝鮮問題で大きなキーとなる韓国とロシアのことがほとんど出てこない
・米国を巻き込んだ全面戦争に発展する危険を侵してまで、北朝鮮が日本の原発に対して破壊工作を行う動機が全く不明。工作部隊がさっさと原発に到達せずに民間人や自衛隊に攻撃を仕掛けるのは、彼らも日本側の出方をはっきり把握しているのではないからと、解釈できなくもないが…
・危機の回避をもたらしたダブルエージェントによるディスインフォメーションの提供過程で、ダブルエージェント役に手の内を明かしてしまう不自然さ
でも、とにかく面白い。もし再加筆版が出るようなことがあれば、迷うことなく買うだろう。
有事法制がまだ存在しない時期、野党の追及を恐れて「正当防衛」その他の「神学的」言い訳に固執して、後手後手に回り損害を拡大していく日本政府。重火器を持ったプロの北朝鮮武装工作員に丸腰に近い警察で対応しようとするところは1976年のベレンコ中尉亡命事件を髣髴させ、首相官邸に情報が届くのに何時間もかかるところは明け方に起こった阪神淡路大震災をよそ事として昼近くまでのんびりと閣議を行って村山内閣を思い出させる。21人という少数の北朝鮮ゲリラの規模によるものか、米国があえて「日本が国内で解決すべき」と直接手を下さないことからつのる危機感。その代わりに台湾海峡に展開した米国第7艦隊に反応して臨戦態勢をとる中国。東アジア全域が戦争状態になりそうな危機がよく描写されている。
二重三重の間接コンタクトによるスパイ活動の諜報戦なしに、物理的暴力のみによる戦争がありえないことを思い知らされる。戦闘行動の描写も、映画的なドンパチではなく、実戦経験はおろか年間数えるほどしか実弾を撃ったことのない自衛隊員が、自分と変わらない「人間」としてどう殺し合いに赴くかが、よく描けている。
危機が最終的にあまりにもあっけなく回避されるところが肩透かしと言えばそれまでだが、金正日のある意味での臆病な性格がよく描けているとも言える。
不満なところを強いて挙げれば…
・最初の1章は「業界用語」がやたら頻発する「オタク」っぽさが鼻につく
・北朝鮮問題で大きなキーとなる韓国とロシアのことがほとんど出てこない
・米国を巻き込んだ全面戦争に発展する危険を侵してまで、北朝鮮が日本の原発に対して破壊工作を行う動機が全く不明。工作部隊がさっさと原発に到達せずに民間人や自衛隊に攻撃を仕掛けるのは、彼らも日本側の出方をはっきり把握しているのではないからと、解釈できなくもないが…
・危機の回避をもたらしたダブルエージェントによるディスインフォメーションの提供過程で、ダブルエージェント役に手の内を明かしてしまう不自然さ
でも、とにかく面白い。もし再加筆版が出るようなことがあれば、迷うことなく買うだろう。